批判する相手は自国政府でしょうに…
昨日の『日韓メディアが「文在寅韓国大統領が訪日断念」と速報』で「速報」的に取り上げ、今朝の『文在寅氏訪日失敗:なぜ読売新聞は「間違えた」のか?』でも取り上げた、文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領の来日断念を巡り、その「余波」が続いています。こうしたなか、本稿では、まったく予想どおり、韓国メディアに「日本への逆ギレ」社説が掲載されていたようです。
目次
文在寅氏来日騒動
文在寅氏訪日巡る日本政府の対応は当然
昨日の『日韓メディアが「文在寅韓国大統領が訪日断念」と速報』で「速報」的に取り上げ、今朝の『文在寅氏訪日失敗:なぜ読売新聞は「間違えた」のか?』でも考察したのが、文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領の訪日が実現しないことになった、とする話題です。
これについては当ウェブサイトでも事実関係を含め詳しく取り上げたほか、韓国大統領府の報道発表や日韓両国政府の報道もいくつか出ていることに加え、菅義偉総理大臣自身も昨日、首相官邸で会見に応じて所見を述べているため、ご存知の方も多いでしょう。
これらをまとめると、韓国政府はかねてより、文在寅氏の東京五輪を契機とした訪日と、日韓間の諸懸案を解決するための日韓首脳会談の開催を希望していたとされますが、これに対し日本政府側は「(文在寅氏が)いらっしゃるなら外交上は丁寧に対応する」とする姿勢で一貫していました。
考えてみれば、日本政府の対応は、当然です。
自称元徴用工問題にせよ、自称元慰安婦問題にせよ、日韓関係がギクシャクする原因を作ったのは一方的に韓国の側であり、日本がこの問題で一歩でも譲歩するいわれはないからであり、また、日本が国家でありたいならば、一歩たりとも譲ってはならないからです。
過去に日本政府が譲歩したことについては直視すべき
ただし、誤解してはならないのは、自称元徴用工問題と自称元慰安婦問題、どちらも日本の側に責任が皆無というわけではない、という点です。
たとえば、自称元慰安婦問題に関しては、1993年に当時の官房長官だった河野洋平が発したいわゆる『河野談話』のなかで、「当時の軍の関与の下に」、慰安所の設営や慰安婦の輸送などが行われた、などと謳われていました。
実際、この河野談話自体、「慰安婦の強制連行が行われたことを日本政府が事実上認めた証拠」として使われてしまっているというわけであり、また、日本政府は自称元慰安婦問題を明確に否定しなかったばかりか、2015年の「日韓慰安婦合意」を通じて金銭を支払っていたりもします。
また、自称元徴用工問題については、2015年のユネスコ総会で、当時のユネスコ大使だった佐藤地(さとう・くに)なる者が、あたかも明治期の産業革命関連施設の一部で朝鮮人の強制労働が行われたかのような発言をしてしまっています。
もちろん、外務省なりに慎重な言い回しをこねくり回したのかもしれませんが、韓国を相手にこんな談話なり、方針表明なりをしてしまうこと自体、相手に付け入る隙を与えることになりかねません。
その意味では、日本政府の過失を「まったくのゼロ」とまで見てしまうのは、少し行きすぎでしょう。
それでも事態収拾責任は韓国の側に
ただ、自称元慰安婦問題に関しては、確かに2015年12月28日の日韓慰安婦合意により、最終的かつ不可逆的な解決が日韓両国政府間で確認されましたので、それ以降に関する「慰安婦問題蒸し返し」の問題は、すべて韓国政府側に責任があります。
また、自称元徴用工問題に関しては、2018年10月と11月の韓国大法院(※最高裁に相当)の判決を受け手、日本政府としては2019年1月以降、日韓請求権協定の定めに従った問題解決プロセス(外交的協議→国際仲裁→第三国仲裁)を韓国側に提案し続けています。
韓国はこれらの手続を一切無視し続け、結局は2019年7月19日になって、韓国による「問題解決手続を無視した」という実績が完成してしまいました(『「河野太郎、キレる!」新たな河野談話と日韓関係』等参照)。
したがって、自称元徴用工問題に関しても、2019年7月19日以降は、国際法に従って問題を解決する全責任が韓国側に移ったと考えて差し支えありません。
中央日報社説に見る韓国の発想
中央日報が社説で「韓日関係は最悪」
もっとも、韓国側の主張を眺めていると、この期に及んで、「韓日関係の悪化には、日本政府にも責任がある」、といった主張を見かけることがあります。
韓国メディア『中央日報』(日本語版)に掲載された次の記事など、その典型例でしょう。
【社説】大統領訪日見送りで確認された最悪の韓日関係
―――2021.07.20 10:18付 中央日報日本語版より
中央日報の主張は、こうです。
「東京五輪開会式出席を契機に韓日首脳会談を成功させ悪化の一途をたどる両国関係に突破口を用意しようとしていた韓国政府の構想は水の泡になった」。
はて、そもそも韓国政府は「両国関係に突破口を用意する」ために、具体的にどんな努力をしてきたというのでしょうか。
文在寅政権は、国民を説得し、これらの問題をすべて「韓国の国内問題」として取り扱おうとする動きを見せたのでしょうか。あるいは自称元慰安婦、自称元徴用工らを説得し、「日本政府、日本企業を訴えないでほしい」などと調整したのでしょうか。
残念ながら、韓国側にこうした努力はまったく見られません。
続きを読みましょう。中央日報は文在寅氏の訪日キャンセルについて、次のように述べます。
「せっかくの機会さえ生かすことができない韓日関係の現住所は残念なばかりだ。韓日関係が1965年の国交正常化以降で史上最悪という表現が誇張でないことを如実に見せる事件だ」。
「せっかくの機会」と言われても、べつに日本政府側は東京五輪を「日韓和解の場」に利用しようとは思っていませんし、「残念な韓日関係」を作ったのはすべて韓国の側でもあります(※なお、「日韓関係が史上最悪」という点については、思うところもあるので、後述します)。
驚くべき、中央日報の「逆ギレ」
こうしたなか、中央日報は驚くことに、まず日本政府に逆ギレして見せます。
「まず日本政府に強い遺憾を表明せざるをえない。最近韓国政府が首脳会談開催に積極的だったのに対し日本政府が消極的だったのは明白な事実だ」。
そもそも論ですが、キレる相手が違います。
ただでさえ多忙な東京五輪の折、日本にとっての成果が望めない日韓首脳会談ごときに、日本政府が積極的になるはずがないでしょう。それなのに、中央日報はこう続けます。
「日本政府は最大の懸案である強制徴用・慰安婦問題に対する解決策を韓国政府が先に提示しろという態度で一貫した」。
逆に、中央日報の社説執筆者の方にお伺いしたいのですが、国際法、国際条約、国際約束を破っているのが韓国の側であるという明白な事実を踏まえると、国際常識的に見れば、日本政府のこの態度に、何か問題でもあるというのでしょうか。
あるいは、「国際常識」という表現が嫌いならば、貴国が大好きな表現を使いましょう。
「被害者としての道徳的優位性」を持っているのは日本の側であり、「加害者としての道徳的劣位性」を持っているのは韓国の側です。それでも、日本政府の行動になにかおかしな点があるとでもいうのでしょうか。
中央日報に限らず韓国メディア全般にいえることですが、あたかも「日本がなにか悪いことをしている」かのように責め立てるような記述、よく読んでみると、日本の側に過失が皆無である、という事例が多すぎるのです。
日韓関係「悪化」?
さて、こうしたなか、「日韓関係悪化」、という表現についても、少し注意が必要と考えます。
そもそも、一般的にこの「悪化」という用語は、「好ましい状態から好ましくない状態に移ること」を意味しますが、このような観点から、現在の日韓関係に「悪化」という表現を当てはめることが正しいのかどうかについては微妙でしょう。
もちろん、日韓首脳の相互往来や対話などがなされない状態は、通常の「友好国」間の関係としては異例なものですし、また、日韓はともに米国の同盟国であり、「日米韓3ヵ国安保協力」を推進することを米国から求められている、という立場にあります。
したがって、「日韓首脳の円滑な意思疎通」が行われている状況を「通常の状態」と定義づけるならば、それが滞っている状況は、間違いなく「悪化」と呼んで良いと思います。
しかし、それと同時に日韓では、韓国が日本に対し、国際的な法や常識に照らして異常な難癖をつけてきて、日本がそれに対して譲歩してあげる、という関係が続いて来たことも事実でしょう。
そして、韓国側のいう「韓日関係の悪化」は、「日本がわが国に対して譲歩してくれなくなった」ことを指していることもある、という点には要注意です。もしも「日本が韓国に一方的に譲歩することをやめた」のであれば、それは「関係悪化」ではなく、むしろ「関係正常化」と呼ぶべきだからです。
相馬公使の更迭はあるのか?
これを踏まえたうえで、中央日報の社説の記述に戻りましょう。
少し面白いのが、例の『駐韓公使「暴言」問題で期待する日本政府の「塩対応」』でも紹介した、相馬弘尚総括公使の「問題発言」に関する記述です。
「土壇場で出てきた日本公使の発言は国民的憤怒を呼び起こした。悪化した世論を押し切ってこれといった成果がないことが確実視される中で日本行きを選ぶことは現実的に困難が大きかっただろう」。
相馬公使の発言自体は、オフレコの場であったとはいえ、菅総理なども述べているとおり、「外交官として極めて不適切な発言」であることは間違いありません。
ただ、中央日報の記述からは、文在寅氏訪日構想を巡る日本政府の「塩対応」に関し、相馬公使の発言が文在寅氏の訪日を諦めさせる「決定打」のひとつとなった、という可能性を示唆しています。
おそらく韓国側は、日本政府がただちに相馬公使の更迭を決定し、本国に召還する、などの措置を期待していたフシがありますが、現在のところ、相馬公使には相星孝一駐韓大使からの厳重注意処分がなされたのみであり、それ以上の処分については、日本政府はまだ何も発表していません。
これも、日本が韓国に譲歩しなくなった証拠と見るべきでしょうか。
いずれにせよ、今回の一件も、日韓関係が(「悪化」、ではなく)「正常化」するなかでのひとつの「騒動」と見るべきなのかもしれない、と思う次第です。
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オウム返しの好きな彼らの次の反論は分かります。日王マスターべ◯◯でしょう。
溜飲が下がって爽やかな気持ちになるのでしょうね。
詐欺師が、せっかく仕掛けるチャンスだったのにと喚いているんですね、わかります。
なんとなく解ります。
中央日報記事より引用:
相変わらず、韓国人は「イルボンはウリナラと仲良くしたがっている」という前提で物事を考えているので、現実と擦り合わないのですね。
はい、出ました、「お互いに」「どっちもどっち」。これも0:100理論のバリエーションです。
まぁ… 彼らは、変わらない、変われない、ですので、こちらが離れていくしかありません。
当時、ユネスコ委員だった佐藤地さんのお陰で、今も端島の元住民は酷い嫌がらせを受けています。ユネスコだけではなく、同胞の朝日新聞の記者にまで。外務省が正しい歴史と認識を醸成できないようでどうするのかと考えさせられる話で、これは政治家の河野(父)さんよりずっと問題の根が深いと感じます。外務省は今までのいいかげんな立ち振る舞いを正し、日本のためにさらに働いて欲しいものです。
>残念ながら、韓国側にこうした努力はまったく見られません
これはそうとも言えないでしょう。彼らは彼らなりにやってる筈です。
多分水面下では事務局レベルで何度もやり取りがあったと思います。
その全貌を明らかにして欲しいもんです。
韓国相手なら、外交上のお約束も紳士協定も関係ありませんから。
文氏がもしいらっしゃるなら丁寧な対応をする。
首脳会談もする。
赤坂迎賓館での歓待も検討する。
懸案事項も議題にあげる。
公使更迭も検討する。
これで来ないんじゃ平昌五輪への安倍さん出席に対して明白な外交欠礼ですよね。
こういう事実を徐々に積み重ねて国際社会の中において韓国の異常性を既成事実化するのも良かろうと思います。
DVストーカーが被害者に対してする発言そのものだな。
社会通念的には、被害者は「距離をとる」の一択です。
更新ありがとうございます。
昨日から食欲減退気味で、ビールにワイン、枝豆から始まり肴、大盛メシ1杯と、モンブランのケーキまで、2時間しか夕食を食べれませんでした。
私見ですが、文訪日ナシが気に入らないなら、五輪から韓国チームはキャンセル、帰国すれば更に私の食欲が減退するのに、と思います。変な虎の幕も引っ込めて欲しいですネ〜。IOCさん、頼みますヨ〜。
「3大懸案の一つでも解決すれば」、、エ?何の謝罪も対策もナシで、日本に譲歩しろと?ハナシが全然噛み合いませんな。日韓首脳会談など、大統領が変わろうと二度と無いと思う。
ボソボソ喋る菅義偉僧侶、なかなかやり手ですネ!ややこしいのが一つ無くなったわ(笑)。
虎のアレ、加藤清盛降臨フラグでしょうか?
引っ掛かったオタク様
エ〜ッ!加藤清正公の虎退治ですか?私も頭を掠めましたが、「虎(寅)退治」って自虐ネタですやん!(笑)。またIOCに降ろさせられるに1,000Wかけます。
真偽の程は…でアリマスが、
IOC に降ろさせられたヤツの元ネタとかいう休戦破り返り討ち将軍のアレ…どうも日本人作家某からのパクリだとかってハナシも…
アー正が盛になってましたスンマセンデス
まあ、「日本が悪いニダ!」までがお約束ですからね。
腹は立ちますが、今日もK国は平常運転という事で。
北朝鮮の新聞で「行くな」と言われて訪日を取り止めたのだから、まさに平壌運転ですね。
文大統領の訪日回避は、韓国ネットで概ねポジティブで、左派系ダウムのイイネは、誰かが操作していると思えるほど多くなってます。
韓国マスコミは、韓国政府を支持する記事を書かないと、韓国人から「親日派」と非難されます。
日本のように日本政府の批判が大勢のマスコミとどっちがマシかは、どっちもどっちだと思います。
韓国政府は、韓国人なりの努力をしたんだと思います。その努力は、永遠にノーベル賞を取れない様な努力で、日本人には理解出来ない努力だけど、韓国人同士では分かる努力。
「日本は譲歩するニダ、日本が悪いニダ」を1日1万回唱える、S学会の勤行のような努力が分からない日本は、韓国への愛は無いニカ!
ロイターから
> 加藤勝信官房長官は20日、韓国の文在寅大統領が東京五輪開幕に合わせた訪日を断念したことに関し、「背景について日本政府として答える立場にない」と語った。
加藤官房長官には、通用しないニダ。