北朝鮮に対する経済制裁が厳格化されているにもかかわらず、なぜか北朝鮮の物価が安定している、という話題については、昨年から当ウェブサイトでも断続的に紹介して来た論点のひとつです(『北朝鮮の経済制裁は「物価」だけでは測定できない』等参照)。ただ、ここに来て、北朝鮮で物価が上昇し始めているという情報があります。実際、北朝鮮国内の協力者からデータを得ているとされる『アジアプレス・ネットワーク』の調査でも、確かに物価上昇が確認できますし、また、複数の報道によれば、北朝鮮が外貨没収に本腰を入れ始めた、という説もあります。これらをどう解釈すべきでしょうか。
物価から見た北朝鮮
以前から当ウェブサイトで不定期に取り上げているテーマのひとつが、北朝鮮経済です。
昨年暮れの『北朝鮮の瀬戸際外交は経済制裁がうまくいっている証拠』という記事で、北朝鮮が「ICBMを発射するぞ、発射するぞ、今度こそ本当に発射するぞ~!」と国際社会を脅して来ること自体、対北朝鮮制裁が奏功している証拠だと申し上げました。
もちろん、北朝鮮への経済制裁が効いている証拠は、ほかにもいくつもあるのですが、ただ、中国や北朝鮮や韓国には、「自分たちが苦しいときには外から見てわかりやすい行動を取る」という共通点があるため、臆面もなく瀬戸際外交を仕掛けてくる時点で北朝鮮が苦しんでいる証拠と見てよいのでしょう。
ただ、この記事に対して、「北朝鮮は物価が安定しているから経済制裁は効いていない」とするコメントを頂きました。正直、「物価が安定しているから経済制裁が効いていない」という議論は、まるで「熱が出ていないからこの人はコロナウィルスに感染していない」と結論付けるような乱暴さです。
(※このコメントに対する再反論や、北朝鮮が経済的な苦境に陥っているそのほかの様々な証拠については、『北朝鮮の経済制裁は「物価」だけでは測定できない』などで言及していますので、詳しくはそれらを読んでいただきたいと思います。)
ただし、このコメント主様から頂いた、「北朝鮮は物価が安定している」という証拠は、『アジアプレス・ネットワーク』というウェブサイトが運営している『<北朝鮮>市場最新物価情報』というページであり、このリンク自体は情報としては大変有益です。
このリンクは、『アジアプレス・ネットワーク』が北朝鮮内部の協力者たちの各地における実地調査の結果を示したものであり、その信頼性はさておき、継続的に調査結果が公表されていることから、データとしての有益性は高いといえます。
北朝鮮で物価が上昇中?
ところで、先ほどの『鈴置氏、新型肺炎と南北朝鮮「連鎖倒産」リスクに言及』でも触れたのですが、新型コロナウィルスの蔓延とそれに関連した肺炎が流行していることを受け、北朝鮮は先月22日までに、中国からの観光客の受け入れを停止しました。
中国からの観光客受け入れず 新型肺炎防止で―北朝鮮(2020年01月22日17時24分付 時事通信より)
気になって、この『アジアプレス・ネットワーク』が作成している物価をもとに、国境封鎖の影響を調べてみたのですが、北朝鮮の物価が上昇していることが確認できました。まずは、年初すぐ(つまり1月9日時点)のデータと、コロナウィルス騒動が勃発した直後の1月22日のデータを比較してみましょう(図表1)。
図表1 北朝鮮の物価変動(1月9日→1月22日)
調査項目 | 変動 | 騰落率 |
---|---|---|
ガソリン | 9,200ウォン→10,000ウォン | +8.70% |
軽油 | 6,670ウォン→7,250ウォン | +8.70% |
北朝鮮産米 | 4,600ウォン→4,625ウォン | +0.54% |
トウモロコシ | 1,600ウォン→1,800ウォン | +12.50% |
中国1元 | 1,150ウォン→1,250ウォン | +8.70% |
USD1ドル | 8,084ウォン→8,650ウォン | +7.00% |
(【出所】『アジアプレス・ネットワーク』の『<北朝鮮>市場最新物価情報』)
いかがでしょうか。
1月9日と、(北朝鮮が国境を封鎖した)1月22日のデータを比較すると、ガソリン・軽油がそれぞれ8.7%、トウモロコシは10%強の値上がりとなっていて、為替相場(対人民元、対米ドル)も7~9%の上昇(つまりウォン安)です。わずか2週間の値動きとしては、非常に大きいといえます。
次に、1月22日の時点から昨日、つまり2月4日の時点を比べると、物価上昇はさらに進んでいます(図表2)。
図表2 北朝鮮の物価変動(1月22日→2月4日)
調査項目 | 変動 | 騰落率 |
---|---|---|
ガソリン | 10,000ウォン→11,340ウォン | +13.40% |
軽油 | 7,250ウォン→8,568ウォン | +18.18% |
北朝鮮産米 | 4,625ウォン→5,670ウォン | +22.59% |
トウモロコシ | 1,800ウォン→1,900ウォン | +5.56% |
中国1元 | 1,250ウォン→1,260ウォン | +0.80% |
USD1ドル | 8,650ウォン→8,832ウォン | +2.10% |
(【出所】『アジアプレス・ネットワーク』の『<北朝鮮>市場最新物価情報』)
これによると、為替相場(対人民元、対米ドル)については大して動いていないのですが、前回はさほど値上がりしていなかったコメが一気に22.59%も上昇しているほか、ガソリン、軽油、トウモロコシなどの価格も軒並み上昇しています。
この図表1、図表2を統合し、1月9日と2月4日の時点でも比較しておくと、物価上昇はさらにくっきりします(図表3)。
図表3 北朝鮮の物価変動(1月9日→2月4日)
調査項目 | 変動 | 騰落率 |
---|---|---|
ガソリン | 9,200ウォン→11,340ウォン | +23.26% |
軽油 | 6,670ウォン→8,568ウォン | +28.46% |
北朝鮮産米 | 4,600ウォン→5,670ウォン | +23.26% |
トウモロコシ | 1,600ウォン→1,900ウォン | +18.75% |
中国1元 | 1,150ウォン→1,260ウォン | +9.57% |
USD1ドル | 8,084ウォン→8,832ウォン | +9.25% |
(【出所】『アジアプレス・ネットワーク』の『<北朝鮮>市場最新物価情報』)
ガソリン、軽油などの物価がだいたい20%、為替相場がだいたい10%の上昇、といったところでしょうか。1ヵ月間の上昇としてみるのであれば、たしかにこれは非常に大きな変化です。
ロイター「国境封鎖で経済に深刻な影響」
いったい北朝鮮で何が発生しているのでしょうか。
これについては、大手メディアのロイターが昨日の夕方、こんな記事を配信しています。
北朝鮮、ウイルス警戒の国境封鎖で経済に深刻な打撃も(2020年2月4日 17:54付 ロイターより)
ロイターの記事によれば、
「最近の韓国の貿易協会のリポートによると、2001年には17.3%だった北朝鮮の対外貿易に占める中国の割合は、去年91.8%に達した」
そうであり、これに加えて数千人の中国人観光客も大きな経済効果をもたらしている、としています。それなのに、現在、北朝鮮当局は中国、ロシアとの国境を封鎖し、近隣諸国との航空便や列車の運行も取りやめ、その結果、海外との取引もほとんど絶たれているそうです。
現在のところ、
「北朝鮮ではこれまで新型コロナウイルスの感染は確認されていない」
のだそうですが、このこと自体、北朝鮮が頼っている中国などとの経済的なつながりが極度に制限されている証拠だとしています。また、ソウル在住の脱北者が
「北朝鮮は国産を推奨しているが、菓子であれ衣服であれ原料は中国から輸入している」
と述べているのが事実だとすれば、今回の国境封鎖がもし長期化した場合、北朝鮮の経済全体に大きな影響が及ぶことは間違いなさそうです。
アジアプレス「北朝鮮で外貨没収」も?
それだけではありません。
北朝鮮は2017年12月の国連安保理決議から2ヵ月経過した昨年12月に、海外に派遣していた労働者の本国送還期限が到来したため、貴重な外貨獲得源がひとつ失われました(※もっとも、中国やロシアが制裁決議を厳格に守っているかどうかは別問題かもしれませんが…)。
このため、北朝鮮が相当な外貨不足に陥っている可能性は高く、実際、先ほど物価データでも引用した『アジアプレス・ネットワーク』は、先週・1月28日付の記事で、北朝鮮が外貨使用の統制に乗り出した、と報じています。
<北朝鮮内部>金政権が市場でドル・元没収 ついに外貨使用統制に乗り出す 貿易会社も規制 北朝鮮ウォンが一時急落(2020.01.28付 アジアプレス・ネットワークより)
アジアプレス・ネットワークによると、最初に北朝鮮ウォンの人民元との実勢交換レート急落という知らせが取材協力者から入ってきたのは1月20日で、同日中に各地から続々と同じような情報が伝えられたそうです。
ただし、先ほどの図表でも引用しているとおり、実勢交換レートは翌日以降、落ち着きを取り戻したうえで、旧正月の連休に入ったのだとか。
アジアプレス・ネットワークは2018年、2019年を通じ、食料価格や外貨交換レートが安定していたという事実を巡り、次のように述べます。
「この物価の安定をもって、『経済制裁の影響が出ていない証し』という主張が、日韓の一部から出ていた。が、これは正しくない。アジアプレスでは、北朝鮮国内の取材協力者とともに2年間調査を続けてきたが、平壌でも地方都市でも制裁の影響は甚大だ。」
はい(笑)
当ウェブサイトでも「北朝鮮の物価が安定しているから経済制裁は効いていない」と自信満々に断言したコメント主様が出現していましたので、このあたりの事情は、よく存じ上げています。
ただ、アジアプレス・ネットワークは、実際に外貨交換レートが安定している理由を巡っては「北朝鮮専門家の間でも謎だった」としたうえで、
「北朝鮮国内では、信用のないウォンを忌避して中国元、米ドルが広く流通しており、それからが実質的に『代替通貨』となって物価を安定させているという説」
などが唱えられているとしています(※実際、当ウェブサイトもこの仮説を唱えています)。
ただ、アジアプレス・ネットワークによると、北朝鮮当局は昨年末頃から中国人民元や米ドルの使用を強力に取り締まり始め、保安院(警察官)が商人や買い物客を装い市場で私服パトロールを開始。容赦なく外貨を没収し始めているのだとか。
このため、商売人たちは仕方なしに市場でウォンを使い始め、商売が終わったあとで闇両替商と外貨(人民元など)に両替して保管する、という行動を取り始めたそうです。
外貨不足と紙幣の増刷
さて、先ほどの物価調査では、たしかに北朝鮮の物価が上昇していることが確認できました。
当然、新型コロナウィルスの蔓延に伴う国境封鎖の影響があることは間違いないと思うのですが、ただ、『アジアプレス・ネットワーク』の記事の内容が正しければ、北朝鮮当局が外貨没収を始めたのは昨年末ごろであり、タイミングはコロナウィルス蔓延と一致しません。
このように考えていけば、むしろ北朝鮮の物価上昇の原因は、北朝鮮に外貨が入って来なくなり(あるいは北朝鮮が外貨流通の取り締まりを厳格化し)、北朝鮮ウォンの流通がなかば強制化されたことで、インフレが進み始めた、という可能性があります。
言い換えれば、国内から外貨を回収し、北朝鮮ウォンを供給するという行動が考えられます。つまり、「外貨不足」→「国内からの外貨回収」→「北朝鮮ウォンの増刷」→「北朝鮮の物価上昇」、というメカニズムですね。
もちろん、北朝鮮の外貨規制は、取り締まりが厳格化されたり、緩くなったりするのを繰り返しているようですので、コロナウィルス騒動が落ち着けば、再び外貨流通が始まり、北朝鮮ウォンで測定した物価が安定し始める可能性もあります。
しかし、北朝鮮当局の一連の行動が、外貨不足をもとにしたものだったとすれば、いよいよ北朝鮮の外貨準備が尽きかけているという証拠と見るべきなのかもしれません。
※ちなみに北朝鮮の外貨の問題については、韓国観察者の鈴置高史氏の手による『新型肺炎で中国、南北朝鮮が連鎖倒産に追い込まれる? 米国は“カメの論理”で舌なめずり』なども参考にさせていただいています。
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妄想混じりのお話です。
北朝鮮の非支配層は、人民元を使い中国からのヤミ貿易で食料を入手するなどして、生存のため独自の経済を作っていると思われます。それが中国からの食料が、入って来なくなり、人民元を取り上げられるという事は、事実上この経済が破綻する事を意味すると思います。特権階級と言われる平壌市民も、その中の下層特権階級は、似たり寄ったりでしょう。この事から、多くの国民に不満が出ることは、間違い無いと思いますが、彼等になにが出来るかは、分かりません。
また、今回人民元、米ドルを、北朝鮮ウォンと交換させるという事については、支配層に外貨が無くなりつつある事を、示唆していると思います。朝鮮時代に、両班(支配層)は、白丁(非支配層)から、銭や物を借りたり、取り上げたりしても、返す事は有りませんでした。その頃から、何も変わらない「正統性の有る朝鮮の後継者」の国だと思います。
親ガメがグラついたら(どの位のグラつきかは私には判りません)、孫ガメが転倒寸前になりましたか♪🐧
いずれ、早い内に何らかの政変かアメリカを怒らせる様な行動に出るのかな。🐧
>ただ、アジアプレス・ネットワークによると、北朝鮮当局は昨年末頃から中国人民元や米ドルの使用を強力に取り締まり始め、保安院(警察官)が商人や買い物客を装い市場で私服パトロールを開始。容赦なく外貨を没収し始めているのだとか。
>このため、商売人たちは仕方なしに市場でウォンを使い始め、商売が終わったあとで闇両替商と外貨(人民元など)に両替して保管する、という行動を取り始めたそうです。
保安院が没収した外貨を闇商人経由で還流している場合、かなり儲かりそうな商売ですね。
更新ありがとうございます。
北朝鮮は物価安定というよりも、あらゆる生きて行く、生産活動して行く上で必要なものが、枯渇していると思います。
ガソリンだろうがとうもろこし、米、白菜、肉、医薬品は、とにかく北紙幣出しても売ってくれない。ドルか元か物々交換。皆、闇の内職を大っぴらにやって、生活の糧を稼ぐ。労働党幹部、金氏の縁者以外、ぬくぬく暮らせない。
でも脱北出来ないから狂い死にするか、犯罪おかして教化所送りで死ぬか、、。この世の地獄でしょうね。
北朝鮮関係で、JB pressの記事です。
新型コロナウイルスで北朝鮮崩壊の兆し
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200205-00059207-jbpressz-kr
中国発の新型肺炎による「北朝鮮の体制崩壊」を最悪のシナリオとしている所は、共感出来ませんが、北朝鮮の置かれた状況が良くまとまっていると思います。
アメリカが手をくだすまでもなく、体制崩壊してくれるなら、多少の混乱こそあれ、コントロール出来ると思います、
餓死せずに済む、北朝鮮国民も増えるでしょう。
>北朝鮮は2017年12月の国連安保理決議から2ヵ月経過した昨年12月に
2年ですね。
それはさておき、北朝鮮では抵抗力の落ちた栄養失調者が多い上、対症療法を行う医薬品の欠如があるので、ウィルス蔓延に恐怖し、中国人をシャットダウンするのはわかります。
しかし中国が、韓国に対して叱ったように、そんな不忠を働いた北朝鮮にどのような報復をするのでしょうかw
>jb press読みました
そういえば、
北からのクリスマスプレゼントは
届かないけどどうなったのでしょう
年明けから、イラン問題や
ここにきて新型コロナと北にとって
ボディブローがつづきますね
平時であれば半島人達の瀬戸際外交
も目立つけど、乱時になると
相手にされなくなる
北朝鮮国内での物価の上昇は、金正恩氏がヤミ市場に流れる物資を撲滅しようとして、物流監視を強化した結果、ヤミ物資の供給量が減少し、流通コストが増大した、というのも大きな原因として考えられます。もちろん、中国からの物資の流入が一時的に止まっていることが直接的要因でしょう。
金正恩氏が民間の外貨吸い上げを強化している例としては、中国人観光客が訪れなくなった観光地に、平壌の富裕層に「国家に忠誠心があるなら観光地に保養行け」と命令して、外貨で代金を支払わせる(これは国境閉鎖後のこと)とかいう事例です。北朝鮮の富(外貨)は、ごく一部の幹部富裕層に集中化しているようで、そこから吐き出させようとしているのでしょう。
これは2019-nCoV以前からの話ですが、北朝鮮の外貨獲得戦略の1つとして面白い記事を見つけました。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00087/020300019/
金正恩のサイバー強盗団、脱北者が全貌を激白
日本マネーも廻り廻って、ある程度北朝鮮に流れているんですね。
北朝鮮幹部の腐敗というのは、中国の科挙の伝統にもとづく中国幹部の腐敗と同じ構造だと思います。
中国通の物理学者の遠藤誉先生が、武漢向け援助物資が高官の懐を肥やしていて必要な現場に回らない実態を下記で報告してくれています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200204-00161643/
習近平緊急会議の背後に「武漢赤十字会の金銭癒着」
なお、科挙の弊害は皆様よくご存知と思いますが、詳しくない方は下記を参照してください。
https://globis.jp/article/3957
科挙とは何か――あらゆる制度は自己目的化し、腐敗する
北朝鮮が中国との国境を閉めたという話を
聞いたとき、やっていけるのかと疑問を
持ってました。肺炎で死ななんくても、
餓死するんじゃないかと。
武漢肺炎のピークは4-5月で収束は夏という
予想もあるようですし、今後どうするんで
しょうね?
・国際社会に人道的支援を求める
(例によって高飛車な態度で)
・腹が減りすぎて南進して略奪
(昔の遊牧民族のように)
名無しAさま
私も、真っ先に餓死者が出るなと思いました。
両班達は、白丁がどうなっても、関係無しでしょうね。
以前は、300〜500万人餓死したそうですから、同じことを繰り返すのでは、無いかと思います。
それを逃れるには、クーデターしか思いつきません。
>以前は、300〜500万人餓死したそう
⇒ 冷戦終了後の1990年代でしたかね。
まあ今度も同じことになるのかな。
アジアプレスの続報(補足記事)が、有りました。
<速報北朝鮮>平壌でも物価急騰 国境封鎖で物入らず混乱拡大 「新型肺炎より物不足怖い」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200205-00010001-asiap-kr
北朝鮮国内での、米の値上がりに関して、突っ込んで書かれています。
以下引用します。
(国境から離れた)内陸地域では、ウィルスの病気のせいではなく物価高騰のせいで飢え死にするのではないかと恐怖が拡がっている。真偽は不明だが、会寧(フェリョン)、茂山(ムサン)、恵山、満浦(マンポ)などの中国国境都市を、他地域と遮断するという噂も拡がっている。そうなると内陸地域は終わりだ」
引用ここまで。
予想通り餓死者が出る事を、かなり悲観的に危惧する状況の様です。
最後の部分です。
「4日からは、青年組織や保安署(警察)、糾察隊、女性同盟員を動員して橋や道路に配置し、マスクを着用せずに通行する人々の取り締まりを始めたという。(糾察隊は風紀取り締まり専門の組織)」
白丁は、逃げれないように、取締りをされているという事で、飢えても逃げる事が、出来ません。
朝日新聞は、地上の楽園と称えていましたが、これが独裁国家の真の姿だと思います。
常識的に考えて,以下のような政策を取ったら市場からコメが姿を消します。経済音痴の金正恩氏の政策の失敗の典型です。
> 商売人たちは国境封鎖が長期化すると予想して、毎日値段をつり上げている。昨年末に1キロ3.6中国元程度だったコメが4.5元に上昇して、(中略)白米の販売価格の上限を4.5元に設定し、それより高値で販売した場合は、無条件に没収すると通達した」
個人的には下記の記事の卸売会社の正体のほうが怪しいと思うのですが。つまり,配給米の横流しかと。
> 市場の商売人に食糧を卸売りする会社が各地に存在する。
愛読者さま
配給米の横流しもあるでしょう。
後は、白丁の成り上がりが、居るのではと思ってます。
市場に米が無くなるのも当然ですね。
経済音痴は、南北共通で、場当たり的な対応しか出来ないせいだと思います。