韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の昨日の記事によると、韓国大統領府が昨日開催した国家安全保障会議で、「対日関係改善のための努力継続を確認した」のだそうです。ただ、具体的に、日韓関係においてどのような問題があって、どのような道筋でどう問題を解決するのかに関しての議論が行われた形跡はありません。こうしたなか、文在寅(ぶん・ざいいん)大統領のいう「相手の立場に立って」とは、「日本が韓国の立場に立て」という意味だと解釈すると、すっきり説明がつく、という考え方もあります。
目次
具体性に欠ける提案
韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日掲載された次の記事によると、韓国大統領府が昨日開催した国家安全保障会議で、「対日関係改善のための努力継続を確認した」のだそうです。
NSC開催 対日関係改善のための努力継続を確認=韓国
―――2021.03.04 20:14付 聯合ニュース日本語版より
記事の字面だけを読むと、「悪化した日韓関係を改善するために、いよいよ韓国政府が本腰を入れるのか」、と勘違いしてしまいますが、結論から申し上げるなら、そのような読み方は間違っています。この記事はむしろ、「現在の韓国政府に日韓関係を改善する気がない証拠」のひとつです。
どうしてそう読むべきなのかについては、のちほど本稿の後半で、じっくりと検討することにしたいと思います。
文在寅氏が壊す日韓関係
日韓間に山積みの、法律、経済、安全保障など広範囲に及ぶ課題
これまで当ウェブサイトで何度となく指摘してきたとおり、文在寅(ぶん・ざいいん)政権下の韓国が日本に対して仕掛けてきた不法行為は、それこそ山のようにあります。
その皮切りは2017年12月に「慰安婦合意検証タスクフォース(慰安婦TF)」が日韓慰安婦合意(2015年12月)に関する外交機密を勝手にバラしてしまったことです。
これにより韓国は外国との外交による交渉ができなくなりました。なぜなら、韓国と秘密裏に外交交渉をしたとしても、どうせ政権が変わったらバラされてしまうという実例ができてしまったからです。その意味で、慰安婦TFの行動は、韓国が自身で国益を傷つける、一種の「セルフ制裁」だったのです。
ただ、日韓関係に関していえば、韓国が作り出した不法行為は政治面だけでなく法律面、経済面、安全保障面などの広範囲に及んでおり、なかでも日韓の法的安定性という点では、2018年10月と11月に発生した自称元徴用工判決問題は「一丁目一番地」といえるほど深刻な問題です。
しかも、日韓間に刺さるトゲは、この自称元徴用工問題だけではありません。政治面における課題のなかでも最たるものといえば、何といっても自称元慰安婦問題でしょう。
ことに、文在寅政権が慰安婦合意を事実上反故にしてしまったことや、今年1月に韓国のソウル中央地裁が日本政府に対する敗訴判決を言い渡した「主権免除違反判決」問題、ソウル日本大使館跡地前にある慰安婦像の問題など、韓国が作り出した派生論点はいくらでもあります。
また、外交面でいえば、2019年2月に文喜相(ぶん・きそう)国会議長(当時)が天皇陛下(現在の上皇陛下)を「日王」、「戦犯の息子」などと蔑み、自称元慰安婦への謝罪を求めるなどの暴言を吐いた問題についても、未解決のままです。
日本国憲法第1条で「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と規定されていることを思い出すならば、天皇陛下に対する暴言や侮辱は、日本国と日本国民に対する暴言や侮辱と同じ意味でもあります。
それにも関わらず、この暴言を吐いた本人はもちろんのこと、その者を国会議長にしてしまった韓国国会、さらには韓国政府などから、上皇陛下、天皇陛下、そして日本国民への謝罪はありません。
その韓国が日本に対して仕掛けてきた不法行為は、政治・外交・経済面に関するものに留まらず、安全保障面にも及んでいます。
2018年12月20日に発生した韓国海軍駆逐艦「広開土大王」による海自P1哨戒機に対する火器管制レーダー照射事件をめぐっては、韓国側が見え透いたウソをついて責任逃れを図っただけでなく、終いには「日本こそ低空威嚇飛行を仕掛けたではないか」と逆ギレしました。
さらには、日本政府が韓国に対する輸出管理を厳格化・適正化する措置を講じたことに対し、韓国政府は2019年8月に日韓GSOMIAの破棄を発表しました(ただし、これは米国の圧力により、執行直前に破棄の撤回を余儀なくされています)。
「韓国は日本経済にとって重要」、本当?
ウソをつく。
約束を破る。
謝罪しない。
こんな国と、まともな友好関係が成立すると考える方がおかしいのです。
もちろん、韓国にもまともな人はいますし、ことに産業・経済界においては、韓国経済のためには日本との協力が欠かせないということを理解している人も多いと思われますが、それと同時に、韓国社会はいつのまにか、日本と円滑なビジネスをするための基盤を自ら損ねてしまったのです。
ことに、日本のビジネス界にとっては、今から80年近く前の「戦争犯罪」などをでっち上げられた挙句、株式などの資産を没収されるリスクを抱え込んだ、ということでもあります。合法的な投資や取引で生じた資産を不当に取り上げられるというのは、もはやその国でビジネスをすることが困難であるという証拠です。
もっとも、日本の側で、この期に及んで「韓国が日本経済に占める重要性は非常に大きい」、「だから日本は我慢して韓国と付き合うべき」などする主張が存在していることは事実です(※どこの誰がそう主張しているかについて、敢えて実名は挙げませんが)。
しかし、この「韓国が日本に対して占める重要性は非常に大きい」とする主張については、半分は正しいのですが、半分は間違っています。
ことに、巷間で「日韓の経済関係は、切っても切れないほど重要だ」と勘違いされているフシがあるのですが、先月刊行した『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』でも報告したとおり、少なくともマクロ面からは、こうした思い込みの正しさを裏付ける証拠はありません。
これについて拙著ではヒト、モノ、カネなどの面から説明しているのですが、本稿ではモノ、カネに限って、拙著では間に合わなかった最新データも取り上げておきましょう。
もともと日本企業の対外直接投資残高に占める韓国の割合は非常に低く、また、日本の金融機関が韓国に対して実行している国際与信額も、「隣国同士」という点を踏まえるならば、無視し得るほど少ないという特徴があります。
JETROが公表する『直接投資統計』によれば、2019年12月末時点における日本の対外直接投資残高は1兆8583億ドルですが、韓国に対する対外直接投資残高は390億ドルと、日本の対外直接投資残高全体の2.1%に過ぎません。
また、日銀が公表する『BIS国際資金取引統計および国際与信統計の日本分集計結果』によれば、日本の金融機関は外国に対し4兆6718億ドルものカネを貸していますが(※2020年9月末基準、最終リスクベース)、韓国に対する与信は543億ドルと、全体の1%少々に過ぎないのです。
貿易面では日台関係が日韓関係より重要に?
しかも、『貿易統計③日本の貿易上、台湾と韓国の地位は逆転へ?』でも述べたとおり、日本にとっての貿易相手国としては、近年、韓国の重要性が低下する一方で、台湾の重要性が急浮上しています。
具体的には、2020年を通じた韓国への輸出高が4兆7662億円(全体の6.97%)で、これは前年比▲2776億円(▲5.50%)と落ち込んでいるのですが、台湾については輸出高が4兆7391億円(全体の6.93%)で前年比+505億円(+1.08%)と伸びているのです。
また、台湾からの輸入高は2兆8563億円(全体の4.22%)で前年比▲713億円(▲2.44%)と減少したものの、韓国からの輸入高は前年比▲3891億円(▲12.06%)の2兆8380億円(全体の4.19%)に留まりました。
つまり、日本にとって、輸出相手国では韓国が中国、米国に次ぐ3位の地位を占めているものの、台湾向けの輸出が伸びた結果、順序が逆転しそうになっていて、輸入相手国に関してはすでに「台韓逆転」が生じているのです。
そういえば、日台貿易に占める金額的としては微々たるものかもしれませんが、台湾産のパイナップルの輸入が増える(『台湾産パイナップル禁輸が中国へのセルフ経済制裁に?』参照)ことも、日台関係の深化を象徴しているように思えるのは気のせいではないでしょう。
この点、両国の経済的な関係については、「ヒト、モノ、カネ」という総合的・マクロ的な側面だけでなく、個別企業の動向などの「ミクロ的な動き」も考察に加えることが望ましいため、直接投資、対外与信、貿易などの「モノ、カネの面」だけで日韓関係の性質を断定できるものではありません。
もちろん、日韓断交などという事態は、本来ならば避けるべきですし、また、日韓断交などが生じた場合には、短期的には日本経済にも深刻な影響が生じることは間違いありません。
しかし、少なくとも日韓関係は「日本が韓国に対し『モノを作るためのモノ』(生産装置、中間素材など)を提供する、という関係にある」とする著者の分析が正しければ、日韓断交の影響は日本にとって中・長期的には十分にコントロール可能です。
だからこそ、文在寅政権が終わるであろう2022年5月に向けて、日本社会は韓国に対するヒト、モノ、カネの面における依存度を少しでも下げる努力をすべきなのである、というのが拙著の主張、というわけです。
(※なお、同じ「ヒト、モノ、カネ」の分析を中国についてもやっているのですが、こちらについてはもう少し事情は複雑です。これについては『中国は重要な相手国だが引き返すことは可能=雑誌正論』、『国基研で「数字で読む日中関係」について意見交換した』あたりの議論もご参照ください。)
キーワードは「易地思之」
大変に「噴飯物」というほかない文在寅氏の演説
さて、文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領が3月1日の「三一節」の演説で、日本に対して「宥和的な姿勢を示した」として、注目されています。
これについて、原文の該当箇所をできるだけ忠実に和訳したものについては、『【資料】文在寅氏「3・1節」演説の日本に関する発言』に収録していますので、改めて全文を掲載することはしませんが、まだの方はぜひ読んでみてください。端的に言えば、「噴飯物」というほかありません。
ただ、「あれだけ日本に対して殴りかかっておいて、『対話しよう』、『関係改善しよう』とは、いったいどの口がいえるのか」という文句のひとつでも言いたくなるところではありますが、ここで必要なのは、この噴飯物の演説がなぜ、「このタイミングで」出てきたのかという点に関する考察です。
結論から先に申し上げておくならば、文在寅氏が功を焦るように急に日韓関係改善を言い出した理由は、おそらく来年3月の大統領選までの1年で、文在寅氏の運命が決まってしまうからです(『韓国大統領選に向け、「迷走の1年」がこれから始まる』等参照)。
もっと言えば、おそらく文在寅氏に「日韓関係を本気で改善させよう」という気持ちはありません。『日韓関係改善は隠れ蓑、文在寅氏の真の狙いは南北融和』でも報告したとおり、文在寅氏にとっての政策の最優先課題は、「大韓民国という国を北朝鮮に献上すること」にあります。
具体的には、文在寅氏が本音で考えているのは、北朝鮮が開発した「民族の核」と、1人あたりGDPで今や日本と肩を並べるほどにまで成長した韓国の経済力をあわせて、日本を凌駕する強大国・統一朝鮮を出現させる、といったところでしょう。
だからこそ、「日本は対話に応じよ」、「韓日関係の改善が大事だ」、などと口先だけで叫んでいるのでしょう。本当に、相手にするだけ時間の無駄です。
何ら具体的提案がないNSC
こうしたなか、文在寅氏の「韓日対話呼びかけ」が単なるポーズに過ぎないという証拠のひとつがあります。
韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日掲載された、次の記事です。
NSC開催 対日関係改善のための努力継続を確認=韓国
―――2021.03.04 20:14付 聯合ニュース日本語版より
どうしてこれが、「文在寅氏が日韓関係を改善する気がない証拠」なのでしょうか。
実際に記事を読むとわかります(※といっても、全文の転載はしませんので、気になる方は、のちほどリンク先の記事をご確認ください)。
これは、韓国大統領府が4日に開いた「国家安全保障会議(NSC)常任委員会」の会合で、「文大統領が演説で示した韓日関係改善の意思と関連し、外交的努力を続けていくことを確認した」、とするものです。
日韓関係について言及されているのは、基本的にこれだけです。
「引き続き外交的努力を続けます」、と言われても、少々困惑しますね。というのも、日韓間に横たわる問題は、数え上げていけば両方の手で足りないほど存在しており、わが国は、それらのほとんどについては韓国の行動を待つしかないからです。
【参考】韓国の日本に対する不法行為のほんの一例
2017年12月の慰安婦合意TF問題、2018年10月と11月の自称元徴用工判決問題、2018年12月の火器管制レーダー照射事件、2019年2月の国会議長による天皇陛下侮辱事件、2019年7月の自称元徴用工に関する日韓請求権協定無視問題、2019年8月の日韓GSOMIA破棄騒動、2020年7月の輸出管理に係るWTO提訴問題、2021年1月の主権免除違反判決問題、近年の自称元徴用工側からの日本企業の「資産売却スルスル詐欺」問題、各地で増殖する慰安婦像の問題、対馬から窃盗された仏像を返還しない問題、イチゴ種苗などの知財窃盗問題、その他もろもろの問題。
本当に、いったいどうするつもりなのか、不思議でなりません。
「相手の立場に立って考える」の本当の意味
ただし、ここでひとつ気になるのは、文在寅氏の発言にあった、「易地思之」という表現です。
日本ではあまり耳にしませんが、産経ニュースの桜井紀雄氏が2年前の元日に配信した次の記事によれば、これは「相手の身になって考える」という意味であり、韓国の政治家(とりわけ文在寅氏)が好んで使うものだそうです。
【劇場型半島】文在寅氏が多用する四字成語、相手と都合で変わるその意味は
―――2019.1.1 01:00付 産経ニュースより
桜井氏はこれについて、「その意味するところは相手と状況次第で都合良く変わる」と皮肉ります。
どういうことかといえば、文在寅氏がこの単語を2018年11月の日韓・韓日協力委員会合同総会で発した際には、「韓国の身になって考えることを日本に要求する」といったメッセージが読み取れるのではないか、と述べているのです。
このように考えると、今年の「三一節」で文在寅氏が「わが国はいつでも日本政府と向き合い、対話する準備ができている」だの、「易地思之」だのと述べたことは、「日本こそ韓国の立場に立って対話に応じよ」という主張だとする解釈も成り立つのかもしれません。
この1年は「丁寧な無視」で
いずれにせよ、文在寅氏の日本に対する「擦り寄り」を巡る当ウェブサイトとしての見解は、「相手にするな」、です。なぜなら、どうせ韓国の側から日韓関係改善のための具体的なアクションが出てくることはあり得ないからです。
これについて、韓国メディアからは「文在寅大統領が韓日関係改善のために手を差し出したのだから、今度は日本がこれに応じる番だ」、といった意味不明な反応も相次いでいますが(『韓国紙社説「文在寅大統領の呼びかけに日本も応じよ」』等参照)、これも相手にする必要はありません。
それよりも、これから日本がやらねばならないことは、少なくとも文在寅政権下の韓国と対話を進めることではありません。1年少々のちに発足するであろう「ポスト文在寅政権」に備え、粛々と準備することです。
この点、「ポスト文在寅政権」時代において、日本が日韓関係改善に乗り出すべきなのか、それともいよいよ本格的に日韓断交を決断しなければならなくなるのかについては、現時点では見通せません。
しかし、「最悪のシナリオ」に備えた準備を粛々と進めるのは悪いことではありません。
もっとも、追い詰められた文在寅政権下の韓国がさらに迷走する可能性もありますし、米国のジョー・バイデン政権が日本に対し、「日韓関係改善」という圧力を掛けてくる可能性にも警戒は必要でしょう。
というよりも、『鈴置論考の「韓国核武装中立」が絶対容認できない理由』などでも触れたとおり、そのバイデン政権自身が、文在寅政権を除去し、米国にとって都合が良い政権を発足させようと画策する可能性もあります。
米国、とりわけ歴代民主党政権は、「外交を通じて相手を変えることができる」と勘違いしているフシがあるため(※個人的主観です)、「2022年3月に親米的な人物が大統領に選ばれるよう、韓国に対して圧力を掛ける」という行動に出るかもしれません。
その意味で、日本が真に警戒すべきは、韓国よりもむしろバイデン政権の暴走なのかもしれません。
だからこそ、豪州、インドを巻き込んだ「FOIPクアッド」でバイデン政権を牽制しなければなりませんし、ボリス・ジョンソン政権が率いる英国との包括的な連携強化を急がねばならないのです。
これは対韓外交だけでなく、対中外交においても同様に重要な話です。
2024年11月の大統領選にドナルド・J・トランプ氏が出馬するのかどうかは現時点で読めませんが、現時点では「第5次安倍政権とトランプ政権が2024年以降、タッグを組んで中国包囲網を完成させる」というシナリオを妄想するよりも、現実的に「脱韓」、「脱中」戦略を加速させていくことが必要でしょう。
View Comments (31)
おお、韓国もやっと請求権協定に基づく仲裁に応じるとうことですか_
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_005119.html
>韓日関係改善のための努力継続を確認
直接関係はないのですが「努力」と聞くと、アチラで言うところの意味合いは本邦とは違いがあるので戸惑います。
K努力=競争相手の足を引っ張り引きずり下ろすこと。
日本では、コツコツ地道に勉強なり仕事なりに取り組んで自己研鑽を積むことなどが「努力」なんですけどね。
韓国の人は漢字を捨ててしまったがために漢語に対する知識レベルが非常に低いように見えます。これについては日本も「おまいう」なのですが、さすがに日本は漢字を捨ててはいないので、流石に一定レベルの教養の深みがあります。
「葛藤」「崛起」韓国の人が好んで使う漢語の語彙はすごく少ない。少ない語彙をやたら好んで使い回す傾向がある。辞書で見つけた言葉を喜んで使っちゃう小学生のように(おっと小学生に失礼)。そして、日本人がカタカナ外来語に勝手に自分に都合のいい意味を付加して多用するのと似たことを韓国の人は漢語でやってしまう。だから、日本人が感じる言葉の意味と結構違ってしまっている。
「謝罪」という言葉を慰安婦問題で使う時、「偽慰安婦を本物と認定すること」という意味が実は勝手に付加されている。だから総理がどんなに丁寧な言葉で謝罪しても彼らのいう謝罪にはならない。「遺憾」という言葉は逆に日本人が持つイメージを逆に取り除いて「残念」くらいの意味にしかならない。「残念だけど何も出来ないよ」と白旗を上げるのが「遺憾」。
「易地思之」という言葉にも、本来の自分を律する意味は全くなくて、「私の気持ちを察して欲しい」という意味「だけ」しかないようです。
彼らの使う漢語は、その使い方をよく見て、別の訳語を当てないと勘違いしてしまいます。
G さん
>「謝罪」という言葉を慰安婦問題で使う時、「偽慰安婦を本物と認定すること」という意味が実は勝手に付加されている。だから総理がどんなに丁寧な言葉で謝罪しても彼らのいう謝罪にはならない。
おそらく元米軍慰安婦であろう自称日本軍慰安婦を日本軍慰安婦として扱ってはいるので、「偽慰安婦を本物と認定すること」を日本はしてると思います。
日本が認めていないのは、日本軍による強制連行の被害者かどうかの部分だと思います。
ちょっと違うと思います。日本は日本軍慰安婦の存在は認めてしまっているのかもしれませんが、韓国が欲しているのは、訴え出ている偽慰安婦がその日本軍慰安婦だったことを認めて欲しいということなんです。要するに私を慰安婦と認めて謝って。もっと言えば「私だけに謝って!」なんです。
なぜそんなことが必要か。簡単です。彼女らは偽物という自覚があるのです。だからもしそれがバレてしまうと社会的に抹殺されてしまいます。それがとんでもなく怖いのです。「お金などいらない、謝罪だけが欲しい」というのは私は本音だと思っています。
被害者中心主義を掲げる韓国政府は偽慰安婦おばあさんの意向に寄り添う建前ですから、彼らの要求も同じです。韓国政府としても、もし偽慰安婦が大っぴらになってしまったら30年にわたる慰安婦問題の正義が失われてしまい、回復不能なダメージを負ってしまいます。
現在の韓国において、大衆の漢語素養は貧弱になっていますが、歴史的には、地続きの中華帝国に属国として接してきた上に、自国においても科挙を実施し、朱子学を追求した実績があり、知識階級の漢籍の素養の積み重ねは日本を遙かに上回るものがあります。
日本において漢籍は返り点を打って読み下すという独特の受け入れ方がなされ、漢字の意味/解釈にもズレが起こります。日本人の書く漢文には「倭臭」が起こりがちであると荻生徂徠が指摘したほどです。
その点、朝鮮においては読み下しなく、漢文で考え漢文で書くスタイルでした。朝鮮語は日本語と同様、膠着語の一種です。語順はSOVです。漢文は孤立語で語順はSVOです。言語構造が全く異なります。日本人が英語で考え英語で書いて国家公務員試験を受験する、に近いイメージで厳しい科挙を乗り越えた士大夫が朝鮮の知識階級だったわけです。
そうした歴史的蓄積は、戦後のハングル専用運動によって相当に損なわれているとはいえ、雲散霧消したとは言い切れないところがあります。私は実際に韓国を旅行して、そうした歴史的重みの片鱗を感じました。
韓国は案外に多様な社会です。残念ながら政治的には同調圧力が強く、文化的多様性が表に出にくい構造になっていますから、外部から観察すると多様性が感じられません。しかし。ソウルの街を歩いていると「漢字復権」のポスターが貼られていたりしました。
すみません、肝心なことを書き忘れました。
文在寅大統領が言うところの「易地思之」は、今も韓国に残る豊かな漢文の素養をそのまま表したものではなく、党争と声闘で鍛えられた朝鮮式朱子学の残滓と見るべきでしょう。
今後も朝鮮の豊かな漢籍の素養を見る機会は減少の一途となり、特に対日発言については認知の歪みにまみれ、まともな言論を目にする機会はないでしょう。
確か蓄積はすごいものがあるのは間違いないですね。ただ、やはり漢字を使わなくなることでの劣化の度合いは非常に大きいように見えます。
ハングル運動も北朝鮮による韓国弱体化工作の一環のように感じています。過去の不都合な歴史を見えなくする効果とともに、漢語のままハングル化して同音異義語が多発してミス多発してるのは、明らかに国力を削いでいます。自分のこととして考えられた政策ではあり得ないです(外部の工作でしかありえない)。
まあ、他人事ではありますが、韓国は今すぐにでも漢字復権さすべきでしょう。日本としては彼らとは話したくないのですが、彼らが日本人を論破するのに、中国に近いことで得られた漢字、中国語の素養は役に立つでしょうに。これからではもう手遅れかもしれませんが。
お疲れ様です。
私の受けた印象です。
今回も、日韓基本条約を破った状態をなにがなんでも続けるということを感じました。
世界を敵に回しても、日韓基本条約を破るという決意を感じました。
最近怖くなり、最悪の自体も想定しなければならないのではと感じてきました。
日本国憲法、非軍事で日本を守る。
第一希望です。
「易地思之」については、文大統領演説直後に「日本は、韓国の事を考えて関係改善するニダ」という意味だと説明しました。
文大統領は、「日韓関係を本気で改善させよう」としています。文大統領が考える「日韓関係の改善」は、「日本の永遠の謝罪と賠償」だからです。
アメリカ向けのポーズにもなり一石二鳥。
日本が「丁寧な無視」をしても何も韓国は、変わりません。
付け加えますが、「日韓断交」しても、これと同じ状況が続きます。
日本にとっての日韓関係改善は、起こり得ないのです。
売らない、買わない、来させない。
とりあえず、ミニ非韓三原則を実践して、韓国なんてなくてもいいと。理解することから始めましょう。
なぜか韓国が譲歩した気になっていますが、日本が求めているのは“歩み寄る姿勢”ではなく、約束の履行です。
既成事実を示さない限り、相手にする必要はありません。
米韓関係が改善しないのに日韓関係など改善できる訳がないと言うのが一つ。3カ国連携の主力である米韓関係よりも日韓関係に注目させられているという作為的な誇張には気をつけた方がいいですね。
もう一つは、韓国世論が日本を懲らしめるためには「基本条約を侵犯しても構わない」という感情を持っている以上、後の政権が誰になろうと根本的な改善に向かうことはあり得ない、と言うことですね。日韓関係はこのまま解体してミニマルな再設計をした方が、両国の精神衛生上、随分とマシになるでしょう。
更新ありがとうございます。
文政権の言う「日本との話し合いをする準備がある」「お互いに知恵を出し合う」とは、ちょうど日本の胸ぐら掴んで揺すり、足で脛を蹴るような状態です。
「オラーッ!何で安倍と菅は、言う事聞かないんダ!昔ならスグ金出しただろー。謝っただろ。日本が譲歩しろ。下手したらオレは刑務所か、飛び降りる事になる!分かってんのかー?菅が無視するならバイデンに告げるゾーッ」ってなところかと(笑)。
どうせ日本が何とかすると思っているが、徹底した無視で良いと思います。あと1年いや今年中にポスト文は決まるでしょうが、今後更に日本への付き纏い、最後は猛烈な反日で終わるでしょう。
バイデンの認知症もトゲになりそうです。いつも薄ら笑いで、キリッとした表情が無い。だいぶん進行してるのでは?まだ日米韓なんて思ってるなら、ヤバイ人よ。FOIP、クワッドをトップに考えて!
>「外交を通じて相手を変えることができる」と勘違いしているフシがある
まぁ日本改造の成功体験があるからなぁ
もちろんアメリカは常に世界最強軍隊あっての外交だが。