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【読者投稿】中国は、北朝鮮を捨てようとしているのか

当ウェブサイトでは読者投稿を歓迎しており、投稿要領等につきましては『【お知らせ】読者投稿の常設化』、過去の読者投稿については『読者投稿一覧』にまとめています。こうしたなか、先日は「ゲーム理論」シリーズなどの良質な論考を寄稿して下さった「イーシャ」様というハンドル名の読者様から、今回も興味深い仮説の転載依頼をいただきました。

読者投稿につきまして

当ウェブサイトでは、2016年7月のサイト開設以来、「読んで下さった方々の知的好奇心を刺激すること」を目的に、おもに政治、経済の分野から話題を選んで執筆した論考を、日々、原則としてすべての方々に無料で提供しております。

また、「知的好奇心を刺激する」という営みのためには、ときとして、自ら文章を書いてみることも有益です。こうした考え方から、「自分もぜひ、文章を書いてみたい」という方からの読者投稿につきましては、常時受け付けています。

(※なお、投稿要領等につきましては、『【お知らせ】読者投稿の常設化/読者投稿一覧』等をご参照ください)。

こうしたなか、以前から「イーシャ」様というコメント主様は、ご自身が所有する個人ブログ『夏は涼しく過ごそう ~快適節電ライフ~』に発表した論考のうちいくつかについて、当ウェブサイトへの転載依頼をしていただいています。

直近で転載依頼があったものの例としては、「ゲーム理論」に関するブログ記事があり、転載したものについてはそれぞれ下記リンクで読むことができます。

この4つの論考は、いずれも専門知識を使いながらも、この手の論考にありがちな複雑な計算式、持って回った言い回しなどが出てこないため、ゲーム理論を知らない人でも平易に読んでいただける、非常に良質な記事ではないかと思います。

こうしたなか、本日はイーシャ様から『工学研究者の備忘録「中国が北朝鮮を捨てる可能性」』というブログ記事の転載依頼をいただきました。

(※なお、当ウェブサイト側の都合上、記事タイトルを変更しているほか、目次については元記事のものと異なっている部分があり、また、当ウェブサイト側にて一部の表現を加除修正している箇所もあります。原文に関してはイーシャ様のブログでご確認ください。これ以降がイーシャ様からの投稿文です。)

工学研究者の備忘録「中国が北朝鮮を捨てる可能性」

成果を出す2つのタイプ

研究生活を長年続けるうちに、成果を出す人には、2通りのタイプがあると感じるようになりました。

第1のタイプは、コツコツと地道にデータを積み上げ、そこから結論を導き出す人です。

第2のタイプは、わずかなデータから他人が予想しない仮説を立て、あとで検証する人です。

どちらがよいというわけではありません。私の経験では、それぞれに秀でた人が協力し、ときに喧嘩をしながら仕事を進めるとき、一番成功したように思います。

ただ、私が知る研究者は、大部分が前者です。後者に属する人は、数人しか記憶にありません。

そして、私自身は、後者だと思っています。

両者の違いは、おそらく思考過程の違いから生じるのでしょう。

前者の思考過程はわかりやすいのですが、後者の思考過程は理解し難いもののようです。実際、後者本人にも、直感としかいいようのないことが多々あります。

NM法を考案された中山正和先生を含め、直感的にアイデアを引き出す方法の大家の方にお話を伺ったことも何度かありますが、これが全てだといえるものはなさそうです。

ニュースを読むなかで、第2のタイプの特徴が現れているかもしれない過程を経てたどりついた仮説があるので、思考過程とアイデアの出し方を伝えるための備忘録を兼ねて、記しておきたいと思います。

不可解な事象北朝鮮の物価動向と為替レート

思考は、疑問を持つことから始まります。

疑問を感じざるを得ない不可解な事象に遭遇すると、その背後にあるものを追究したくなります。

そんな不可解な事象が、普段は触れることが少ない北朝鮮の情報に含まれていました。

6月15日に調査されたという、北朝鮮の物価と為替レートの動向です。

<北朝鮮内部> 食糧が謎の高騰で市場混乱 トウモロコシ2.4倍に 「市場は阿鼻叫喚です」

―――2021.06.15付 アジアプレス・ネットワークより

5月28日に比べ白米は1.7倍、トウモロコシは2.4倍の上昇、中国元は40%も下落した。(中略)注目すべきなのは、6月4日に突然、中国元と米ドルが急落したのを契機に物価高騰が始まったことだ。また、中国元に換算した食糧価格の高騰は明らかに異常である」。

記事からは、白米やトウモロコシの価格は、全て朝鮮ウォンでの比較だということがわかります。

(※為替レートについては、上昇/下落の定義が国によっては逆のことがあるので注意が必要ですが、この記事では、朝鮮ウォンに換算した中国元や米ドルの価値下落であることが確認できます。)

不可解な事象です。

物価の上昇だけなら、武漢肺炎で北朝鮮が事実上国境を閉ざしたことなどで、食糧難に直面していることで説明可能でしょう(事実、次のような報道もあります)。

北朝鮮と中国の貿易総額90%減変異ウイルスで移動制限強化か

―――2021年6月18日23時26分付 NHK NEWSWEBより

しかし、仮に交易が完全に止まったとしても、いずれ交易が再開されれば、それが公式なものであれ密輸であれ、食糧が輸入されるでしょう、そのときには外貨が必要になります。中国元や米ドルの価値下落が同時に起こるのは、不自然なのです。

食糧の極端な欠乏が知れ渡って高騰が始まり、それを押さえるために当局が北朝鮮ウォンの供給を絞り、朝鮮ウォン高につながった可能性はあります。

ただ、それなら、後に物価は低下傾向を見せるでしょう。現実はそうなっていません。

また、この仮説には、信頼性を低下させる要因が含まれています。それは、「食糧の極端な欠乏が知れ渡った」という前提と、「当局が北朝鮮ウォンの供給を絞った」という前提を2段重ねにしていることです。

真偽を確認できない前提を積み重ねると、全ての前提が真である可能性が急激に低下してしまいます。

前提を積み重ねることなく、すべてを説明できる仮説を探すべきです。

誰かが、大量の中国元や米ドルを売って、食糧の調達に走った可能性もあります。

しかし、外貨を多量に持っている層なら、そこまでしなくても食糧を確保するのも容易で、備蓄もあるのではないでしょうか。

仮説:「中国は北朝鮮を捨てようとしている」

食糧の欠乏、当局の介入、売り惜しみなど、いろんな可能性を考えてみましたが、北朝鮮内部の要因だけでは、物価と北朝鮮ウォンの同時高騰を、うまく説明できませんでした。

一方、中国との関係で、中国元の価値が急落する可能性を考えると、説明可能な仮説を立てることができました。

「中国側が、武漢肺炎のパンデミックが収まった後も、北朝鮮との交易を再会しないと通告した」という仮説です。

交易停止は、北朝鮮には制御できない、中国側からの一方的な措置と考えます。

食糧不足を解決できない恐れが高まり、北朝鮮で物価が急騰してもおかしくありません。

交易に使えないなら、持っていても仕方がない中国元の価値は急落するでしょう。

米ドルはどうでしょうか。

中国との交易でも、部分的には米ドルが使われていた可能性はあります。

では、中国以外との交易はどうでしょうか。

金額的には中国に及ばないとしても、韓国やロシアからの輸入も考えられるでしょう。その際に使われる通貨としては、朝鮮ウォンや中国元よりも、米ドルが好まれるでしょう。

だとすれば、米ドルの価値は上昇する可能性こそあれ、大幅に下落はしないはずです。

下記ページのデータで検証してみましょう。

<北朝鮮>市場最新物価情報

―――アジアプレスネットワーク

図表1 中国元・米ドル
日付 中国元 米ドル
2021/06/15 590ウォン 5,000ウォン
2021/06/08 640ウォン 5,200ウォン
2021/06/04 670ウォン 5,900ウォン
2021/05/28 970ウォン 6,700ウォン

(【出所】『<北朝鮮>市場最新物価情報』データをもとに著者作成)

日を追うごとに、米ドルも安くなっていました。5月28日を基準にした6月15日の下落率は、中国元39.2%、米ドル25.4%と比較的大きな差はありますが、上の仮説を支持するには、根拠として弱そうでした。

そう判断して、仮説をいったん保留しました。

しかし、一週間後、次のようなデータが追加され、状況が変わりました。

図表2 中国元・米ドル
日付 中国元 米ドル
2021/06/22 505ウォン 5,450ウォン

(【出所】『<北朝鮮>市場最新物価情報』データをもとに著者作成)

中国元はさらに14.4%続落し、米ドルは9.0%反騰したのです。

同時に、データからは、食料品や燃料の価格は更に高騰していることもわかります。唯一、中国元だけが下落しているのです。

仮説が成立する可能性が出てきました。

果たして、これまで日米を揺さぶるために北朝鮮を利用してきた中国が、突然北朝鮮を捨てるようなことをする理由はあるのでしょうか?

視点を変えて仮説を補強する “THE LONGER TELEGRAM”

仮説を提唱する際、気をつけねばならないことがあります。

まったく異なる視点から、自ら仮説を検証してみることです。

ひとつの視点で捕らえただけでは、根拠が弱いからです。

中国の動きを考える際、注目しておくべき資料があります。

米国の新たな対中国戦略として、 “Atlantic Council” に寄稿された、 “THE LONGER TELEGRAM” です。

この論文が、そのまま米国の政策となるか否かは断定できません。

ただ、世界中で注目され、研究されていることは確かです。中国も、警戒の目で研究しているでしょう。

この、 “THE LONGER TELEGRAM” は、「中国がレッドラインを越えたとみなさねばならない項目」を示しています。第2と第3の項目は、以下の通りです。

  • any Chinese military attack against Taiwan or its offshore islands, including an economic blockade or major cyberattack against Taiwanese public infrastructure and institutions
  • any Chinese attack against Japanese forces in their defense of Japanese sovereignty over the Senkaku Islands and their surrounding exclusive economic zone (EEZ) in the East China Sea

意訳しておきましょう。

  • 台湾またはその沖合の島々に対する中国の軍事攻撃。これには、台湾の公共インフラおよび機関に対する経済封鎖や大規模なサイバー攻撃を含む
  • 尖閣諸島と周辺東シナ海の日本の排他的経済水域(EEZ)に対する主権を守る自衛隊に対する、中国の攻撃

最近の台湾に対する米国の行動や、2021年4月16日に発表された日米首脳共同声明は、これに沿ったものになっています。中国としては、バイデン米政権が、 “THE LONGER TELEGRAM” を基本戦略に採用している可能性を考慮せざるを得ないでしょう。

取り上げる順序は逆になりますが、 “THE LONGER TELEGRAM” が、「中国がレッドラインを越えたとみなすべき」とする、第1の項目は以下のものです。

  • any nuclear, chemical, or biological weapons action by China against the United States or its allies, or by North Korea where China has failed to take decisive action to prevent any such North Korean action

意訳すると、以下のようになります。

  • 米国またはその同盟国に対する中国による、核兵器、化学兵器、生物兵器の使用、または、中国が北朝鮮の行動を阻止することに失敗し、北朝鮮がそれらを使用した場合

中国による直接の軍事行動だけでなく、中国が北朝鮮による大量破壊兵器の使用を押さえられなかった場合にも、中国がレッドラインを越えたとみなすべきだとしているのです。

「中国が、北朝鮮の暴走が自国に対する直接攻撃を招くことを恐れ、今のうちに北朝鮮を切り捨てることにより、仮に北朝鮮が暴走したとしても無関係だと言える状況を作ろうとしている。あるいは、北朝鮮を弱体化しておこうとしている」――。

そういう可能性が、あるのではないでしょうか。

ここで、「中国が、 “THE LONGER TELEGRAM” を考慮して行動をしている」ことを前提にしました。

これは、ひとつの視点に対する2段重ねの前提ではなく、異なる視点に対する独立したものです。

自ら考えよう 検証は時に委ねればよい

上の仮説が正しいか間違っているかは、現時点では判断できません。

逆に、北京を核ミサイルの射程に収める北朝鮮に対して、中国が怒りを買うようなことをするはずはないと考えることもできます。実験的に検証可能なことでしたら、この後、実験方法を考えるのですが、政治的な問題では、そういうわけにはゆきません。

いずれ、北朝鮮と中国、北朝鮮と他の国との関係がどうなるかで、自然と答えが出るでしょう。

検証は時に委ねたいと思います。

そして、仮説を否定する事象が発生すれば、それは新たな仮説へと導く鍵になるのです。

以上が、今回考えた仮説の内容と、その思考過程です。

思考過程については、厳密には、 “THE LONGER TELEGRAM” の内容が先に頭にあり、アジアプレスネットワークの記事を読んだとき、両者が結びついて仮説を形成したのですが。

研究現場では、一見バラバラに見える多くの事象が、何かの機会に有機的に結合して、ひとつの仮説を形成します。

その際、ひとつの仮説で説明できる不可解な事象が多ければ多いほど、仮説が正しい可能性が高くなります。不可解な事象が多いからと言って、統一的な仮説を立てるのが難しいとは限りません。逆に容易になることもあります。

こうしたことは、自分で経験した人にはわかっても、そうでない人に説明するのは困難です。

この記事が、そうした経験のない人にも、なんとなく理解していただくきっかけになれば幸いです。

そして、さまざまなことを自ら考えようとする人が1人でも増えるきっかけになることを、願ってやみません。<了>

読後感

いかがでしょうか。

今回の論考、あくまでも「仮説」ですので、結果として正しくなかった、という可能性はあるでしょう。

ついでにもうひとつ、個人的体験などももとに苦言を申し上げておくと、一見直感に合わない仮説に対しては、発表した直後には「バカげている」などの暴論を受けることもあります(誰のこととは申しません)。

ただ、ときとして突拍子に見える仮説も、あとから振り返ったら「結果的には正しかった」、という事例もありますが、あくまでも個人的理解に基づけば、その正誤というよりはむしろ、「思考過程」にこそ、価値があります。

なにより、一見バラバラに見える多くの事象を有機的に関連付け、ひとつの仮説に統合していく」というのは、大変に楽しいだけでなく、私たち人間社会の進歩にとって大切な作業でもあります。間違っていたら間違っていたで、次回に生かせば良いのですから。

「バカ」などと暴言を吐く人物は、まさにそのようなことを経験したことがないのでしょう。

いずれにせよ、イーシャ様の今回の論考、大変に新鮮な視点であり、興味深いものだと思いますし、今後の指標の動向には注意してみたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (47)

  • イーシャ 様

     思考実験過程を開示していただきありがとうございます。

    この投稿では、明示されていませんが、”視点を変えて仮説を補強する”で暗示的に、
    どちらのタイプにも必要なのは、データの矛盾を矛盾として、その原因を探る事、その過程で常識を疑う事を忘れないという事の様ですね。朝鮮人には無理の様ですが。

    この話題の答えに迫るためには、北朝鮮の統制経済での価格決定メカニズムと
    為替レート決定メカニズムの解明及び、アジアプレスのデータがそっれらをどれだけ反映しているかを調査するのが近道かもしれませんね。

  • 自分は為替について講釈できる知見はありませんが、取引の絶対数が極端に少ない時、ごくわずかな取引で異常が発生するのを、見たことがあります。年末なんかに稀に起こります。ほぼ鎖国で市場が死んでるんじゃないですかねー。
     

  • 自分は傍から見ているだけだが、北朝鮮ってあまり中国の言う事をきいていない気がする。
    中国にとっては中国のメンツを潰し、援助しても見返りの少ない国なんじゃないでしょうか。

    でも捨てるって事は無いと思う。
    むしろ飲み込みにかかっているように感じる。
    このまま経済がとことんダメになってクーデターでも起きればクーデター側に武器を提供して完全な傀儡国家にするか、もしくは将軍様に味方して中国軍を送りそのまま居座っちゃうか(第二の新疆ウィグル)するんじゃないかな。

    • 飲み込みにかかっているというのは良い線かもしれません。

      朝貢国のECMOに繋がっているチューブをキュッと締めて、死ぬ直前で緩める、を繰り返すことで躾けるのは宗主国様の伝統芸ですし。

      そう言えば南側にもインバウンドで同じようなことしてましたね。

  • 中国が北朝鮮を捨てることはないと思います、米中が敵対している限りは。
    敵の敵は味方。これ国際政治のABC。

  • イーシャさま
    読者投稿ありがとうございました。
    仮説が当たったら、凄いニダ。

    金王朝が終わるより配当が、高いと思います。

  • 意外性のある面白い仮説だとは思いますが、どうしても以下のポイントをクリアできないように思います。

    ・現時点では、中国が北朝鮮にとって生命維持装置の役割を果たしており、中国がその役割を放棄すれば、北朝鮮は国家を維持できなくなる可能性がある。ゆえに、北朝鮮が取れる選択肢は、後先考えずに暴発するか、そのまま内部的に崩壊するに任せて結果的に韓国に吸収されるかのいずれかしかない。「暴発」の場合、その方向性が朝鮮半島内部に限定されるとは限らず、中国側に向かう可能性も決して否定できない。また、「韓国に吸収」の場合、米韓条約が有効である限り、アメリカは中朝国境付近を含む旧北朝鮮領内に軍事基地を設定することも可能になる。果たして中国はそれを許容できるだろうか?

    ということで、中国が北朝鮮を見捨てる可能性がゼロとまでは言いませんが、上記リスクを冒してまで実行するのか、そのリスクは「北朝鮮暴発の共犯者」と見做されるリスクよりもマシだと見做し得るのか、さらに、たとえ中国が北朝鮮を見捨て、北朝鮮が「暴発」シナリオを選んだ際に、無関係と言い募っても、はたしてアメリカは額面通り受け取ってくれるのかなどという問題が残されます。
    中国にとって、北朝鮮がある意味で重荷にもなっているという見立ては支持しますが、上記を考えると、中国は嫌々ながらも生命維持装置であることを止められないのではないかと考えます。

    • 一般論として、仮想的な設問をしてみましょう。
      仮に、なんらかの僥倖にあって、あっさり核兵器が排除できたとすれば、どんな2020年代が極東に訪れることになりましょうか。場合分けを尽くしたうえで、それぞれおいてそうなるように工作するには、どんなことができそうでしょうか。回答は今は必要でありません。

      • 現在の朝鮮半島情勢に関する基本的な前提を変更することになるため、まず妥当性のある前提条件をいくつか設定するだけでも膨大な作業量が必要になります。その上で多くの変数の設定とその順列組み合わせによる検討がそれぞれ必要になるため、さらに膨大な作業が必要になります。
        残念ながら私の手には余りますので、はにわファクトリー様におまかせします。期待してますので、よろしく。

    • 中国が北朝鮮を見捨てる可能性はゼロではないでしょうが、それに見合う対価が必要ですね。

      ただ、面従腹背な北朝鮮に対して一時的な「お仕置き」はあるかもしれませんね。

  • 北朝鮮ウォンが急落 ついに制裁が打撃? 米ドル上昇の影響も
    2019.08.09アジアプレスネットワーク
    https://www.asiapress.org/apn/2019/08/north-korea/won-down/
    >今や、市場で使われる金の90%以上が中国元だ。

    <北朝鮮内部>通貨ウォンが謎の急騰 対中国元では33%上昇 当局が外貨管理強化か?
    2021.06.08アジアプレス
    https://news.yahoo.co.jp/articles/c4e2b7512d3afc67fc4c2aba60facd9ede3947c8
    >「中国との貿易が今後再開されても、貿易会社は各道の貿易局の許可を得て銀行で両替した外貨しか使えなくなるだろう」

    北朝鮮の首脳部は、コントロールのしやすい自国通貨での市場統制を念頭に置いているのでしょうか?(両替商の処刑とかもありましたね)
    それとも中国から距離を置かざるを得ない事情があったりしてるのかな・・?

    ???

    • 私も前にこの記事を読んで、人民元安の原因は外貨保有の取締が厳しいので、北朝鮮国民が保有していた元を替えているのが原因ではないかと思っていました。
      人民元は北朝鮮国内でも通貨として使われていましたから、中国が貿易を停止しただけでは暴落はしないでしょうし。

      北朝鮮政府が外貨保有の取締を強化しているのは、金融政策を行いたいからですかねえ。

  • イーシャ様

    毎回優れた投稿文を拝見させていただいてます。また今回は特別ですね。NM式も知らなかったので、サラッと読んでみてから、本題に入りました。

    北朝鮮は以前は金正恩専用列車を仕立てて、中国を訪問してましたね。飛行機は危険と思っているのか、日数のかかる、更に贅沢な食糧を積み、はるばる行き来してた。あんな悠長な事は、とっくに出来ないと思います。

    中国が北朝鮮を捨てたという仮説、大変興味深いです。いくら世話をしても中国に尻尾振るわけでなく、中国の鉄砲玉にもならない。まだ卑屈なぐらい下手に出る韓国の方が「使い勝手がいい」と言えます。ただ単に、北朝鮮は米国らの自由主義国側への、チンピラ役として放し飼いにしてただけじゃないでしょうか。

    6月22日現在で、中国元は505ウォン、米国ドルは5,450ウォン。中国元は1か月前の半値ですね。持ってても使いものにならない?コロナ禍が北でどれだけ猛威を振るっているか分かりませんが、ワクチン、物資等、中国ルートは規制がかかっているのではないでしょうか。やはり韓国からの闇ルートかな(笑)。

    中国が、北朝鮮の暴走が起こる前に、今のうちに北朝鮮を切り捨てることにより、関係を薄くし、また国力を弱体化させておく。仮説として納得です。

    しかし、南も北も地勢を悪用し、また周辺諸国(今は米中)のパワーバランスを見極めて、軍備も360度、どの方向にも向けれるようにしている。ニ千年以上の間、自分で国を守れた事が無い。独立した事が無い朝鮮半島の生き方、コレに極まれりと思います。最後は北が暴発というシナリオだけは回避したいですね。

  • こういう論理的な仮説の構築と検証は大変面白いですね。

    朝鮮ウォンに対する中国元や米ドルの急落は、上記カズさんが引用してくれてる記事にあるように、単純に北朝鮮国内での外貨保有に対する取締が厳しくなってきたことではないでしょうか。

    中国元や米ドルは北朝鮮内での通貨として流通してきましたが、最近では取締が厳しく、保有してるだけで処罰されます。
    当然、国民は朝鮮ウォンに替えようとしますから、それで中国元と米ドルのレートが下がったのではないでしょうか。

    なお、コロナで国境閉鎖後、北朝鮮では物々交換が増えてきています。通貨のかわりに物が使われるということは、自然と物品の価値があがる=物価があがるということになりますね。

  • イーシャ様

    興味深い投稿ありがとうございました。

    当方も北朝鮮が中国と敵対する可能性があると思います。
    実は北朝鮮がアメリカの側に立つと言うか、ズバリ、アメリカの準州に加盟する(究極の売国(笑))可能性をこのサイトで投稿した事があります(笑)。

    以外と双方が利用価値があるからです。

    立ち回りを巧くすれば、親方星条旗で南朝鮮、旧高句麗、日本を領土にする事でアジアのダルガチとしてアメリカのお代官になれる可能性があるからです。

    アメリカとしても殴り返さない日本を相手に太ったコウモリ豚よりは間違うと中国かアメリカ相手に殺される状況を生き延びてきた痩せた野良犬の方が利用しがいがあるというものです(笑)。

    アメリカの準州はアメリカの一部ですからね(笑)。
    アメリカの外交戦略「西に力で勢力を伸ばす」という基本にも合致するのも良いですし、オイタが酷い場合は「人権ガー」と言いながらカレカノの首を切る事ができるので、ハイリスクハイリターンなのです(笑)。

    利用する価値のある処に驚きがある変化するのが外交というものです。
    以外と金王朝の4代目が男尊女卑の中で権力を握る手段としてあり得ると思います。

    既存の敵対勢力が中国を後ろ楯にするならば、アメリカを引っ張り込む一択しかないですしね(笑)。

    以上です。妄想失礼しました(笑)。

    • 北朝鮮とアメリカの軍事同盟なら可能性があると、私も思います。韓国が中国と軍事同盟を結ぶくらい可能性のある話だと思います。

      • チキンサラダ様
        コメントを賜りありがとうございました。

        チキンサラダ様>韓国が中国と軍事同盟を結ぶくらい可能性のある話

        管理人様も朝鮮半島の未来シナリオとして南北クロス承認で似た可能性を指摘していましたし、韓国が朝鮮半島において「中国の上級属国として」北朝鮮を搾取する事を志向する場合は、ほぼ唯一無二の選択肢になる可能性すらあると思います。

        今が可能性が低くても実現したら我が国がどうすべきか考慮はする必要があると思います。

      • 可能性は否定できませんね。ただし、そうなると、ロシアという面倒くさい国を変数として考える必要が生じるため、話が一層ややこしくなると思われます。
        もっとも、現在の北朝鮮にとっては、話をややこしくした方が好都合であるかもしれません。かつて、金日成は中ソを手玉に取って両方から援助を取り付けるという芸当をやってのけました。三代目に初代のような手腕があるかどうかは不明ですが、あわよくば米ロ中を手玉に取って、くらいは目論んでいる可能性もあります。少なくとも、北朝鮮にとって、現在のように中国一国に生命維持装置を握られているという状況は、けして面白くないだろうと思われます。何らかの打開策を模索していても不思議ではありません。そのために、わざわざ話をややこしくする方向に持っていくというやり方も、考えられなくはないように思います。

        • 龍様

          当方の駄文にコメントを賜りありがとうございました。

          今のシベリアはテキサス共和国の二の舞の二、三歩手前である状況と思います。
          シベリアと最終的にオホーツク海を失ってロシアが列強から脱落するとヨーロッパの元列強では中国は止められないと思いますので、中国牽制の存在として今の「弱い」ロシアはアメリカの戦略に許容できる存在と思います。

          アメリカを通じて北朝鮮がポーランドの存在として中国牽制に徹するならばロシアはアメリカと北朝鮮の同盟もしくは準州加盟を許容する可能性が高いのではないでしょうか(笑)。
          金世襲準州知事(笑)が分をわきまえない場合は「地位的にも物理的にも」アメリカが斬首すれば良いのです。

          幸い黒電話妹は平昌の地でペンスと情報部門の立ち会いの下アメリカと北朝鮮のチャンネルを持っています。

          そういう意味でアメリカの戦略を読んで、アングロサクソン国家が志向する多数派を支配する少数派の支配者として極東に君臨する可能性があると当方は思います。

          日本には安全保障の感覚不足で無理。韓国は国民情緒が無能過ぎてもっと無理。

          専制支配で切り捨て可能なサイズの大きさだからこそ北朝鮮が極東の残忍な管理者としてアメリカの代理人として存在する余地があると思います。

          金王朝の4代目がどこまで賢明かある意味見ものであると思います。

          以上です。駄文失礼しました。

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