いずれ韓国は米中からタコ殴りに?「親米政権」画策する米国の動き
当ウェブサイトで長らく韓国論に力を入れて議論してきた理由は、韓国を観察することがそのまま日本を観察することにつながると考えてきたからです。なにより、ひとつの国が民主主義を捨て去るプロセスをつぶさに観察すれば、それを日本にとっての「他山の石」にすることができます。こうしたなか、日本を代表する優れた韓国観察者の鈴置高史氏が昨日、「米中双方から殴られる韓国」をテーマに、きわめて有意義な論考を寄稿しています。
目次
地殻変動と日本
ターニング・ポイントというものは当事者には気付きにくい
地殻変動が生じているときに、その「どまんなか」にいる人は、得てしてその地殻変動に気付かないものだ、と言われます。現代社会を生きる私たちは、まさに歴史の地殻変動のただなかにいて、あとから振り返ったら「あぁ、あのときがターニング・ポイントだったな」、とわかるものなのかもしれません。
こうしたなか、昨今、日本を取り巻く内外環境が大きく変動していることは間違いありません。
日本が将来にわたり、「自由主義、民主主義、法治主義(または法の支配)、人権尊重、積極的平和主義」の基本的価値を信奉する経済・軍事大国でいられるか、それともアジアの辺境にあるパッとしない国に転落するかというターニング・ポイントは、まさに現在の私たちが直面しているのかもしれません。
こうしたなか、当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』の最大の目的は「読んでくださる方々の知的好奇心を刺激すること」にあります。
私たち人間は、知的な生命体であり、思考することでこそ生きていける存在です。そして、知的好奇心を最大限活性化させ、現代という「ターニング・ポイント」において、どちらに進むべきかを議論するプラットフォームとして機能させたいと考えてきましたし、その思いは現在でもまったく変わっていません。
いわば、知的好奇心を刺激する話題を議論することで、間接的には私たちの社会をどう動かしていくかというコンセンサス作りのひとつのきっかけにできれば嬉しいと思うのです。
「国民の敵」①財務省
こうしたなか、非常に重要な話を繰り返しておきます。あくまでも個人的な持論ではありますが、日本は政治的には民主主義、経済的には自由主義を信奉する国であり、逆に日本がうまくやっていくためには、これを突き詰める以外に方法はありません。
しかし、まことに残念なことに、現代の日本には「民主主義によらずに政治権力を獲得した組織」、「自由主義によらずに経済力を獲得した組織」が存在しており、これらの組織が日本の自由・民主主義を大きく歪めています。
前者の典型例が財務省と財務官僚、後者の典型例はNHKでしょう。
財務官僚は私たち日本国民が直接選挙で選んだ存在ではありません。しかし、彼らは国のサイフの入口(国税庁)と出口(主計局)を握り、私たち国民が選挙で選んだ国会議員を上回るせいじてき権力を握ってしまっているという実情があります。
実際、『家計資産2000兆円達成間近!コロナ減税こそが正解』でも報告したとおり、現在の日本にとって何より必要なことは、まずは大胆な減税を通じた経済の活性化であり、決して「増税・緊縮財政を通じた財政再建」ではありません。
その意味で、日本を経済大国としての地位から転落させ、国家破綻に導こうとしているのは、むしろ財務省が垂れ流す「増税プロパガンダ」というウソの方ではないかと思います。
しかも、困ったことに、財務省・財務官僚に対しては、私たち日本国民が「選挙を通じて」彼らを権力の座から放逐することはできないのです。私たち日本国民がその気になれば、選挙を通じて自民党議員を落選させ、自民党を政権与党の地位から放逐することができるにもかかわらず、です。
「国民の敵」②NHK
一方のNHKは、年間7000億円を超える売上高を誇り、年金資産を含め、金融資産だけで1兆円を超える資産を抱え込み、職員1人あたり1550万円という破格の人件費を計上する「超優良企業」でもあります。
しかも、『NHKの「隠れ人件費」600万円のケースもあるのか』などでも触れたとおり、NHKの財務内容にはかなり不透明な部分があり、現実には連結集団内で人件費等の開示義務がないことを良いことに、身内で利益を付け回している可能性が濃厚です。
そして、NHKの羽振りがとても良い理由は、NHKが正当な経済競争に打ち勝ってきたからではありません。シンプルに、放送法第64条第1項に基づき、テレビを設置した視聴者から事実上、半強制的に受信料を巻き上げる特権を持っているからです。
極端な話、私たち国民が「NHKはつまらない」と思っても、「消費行動の結果」としてNHKを倒産させる、ということはできません。
いずれにせよ、この財務省やNHKに代表される、「国民が選んだわけでもないくせに、不当に大きな政治権力ないし社会的影響力を握り、国を歪めている組織」のことを、当ウェブサイトでは「国民の敵」と呼び、その影響力を削ぐことが必要だと考えている次第です。
(※もっとも、このあたりは「日本はこのままだと財政破綻する」などの財務省による「インチキロジック」を信奉している人も世の中にはかなりいるようですので、当ウェブサイトとしては「道半ば」という感が強いのですが…。)
日本を救うのは「社会のインターネット化」?
ただ、「日本はこれから悪くなるに違いない」といった悲観論を持つ必要はありません。
社会全体のインターネット化という流れは、もう誰にも止められないからです。
財務省やNHKも、その存在意義を巡って、私たち一般人の議論の対象から逃れることはできません。
問題は、「国民の敵」の社会的影響力を削ぐ速度と、日本の国力が低下する速度のどちらが速いか、という話であり、当ウェブサイトを運営している目的も、「国民の敵」を議論に巻き込むことで、少しでもその社会的影響力を低下させることに寄与したい、という点にあります。
もちろん、当ウェブサイトなど、社会的影響力は微々たるものでしょう。
当ウェブサイトのページビュー(PV)のピークは、2019年8月の月間400万PVに過ぎず、しかもその後は2020年5月に行われた(らしい)検索エンジン・グーグルのロジック変更の影響などもあったのか、昨年暮れごろまでに、PVは月間100万件前後に減少してしまいました。
もちろん、べつに当ウェブサイトは「PVを稼ぐこと」を目的に運営しているわけではありませんので、PVが増えたり減ったりすることに対し一喜一憂したりはしないつもりなのですが、ここで重要なことは、当ウェブサイト以外にも独立系の政治経済評論サイトが乱立することにあると考えています。
もっとも、ここから先はちょっとだけ余談ですが、不思議なことに、今年に入ってからPVが再び増加に転じました。現在のペースだと、月間150~200万PV前後、といったところでしょう。
ただ、PVが増加に転じた理由を自分なりに考えてみたのですが、これといった決定的な要因は思い当たりません。むしろ、最近の当ウェブサイトの話題を自分で振り返ってみると、PVが劇的に増えるようなものとも思えません。
もともと当ウェブサイトで取り上げる日々の話題も決して世の中の森羅万象から選んでいるわけではありませんし、最近だと、当ウェブサイトで重視している「中国に関する話題」について、きちんと追いかけ切れているとはいえないのが実情でもあります。
いずれにせよ、こんな当ウェブサイトを訪れてくださる読者の皆さまには、心の底から感謝申し上げたいと思いますし、似たような政治経済評論サイトが増えてくることを願いたいと思う次第です。
韓国論は間接的には日本論でもある!
ただ、本筋に戻りがてら、あえてPVが増える原因をひとつ挙げるなら、それは韓国に関する話題でしょう。
先ほども申し上げたとおり、私たち人間にとっては知的営みが何よりも大切ですし、もしも「ターニング・ポイント」あるいは「地殻変動」があり得るとしたら、それがいつ、いかなる形で発生するかについて、知的好奇心をフル稼働する価値があります。
このように考えると、韓国という国は、まさにこの「知的好奇心を刺激される存在」に転じつつあるのかもしれません。なぜなら、この韓国という国は、せっかく自由・民主主義などの普遍的価値観で経済大国の地位に上り詰めたのに、今まさに、自分自身の選択でその地位を捨てようとしているからです。
そして、私たちの国・日本が将来にわたって平和と繁栄を維持し続けるためには、「国が発展するプロセス」を学ぶことももちろん非常に大切ですが、むしろそれ以上に大切なのは、「国がいかにして滅亡するか」の事例を観察することにあるのかもしれません。
実際、当ウェブサイトでは、とくに今年1月8日以降、韓国の動きのうち重要なものについて触れると、それに関してPVが増える傾向にあります(といっても劇的に増えるわけではなく、微妙に増える、というレベルです)。
言い換えれば、インターネット空間には、韓国が「せっかく獲得した平和と繁栄を、みずから捨てようとしている」という滑稽さに気付いている人が多いということかもしれませんし、また、日本がその轍を踏まないようにしなければならないと危機意識を抱いている方が多い証拠なのかもしれません。
ただし、当ウェブサイト自体にも言えることですが、最近、とくに気を付けなければならないことは、韓国の失敗事例を過度に面白おかしく取り上げるべきではない、という点です。とりわけ、「日本は凄い」「韓国はダメだ」といったステレオタイプに陥るリスクは高いといえます。
この点、たしかに韓国社会の失敗事例に関する報道は最近、とみに増えてきましたが、それらを紹介するのは良いとしても、「韓国はこんなダメな国だ」、「翻って日本はこんなに素晴らしい」、といったニュアンスを醸し出すことについては、自重しなければならないでしょう。
結局、私たち日本人が韓国論を突き詰めて考える意義も、「日本社会が陥ってはならない陥穽」を把握することにあります。その意味で、韓国を観察することは、間接的に日本を観察していることでもあるのだ、と思う次第です。
最新版鈴置論考で読む韓国
鈴置論考はその知的営みに最適
こうしたなか、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に掲載されれば、ほぼ毎回、当ウェブサイトで紹介している議論があります。
日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏の『鈴置高史 半島を読む』というシリーズです。
以前から申し上げているとおり、鈴置氏の韓国に対する観察には、他の論者にはあまり見られない、非常に大きな特徴があります。それは、韓国に「米国と中国」という視点を加えたことです。
今でこそ、韓国が米中双方に良い顔をする「コウモリ外交」、あるいは「米中二股外交」を繰り広げている、という点に同意する人が増えましたが、確認できる限り、これを10年以上前から一貫して唱えてきた人物のひとりが、鈴置氏です。
ただ、鈴置氏がしてきた仕事には、もうひとつ、極めて大切な点があります。
それは、鈴置氏がべつに韓国論だけを見ているわけではなく、韓国を「触媒」として、じつは日本について議論している、という側面があるのです。その意味で、当ウェブサイト的には、鈴置氏は「優れた韓国観察者」であるだけでなく、「優れたニッポン観察者」でもあるのです。
そして、これこそが鈴置論考を読み続ける醍醐味なのでしょう。
米中双方から「タコ殴り」にされる韓国
こうした議論のちょうど良い事例がありました。
デイリー新潮に昨日、鈴置論考の最新版が掲載されていたのです。
バイデンの最後通牒を蹴り飛ばした文在寅 いずれ米中双方から“タコ殴り”に
米韓の間の亀裂が天下に知れ渡った。中国は大喜びだ。韓国観察者の鈴置高史氏が展開を読む。<<…続きを読む>>
―――2021年3月22日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』
今回の論考も、ウェブページにして4ページ、文字数にして6000文字という大作です。ただ、表現のわかりやすさ、証拠の豊富さ、なにより描写の的確さなどもあり、とくに韓国論に興味のある方であれば、いつもながら文字数の負担をほとんど感じることなく、難なく読了できるに違いありません。
今回の論考、『米中対立で読む鈴置論考、慰安婦合意破りと米国の怒り』でも紹介した、3月16日付の『元慰安婦は今度は国務長官に抱きつくのか 米国の怒りを報じない韓国メディアの歪曲報道』の続報(というか「答え合わせ」)です。
記事タイトルでもわかりますが、鈴置氏は3月17日から18日にかけ、韓国・ソウルで行われた「米韓2+2」を含めた会合で、米国が韓国に対し、「民主主義の側に戻れ」と「命じ」たものの、韓国がそれにソッポを向いた、という話題です。
記者団の前で中朝を非難したブリンケン長官
さっそく、内容に入っていきましょう。
鈴置氏が注目するのは、3月17日に開催された、アントニー・ブリンケン米国務長官と鄭義溶(てい・ぎよう)外交部長官の間の米韓外相会談です。
「破綻が明白になったのは3月17日の米韓外相会談でした。会談の冒頭、A・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官を横に置いて、中国と北朝鮮の非道を強く非難したのです。」
具体的には、米国務省が3月17日付で公表したプレス・リリースの、次のような記載です。
“The alliance is unwavering, it’s ironclad, and it’s rooted in friendship, in mutual trust, and in shared values.”
“We want to achieve our shared vision of a free and open Indo-Pacific, anchored by respect for human rights, for democracy, for the rule of law.”
“China is using coercion and aggression to systematically erode autonomy in Hong Kong, undercut democracy in Taiwan, abuse human rights in Xinjiang and Tibet, and assert maritime claims in the South China Sea that violate international law. And the authoritarian regime in North Korea continues to commit systemic and widespread abuses against its own people.”
当ウェブサイトなりの意訳を付しておきましょう。
「米韓同盟はゆるぎないものであり、鉄壁であり、そして両国の友情、信頼、共通の価値観に根差したものだ。」
「我々は、人権尊重、民主主義、法の支配に支えられた『自由で開かれたインド太平洋』という共通のビジョンを達成したいと考えている。」
「中国は強制と侵略を通じて香港の自治権を体系的に侵害し、台湾の民主主義を弱体化させ、新疆ウイグル自治区とチベットの人権を弾圧し、南シナ海では国際法に違反して領海を主張している。北朝鮮の権威主義体制は、自国民に対して組織的かつ広範囲にわたる虐待を続けている。」
「米韓両国の同盟は、もう何十年もの間、私たちの安全と幸福を保証してきた。そして私は、この同盟を維持するだけでなく、今後何十年にもわたって、それを強化することが自分自身の仕事だと考えている。」
これは、なかなか露骨で強烈なメッセージです。
中国、北朝鮮に対して舌鋒鋭く批判したことの意義もさることながら、それを韓国の外交部長官が同席する場で記者団に対して堂々と聞かせること自体、韓国に対して「民主主義の側に戻れ」という要求が突き付けられたことを意味しているからです。
文在寅政権を相手にせず
ではなぜ、ブリンケン国務長官はここまで露骨なことをしたのでしょうか。
当ウェブサイトなりの言葉で言い換えれば、「密室で言っても伝わらないから」でしょう。つまり、いちど公開の場でハッキリと「踏み絵」を突き付け、それを踏むかどうかを試した、というわけです。鈴置氏は、次のように述べます。
「そこでブリンケン長官は韓国メディアの前で『人権弾圧を批判しろ』と語ることで、韓国人に直接『米国をとるのか、中国か』と迫ったのです。」
では、その踏み絵を韓国は踏んだのでしょうか。
結論的には当ウェブサイトの『むしろ韓国がなくても大丈夫な状態に備えることが大事などでも報告したとおり、中国に対する非難、北朝鮮の非核化などの文言については、米韓2+2では一切含められませんでした。
すなわち、米国が韓国に対して「米国離れするな」と警告を発したにも関わらず、文在寅(ぶん・ざいいん)政権にとっては馬耳東風だった、というわけです。
しかも、話はそこに留まりません。
米韓2+2が終了した直後、鄭義溶外交部長官が聯合テレビのインタビューで、次のように述べたのだそうです。
「米国は我が国の唯一の同盟国であり、中国は最大の交易国だ。米国と中国の間で両者から1つを選ぶのはありえないことであり、そんな接近法は不可能と考える」。
まったくとんでもない話ですね。
いずれにせよ、すでに日本の菅義偉政権は韓国を相手にしていませんが、自然に考えて、米国も今後は韓国を相手にしないのではないかと思います。
米国の真の狙いは「韓国国民を脅すこと」
ではなぜ、米国はわざわざこのタイミングで米韓2+2などを開催したのでしょうか。
鈴置氏はこれについて、次のように指摘します。
「鈴置:ブリンケン長官が踏み絵を突き付けた相手は文在寅政権ではなく、韓国の国民だったのだと思います。韓国人一人一人に『我々と肩を並べて中国と戦う覚悟があるか。中立という選択はないぞ』と言い渡したのです。」
要するに、何を言っても反米路線を変えない文在寅政権を相手にするのではなく、2022年3月の大統領選で親米政権が誕生するよう画策した方が合理的、というのが米国なりの判断なのでしょう。いかにもバイデン政権あたりが考えそうなことです。
この点、あくまでも個人的な持論ですが、「外交を通じて相手を変える」ことなど、出来っこありません。
米国が韓国を金融で脅すのか、米韓同盟破棄で脅すのかはわかりませんが、それで親米政権が誕生するかどうかはわかりませんし、あわよくばそのような政権が発足したとしても、米韓同盟の崩壊が早くなるか、遅くなるかという違いに過ぎないのではないかと思います。
本丸は「中国」
こうしたなか、韓国が米中双方から「タコ殴り」にされるのは、彼ら自身がそういう生き方を選んだ以上、止むを得ないのではないかと思いますし、個人的にはまったく同情するつもりもありません。
ただ、これは「韓国ざまみろ」で済まされる論点ではありません。今回の鈴置論考で、見落とせないのが「韓国の次は日本」、という記述です。
鈴置氏は、中国共産党の機関紙『環球時報』の英語版、すなわち『グローバルタイムズ』に3月18日午後7時過ぎに掲載された “China-free US-SK joint statement shows Seoul’s rationality, pragmatic consideration of geopolitical interests: analysts” を取り上げます。
「見出しを見るだけで分かりますが『米国は米韓共同声明に対中非難を盛り込むのに失敗した!韓国よ、よくやった。褒めてやるぞ』と小躍りする記事です。(中略)『韓国抱き込みをテコに中国包囲網を崩す』作戦を展開できると中国は考えているはずです。」
すなわち具体的には、中国包囲網という鎖を断ち切るためには、まずは「最も弱い輪」である韓国を切り崩せばよい、という発想であり、それをさらにテコとして、今度は日本を切り崩すという狙いが透けて見える、というものです。
「日本企業をいじめる一方、韓国企業は大事にする。すると、日本の経済界から『反中陣営に加わったから我々が損をする』との声があがり、日本という『次に弱い輪』も崩れて行く――とのシナリオを中国は描いているでしょう。」
すなわち、「韓国ざまみろ」、では済まされないのであり、これをきちんと指摘できるあたりにこそ、鈴置論考の本当の価値があるのかもしれません。
このあたり、先月の『国基研で「数字で読む日中関係」について意見交換した』でも紹介したとおり、櫻井よしこ氏が理事長を務める「公益財団法人国家基本問題研究所(国基研)」の意見交換会で報告した内容ともかかわってきます。
「数字で読む中国経済」 新宿会計士
金融評論家の新宿会計士氏は1月8日(金)、国家基本問題研究所企画委員会において、櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員と意見交換した。<<…続きを読む>>
―――2021.01.08付 国基研ウェブサイトより
この「ヒト、モノ、カネで見た日中関係」については、中国がわが国と基本的価値を共有していないという点ともあわせて、いずれ是非とも世に問いたいと思っています。
View Comments (72)
桜井よしこさんの主張は、先日、プライムニュースで伺えました。
中国が今後も人口が減少し、一人っ子政策も寄与し、一方で米国は若い移民を始め人口増加を進め、人口数では拮抗する程になるとの説明は、今迄、私は知りませんでした。この説明を知っただけで、プライムニュースを視聴して良かったと思う次第です。
下記に関連サイトのURLを紹介します。
BSフジLIVE プライムニュース
https://www.bsfuji.tv/primenews/
『櫻井よしこ氏が斬る! 緊急事態宣言が解除へ 対米中韓外交と菅政治』【前編】
https://www.fnn.jp/articles/-/157776
『櫻井よしこ氏が斬る! 緊急事態宣言が解除へ 対米中韓外交と菅政治』【後編】
https://www.fnn.jp/articles/-/157777
鈴置論考を読んでいて、日本に関する部分が心に突き刺さりました。
>中国包囲網という鎖を断ち切るためには、まずは「最も弱い輪」である韓国を切り崩せばよい、という発想であり、それをさらにテコとして、今度は日本を切り崩すという狙いが透けて見える、というものです。
「日本企業をいじめる一方、韓国企業は大事にする。すると、日本の経済界から『反中陣営に加わったから我々が損をする』との声があがり、日本という『次に弱い輪』も崩れて行く――とのシナリオを中国は描いているでしょう。」
日本国民はもうあの悪夢の民主党政権時代には戻らないと思いますが、日本の経済界が気が弱そうで心配だな。
閑居小人 様
「日本の経済界が気が弱そう」
中国の生産年齢人口は2010がピーク。
http://www.world-economic-review.jp/impact/article1518.html
若干のタイムラグがあっても購買力減少は確か。
「今のうちに儲けよう」とは考えても心中する馬鹿はいないと、
眺めています。
中共にはその舵取りはできないとは思っておりますが、多少の不安要素は残ります
例え生産年齢人口がピークアウトして減少側面に入っていたとしても、一人あたりの購買力が高まれば国単位の購買力は落ちないからです
奇しくも彼等自身が発信していた様に一人あたりGDPは日本に遠く及んでおりません
なんにせよ、注意しつつヲチすべきかと…
引っ掛かったオタク様
不安要素はご指摘の通りですが、中国の出生数、
出生数ピーク 1963、 3000万人弱
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_int_china20190921j-02-w380
その後、波打ちながら減少傾向で、昨年は1000万人強。
生産性はなかなか解釈も予測も難しいのですが、
これだけ生産人口(生産人口は出生数に依存)の減少が大きいと、
生産力が減少し、購買力が減少するのは必然と考えています。
国語の試験問題を瞬間芸で考えてみました。
もっとも適切なことわざを選べ
・他山の石
・対岸の火事
・明日は我が身
素晴らしい三行要約!
その瞬間まとめ力が羨ましいです。
私はダラダラ書いてしまう方なので…
対岸の火事
う~ん
海の向こう敵国のお笑い!
Koreanは数字が分からない人種、パーセントは無理無理無理過ぎて
経済はChina!などとほざいている
南Koreaの貿易のたった
2割から2割五分がChinaとの貿易
これは、米欧日の合計とほぼ同じか、少ないかな?という程度。
南Koreaは、軍事も経済もアメリカ!
アメリカが南Koreaを経済封鎖したら日欧も禁輸!
韓民国の輸出入はChinaだけになり4分の1、5分の1以下になる。
これで経済はChinaと喚いているんだから🐎🦌ですねぇ~
なんと言っても愚かなのは日米欧のいずれか一つだけにでも経済制裁されたら半導体という稼ぎ頭の輸出品が生産できなくなる。
アメリカに制裁されて半導体が作れず購入もできなくなればスマホも車も生産できず輸出もできなくなる
それなのに経済はChinaと宣言してしまう🐎🦌!
中国が日本を切り崩しにかかるとして、アメリカはどう対応するでしょうか。指を咥えて切り崩されるのを傍観はしないでしょう。
韓国がほぼ陥落したとすると、アメリカは今までみたいに韓国を宥めるために日本に我慢してもらおうと言った対応は取らなくなります。慰安婦問題についての対応も変わるでしょう。対中国の尖閣諸島についての対応もグッと日本を守る方向に動くでしょう。
一方、中国の切り崩し工作は警戒が必要ですが、ただ今のところはすごく稚拙なものしかありません。日米2アンド2の結果を受けて中国は激しく日本を非難しましたが、その言葉遣いは韓国に対して罵倒するのと全く変わりませんでした。我々は中国に罵られても韓国みたいに動揺することはありませんでした「あー、中国がなんか言ってるねー」一般庶民も上層部も同じ認識でしょう。
私はアメリカ、またはその他の民主主義陣営国のことも含めて考慮する場合、日本にとって悪い状態ではないと考えます。
もちろん中国は脅威です。ただ、その脅威にアメリカはじめ民主主義陣営の助力が期待できることは心強いです。
うざい韓国が民主主義陣営から切り離されることで、日本にとって悩ましい状態が解消されることをまず歓迎しましょう。
正直、日本が切り崩される可能性よりも米国が切り崩される可能性の方が高そうです。日本は自分が侵略される立場もありますが、大東亜共栄圏よろしく東南アジアに自由と平等と平和を!自分が折れたら東南アジアもまずいじゃん!という思いでやってますが、米国、特にトランプには南シナ海の航行の自由とか米国に直接的危害がそんなに及ばないのならあんまり無理せんとこ、みたいなノリがあったし、自国政府を動かす能力では経団連よりもウォール街の方がパワーあるでしょう。日本は世襲議員が多いので、より国民の人気取りに影響されやすいのでは、とも。その点では民主党は理念を振り回すので自分にはトランプより若干マシに見えたり、おそらくEUにもとっつきやすい相手に見えると思います。
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信ありがとうございます。
管理人様>日本を救うのは「社会のインターネット化」?
この命題に関しては社会のネットワーク化やグローバル化、インターネット化することで現状の無策ではヒトの集合知で人間統治を行う民主主義は滅んで別の人間統治形態(おそらく中国主導のAI専制支配)に移行する可能性が高いという仮説を当方は持っていますので、どころかで思考をまとめて議論の俎上に載せる必要があると思いますね。
日米に対して民主主義を否定する中国が最終的な勝利者ならば、韓国の民主主義国家からの決別は非常に賢明な判断かもしれないですよ(笑)。
以上です。駄文失礼しました。
民衆が主権を持ち続ける為には民衆が賢い判断が出来ることとそれを実現させる政党が必要かと思います。
日本には自民党以外にまともに政権を担える政党が無いので、民主主義が危うい状態であると考えます。
中韓のように我が国の国民は愚民だと割り切って早々にAIに主権を手渡せば色々と思い悩むこともなくなるかもしれません。
例えばキラキラネームをつけられても就職や婚姻、あらゆる場面で差別されないようになるかも知れませんし、統計学から導きだされる最適で且つご利益のある名前を逆にAIがつけてくれる未来もありえるかと思います。
簿記3級様
当方の駄文にコメントを賜りありがとうございました。
簿記3級様>民衆が主権を持ち続ける為には民衆が賢い判断が出来ることとそれを実現させる政党が必要かと思います。
同感です。付け加えるならば、特に非常時に民衆が社会にどれだけ貢献できるかで、統治への参加資格があると思います。
例えば男女関係ない投票権は総力戦で女性が戦争の後方支援に参加したことが大きな要因になったと思います。
そういった意味で、30歳前後でこれまでの社会貢献を数値化されてAIからの生存許可を取得する未来が可能性が高いかと思います。
次に40歳頃で生存許可を取得し、それ移行毎年許可を取得できるかを目標に勤労する未来ですかね。
おそらくムーアの法則が指針で、
目指せ毎年貢献増加率50%増と言ったところですね。
20年で当初の貢献の1000倍、25年で5000倍オーバーは当方には無理です(笑)
未来に産まれなくて良かった(笑)。
以上です。駄文失礼しました。
簿記3級 様
「自民党以外にまともに政権を担える政党が無いので、民主主義が危うい」
民主主義はいつも危ういのでは?
理想とされた、交代可能な二党制の英米も揺らぎ、
多党制の独仏伊も揺らいでいます。
転ばないように運営するしかないのでしょう。
民主主義はいつも危うい。
米英の先輩諸氏を見ていると民主主義が試されているのかもせれません。
中国や韓国がこれを進化、向上させチャーチルの言う民主主義は最低だが、それ以上のシステムはないという言説を覆し、明治期以来の先進国になれなかったコンプレックスを解消してもらえれば幸いです。
日本は仰る通り、数十年という時間を使い忍耐強く、もどかしいくらいゆっくりとした変化の国政運営をしてカイゼンしていくのかと思います。
火の鳥未来編ですね。わかります。
中国はオトナのふりを止め吠える戦狼に成り下がりました。先日彼らの口からこんな発言がありましたが、「中国に媚びる習慣がついてしまっている日本のメディア」は記事を目立たないようしてます。
いわく、「米国の属国」であると。
本朝は先の世界大戦を戦い抜き多大な戦禍を贖うことになりましたが、今このとき stand-firm(両の脚でしっかり立っている)のは、ほぼほぼ間違いないところです。十年前の痛ましい災害すらこの国を揺るがすことはできませんでした。日本はなおいっそう強くなることでしょう。人類史上まれな時代に目撃者でありプレーヤーであることに感謝の念を禁じえません。
コウモリ外交を続けてきた韓国に,米中双方が脅しをかけて,相手側に行かないように牽制しているのは,誰が見てもすぐわかります。ただ,アメリカのシンクタンクは文在寅政権下で,米韓同盟を強化したり日韓関係を改善するのは無理だと考えているので,大統領選挙の先の,時期政権への警告をも込めた地ならしという位置づけだと思います。安心してはいけないのは,日本のほうも,アメリカが危険視する大物政治家の影響力がまだ大きいので,そちらに関しても,アメリカからの牽制策があると思います。1年以上先だと思いますが,そのうち日本にも「韓国と和解せよ」という命令がアメリカからやってくると思います。
米国が言っているのは「米国離れするな」というよりも、独裁国家と仲良くしようとせずに自由民主主義陣営に来い、ですね。米国は自由民主主義 vs. 非自由民主主義ではなく米中覇権争いと見られないように頑張ってますし、であるからこそEUもFOIPに賛同しやすい。
ってか、韓国が自分が選べる立場だと思っているところが笑える。米国もここまで袖にされては、世界に羽ばたく米韓同盟と宣伝してあげた甲斐がありませんねw で、次が日本ですか。それこそTry meですね。というか、中国もFOIPは日本が主導していると知っているはずなのですが、どうしても米中覇権争いに持っていきたいのでしょう。
中国に懐柔されない最善かつ唯一の手は「汚ない金なんていらねぇよ」と言い切る気概を持つことです。
韓国のハニートラップを遮る最善の手が「醜い売春婦なんていらねぇよ」であるのと同様に。
いいなあ~
>「汚ない金なんていらねぇよ」と言い切る
>「醜い売春婦なんていらねぇよ」←Korean
これ良いですね!
ただねぇ~
Chineseには、すっごい美人がいるんだよね~~~
ひとこと書き忘れていた
> Chineseには、すっごい美人がいるんだよね~~~
の
あとに
「もの凄く、ものすご~く とてつもなく気が強~いChinese女」
と
続きます
Chinese美人はテレビの中の誰よりも美人だけど、美人も美人でとてつもない美人がビシッと言ってくるから、もう......なぁんも言えねぇ!
中国の上澄みは、やっかいですね。
半島は肥溜の上澄み・・・
アメリカが、韓国国民を脅す目的は達成されないでしょう。
米韓同盟は、価値観によるもので無く、中朝という共通の敵の存在で成り立っていましたが、その根幹は破綻しています。
アメリカは、韓国にアメリカに付けと言いますが、中国は中国側に付かなくとも、アメリカ側に行くなと韓国国民に言いますので、それを韓国国民は受け入れてしまい、アメリカに対しては反発するでしょう。
昨日習近平首席は、「朝鮮半島の平和を守るために、北朝鮮と協力する準備ができている」と発言しました。
アメリカが韓国を制裁するかどうかは別にして、中国主導の南北統一 → 統一朝鮮の中国属国化となるでしょう。
ここで問題なのは、民主主義側に残りたい韓国人の扱いで、アメリカが難民として受け入れる事になると最悪です。
朝鮮人は、国内問題に外国を巻き込み、迷惑をかける事が予想されます。
> 中国主導の南北統一 → 統一朝鮮の中国属国化となるでしょう。
この一点を除き、他は完全に同意します。
ホワイトハウスの勘違いは、韓国の選択は米国か中国かの二択であると思い込んでいるところです。韓国の狙いは、どちらにも付かず、安全保障は米国、経済は中国のいいとこ取りをすることです。「あれも、これも」に対して「あれか、これか」を迫っても話が噛み合うはずがありません。
鄭義溶外交部長官:
> 米国と中国の間で両者から1つを選ぶのはありえないことであり、そんな接近法は不可能と考える
この発言は、素直に上述の韓国の「あれも、これも」という思いを述べたものです。これを以てホワイトハウスが「中国を選んだのだな?」と青瓦台に迫っても、「そんなつもりは毛頭ございません」という本心からの答えが返るだけです。韓国の心はいつも米国の安全保障に寄り添っているのです。もちろん同時に、同胞たる北朝鮮にも、心の宗主国たる中国様にも寄り添っています。
「米国側には付いていない」
「二択なんて飾りです。米国の偉い人にはそれがわからんのです」
> 鈴置:ブリンケン長官が踏み絵を突き付けた相手は文在寅政権ではなく、韓国の国民だったのだと思います
これも米国の韓国理解の浅さ故です。皆様が既にご指摘の通り、保守政権になったからと言って従中路線は変わりません。DNAに刻まれていると言われる恐中気質に加え、最大の経済依存先である中国に対しては、親米保守の中核である韓国経済界(財閥)もまた依存を止めたくありません。
加えて、「朝鮮人が三人集まると七つの派閥ができる」といわれる分裂体質により、韓国民が一つにまとまって「親米」という選択を行うことはあり得ません。常に輿論が分裂し、それをそのまま外交に持ち込むので、何も決定せず、何も解決しない、むしろ問題を作り出し続ける外交となります。
だんな様:
> 中国は中国側に付かなくとも、アメリカ側に行くなと韓国国民に言いますので
この辺り、中国様は朝鮮人の取り扱いが良く分かっていらっしゃる。米国の稚拙さとはえらい違いです。
最後に、私は平和裏の南北統一は、いかなる形でも無いと思っています。
なぜなら、
・朝鮮人は決断できないから。自力で問題解決する意思はないから。
・北と南で統一後の体制に関する思惑が違うから、意見が合わず分裂する。
・中国様にとって南北統一は必ずしも目標ではなく、半島を操れれば何でもよい。
・西側陣営にとっては、韓国さえ手元に置いておければよく、北の面倒まで見る必要は無い。
自力統一の意思がないのに、強く圧力をかけてまで統一させたい国・陣営はないと思います。
阿野煮鱒さま
同感です。とくに下記の部分において。
> DNAに刻まれていると言われる恐中気質に加え、最大の経済依存先である中国に対しては、親米保守の中核である韓国経済界(財閥)もまた依存を止めたくありません。
10年ちょっとまえ、ソウル市内の大手ホテルで、某有名私立大学の国際政治を専門とする教授と話していたときのことです。日米に留学経験のある親日親米教授です。静かだったロビーから、喧しい中国人の声が聞こえてきたので、ふと「韓国と中国の関係を、どう思われますか」といいました。すると教授は日本語で、「中国は、怖いですねぇ・・・」とつぶやいていました。あの声が、耳からはなれません。 阿野煮鱒さまのコメントを拝読し、「DNAに刻まれていると言われる恐中気質」があるのだと、今更のように痛感しました。