日本は「輸出大国」ではない

昨日の『韓国向けビール輸出が急減しても日本経済に影響はない』では、最新の普通貿易統計のデータをもとに、「報道を数字で検証する」という作業をしてみました。ただ、せっかく詳細なデータが得られているので、2019年11月時点の「貿易から見た日本経済の姿」を確認しておきたいと思います。「日本は輸出大国である」というイメージで語られることが多いものの、端的に申し上げるならば、少なくともGDPに対する輸出依存度などを見る限り、日本が「輸出大国」といえるのかについては疑問です。

輸出統計を確認しておきましょう

昨日は『韓国向けビール輸出が急減しても日本経済に影響はない』で、最新の『普通貿易統計』のデータを紹介しました。

韓国向けビール輸出が急減しても日本経済に影響はない

せっかくですので、本稿では『数字で読む日本経済』の続編として、今月までの日本の貿易についてレビューしておきたいと思います(なお、本稿では文中、とくに断りがない限り、図表はすべて財務省税関『普通貿易統計』をもとに著者が作成したものです)。

日本にとっての貿易相手国

早速ですが、日本にとっての貿易相手国を概観してみましょう。

2019年11月における最大の貿易相手国は、輸出入ともに中国であり、それに米国が続く、という構図です(図表1図表2)。

図表1 輸出相手国
相手国2019年11月(参考)年初累計
中国1兆3101億円13兆2696億円
米国1兆2116億円14兆0255億円
台湾4506億円4兆2323億円
韓国3897億円4兆6419億円
香港3324億円3兆3558億円
タイ2795億円3兆0213億円
シンガポール2037億円2兆0134億円
ドイツ1705億円2兆0169億円
ベトナム1576億円1兆6298億円
マレーシア1268億円1兆3228億円
その他1兆7465億円20兆8212億円
合計6兆3790億円70兆3505億円
図表2 輸入相手国
相手国2019年11月(参考)年初累計
中国1兆5776億円16兆9026億円
米国6886億円7兆8725億円
オーストラリア3738億円4兆5558億円
韓国2840億円2兆9471億円
UAE2751億円2兆5941億円
台湾2380億円2兆6766億円
タイ2230億円2兆5446億円
ドイツ2201億円2兆5061億円
サウジアラビア2192億円2兆7072億円
ベトナム2055億円2兆2423億円
その他2兆1591億円24兆2889億円
合計6兆4641億円71兆8379億円

また、輸出額から輸入額を引いた「貿易収支」を計算して並べ替えたものが、次の図表3図表4です。

図表3 貿易収支(日本から見た貿易黒字額が大きい順)
相手国2019年11月(参考)年初累計
米国+5231億円+6兆1529億円
香港+3253億円+3兆1597億円
台湾+2126億円+1兆5557億円
シンガポール+1295億円+1兆2347億円
韓国+1057億円+1兆6948億円
オランダ+706億円+8713億円
タイ+565億円+4766億円
メキシコ+468億円+4623億円
インド+386億円+5650億円
ベルギー+371億円+4217億円
図表4 貿易収支(日本から見た貿易赤字額が大きい順)
相手国2019年11月(参考)年初累計
中国▲2675億円▲3兆6329億円
オーストラリア▲2512億円▲3兆0911億円
UAE▲2045億円▲1兆8836億円
サウジアラビア▲1644億円▲2兆2098億円
カタール▲999億円▲1兆1907億円
ロシア▲856億円▲6788億円
アイルランド▲717億円▲6054億円
イタリア▲702億円▲6867億円
ブラジル▲678億円▲3982億円
フランス▲509億円▲5226億円

新聞などを読んでいると、何となく、「日本は中東、オーストラリアなどの資源国から石油や鉄鉱石を輸入して自動車や家電を作り、米国や欧州、中国などに輸出している国だ」というイメージを漠然と抱いている人が多いと思います。

しかし、この4枚の図表で読む限りは、こうしたイメージは、半分は正解、半分は不正解、といったところでしょうか。

まず、輸出高が多い順番に並べると、2位の米国、8位のドイツを除けば、いずれもアジアの近隣国ばかりです。その一方で、輸入高が多い順番に並べると、中国、米国などに混じって、ドイツや資源国などが顔を出します。

さらに、貿易黒字については、米国を除くと、かつては「アジア四小龍」と呼ばれた諸国(台湾、韓国、香港、シンガポール)が登場する一方で、それ以外はオランダ、ベルギーなどの欧州諸国、メキシコ、インドなど、脈絡なくさまざまな国が出現。

貿易赤字額に至っては、トップの中国を除けば2~6位がいずれも資源国で、それ以外はすべて欧州諸国という、なにやら私たちのイメージとはずいぶんと違う姿が出て来るのです。

日本の貿易は「資本財」一本足に

さて、一時期、新聞を読んでいると、「日本は貿易立国だ」、といった記載がやたらと目につきました。

しかし、少なくとも2019年11月、あるいは2019年の11ヵ月間の累計額で見ると、顕著な貿易黒字を計上している分野は「化学製品」、「機械類及び輸送用機器」、「原料別製品」、「特殊取扱品」の4分野であり、それ以外はいずれも貿易赤字状態となっていることが確認できます(図表5図表6)。

図表5 品目別貿易収支(2019年11月)
品目輸出額輸入額貿易収支
食料品及び動物605億円5361億円▲4756億円
飲料及びたばこ86億円784億円▲698億円
原材料795億円4048億円▲3253億円
鉱物性燃料1071億円1兆3175億円▲1兆2103億円
動植物性油脂23億円150億円▲127億円
化学製品7155億円6825億円+330億円
原料別製品6914億円5884億円+1030億円
機械類及び輸送用機器3兆8149億円1兆9179億円+1兆8970億円
雑製品3967億円8071億円▲4104億円
特殊取扱品5025億円1163億円+3861億円
合計6兆3790億円6兆4641億円▲851億円
図表6 品目別貿易収支(2019年1月~11月累計)
品目輸出額輸入額貿易収支
食料品及び動物5733億円5兆7139億円▲5兆1406億円
飲料及びたばこ1050億円8726億円▲7676億円
原材料9198億円4兆2680億円▲3兆3482億円
鉱物性燃料1兆2713億円15兆4075億円▲14兆1362億円
動植物性油脂244億円1731億円▲1486億円
化学製品7兆9808億円7兆5153億円+4655億円
原料別製品7兆6996億円6兆5127億円+1兆1869億円
機械類及び輸送用機器42兆4987億円21兆1112億円+21兆3875億円
雑製品4兆1197億円9兆0518億円▲4兆9321億円
特殊取扱品5兆1580億円1兆2118億円+3兆9462億円
合計70兆3505億円71兆8379億円▲1兆4873億円

ちなみに「特殊取扱品」とは、その大部分が「再輸出品」と「再輸入品」ですが、おそらくこの貿易収支がプラスになっているというのは、「外国から輸入したものを(不良品などの理由で)返品する額が、常時、返品される額を上回っている」という意味でしょう。

よって、事実上、日本にとって貿易黒字を稼ぎ出している分野は、「化学製品」、「機械類及び輸送用機器」、「原料別製品」の3つであると考えて良さそうです。

中国向け、米国向けがともに減少

さて、日本にとって最大の輸出相手国である中国と米国への輸出動向については、意外とほぼ単品で説明がつきます。

たとえば、中国に対しては「一般機械」(具体的には、事務用機器や金属加工機械など)や電気機器(具体的には半導体製造装置など)といった「モノを作るための道具」が多く、このことから、日本企業としては中国に対し、製造用の製品を販売しているという姿がくっきりと浮かびます(図表7-1)。

図表7-1 中国に対する輸出品目(上位10品目)
品目2019年11月(参考)年初累計
一般機械2880億円3兆0573億円
電気機器2776億円2兆7498億円
輸送用機器1531億円1兆3590億円
プラスチック744億円7333億円
再輸出品736億円6980億円
精密機器類676億円6798億円
元素及び化合物630億円7114億円
鉄鋼440億円4476億円
非鉄金属362億円3513億円
その他の雑製品345億円3775億円
その他1982億円2兆1046億円
合計1兆3101億円13兆2696億円

しかし、この上位2品目については、いずれも前年同月比で見て輸出が落ち込んでいることが確認できます(図表7-2図表7-3)。

図表7-2 中国に対する輸出(一般機械)

図表7-3 中国に対する輸出(電気機器)

一方、米国に対する輸出高については、依然として自動車が多いものの、「最終消費財」といえるものは自動車くらいであり、ほかは一般機械(とくにエンジン類)といった具合に、資本財の輸出も散見されます(図表8-1)。

図表8-1 米国に対する輸出品目(上位10品目)
品目11月年初
輸送用機器4700億円5兆1915億円
一般機械2713億円3兆3332億円
電気機器1568億円1兆8243億円
再輸出品586億円7670億円
その他の雑製品375億円3917億円
精密機器類286億円3113億円
元素及び化合物255億円2982億円
医薬品250億円2520億円
金属製品221億円2210億円
ゴム製品170億円1883億円
その他992億円1兆2471億円
合計1兆2116億円14兆0255億円

しかし、この上位2品目についても、いずれも前年同月比で見て輸出が落ち込んでいることが確認できます(図表8-2図表8-3)。

図表8-2 米国に対する輸出(一般機械)

図表8-3 米国に対する輸出(輸送用機器)

まとめ:金額的にはどうなのでしょうか

さて、昨日の『韓国向けビール輸出が急減しても日本経済に影響はない』では、日韓関係の悪化に伴い日本に経済的な打撃が生じている、といった一部メディアの話題を取り上げたのですが、現実には、日本の輸出高から見て、圧倒的に重要な国は、中国と米国です。

また、たしかに貿易は日本経済にとって重要ですが、日本の輸出品目や貿易黒字、貿易赤字を計上している分野などを見ると、意外と日本は「加工貿易モデル」をすでに脱却し、洗練された資本財産業を除けば、かなりの「内需国家」であるという姿が浮かんできます。

もちろん、貿易が大事ではないと申し上げるつもりはありません。

しかし、2019年における貿易高は、年初からの11か月間で

  • 輸出高…70兆3505億円
  • 輸入高…71兆8396億円

であり、500兆円ともいわれる日本の経済規模に照らすと、輸出、輸入ともに、主要国と比べてGDPに対する比率は低いと思います。そもそも輸出自体が日本経済に与えるインパクトは、諸外国と比べて決して大きくありません(図表9)。

図表9 G7と中韓の貿易依存度(2016年)
輸出依存度輸入依存度
日本13.1%12.3%
韓国38.0%31.4%
中国19.1%14.2%
米国7.8%12.1%
英国15.5%22.5%
ドイツ38.5%30.5%
フランス19.8%22.8%
イタリア24.6%21.7%
カナダ25.5%27.2%

(【出所】総務省統計局『世界の統計2019』図表9-3)

米国や中国に対する輸出高が落ち込んでいるにしても、それが日本経済にどれだけの打撃を与えているのかは疑問です。

いずれにせよ、「数字」のうえからは、むしろ日本としては内需(とくに消費)を活性化することが、経済再生のための手っ取り早い手段である、ということが明らかでしょう。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 愛読者 より:

    海外のホテルの泊まったときテレビのリモコンを見ると,日本よりシンプルな場合が多いです。日本国内でテレビが生産されなくなった原因の1つとしては,携帯電話の場合と同様に,日本向けに特化した特別の機能を沢山組み込んだ製品を開発しているうちに,海外の需要が見えなくなってしまった,ということがあるかもしれません。私の身近にも,ブルーレイレコーダーのリモコンの操作が分からなくて死蔵している人も結構います。もっとも,今時,PCも使えないとできる仕事も限られるのも事実です。でも,そういうことができない人が,日本国民の1/3くらいはいるんじゃないでしょうか(個人的感覚で統計データはありません)。もしかすると,もっと多いかも。中国でもAlipay, Wechat payが使いこなせない人が結構な割合でいるそうで,電子機器のマーケットの外に置かれた人達も多いでしょう。ただ,製品を輸出しようとするときは,そういう人達もよく観察して,マーケットに取り込んでいかないといけないですね。製造機械は技術のあるユーザーしか使わないので,操作が複雑でも高機能なら売れますが,一般の製品は必ずしも高機能のほうがよく売れる,というわけではありません。最近,ゲームが複雑になりすぎて,遊び方が分からない子供も増えている,という話も聞きました。特に,開発部門の人達に,頻繁に海外のいろいろな国に行って,様子を観察してきてほしいと思います。

  2. G より:

    私も表題を見て「内需国家」と思い浮かべながら読み進んでました。
    先進国レベルの消費をする国民が1億2000万。この莫大な内需を今まで軽視しすぎてたように思います。

    日本はすべてにおいてもう少し強気に出てもいいとは思いますけどね。

  3. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    米国中国に対する一般機械や精密機械の輸出が伸び悩んでいるようですが、日本国全体から見ると、GDP対比などから「コレが落ちれば転覆する」というほどでもないです。

    2019年における貿易高は、11か月間で
    輸出高…70兆3505億円
    輸入高…71兆8396億円。
    シロウトの私からみても「大した数字じゃないな」というのは分かります。

    対外要因で一喜一憂するより、内需を高める事、すなわち「もっと財布の紐が緩む」政策が必要と思います。日本人はタンス預金や比較的簡単に現金化する小口のカネは持ってますよ。それを使わさないと、と思うんですが。

  4. 製造業SE より:

    更新お疲れ様です。
    朝日新聞など特定オールドメディアは韓国との貿易に問題があると殊更大げさに騒ぐくせに、イランなど離れた国との問題には事象のみを取り上げる程度で(それが本来のメディアの仕事でしょう)、大騒ぎしたところを見たことがありません。
    日本が内需中心の国であることが統計データからも明らかなのに、(朝日的に)都合の悪いデータは無視です。
    結局、彼らは外需国である韓国の立場でしかものを見てません。

    輸出管理→(韓国が)輸出できなくなる、困った!→日本不買→どうだ、困ったろう、解除して欲しければ規制を止めろ→特定メディアを使っての印象工作

    やり口が見え透いています。韓国も工作や外需に頼らずに、チキン屋などの内需をもっと拡大すべきでしょう。

  5. りょうちん より:

    金額ベースだと見逃しやすいのは、韓国におけるフッ化水素やレジストのような物品です。
    経済全体の額からしたら大した金額でもないにもかかわらず、無くなると経済が止まるようなモノ。
    それらの調達先が韓国や中国にだけ依存していないかだけが気になります。

  6. 名無しさん より:

    大変参考になる数字と図表の豊かな更新でした。
    最後の輸出入への依存の率の表が、韓国とドイツがピッタリ似ているのに愕きました。
    ドイツはユーロの陰に隠れて通貨安の利益を享受しながら土砂降り輸出を続けられる特権を持っている。
    韓国は何かと言うと日本の庇護アメリカの庇護中共の庇護と上手く立ち回って、民族資本育成の強烈な開発独裁型の政府主導の下に、ドイツの特権の代わりに為替操作と言う抜けがけをチョイチョイ駆使しながら、土砂降り輸出を続けている。
    日本は本当にどこにも似ていないユニークな立ち位置だと言う事。

    1. ハリー より:

      ご指摘の通り、ドイツはEUという域内(国内?)経済の中で、ユーロという単一通貨を利用して、輸出で独り勝ちの状態なのでしょう。

      韓国は、基幹技術・素材・部品といった付加価値の高い製品は日本に頼っており、弱い通貨であるウォン安を利用して輸出を続けていますので、同じく輸出入への依存度が高いといっても、ドイツと韓国では産業基盤が違うような気がしております。(個人的な意見で失礼しました。)

  7. ハリー より:

    日本は輸出(貿易)、内需のみならず、バランスよく、海外の子会社を通じた投資や、金融資産でも収入や外貨を稼いでいたと思います。(前に会計士様が分析されていたかもしれません。)

    加工貿易から金融立国・サービス業にシフトしている英国のように、日本の経済・産業構造も成熟しているのでしょう。

  8. 名無し より:

    先日のチキン・ケーキの奇祭の記事と、上の方もちょっと指摘されているので思い出しましたが、韓国は就職できない若者や退職者が、チキン屋を起業するらしいですね。チキン屋を開いても過当競争で大変らしいですけど。

    1. はにわファクトリー より:

      若くして退職させられたおじさんたちがご夫婦でコンビニ経営を始めるケースもあるそうです。日本と同様過当競争により働いてもちっとも豊かになれないので、一区切りついたら売却。はば札の付け回し構造です。

  9. 福岡在住者 より:

    「数字で読む日本経済」は毎回新たな気付きがあり勉強になります。
    日本から見て貿易収支が赤字の国 7位・アイルランド。 ? 乳製品でも輸入しているのかと勝手に想像して調べてみると全然違いました(笑)

    外務省HP
    https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ireland/data.html
    アイルランドからは光学機器、医薬品等を輸入し 日本からは医薬品、自動車等を輸出しているようです。あと日本からは投資もありますね。

    下記はアイルランド政府産業開発庁のHPです。世界的トップ企業を誘致し発展させるビジネスモデルのようです。
    https://www.idaireland.jp/

    1. はにわファクトリー より:

      アイルランドの貿易立国は、著名国際企業本社積極誘致のたまもので、金銭的なプラスは実体国力をそれほど反映していないと、以前仕事で現地生活してそんな印象を受けて帰国しました。日本はアイルランドに、薬剤もしくはその特許の対価を大枚支払っているのではありませんか。アイルランドは外資に支配された国でした。労働力もそうです。EU加盟により東欧ことさらポーランドからの労働者が流入して現地人の職を脅かしています。ダブリンの街頭あるいは周辺地域を見ていぶかしく感じた当方は、人口ピラミッドを理解しようと頭を使ってみました。実力に自信のある三十代の稼ぎ手は家族、子供3名の5人家族世帯が一般的、ごと国外へ出てしまっているに違いないという結論を得ました。

      1. 福岡在住者 より:

        はにわファクトリー様
        コメント有難うございます。
        隣の英国もポーランド人・バルト3国人が多いですね。 出て行かれた側の国が他国からの人で埋め合わせるのがEUモデルなのでしょうか。

      2. はにわファクトリー より:

        > 出て行かれた側の国が他国からの人で埋め合わせるのがEUモデル

        EUの本質をひとことで言い当てる素晴らしい要約です。
        当方は通りを行くLRT車窓からある看板を見て外資に支配されたアイルランドの実態を理解しました。そこには Proudly owned By Irish とありました。そうでない会社そうでない店舗はどうかということです。

  10. 一読者 より:

    輸出入あわせて25%ですか、小生の若き頃は20%でしたから、随分と上がったなー、というのが正直な感想です。

  11. 名無しさん より:

    日本にはカネも無い、資源もない、特許も無い、資源を外国に依存して、加工貿易で入りと出との間の薄いスプレッドで口を糊する外需依存の国、欧米の資本や特許に縛られて土砂降り輸出のエコノミックアニマルの国、と言うイメージは故堺屋太一氏の「油断」辺りのミームがそのまま残っている気がします。
    パクスアメリカーナと呼ばれたプレントウッズ体制の頃のアメリカ一国が有り余るカネを世界にばら撒いていた世界も少し変わりました。
    中共が「反覇権主義」などと上部だけでも綺麗事を建前にして大国らしい鷹揚な外交をして見せた時代も終わりました。
    そうした昔のイメージに今のマスコミはかなり乗っかっている様に思います

  12. 匿名 より:

    商品を売れるから国が在る。
    売り物が無ければ国に成らない。

    1. だんな より:

      匿名さま
      お金や貿易が無い時から、国は有りましたので、関係無いでしょう。

      1. 農家の三男坊 より:

        だんな様
         江戸の鎖国時代ならいざ知らず、1億3000万人を養う食糧とエネルギーはさすがに自給できません。それを加工貿易で補っていたのがエコノミックアニマルと呼ばれた20世紀の日本で、プラザショック以降34年かけて今日の資本・資材大国に脱皮してきたのが今の日本の姿です。が、その基本的な姿は今も変わらないのは会計士様の図表6を見れば一目瞭然です。

        ここからは蛇足ですが、これらを支えてくれたのは米国の軍事力(決して憲法9条ではありません)による平和です。このため、資本大国と言っても、その資本は米国に牛耳られている(米国債や金は米国に預けたままで引き出すこともままならない)のも同然です。たまたまトランプさんが日本の軍事的独り立ちを認めてくれたとして、この資本を欧米の強欲資本の餌食にされない様にうまく立ち回りながら、日本国を一人前の独立国にリードできる政治家を選ぶ必要があります。それは第一次の安倍さん、今の習近平、古くは田中角栄、橋本さんを見れば判ります。多分第二次の安倍さんとそのスタッフはここを押さえているので、安定した日米関係を築けていると思います。併せて、食糧、エネルギー、人口問題にまじめに取り組んでくれる政治家がほしい。

        1. だんな より:

          農家の三男坊さま
          丁寧なレスをありがとうございました。
          現在の日本の認識としては、農家の三男坊さんと同じ認識です。日本が世界で一番の債権国でいるのは、米軍の力のおかげで軍事費を使わなかったことが、影響していると思います。
          それと別に、商品が売れると言うのは、国家としての必要条件では無くて、国家の存続に付随して、発生しているのだと思います。

  13. カズ より:

    対中国の貿易赤字額が大きく感じられるのですが、対香港の貿易黒字を合算するとほぼ相殺されてしまうのだと思います。

    輸送用機器や一般機械・電気機器の輸出割合が高いのは、日本企業の海外進出に伴い、日本に製造拠点のある自動車部品や機器装置・素材の物流がグループ企業内で垂直展開されてるところが大きいのではないのでしょうか?

    ただ、全体的な貿易収支が緩やかな赤字基調なのは、部品・素材においても現地調達・現地販売の水平展開が定着してきたからなのかもですね・・。

    *****

    国内景気の高揚のためには・・、例えばトヨタ自動車が何処の国で儲けたのだとしてもその稼ぎは日本の利益なのですから、問題は如何にしてその資本を国内投資として還元させる政策を実現できるのかだと思っています。

    貿易収支が全体として赤字基調なのですが、サプライチェーンの構造変化はある意味、市場原理の作用として受け入れざるを得ない事象なのだし、最終的に経常黒字が維持できてる限り貿易収支の増減に一喜一憂しなくても大丈夫なんですよね。きっと。

  14. 定年再雇用 より:

    いつも興味深く拝見しております。
    本論考で触れられている特殊取扱品についてですが、その額がかなり大きいと感じます。再輸入、再輸出には返品のほか仲介貿易のようなものも含まれているのなら、納得がいくのですが。
    例えば東南アジアにある日本のメーカーの子会社が東南アジアで生産し、物流は欧米や中国へ直送、商流は日本の親会社を経由するよう所有権を移転し、必要な利益を回収する、と言った構図です。
    貿易統計の基本通達をみたのですが私の頭では良くわかりません。
    どなたか、詳しい方いらっしゃいませんか?

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