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主要メディア世論調査で軒並み不支持率が支持率上回る

当ウェブサイトで「定点観測的」に追いかけているテーマのひとつが、主要メディアによる内閣支持率です。日経・テレ東、共同、時事、読売、朝日、産経・FNNという6つのメディアに関していえば、産経のものを除き、直近の調査でいずれも支持率が不支持率を下回ったようです。(※なお、本記事につきましては、2021/01/25 16:10付で誤植の修正を行っています。)

2021/01/25 16:10追記

記事の冒頭「ほとんどで支持率が不支持率を上回って」の記述を「ほとんどで支持率が不支持率を下回って」に修正しております。「一国民」様、コメント欄でのご指摘、大変にありがとうございました。

ついに産経・FNN以外の主要メディアで支持率が不支持率を下回る

主要メディアが実施する内閣支持率調査によれば、ついに産経・FNNのものを除いて、ほとんどで支持率が不支持率を下回ってしまいました。当ウェブサイトで追いかけている調査のうち、日経・テレ東のものを除くと、いずれも1月時点の調査結果が出ているようです(図表1)。

図表1 内閣支持率(日経・テレ東のものを除き、2021年1月)
メディアと調査日 支持率(前回比) 不支持率(前回比)
日経・テレ東(12/25~27) 42.0%(▲16.0) 48.0%(+16.0)
共同通信(1/9~1) 41.3%(▲9.0) 42.8%(+10.0)
時事通信(1/8~11) 34.2%(▲8.9) 39.7%(+13.1)
読売新聞(1/15~17) 39.0%(▲6.0) 49.0%(+6.0)
朝日新聞(1/23~24) 33.0%(▲6.0) 45.0%(+10.0)
産経・FNN(1/23~14) 52.3% 45.0%

(【出所】各メディアの世論調査)

このうち、産経・FNNについては、例の「世論調査不正問題」(『世論調査不正問題、むしろ焦点は「他社の対応」では?』等参照)を受け、しばらく停止されていたものですが、産経新聞は「今月から再開する」などとしています。

【産経・FNN合同世論調査】内閣支持率5割超、ワクチンへの期待が押し上げ 「接種する」約7割

―――2021.1.25 11:40付 産経ニュースより

いずれにせよ、その産経・FNNの調査では支持率が不支持率を上回っているのですが、ここに挙げたそれ以外のメディアについては、いずれも不支持率が支持率を上回ってしまっているのです。

朝日、読売「コロナ対応に不満」

これについて、朝日新聞は本日付の記事で「新型コロナ対応への批判が支持率に大きく影響しているとみられる」、読売新聞は先週付の記事で「政府の新型コロナウイルス対策への強い不満が表れたとみられる」、などと記載しています。

内閣支持率33%に続落、不支持45% 無党派層で急落

―――2021年1月25日 5時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より

菅内閣「不支持」49%・「支持」39%で初の逆転、コロナ対策に強い不満か…読売世論調査

―――2021/01/18 08:09付 読売新聞オンラインより

朝日新聞、読売新聞の調査結果については、調査の実施タイミング、支持率、不支持率の水準に微妙な違いはあるものの、「前回と比べて支持率は下落し、不支持率が上昇している」、「コロナ関連で不支持が広まったと記載されている」という共通点があります。

もっとも、先ほど引用した産経ニュースの記事によれば、「感染収束の「切り札」とされるワクチンへの期待が、内閣支持率を押し上げたとみられる」とあります。つまり、同じコロナ問題でも、報じるメディアによっては支持率が上昇した理由、下落した理由の双方に顔を出す、というわけです。

この点、個人的な考えですが、メディアが実施している内閣支持率調査については、これが正確に国民の世論を代弁しているかどうかを巡って、全幅の信頼を置いて良いとは思いません。また、支持率の上昇・下落要因はあくまでもメディアの主観的な解釈に過ぎないといえます。

しかしながら、各メディアの調査がほぼ一致して、菅政権の支持率の低下を示しているという点については、注意が必要と考えて良いでしょう(※ただし、それらの調査が正確なものであるかどうかについて、当ウェブサイトとして保証することはできませんのでご注意ください)。

立憲民主党への政党支持率は依然として低い

もっとも、今すぐに解散総選挙がなされたとして、自民党が過半数割れを起こして政権交代が発生するのかどうかについては微妙です。というのも、「野党第1党」であるはずの立憲民主党に対する支持率は決して高いとは言えないからです(図表2)。

図表2 政党支持率
メディアと調査日 自由民主党 立憲民主党
時事通信(1/8~11) 23.7% 3.1%
読売新聞(1/15~17) 37.0%(▲1.0) 5.0%(+2.0)
朝日新聞(1/23~24) 34.0%(▲4.0) 7.0%(+2.0)

(【出所】各メディアの世論調査)

いちおう、朝日新聞の調査では、立憲民主党の支持率は前月比2ポイント上昇して7%ではありますが、それでも自民党に対する支持率と比べると5倍(!)という違いがあります。同様に、読売新聞の調査でも5倍を超える支持率の格差が開いているという状況です。

もちろん、これはあくまでも政党支持率であり、「次期衆院選でどの政党(の候補者)に投票するか」という調査ではないため、今年実施が予想されている総選挙での各政党の議席を予想するというものではありません。

しかし、少なくとも当時の最大野党だった民主党が地滑り的な圧勝を遂げた2009年8月の総選挙が再現されるというものではないでしょう。

新宿会計士:

View Comments (23)

  • >>産経・FNNのものを除いて、ほとんどで支持率が不支持率を上回ってしまいました

    支持率と不支持率が逆になってますかね・・・

    細かなことで申し訳ありません。

    • 一国民 様

      ご指摘大変ありがとうございます。さっそく修正します。
      引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

  • 更新ありがとうございます。

    今の事態は平時ではありません。コロナ禍という目に見えないがすぐ誰でも罹患する恐いウィルスです。この為、営業時間短縮だ、密にするな、外出は控えろ、用事は少ない人数で終わったらスグ帰れ、と言われて世の中楽しいはずがありません。

    つまり批判の行き着く先は、政府、自民党菅義偉政権だ。消費は冷えまくっているし、誰がやっても叩かれますよ。(まだ安倍総理は被害少なかった。持ってるネー笑)。

    という事で、ナニ、全然不明瞭な事は無い。責任感が無いとか行動が遅いというが、ほとんど、コロナのせいです。コレのワクチンが国民に行き渡り、それまでに感染するかワクチンで少ししんどい思いを大多数の国民が経験する迄、コロナ禍は大人しくならないでしょう。私は近々ワクチンを受ける事を承諾しました。これ以上は言えませんが。

    また働き方や生活のあり方などが抜本的に変化するので、野党やマスコミの重箱のスミツツキや、枝葉の目先にとらわれず政治を全うして欲しいと思います。

    もし、夏までに総選挙をしても、立憲民主党の「地滑り的大勝」は無いでしょう。

  • とりあえず各メディアの誘導したい方向性を理解する一助にはなります。
    設問・集計がブラックボックスなので、まぁこんな理解です。

  • 内閣支持率[在⦿マスコミ発表]が文政権の思惑と軌を一にしているように感じる
    2020年11月8日から4日間の日程で朴智元国家情報院長が訪日.12日からは3日間の日程で韓日議連の金振杓会長らが訪日した.相次ぐ政府,与党関係者派遣は,日本の首相交代を機に対韓姿勢緩和を得ようとする文政権の狙いを窺わせる
    しかし,11月下旬に徐薫国家安保室長を日本に派遣しようとしたが実現せず,思惑は外れた形となった

    • 愚塵 様へ
      (個人的見解ですが)日韓関係がどうなるかは、もはや米中対立の際に、日韓ともに同じ陣営に属することを表明するかにかかってきているのではないでしょうか。
       駄文にて失礼しました。

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (そう自分に言い聞かせないと、自分は間違えない存在であると自惚れそうなので)
     (鳩山民主党政権誕生した時のことを考えると)「我々が政権を取れば、新型コロナ感染は魔法のように収束して、規制は全てなくなる。年金額も増額される」と言い出す(看板の掛け替えかもしれませんが)新興政党が現れたら、(高齢者を中心に)票が集まるのではないか、と考える私は、おかしいのでしょうか。
     蛇足ですが、(希望的観測かもしれませんが)ここで菅義偉総理が韓国に譲歩したら、ますます、支持率が低下するのではないでしょうか。
     駄文にて失礼しました。

  • おかしいな、オレは政府の対韓政策が生ぬるいので不支持と回答したんだけど、マスコミが勝手にコロナのせいにすり替えやがって、というのは置いておいて、ワクチンの接種時期がずるずると後ろに延びていますね。 各国の争奪戦になっていると聞くけど、本当に入手できるのだろうか。

    安全性が、接種する人が、会場が、とか言ってないで 先ずはさっさと始めよう。最初から完璧なんて出来やせず、走りながら改善してゆくしかないのがわかってんだから。それに小学生の時、オンボロ講堂で(ほとんど戸外と一緒)一本の同じ注射針で何人も予防接種を打たれた経験からすりゃ、怖くないぜ。

    • 匿名29号様へ
      >おかしいな、オレは政府の対韓政策が生ぬるいので不支持と回答したんだけど
      実際に、菅義偉総理の対韓政策が不満で、不支持と回答した人も、いるのではないでしょうか。
       駄文にて失礼しました。

      • そうですね。 もともと支持率とは何を支持しているのかはっきりしないので、マスコミのよいように解釈されてしまいます。これがマスコミにとっては都合がよいので、支持率なる変てこりんな調査が続く原因と思っています。

  • 朝日の調査が固定電話に懸かって来ました。
    テープ音声とプッシュ釦での回答ならスルーする処ですが、綺麗なお姉さんだったので、丁寧に回答しました。

    • テレビ電話だったんですか?
      そこでの調査を再現;
      綺麗なお姉さん:あなたは菅内閣を支持しますか?
      門外漢閣下 :支持します。
      綺麗なお姉さん:語尾がよく聞き取れませんでした。「支持しません」ですね。
      門外漢閣下 :いや、支持します、です。
      綺麗なお姉さん:分かりました。「支持しません」ですね。
      門外漢閣下 :「・・・」(ま、綺麗なお姉さんだからいいか)
      綺麗なお姉さん:では、次の質問に移らさせていただきます。

      以下同様の調査が続く・・・

      • 匿名29号 様

        >以下同様の調査が続く・・・

        そこまで露骨な誘導尋問みたいのは無かったんですが、それでも回答が正しく反映される保証も無いのですよね。朝日ですから。
        が、とりあえず綺麗なお姉さんだったので、丁寧に回答しました。

  •  政治家の不作為、一都三県の知事の不作為、医師会の不作為、一部官僚の不作為への不満がワイドショー&マスコミの誘導で菅さんに向かっただけと思います。

    上記環境では、誰がやってもこんなものでしょう。
    2回目の緊急事態宣言の効果も出てきたようだし、

    菅さんは菅さんらしく、泥臭くても政策を着実に前に進めて欲しい。
    ===
    政治家の不作為:・緊急時の医療リソースの徴用根拠法を作らなかった。
            ・ばらまき以外のお金の使い方を考えなかった。
            ・積極的に対策している事業者と無気力事業者を一緒くたにして扱った。
            ・保健所の負荷軽減策を考えなかった&促進しなかった。
    一都三県の知事の不作為:
            ・上記(法を除く)に加え、宿泊療養施設の補強をしなかった
    医師会の不作為:宿泊療養施設補強とそこへの医師派遣の提言をしなかった?
    一部官僚の不作為:上記を提言しなかった。ワクチンの早期承認&ワクチン契約に失敗した。
    ===

  • 更新、ありがとうございます。
    菅政権の支持率もそうなりましたか…
    自分はけして、菅政権を貶めたいとは思ってはいないのですが…

    菅政権の失敗はまず、日本学術会議、日本共産党絡みの『アカの案件』をクローズアップしたことでしょうか?
    これで、基本的にアカと対立関係にある『北の界隈(パの者)』を調子付かせることになりました。
    『アカの案件』を菅政権が取り上げなければならない理由は想像できます。昨今は、既得権益層(戦後の敗戦利得者層)を消し去る方向性を持って、全世界のメディアが動いています。(←これを予測することも、昨今は陰謀論の枠内でくくられてしまう)
    となれば、既得権益を握っている日本学術会議や日本共産党は当然、締め付けていかなければならないことになります。また、菅政権は『アカ側』(昨今ではDS側の方が通りがいいかな?)ではない、という表向きのアピールもできるでしょう。

    そして、米大統領選挙において、選挙結果を大きく揺るがしたであろう大規模な不正があったという疑惑…
    BLMを支持するANTIFAが、これの実働部隊として動いていた疑惑は、ネットでの暴露を通じて多くのアメリカ国民に広く信じられているようです。ANTIFAがマルクス主義を基盤としていることは既にバラされていますから、これもまた『アカの案件』です。この『アカの案件』が不運にも、菅政権に重なってしまった。
    となれば、アカの存在を機会を捉えて責めたい『北の界隈』がさらに元気付くことになることはしょうがない。『北の界隈』は欧米のメディアが相手にしないアングラの言論を集めきて、主流メディアがけして取り上げない陰謀論とされる議論を、日本で開陳している主力部隊です。
    おかげさまで、ネットのコメント欄は『DS(ディープステート)』連呼、『アカ狩り』連呼のコメントで埋めつくされることになりました。そこから、公明党に仕込んでいたスリーパー(石川新一郎氏)まで起動させて、『ロス茶』まで連呼されては、日本のネット言論が陰謀論で埋め尽くされてしまったのもしょうがありません。
    『アカの案件』を扱う難しさは、結果的に『北の界隈』を元気付かせてしまうことにあります。このバランス感覚が難しい。
    菅政権は安倍政権と同じように、これからはもっと『北の界隈』を責めるべきだと考えます。

  • 現在の状況では、たとえ誰が政権を担おうと叩かれるのは避けられないでしょうから、支持率低下も、まあこんなもんでしょう。漠然とした不安やモヤモヤを、政府を罵って憂さ晴らしするしか能のない人も多数いるでしょうし、そもそも支持・不支持の理由が「人柄ガー」などと言っているような調査などに大した意味があるとも思えません。報道などで断片的に伝えられている程度の情報で人柄なんて、超能力者でもなければわかるはずもありません。要するに「なんとなく」でしかないということです。

    今のところ、菅政権に大きな失策はないと考えていますので、少なくとも不支持とする理由はありません。新型コロナ対応についても、外交姿勢に関しても、特に大きな問題はないと思っていますので(100%満足しているという意味ではないですよ)、菅総理には今後とも為すべきことを粛々と進めてもらいたいと思っています。

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