それカードやない、地雷や!

深夜のショートメモです。本日の『韓国の対日提訴は「グループC」に格下げする契機か?』などでも触れましたが、韓国政府は日本に対するWTO再提訴に踏み切ったものの、今のところ日韓GSOMIAの破棄については話が出て来ていないようです。

今朝の『セルフ経済制裁?本日午後2時に韓国政府が重大発表か』などでも述べたのですが、韓国政府は日本の輸出管理適正化措置のことを「輸出『規制』」と騙り、その「白紙撤回」を求めています。ただ、実際、韓国政府にできることには限界があります。

具体的には、現時点において韓国政府にできることといえば、次の3つくらいしかありません。

  • ①昨年8月22日に実行し、11月22日に中断した、日韓GSOMIA(※)の終了通告の効力の復活
  • ②昨年9月11日に実行し、11月22日に中断した、日本に対する世界貿易機関(WTO)に対する提訴手続の再開
  • ③昨年3月9日以降適用している、日本人に対する短期滞在ビザの免除措置の停止の恒久化

こうしたなか、先ほど『韓国の対日提訴は「グループC」に格下げする契機か?』などでも報告したとおり、結局、韓国政府が持ち出したのは②の措置でした。

正直、日本にとってほとんど実害はありません。WTO手続は時間がかかるという問題もさることながら、現在、WTOが実質機能不全状態にあるからです。WTOで結審するまえに、文在寅政権が終わってしまうでしょう。

また、万が一、韓国がWTOで勝訴した場合、WTOが自分自身で輸出管理レジームを否認することになってしまうため、WTO解体論が加速するという効果も生じます。ようするに「自縄自縛」状態ですね。このように考えていくと、「韓国政府はもう少し確固とした対応を取らないのか」、という疑念も浮かびます。

しかし、これについて韓国メディア『中央日報』(日本語版)に本日、こんな記事も出ていました。

再び「GSOMIA終了」カード手にする韓国…「日本の輸出規制議論に従って慎重に検討」

日本が韓国政府の輸出規制措置撤回を要求する「最後通告」を事実上黙殺し、韓国外交部は今後軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了のカードまで検討できると明らかにした。<<…続きを読む>>
―――2020.06.02 18:02付 中央日報日本語版より

中央日報によると、韓国政府外交部の報道官は2日の定例会見で、「(韓国政府は)GSOMIAの効力をいつでも終了させることができる」などとしたうえで、「輸出規制措置撤回議論の動向に従って(GSOMIA終了も)慎重に検討する予定」と述べたそうです。

…。

え?

それって「カード」なのでしょうか?どう見ても「地雷」にしか見えないのですが…。

ま、カードだと思うならば、好きになされば良いと思う次第ですが…。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 雑把 より:

    まぁ、なんと言うか、
    季節行事が、増えてしまったと言うか、

    春のソメイヨシノ起源論
    夏のGSOMIA終了通告
    秋のノーベル症

    冬は何でしょうか?

    ウザイ

    1. だいごろう より:

      冬はK防疫でしょうね。

      1. 雑把 より:

        だいごろう 様

        K防疫ですか
        きっと、5年後ぐらいに
        「世界を救ったムンジェイン像」
        が、韓国中に出来る事でしょう。

    2. とある東京都民 より:

      へっ?
      冬のソナタ(其方)ではなかろうか~?

  2. バイクおやじ より:

    国内向け?だとしたら真性の○鹿。
    言っただけ?だとしても真性の馬○。

    学習能力が無い?

    レッドチーム宣言?

    これに関しては、本当に何も見えて来ない。

    開戦準備か?
    国内の支持者向けなのか?
    慰安婦問題から目を逸らす為のプロパガンダ?

    何もかもが薄過ぎて、本当に何も見えて来ない。

    意味不明過ぎて、不気味ですらある。

    1. まんなっか より:

      何も考えていないだけだと思います。

      もうちょっとマジメに考えると、瞬間的に支持を集められかつ労力のかからない、日本に対する発言は論理的整合性は問わない政権なのではないでしょうか。
      日本に対する発言は論理より倫理が優先されるのでしょう。

      1. バイクおやじ より:

        仮にも、一国の政府が、考え無しは分け・・・・あるか・・・

  3. だんな より:

    韓国の外交は、内政の延長と考えれば、慰安婦婆さん問題を有耶無耶にするために、WTO提訴は有りかなと思う。

  4. イーシャ より:

    ヒソカなカードがあるのかと期待してたら、また GSOMIA か。
    あっ、ヒソカのカードは刃物なみの切味でしたね。
    手首くらい切れるのでは。

    1. 匿名 より:

      ヒソカのカードなら手首も首も切れるでしょう。

      しかし何時になったら続編が読めるんでしょうね、Hunter×Hunterは。
      連載作家としては失格では?

    2. 奇跡の弾丸 より:

      ヒソカの能力は

      ・伸縮自在の愛(バンジーガム)
             ・・・「粘着力」を持ったゴム
      ・薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)
             ・・・紙のように「薄っぺらなもの」にしか映し出せないため触れられると偽物であることが「見抜かれる。」

      ですよ。厄介ですねw

  5. H より:

    タイトルが珍しく関西弁ですね
    韓国が強烈なボケかましたので
    思わずツッコミ入れてしまった
    のでしょうか(笑)

    随分以前に、
    確かだんな様やハゲ親父様と
    盛り上った?
    (間違ってたらすみません)

    韓国はナイフの刃の方を持ちながら
    血流して地雷原を歩く、という
    件を思い出しました

    まさにです
    何かワクワクする

  6. れんげ草 より:

    懐かしいフレーズ!ヽ(´▽`)/

    どうですかね?当面(行き掛かり上チームレッド入りが確定するまで)はGSOMIAについては破棄しないと思っているのですが…韓国のことですから何とも言えません。
    前回の破棄宣言時にも「いくら分別が無いといっても、それは無い!」と確信してたのに見事に裏切られ、土壇場での破棄取り止めも(゜ロ゜ノ)ノでしたので…

    これは個人的な妄想なんですが、仮に日本が次回の更新について韓国との関係悪化もあり継続の是々非々について検討する!…とか言い出したら韓国はどうするのかなぁ?
    無論、米国にも諮った上での「撒き餌」なのですが、初めは願ったり叶ったりのような言動をするでしょうが、米国が日本に対して何も言わないまま期限が近づくにつれ焦るんじゃないかなぁ…
    で、米国に日本にGSOMIAを破棄させないよう圧力をかけてくれ!と請願したりするんじゃないかなぁ…とか妄想しています。

  7. カズ より:

    カードを手にしているのは事実。
    でも使えないカードなのも事実。

    チェッカーを通せば使えないのが露呈するから。
    対日での虚勢がバレれば、政権が続かないから。

  8. マスコミ関係の匿名 より:

    韓国:あのー慰安婦カード使えますか?
    韓国:GSOMIAカード使えますか?
    韓国:今月中に返事せんかいカード使えますか?
    日本:そんなカードみんな使えましぇーん!

    韓国が「じゃあいいでしゅー」といって向かいの中国飯店に飛び込むと思っていた日本。ところが

    韓国:もっと甘い汁吸わせろー。これからも飯食わせろー。

    と言われて困惑している状況ですね。あっ会計士さんはTV見ないんでしたね。

    1. 匿名希望の平民 より:

      マスコミ関係の匿名様

       とても、オモシロイです。。。

  9. 匿名 より:

    まあどちらも国内用の見せ札ですね。
    日本政府に対して多少でも効果があればしめたもの……という所でしょうか。日本が激昂して反撃しないと確信しているからこその甘えた手段と言えるでしょう。残念ながら米国が韓国をまだ利用しようとしている以上、生半可な反撃には大きなコストを必要とするでしょうね。
    そうやって日本企業や日本国民から信頼を失って行くことのデメリットを考えられないのは文左派政権の来歴や志向を考えれば充分に理解できる話です。日米に頼ってきた国の過去を憎悪し、その繋がりごと断ち切る未来を目指しているのですから。
    皆さんお分かりの通り韓国との対話はもう形式以上のことをなす必要はありませんね。
    我々は韓国以外の国々との繋がりへ資源を移転すべきで、また日本国内の同じく話にならない人々を無力化すべきなのです。

  10. 恋ダウド より:

    地雷と言うことですが地雷だと上手くいけば障害が残る程度で終わりますよね。
    アメリカが本気で怒ったら地雷程度じゃ済まないのではないでしょうか?w
    ダイナマイトを腹に巻いてだだこねてる感じがします。

  11. ブルー より:

    朝鮮有事の際に日韓両方と安全保障を結んでる米国が、その時に米国が日韓から得た情報を支障なく日韓相互に伝達するために米国の軍事指揮上で必要なのがGSOMIAなんだってトコを知っててやってるのか細けえ理屈はどうでもいいのか。

  12. ボーンズ より:

    韓国が去年の7月から始まった一連の流れから一歩も進化していないのがありありと…まあ、自力で進化したら韓国ではなくなってしまう。

  13. たけ より:

    仮になんらかの形でWTOで争う事になったとして、
    どんなロジックなら負けられるのかが全く分からない。
    特恩措置をどうするかなんて日本の勝手だし、
    そもそも国内のルールの話だし、
    安保絡むなら尚更だし、
    …あと絶対に懐刀持ってるよね。
    なんらかの不正の証拠。

  14. 匿名 より:

    国内向けパフォーマンスだと思うけど、いいのかね
    あんまり派手にぶち上げると国民がすっかりその気になって
    「早くやれ今やれスグやれ~!」って挙国一致で騒ぎ出すんじゃないの?
    そうなったら恐らくやらないでは済まなくなってしまう
    ポピュリズムで政権奪った文在寅だもの

  15. マイナンバー より:

    真の日韓関係正常化への一歩について朗報
    いわゆる『徴用工』裁判で被告企業の資産現金化が進みそうです!

    https://www.jiji.com/sp/article?k=2020060301056&g=int

  16. epicurian より:

    そもそも論ですが、これをカードにするには過去の韓国政府の主張の変更が必要でしょう。

    昨年8月に破棄(期限で更新しない)を表明(通知)して、期限直前で即座に破棄できる余地を残したまま破棄通知を停止(を表明)したと主張していたのであるから、私の理解では今度は表明した瞬間に破棄となります。

    一度破棄してしまえば再締結が条件のカードとなるということなら別ですが、昨年のようにサラミスライスをしたいのなら、昨年の11月に今年の11月まで延長され8月に再度破棄の期限が来るとしないとサラミスライス出来ません。こういったとき、韓国ではどのような論法で過去を修正するのか興味があります。

    国会議員の選挙(構成の変化があった)とか、偉い学者(それも西洋人)の法解釈によるとか、何かしら言訳が必要でしょう。昨年のGSOMIA破棄騒動が、韓国側にとって実益があったとは思えません。ただ、韓国側からすれば日本に要求し、一定の成果があり、我が国が譲歩してやった。という主張を出来た事案であったのでしょう。

    韓国内のマスコミなどがGSOMIAを交渉材料に使えと主張するほどに、韓国政府が自縛される、そんな構図が見て取れます。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告