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バラク・オバマ、「トラストミー」のあの男を語る

本稿は、ちょっとしたメモです。鳩山由紀夫元首相といえば、2009年8月の総選挙で政権を獲得した人物ですが、その直前に行われた党首討論会で麻生太郎総理からボコボコに論破されながらも、自身が率いる民主党が選挙で圧勝して政権を握ったという「伝説の人物」でもあります。ただ、鳩山氏の「功績」(?)は、それだけではありません。

鳩山由紀夫元首相といえば、2009年8月に行われた党首討論会で麻生太郎総理からボコボコに論破されながらも、同月末の衆議院議員総選挙で自身が率いる民主党が圧勝したことで政権を握ったという「伝説の人物」でもあります。

また、この人物をヒトコトで表現するものとしては、なんといっても「トラストミー」発言に尽きます。

これは沖縄県の普天間飛行場移設を巡り、「最低でも県外」と公約していたことを巡り、2009年11月に当時のバラク・オバマ大統領との会談で出て来たものだとされます。

ちなみに鳩山氏自身はその後、自身の発言を巡る説明を二転三転させているようであり、たとえば『サンケイビズ』に6年前に掲載された次の記事によれば、この発言は「オバマ氏に対し食事を勧める際のものだった」などと発言したそうです。

「トラスト・ミー」は食事の勧めだった 鳩山氏が修正も…説明矛盾 (1/2ページ)

鳩山由紀夫元首相は24日、TBSラジオに出演し、<<…続きを読む>>
―――2014.4.25 12:13付 SankeiBizより

いずれにせよ、故人から献金を受けたり、唐突に「アジア共同体構想」を打ち出したりするなど、なかなか突拍子もない行動が多かったこともあり、個人的にこの人物は「人罪の宝庫」である旧民主党のなかでも、菅(かん)直人元首相と並ぶ、際立った「人罪」だったことは間違いないでしょう。

さて、この鳩山元首相を巡り、少し前からインターネット上で話題となっているのが、バラク・オバマ前大統領の17日発売の回顧録です。

たとえば、時事通信はオバマ氏が2009年11月に当時の鳩山由紀夫首相と初会談した際、「感じは良いが厄介な同僚だった」、「3年弱で4人目の首相であり、日本を苦しめてきた硬直化し、目標の定まらない政治の症状だ」と酷評した、などと報じています。

鳩山氏は「感じ良いが厄介」 オバマ前米大統領回顧録

―――2020年11月17日14時58分付 時事通信より

これはなかなか興味深い話題ですね。

時事通信以外にも、いくつかのメディアがこのオバマ回顧録について取り上げているのですが、どのメディアの報道を見ても、オバマ氏は鳩山氏に対し、随分と辛辣な評価をしていたようです(※もっとも、この「オバマ回顧録」、高いカネを払ってまで買い求めたいとまでは思いませんが…)。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、「21世紀臨調」が主催した党首討論の様子は、下記ページから現在でも視聴可能であるようですが、視聴していただければわかるとおり、客観的に見れば、しどろもどろの鳩山代表に対し、麻生総理の発言は歯切れも良く、討論会自体は麻生総理の圧勝だったと考えて良いでしょう。

麻生太郎内閣総理大臣と鳩山民主党代表による党首討論

8月12日、国民各界で組織する「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)主催による「政権選択~麻生太郎内閣総理大臣と鳩山由紀夫民主党代表による党首討論」を開催いたしました。<<…続きを読む>>
―――2009/08/12付 21世紀臨調HPより

ただ、この党首討論会自体、NHKを含めて生中継したテレビ局が皆無だったという事実なども踏まえるならば、2009年の総選挙で民主党が圧勝した背景には、なんといってもマスメディアの偏向報道があったことは間違いありません。

いずれにせよ、先日の『米国は日本に11年遅れて「マスゴミ民主主義」に?』でも取り上げたとおり、日本で鳩山、菅、野田の各元首相を経験したことで、「首相なんて誰がやったって同じ」という無責任な発言が日本から消滅したことは間違いないでしょう。

じつは、これこそが鳩山元首相の最大の功績といえるのかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (37)

  • オバマさんは「ミスター ハトヤマは実は宇宙人である」ということを知らなかったのですね。

  • オバマ氏のエセ理想主義もたいがいでしたが、さすがにハトピーのぶっ飛び具合にはついて行けなかったようですね。自分と同類と踏んで出かけた鳩山氏としたら、ロン・ヤス関係並みの、肝胆相照らす仲になれるとでも、思ってられたのかも知れませんが(笑)。

  • 金持ちなんだから、せめてトランプさんのように無給でやってれば良かったのですが。
    日本には無給でやる金持ち政治家は出てこないですね。
    昔いたならごめんなさい。

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (なにしろ、立憲民主党と違って自分は間違う存在であると自覚しているので)
     もし菅義偉総理が、「オバマ大統領時代の副大統領だったバイデン氏から、『トラスト・ミー』と言われたからアメリカを無条件で支持する」と言い出したら、旧民主党の流れをくむ野党議員は、何と言うのか見てみたい気がします。
     駄文にて失礼しました。

    •  すみません。追加です。
       もしバイデン次期大統領が、「在日米軍に中距離核ミサイルを配備させてくれ。トラスト・ミー」と言い出したら、立憲民主党は何と言って反対するのでしょうか。
       駄文にて失礼しました。

  • 更新ありがとうございます。

    ハトポッポとオバマ有色人種初の米大統領の論題と異なります。お許しください。

    菅(カン)氏と鳩山氏が2大大馬鹿者ならば、それにも劣らない究極の反日嘘書き元朝日新聞記者の植村隆が、とうとう最高裁でも敗訴しました。最高裁は上告を退けました。おめでたい事です。

    https://www.sankei.com/affairs/news/201119/afr2011190021-n1.html

    ジャーナリストの櫻井よし子氏と出版社3社を相手取り、謝罪広告と損害賠償を求めてました。1審、2審共に植村の敗訴でした。

    植村隆は1989年11月から大阪本社社会部に2年半所属し、その頃に事実無根の耳に入った情報だけで、自分でキッチリ裏取りもせずに、「慰安婦」を広げました。その頃なら私は、実家は出てましたが、独身で朝日新聞取ってました。

    見て一瞬「え?今頃なぜ?」というのが第一印象です。その時に見たのは首都圏版なので、扱いが小さいのか、あまり印象に無かったのですが、関西に戻った時に古新聞を確認すると、大きな扱いでした。日本人ではありません、コイツは。櫻井よし子様、逆に提訴されてはいかがでしょうか。

    • この記者と言い、ル-ピ-と言い、メリ-ランド知事と言い、朝鮮人の嫁(嫁の使い方が正しくない?)を貰うと可笑しくなるようですね。
      いや、もともと可笑しいから朝鮮人を嫁に貰うのかも知れませんが。

  • 「友愛の海」なる迷発言もあったと記憶します。ハングル語概念のむりくり日本語化と当方は理解してます。

  • 「トップの首相が大ばか者であれば、そんな国がもつわけがない」
    という名言を残された方ですね。

  • 結局政治家の実力は実際やらせてみないとわからないですから、ある意味これで良かっのではないかと

    • 翻訳者さま

      社交の世界では辞書をひいている時間はありません。カクテルパーティ会場に加わっているとしましょう。誰かグラスを持って近寄っていきました。本当の目的は分かりません。ですが、言葉の端々で真意は伝わります。一発かましに来たのかも知れませんし、どこかでまたお会いしましょうね的な表敬かも知れません。そうでないケースもあると思います。
      言葉に出して当該箇所を読み上げてみれば、侮蔑がこもっていることは明白ではありませんか。

      • オバマが大統領選戦い始めたのが安倍政権。福田を経て大統領になったのが麻生政権。日本にきたらルーピー。またその後も一年交替でコロコロ。
        たまたま来日時がルーピーで酷かったのですが、まあ他でも信用はされないですよね。バカにされても仕方ない。
        まあ鳩山ならいいだろうのミスリードじゃないですかね。

    • 当時の政治状況を考えれば時事の訳も特に違和感はないですね。NHKは省略しすぎかな。
      むしろこの記事の筆者はそのあたりを考慮してないような・・・(むしろ、AだのBだの、盛ったらだめだの、教条的で硬直的な印象を受けます)

      なにより、「訳による印象報道」がクローズアップされて良かったじゃないですか。

    • 現状を憂うる者さま

      当該記事の筆者さんは、高校の英語教師以外には誰も気にしないような文法まで持ち出して、オバマ前大統領を擁護しています。それが執筆の目的です。
      ですが、どちらも解釈できるようなことを短く言ってのけるが彼の魅力であって、誤訳論争を持ち出すのやからは、彼に言わせると無粋ということに、きっとなります。困ったものです。

  • 要点指摘はいいのですが、才能を誇示したいのかたくさん書き過ぎているのは、文筆業のサガでしょうか。
    「A pleasant if awkward fellow, ...」相当に皮肉です。
    「人当たりはいいんだけどね」くらい。
    あからさまな嫌味に対して愛想笑いくらいで返すのが政治や経済の世界では適切なシチュエーションです。
    「a symptom of the sclerotic, aimless politics ...」
    「こんな日本だからしょうがないよ」くらい。
    以上二か所だけ取り出しても、嫌味な人物の皮肉が伝わってくるようで、当方はムバラク・オバマ前大統領に対する人物像を今回さらに追認したと思います。

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