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メディアが世論調査で設問を「微妙に」変える理由とは

設問が厳密に同じでないものを比較するのはフェアではない

昨日の『時事通信の世論調査で立憲民主党の支持率「3%割れ」』では、「菅義偉政権に功績があると、質問項目を巧妙に変えてくるのが日本のメディアの特徴」だ、とボソッと申し上げたのですが、まさかこんなに早く、予想どおりのことが発生するとは思っていませんでした。ワクチン接種が急激に進んでいるためでしょうか、あるメディアの4月の調査に含まれていた「ワクチン接種が遅いと思うか」という質問項目が、6月の調査では「ワクチン接種が順調に進んでいると思うか」へと、微妙に変化していたのです。

時事通信の世論調査

「調査項目を微妙に変えてくる」

昨日の『時事通信の世論調査で立憲民主党の支持率「3%割れ」』では、時事通信に金曜日付で掲載された次の記事を参考に、内閣支持率や政党支持率の最新の傾向などについての所見を申し上げました。

内閣支持横ばい33% ワクチン「遅い」69%―時事世論調査

―――2021年06月18日17時02分付 時事通信より

そのなかで、こんな趣旨の内容を申し上げました。

  • この時事通信の調査では、ワクチン接種が「遅い」とする回答が69.4%に達していたのに対し、「順調だ」とする回答は20.0%に過ぎなかったそうだ
  • しかし、現在、1日あたり接種回数が100万回を超えた可能性があるなど、ワクチンの接種が急スピードで進んでいることを、マスメディアがさほど積極的に報じている形跡はない
  • もし来月、まったく同じ質問をすれば、おそらくは「順調だ」とする割合がもっと増えるのではないか

そのうえで、「もっとも、菅義偉政権に功績があると、質問項目を巧妙に変えてくるのが日本のメディアの特徴」と付記した次第ですが、この「付記」の部分が、大変重要です。これが、本稿で取り上げるテーマのひとつだからです。

時事通信の世論調査、そもそも設問がおかしくないですか?

これについて議論する前に、ちょっとだけ雑感です。

冷静に考えて、時事通信の記事にある、ワクチン接種が「順調だ」「遅い」という設問、なにかおかしくはないでしょうか。というよりも、「遅い」を選択肢に加えること自体が不自然であることもさることながら、「遅い」の対義語は「速い」、だからです。

設問自体、「菅義偉政権によるワクチン接種は思ったより速い速度で進んでいる」と考えている人の意見を切り捨てているのと同じでしょう。もしも敢えて「遅い」を選択肢に加えた設問を設けるならば、論理的に考えて、次のように尋ねなければ、設問としてフェアではありません。

あなたはワクチンの接種の速度について、『速い』と思いますか、『普通』と思いますか、『遅い』と思いますか?

マスメディアの世論調査では、客観的な「定点観測」をするという目的よりも、一種の「結論ありき」で実施されているのではないかとの仮説を個人的には抱いているのですが、こうした仮説を抱かざるを得ないのは、まさに「設問の中立性」に疑義がある調査項目が多すぎることにもある、というわけです。

毎日新聞の世論調査

毎日新聞の4月の調査

以上の苦言に続き、次に取り上げたいのは、こんな話題です。

2021年4月18日実施 全国世論調査の分析と結果

―――2021.4.19付 株式会社社会調査研究センターHPより

株式会社社会調査研究センターは4月19日付で、毎日新聞社と共同で世論調査を実施しました。

この世論調査のなかでは、こんな質問項目があります。

新型コロナワクチンについて、日本の接種の進め方が遅いと思いますか

調査結果は「遅いと思う」が75%、「遅いとは思わない」が17%、「どちらとも言えない」が8%だったそうですが、先ほどの時事通信の記事と同様、「選択肢がおかしい」という印象を抱きます。「遅いと思うか」という聞き方自体、バイアスがかかっているからです。

ただし、毎日新聞社を擁護しておくと、この時点では、現在と比べ、ワクチン接種については開始できるのかどうか、また、開始できたとしても1日にどの程度のペースで進められるのかという見通しも明らかではなかったため、4月時点においてこの設問は、あり得ない話ではありません。

なぜ設問を変えたのでしょうか?

しかし、もしも世論調査に客観性を持たせるのであれば、やはり同じ聞き方をすべきではないかと個人的には思うのですが、どうも実際の世論調査は、そうではないようです。

ワクチン接種 「順調だと思わない」52% 毎日新聞世論調査

―――2021/6/19 18:02付 Yahoo!ニュースより【毎日新聞配信】

毎日新聞が昨日配信した、6月19日時点で実施した全国世論調査によると、こんな質問項目がありました。

日本のワクチン接種が順調に進んでいると思いますか

調査結果は、「思う」が27%、「思わない」が52%、「どちらとも言えない」が21%だったそうですが、ここでシンプルな疑問が2つあります。

1つ目は、なぜか5月22日の世論調査で、ワクチン接種の進捗状況に関する設問がなかったこと。

2つ目は、4月18日の世論調査と比べ、質問項目が微妙に変わっていることです。

そして、ここで毎日新聞ではなく『Yahoo!ニュース』のURLを情報源に示したのには、理由があります。『Yahoo!ニュース』の場合、一般読者の反応がコメント欄に反映されているからです。

『Yahoo!ニュース』コメント欄の反応

そして、「微妙に質問項目を変えてきた」という点については、大勢のコメント主の方々も、やはり同様の疑問を抱いているようであり、たとえば、次のような趣旨の指摘もあります(※そのまま転載するのではなく、当ウェブサイト側にて大意要約し、過激な表現を取り除くなどの加工をしているケースがあります)。

『遅いと思う』が75%を占めた4月の調査と比べるならば、『(順調に進んでいるとは)思わない』が52%に減っているわけだから、自然に考えて、ワクチン接種状況の進展を評価する方向に世論が変わっているという意味ではないか」。

6月の調査は4月の調査と設問が異なっているのに、それを比較するのはそもそもおかしい。もし前回と同じく『遅いと思うか』と尋ねれば、『思う』が激減した可能性はあるだろう

どれも、まったくそのとおりでしょう。

ワクチン接種で重症化が減り、意識は変わる=尾身会長』などでも取り上げたとおり、いまやワクチンの総接種回数が公式発表ベースでも3000万回に達しようとしています。

ちなみに65歳以上(いわゆる高齢者)に対する「接種率」は、先週木曜日時点で第1回目が40%超、第2回目も10%を超えています(図表)。

図表 累計接種数・接種率(65歳以上)

(『新型コロナワクチンの接種状況(高齢者等)』オープンデータより著者作成。なお、「接種率」とは累計接種数を『令和2年住民基本台帳年齢階級別人口』【※エクセルファイル】記載の日本の65歳以上人口3548万6339人で割った数値)

おそらくこのペースで進捗すれば、「希望する高齢者への接種を7月中に終える」、「若年層への接種も進める」とする政府発表も、あながち誇張ではありません。

そして、個人的にとくに「なるほど」と思ったのが、こんな趣旨の指摘です(細かい用語については訂正しています)。

英国では1日あたり新規陽性者数が2000人前後で推移していたのが、最近では1日1万人前後にまで増えてきているが、メディアは『重症者数などは増えていない』と報じる。これに対し日本の1日あたり新規陽性者数は1500人程度だが、大袈裟に報じる」。

(※ちなみに、厚生労働省が公表する『オープンデータ』によると、陽性者数は18日(金)時点で1619人、7日間平均値は1506人です。)

同じ数値なのに、報じ方ひとつでも、印象はずいぶんと変わってしまう、というわけですね。

これから付加価値を持つもの

コロナ対策のボトルネックはマスメディア

さて、上記では時事通信と毎日新聞の世論調査について取り上げてみたわけですが、やはり、これらの個別記事を離れ、「世論『調査』」について一般人の印象を調べてみると、「世論『操作』」と揶揄する意見がわりと多く目につくことも事実でしょう。

ウェブ評論家として、長年、メディア・ウォッチングをしてきた身からすれば、世論調査を巡る疑問点は数多くあるのですが、それだけではありません。

昨日の『コロナ禍は「ネット対オールドメディア」のラウンド4』の末尾でも取り上げた、菅義偉総理大臣の記者会見場で出てきたメディア記者の質問レベルの低さには、もはや驚きを通り越し、呆れの感情しかありません。

そして、『ワクチン接種で重症化が減り、意識は変わる=尾身会長』などでも取り上げましたが、新型コロナウィルス感染症(武漢肺炎)などを巡っては、それを「正しく恐れる」という態度が重要ですが、ただ漠然と不安ばかり煽るマスメディアの報道は、「正しく恐れる」という意味では有害無益です。

というよりも、せっかく菅義偉総理や「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長から直接話を聞くことができるという貴重な場なのに、無関係な政局の話、そのジャーナリスト自身の持論などの演説を滔々と展開されても、私たち国民は困ってしまいます。

自身を権力者と勘違いする一部メディア人

あらためて痛感するのですが、マスメディア業界の一部の人たちは、自分たちが「権力者」かなにかだと勘違いしているのではないでしょうか。

今から2年少々前の『新聞労連の思い上がり 新聞記者は国民を代表していない』などでも取り上げたのが、「新聞労連」が2019年2月5日付で出した声明文(※URLリンク切れ)に含まれた、こんな記述です。

記者会見において様々な角度から質問をぶつけ、為政者の見解を問いただすことは、記者としての責務であり、こうした営みを通じて、国民の『知る権利』は保障されています。政府との間に圧倒的な情報量の差があるなか、国民を代表する記者が事実関係を一つも間違えることなく質問することは不可能で、本来は官房長官が間違いを正し、理解を求めていくべきです。」(下線部は引用者による加工)

はて。記者が国民の代表とは、じつに面妖な。

あらためてツッコミを入れておくならば、新聞社もテレビ局も、基本的には民間企業です。NHKの場合、公的企業と民間企業の立場を都合良く使い分けてはいますが、少なくとも国営ではないという意味では、ほかのメディアと同じです。

そして、民間企業に過ぎない新聞社、民放各局、利権組織に過ぎないNHKに雇われた記者が、国民を代表しているはずなどありません。

国民の代表とは、彼らが名指しで批判した、当時の内閣官房長官だった菅義偉総理を含めた政府閣僚・政治家のことをさします。記者、ジャーナリストが「国民の代表」であるはずなどありません。

これに対し、当時からおもにネット上などで、「勝手に国民の代表を名乗るな」、といった趣旨の批判が見られたのですが、この新聞労連の原文URLが削除されてしまった理由は、こうした一般国民からの批判に耐えられなかったからなのかもしれませんね。

「役割終えた企業」

こうしたなか、改めてかみしめておきたいのが、昨日の『コロナ禍は「ネット対オールドメディア」のラウンド4』でも触れた、「事業承継専門公認会計士」の方が執筆したとされる、日経電子版の次の記事です。

新陳代謝促す中小企業支援策を

―――2021年6月18日 2:00付 日本経済新聞電子版より

この記事に、こんな記述が出てきます。

役割を終えた企業は経営者の引退とともに廃業させ、他企業に事業承継させたほうがよい」。

この発言が妥当なのかどうかは、あえて当ウェブサイトでは議論しません。

ただ、「役割を終えた企業」という考え方自体は、非常に興味深いと思います。

マスメディア各社がもともと「役割」を果たしていたのかどうかはさておき、少なくとも社会のインターネット化が進めば、「一般国民がアクセスできないような情報を取って来て、それを一般国民に報告してくれる」という意味での「ジャーナリスト」の必要性は、どんどんと少なくなっていきます。

政府は官房長官記者会見、大臣記者会見などを動画や文字起こしなどの形式で公表していますし、国会のウェブサイトでも審議の様子を中継してくれています(動画ソフトの使い勝手が悪いという課題はありますが)。

つまり、かつては「一般国民がアクセスできないような情報」だったものの多くは、現代ではインターネット空間で普通に転がっている情報だったりします。

敢えて「一般国民がアクセスできないような情報」があるとすれば、検察などがときどき懇意のメディアにリークする事件の捜査情報くらいでしょうか(※もちろん、捜査情報のリークは違法ですので、いずれそれをやっている者にはしかるべき罰を与えるべきだと思いますが、この点はまた別の議論です)。

つまり、かつてであれば、新聞記者の仕事の多くは、官庁などが発表した内容を転記することでしたが、現代社会において、そのような情報の価値はどんどん低くなっているのです。新聞記者に付加価値があるとすれば、違法なリーク情報を入手することくらいかもしれません。

そして、これからの世の中で何より求められるのは、「誰にでも簡単に取得できる情報」ではなく、それらの情報をうまく組み合わせ、「この事件には、じつはこういう意味があるのですよ」、と「解説」する能力ではないでしょうか。

そして、その役割を担うのが、現在の新聞社、テレビ局ではないことだけは間違いないと確信する次第です。

新宿会計士:

View Comments (41)

  • コイントスで「表が出たら私の勝、裏が出たら貴方の負け」という勝負師の常套手段を思い出しました。

    • 「○○が仏陀の生まれ変わりであることを知っていましたか?」

      A. 知っていた。
      B. 今知った。

      も加えてください。

      • 結構書き捨てながら、なにやら世論的に捉えられているYahoo!の記事評価基準が変更されていまして笑えます。

        三択で

        ・学びがある
        ・わかりやすい
        ・新しい視点

        だそうです。
        一つの文章かと思ってしまいました。

  • きたる衆議院議員選挙の新争点にメディアの信認を掲げてはどうでしょうか。菅政権に対して信認票を投ずるかそれとも野党勢力の国政担当能力を量るかではなくて、メディアは信頼に値するかどうかを投票行為で明らかにしようという奇策です。
    「その日暮らしの書きなぐり新聞記者に鉄槌を」(一票投下)
    「周回遅れ記事を繰り出す編集委員よ引退せよ」(さらに一票投下)
    「霊的な生まれ変わりこそふさわしい」(さらに一票投下)
    そのようなスローガンを周囲に聞こえないほどの小声で唱えながら投票所へ向かうならば、投票率は眠く低迷してしまうどころか、うなぎのぼり急上昇するやも知れません。

  • 直感的に同じ印象を持っていましたが このように具体的に指摘してもらって 得心しました。追い詰められたオールドメディアはますます 汚い手を使ってくると予想され、ネット切れも多発しそうなので ぜひとも 事実の追跡のほど お願いします。

  • そもそも報道各社の世論調査は記事が書きたいだけが動機なので、継続性などどうでもいいのです。基本的には読者が自分で継続性はどうかとか調べないと使い物にならないものです。読者に判断のための素材を提供しているだけで、世論調査を分析して「事実を報道」しているわけではないんですね。自分たちの世論調査の報道価値が失われてることに早く気づいて欲しいです。

    韓国の逆ギレの中に、「菅総理は支持率を上げたくて韓国に冷たくする」とありましたが、これは良くも悪くも事実と異なります。定点観測として不適切な各社世論調査を自民党はあまりみていないです。そんなものより、独自にお金をかけて行う、解散時期を正確に占うための調査を重視しています。総理が解散について嘘をついていいと言われるのは、自民党独自の情勢判断に機動的に対応しているだけという話です。今回の不信任案では二階さんが脅しをかけたけど解散しなかったので、二階さんが嘘をつく形になりましたが、これは菅総理が傷つくこともないとわざとやったことなんでしょうね。

  • ちょっと話題からずれてしまいますが、SNS等で発信された生の情報をその背景、経緯と専門的な内容の説明を差し入れて報道する事は「誰がそれをするか」とは別問題の次元で必要だと思います。

    例えば「韓国が世界に先駆けてCOVIDワクチンの交差接種を始める」なんてSNSで発信された生情報を読んでも、私のようなシロートにはそれが「韓国はスゴイ」と思うべきなのか、「K-防疫」の崩壊の次の段階と考えるべきなのかは即時には判断できないと思います。

    ウェブの発達によって「生情報の発信と受信そのもの」については新聞に代表されるメディアの必要性は下がるでしょうが、「誰が信用できる説明・解説をするか」に問題が移った場合、ありとあらゆる種類の事象・事件やニュースについての解説者の信用度を定量化するのは簡単にはいかないと思います。

    • 「専門家による分析」を売りにできるマスコミなら生きこりますかね。
      「情報網の独占」が売りなら衰退待ったなし。

    • へのへのもへ痔 様

      >・・即時には判断できないと思います。

      仰る通りですが、 ”前例のないこと” は”専門家にも即時には判断できない”と思います。
      一方、 ”前例のあること” は、
      ・今の時代、ネット上に”嘘も含めて”いろいろな角度からの評価情報があふれています。
      ・が、定説も含めて、大方の評価は定まっているで、
      いくつか読み比べれ、その論旨が”事実と論理的に整合しているか否かを見れば”判断できると思います。

      >「誰が信用できる説明・解説をするか」に問題が移った場合

      この場合、”前例のないこと”が殆どでしょうが、
      ・”今までの実績(=経験、見識が妥当だったか)”=(論理の信用性)
      ・事実を押さえているか
      で、先ずはスクリーニングし、O/1で信用しないスタンスがポイントと思います。

      どちらも確認できなければ、 ”そんな意見もある” 程度に思うしかないですね。

      と言う視点で今のマスコミを見れば ”そんな意見もある” 程度に見ておけばよいのではないでしょうか。韓国マスコミに足しては、加えて”眉に唾つける必要”があります。

      >解説者の信用度を定量化

      は、仰る様に簡単ではありませんし、やっても意味は無いと思います。
      これは各個人で、話題毎にやるべきもので、どこかの権威に依存すべきものではないと思います。

      • >>解説者の信用度を定量化
        >は、仰る様に簡単ではありませんし、やっても意味は
        >無いと思います。
        >これは各個人で、話題毎にやるべきもので、どこかの
        >権威に依存すべきものではないと思います

        概ね同意します。

        しかし、比喩的な例ですが、専門家でない投資家株式市場に参加したい場合、全ての銘柄の全ての歴史と全ての業界情報を自分で検索し、情報を網羅し、決算報告を再読・分析し、専門用語や専門理論を理解するというのは時間的に見ても、労力的に見ても、また、能力的に見ても現実的でない場合があるでしょう。

        そこで、ある程度は投資・金融・政策等々株式市場の専門家の意見に耳を傾ける事は必要になって来るでしょうが、問題は「どの専門家そのどの意見ががどの程度まで信頼できるか」で、シロートにはその判断さえも容易につかないかも知れません。

        要は、ネットによって「生情報」は誰でも発信・受信できるようになったが、「生情報」の質と正確さの評価とか、「生情報」の歴史的背景や経緯・意味の説明が必要な場合「専門家の意見」が必要になり、さらにその「専門家の質と正確さ」の評価も必要になりますので「大手の新聞の衰退」には良い面も厄介な面もあると思います。

        片手で数えられる数の大手新聞社の報道については経験則から「記事の質と正確さ」は個人的な評価が出来ると思いますが(例「捏造歪曲の前科多い朝日の紙面で読む価値があるのは、前日の株式市場の結果と漫画とTVの番組一覧だけだ」、)それをネット上に何百何千と存在する「生情報の発信者」とそれを「説明・解説・評論する専門家」に拡大し、何千何万の情報のソースのクレディビリティを個人が正確に把握するのは現実的ではないのではと憂慮しています。

  • 世論調査の質問項目設計については、さまざまなレベルの実務企業が存在しておりまして、
    A心理の揺れと言葉との関係究明を続け日々更新する努力を重ねる
    B「A」の成果物をみて、まねる
    C一般人の念頭にある(例えば10数年前まで主流だったやりかた)設計を続ける
    というような区分けが可能かも知れません。
    期待するNが同じだとすると、受託費用の点では、Aは高いです。BCもそれほど安くはありません。Nの数を確保する、というパートのコストダウンが難しい(あるいは行きついてしまった)こともあります。
    N=600と仮定すれば、獲得スコアに8.0-12.0程度の揺れ(誤差)が内包されますし、微妙な質問の言葉の違いでこの差は広がります。文字通り言葉のアヤがあるわけです。調査結果について論ずるにあたっては、こういった技術知見が共有されていないと議論はかみあいません。「有意の差」などという単語は聞いたことがあるとしても、です。

    提示された資料のなかに、与党・野党の得票とメディアの外形別認知経路の関係にふれたグラフがありますが、解説文にあるように、有意の差があることは、投票行動というものを科学しようと考える人々の間ではすでに共有されております。野党の諸君が、こういう領域の研究に投資しようという意欲をもっているのかどうかはわかりませんが。
    とはいえ、これは投票行動を決定づける諸要因のごく一部にすぎません。投票行動を理解する・ということは昔はやった「複雑系」と似た作業を要するのですが、

    ここで諸賢に話題をひとつ提供いたしましょう。
    ・直近10年の国政選挙(特に総選挙)で与党候補者の失言が減ったことにお気づきだろうか
    ・上記の要因は何だろうか
    ご興味があれば、思い起こしたり、あれこれ想像をめぐらしてみてください。

  • 更新ありがとうございます。

    これぞ、南朝鮮と同じ【ムービング ゴールポスト】!質問を微妙に変更し、ワクチン接種が進んだら「転進」する。毎日新聞、時事通信、他社もやっているだろう。

    とにかく政権、与党の揚げ足を取るのが仕事(と思っている)。例えばワクチンの接種が「遅い」を選択肢に加えるなら「速い」も入れないと、フェアじゃない。「遅い」の対義語は「速い」だからです。

    マスコミの世論調査ほど、定点を変え自社の誘導する方向に無理クリ変更させようとしている。新聞労連の、2年前の発信など未だに国民に対する思い上がりだ。

    「国民の『知る権利』は保障されている。【国民を代表する記者が】事実関係を〜〜〜報道する」(アレ?)なんていう上から目線!(笑)

    ところで、最近「タナカ珈琲」さんのコメントが見当たらないですね。自由な発言の出来る版の方に行かれたのかな?

  • >コロナ対策のボトルネックはマスメディア

    個人的には医師会もボトルネックだと思う。
    医師会が協力しないせいで病床数が増えず、
    欧米のよりずっと低い感染者数でも「医療が逼迫」してるのだから。

    関係無いけど、アセトアミノフェン(鎮痛剤)が品不足の模様。
    ワクチンの副反応に備えて買い占めが起きてるみたいだ。
    マスク買い占めの二番煎じ。

    • アセトアミノフェンは、作用が穏やかでこども用によく使用される鎮痛剤。
      品不足で小児たちが苦しむようなことにならなけれいいんですけどね・・。

    • 名無しのPCパーツ 様

      >個人的には医師会もボトルネックだと思う。
       医師会が協力しないせいで病床数が増えず、
       欧米のよりずっと低い感染者数でも「医療が逼迫」してるのだから。

      御説ごもっともと思います。

      ただ、医師会を責めるだけでは不足で、
      この1年半、”無為無策を続ける政治+国会”が最もボトルネックと思います。

      医療逼迫について、”医療リソース緊急徴用法(仮称)”の様なものが議論されるべきなのだが全く進んで居ない。

      河野さん菅さんがワクチン確保に駆けずり回ったことは評価するとしても、

      ・コロナの正体を突き止める戦略はあったのか
      ・その知見を的確に国民に伝える努力はしたのか
      ・その知見に基づき対策を打ってきたか
      ・対策の効果を計測・分析し、新たな知見としたか

      一般企業であれば当たり前のPDCAが回っていないように見える。
      (3密で止まってしまった気がする)

      やっと、飲食店認証制度を進めようとしているが、1年前に各業界ごとに対策を立案していたはずなので、それを制度化できなかった行政・業界の無策が悔やまれる。

      今度の衆院選は、憲法への自衛隊合憲明記と”医療リソース緊急徴用法(仮称)”に絞って、争点にしてほしい。

    • 病床数の管理・制限は厚労省の専権事項で、医師会は何にもできませんよ。

      アセトアミノフェンは、現代の製薬技術からすれば、実に初歩的な薬物です。
      薬価も安く、生産数は需給と採算ラインの瀬戸際で決まります。
      美味しくないので生産者数が減り、しょっちゅうショートしたりします。
      https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201710/553214.html

      • りょうちん 様

        >病床数の管理・制限は厚労省の専権事項で、医師会は何にもできませんよ。

        命令はできなくても
        「医道の高揚、医学及び医術の発達並びに公衆衛生の向上を図り、社会福祉を増進すること」の目的に向け、

        知恵位出せるでしょう。

        全国の医師会を十羽ひとからげにするのは不適切ですが、日本医師会や東京都医師会の会長さんには、”幻滅した”のは確かです。

        https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00672/

        を見ると
        鳥取県医師会は活躍しているように見えます。
        人口が少ないにしても、優れた知事と優れた医師会が協力すれば其れなりのことはできると思います。

          • りょうちん様

             資料ありがとうございます。
            頂いた資料で13床の内訳や諸外国との違いも分かりましたが、米・英・加並のベッド数と仮定しても諸外国に比べて圧倒的に少ない患者数で医療崩壊する原因は分かりませんね。

            https://www.jmari.med.or.jp/download/RE077.pdf
            によれば、医師数は少し増やした方がよさそうです。

            農家にも、段々畑の農家、都市近郊の野菜農家、高原野菜農家、果樹農家、八郎潟の大規模米作農家、釧路の大規模酪農家等々千差万別で、個々の農家の事情も全く違うでしょう。
            これ等を一緒くたに扱うのは無理があし、医療機関も同様でしょう。

            ただ、農家と農業を分離し、産業振興・食糧安全保障の視点で農業を捉えれば、フォーカスすべき業態はどれで、それ以外は農業関連のサービス業と捉え、農業政策と農家福祉政策を分ける方が合理的と思っています。

            個別医師会・医療機関の内情は知り得ませんが、“諸外国より圧倒的に少ない患者数で医療崩壊が起きると言うなら、その原因とそれを防ぐアイディアの一つも「当事者として」提案してほしい”というところです。

            今の医療体制で、首都直下型地震や戦争になったら政府はどう対応するつもりなのでしょう。(築地市場跡や新宿御苑、代々木公園に仮設病院を作ることは検討したのかな?)

    • まあ過ぎてしまったことは仕方ないので、
      次に備え、いかにして病床数を増やせるか、
      医師会も緊急事態にどうやったら開業医の医療リソースを投入できるか考えて欲しい所。

  • 「新聞社の世論調査について、恣意的・作為的だと思いますか」

    1.「非常にそう思う」
    2.「まあそう思う」
    3.「どちらとも言えない」

  • 英語には “Figures don't lie, but liars figure” (数字はウソを吐かない、が、ウソ吐きは数字をでっち上げる)という諺がありますし、「統計でウソをつく法」なんて本もありましたね。

    世論調査は何処で何時誰に対してどのような方法でどのような質問をしてどのような回答率だったかを明示出来なければ信頼性は落ちるでしょう。

    • 私は大学で正統派ではない経済学の講義を受けてしまったため、大学に入学して最初の講義で教授にかまされた強烈なパンチが以下の文言でした!

      「経済学で基礎データ誤魔化すのは大変だが、統計や確率なんぞはいくらでも誤魔化せる!これから諸君が学ぶのは、その誤魔化す方法と他人から誤魔化されない防御方だ!」

      実社会、本当にそれの連続です。

      • 100%同意です。

        「騙されないようにするためには、騙す人の考え方や手法を学ぶことが予防・防衛手段として最良」には賛同します。

        故に、(話が飛躍しますが)私はこの読者投稿欄に頻繁に出てくる「韓国人の思考回路の分析」を愛読しています。

        韓国が国として日本に吹っ掛けて来る違法・迷惑・讒言行為に効果的に対処するには「朝鮮脳」のカラクリを知る事はムダではない筈です。

        • 返信ありがとうございます。

          随分前の行動経済学派(当時「行動経済学」とすら呼ばれていたか定かではありませんでした)で、社会学や人類学や宗教観や民族性とかまで当時のいまとなってはオモチャみたいなスパコンのセンターフレームにありったけのデータを入力して演算させると同じルールでも民族や国や歴史背景や人種で導きだす結論がまるで違ってきて、当然政治・中央金融財政政策も異なるなんて事をやってましてた。

          正統派なんでしょうか?
          東大・一ツ橋・早稲田あたりには「オカルト経済学」とか呼ばれていましたが、あらゆるデータから旧ソ連崩壊・東西ドイツ統一早くから予測していたのはうちの学派かなぁとも自負しています。

          翻って、日本周辺国を考えるに例えルールを同じにしても、「同じよう人間通し解りあえる」消去になるには後三世紀くらい掛かるのではと憂鬱になります。

          石平先生が面白い事をおっしゃっておられたので、それはまた後日お話し出来ると良いなぁと願っています。

          ありがとうございました。

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