あの「セクシー大臣」が、菅義偉内閣官房長官がせっかく出してくれた助け舟に乗らず、「セクシーについて説明するのはヤボ」などと放言したようです。「イケメン閣僚」との呼び声も高い小泉氏、テレビ映りだけは良いのかもしれませんが、正直、この人物の発言を調べれば調べるほど、「勉強不足」のヒトコトに尽きるように思えてならないのです。小泉元首相の息子という事情もあり、自民党内の力学的にはいつまでも入閣させないわけにはいかないという事情があったことは事実でしょう。もしかして、この人物を30代で入閣させた安倍総理には、「小泉氏に政治家としての適性がないこと」を本人と彼の支持者に見せつけるという狙いでもあったのでしょうか?
セクシー環境大臣の発言を好意的に解釈すると…
昨日の『「セクシー小泉」?小泉新環境相をどう見るか』では、小泉進次郎環境相が訪問先のニューヨークで、環境問題について「セクシーに取り組むべき」と発言した、とする話題を紹介しました。
これについてはインターネット上でさまざまな意見が流れているようであり、昨日も紹介したとおり、いまからちょうど6年前の2013年9月に、気候変動枠組条約の事務局長を務めていたクリスティアーナ・フィゲレス氏の発言をそのまま流用したものだ、との見解もあります。
最大限、好意的に考えるならば、まさに小泉氏は隣に座ったフィゲレス氏に敬意を表し、彼女の6年前の発言をそのまま繰り返すことによって、地球環境問題に対し、もっと多くの人たちに関心を持ってもらおうとする、彼なりの配慮だった、という言い方ができます。
ただ、個人的な意見で恐縮ですが、やはりあのような場で、いきなり「セクシー」という発言は、いかにも不適切だったのではないでしょうか。
実際、昨日も報告したとおり、次のロイターの記事などは小泉氏の発言を比較的好意的に取り上げているものの、それでも彼の発言には具体的な内容がなかったことを認めているほどです。
Make climate fight ‘sexy,’ says Japan’s new environment minister(2019/09/23 02:31付 ロイターより)
該当する下りは、次のとおりです。
“We haven’t taken the strong action and powerful leadership since then, but from now on, from today, we want to do more,” Koizumi said, without giving details.
話す内容の中身が充実しているのならば、こうした「セクシー」などの用語で脱線するのも良いかもしれません。しかし、具体的な中身が本当にカラッポなままで、過激な用語を発言して注目を集めようとする態度は、まさに困りものです。
菅官房長官の助け舟に小泉氏「説明はヤボ」
こうしたなか、本日、菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官は午前中の記者会見で、日本テレビの「ワタナベ」と名乗る記者に対し、小泉氏の発言について、次のように述べました。(リンク先の動画の4:01~)
「小泉環境大臣の発言についてはクリスティアーナ・フィゲレス前気候変動枠組条約事務局長の発言というものを引用しながら、述べられたんだろうと思います。」
菅官房長官の助け舟は非常に適切なものです。
いわば、40歳手前で親の七光りで戦後3番目の若さの入閣を手にしてしまった男に対し、「彼の発言は失言ではない」と官房長官自身から助け舟をもらった格好であり、あとは小泉氏が、「あの発言はフィゲレス氏への敬意だ」などとご自身のツイッターなどで発信すれば、これで問題収束…だったはずです。
ところが、本日、せっかくの釈明のチャンスを、彼は自分自身で潰してしまったようです。
小泉環境相「セクシー説明やぼ」/発言の真意問われ(2019/9/24 14:59付 共同通信より)
共同通信によると、小泉氏は自身の発言の真意を記者団に問われた際に、
「説明すること自体がセクシーじゃない。やぼな説明は要らない」
などと述べ、詳しい説明は避けたのだそうです。
上の共同通信記事の当初配信時刻は本日午前11時53分(日本時間)ですので、時系列的に見て、菅官房長官が「助け舟」を出したという事実を小泉氏自身が知らなかったという可能性は十分にあるかもしれません。
ですが、せっかく菅官房長官が助け舟を出してくれているのに、それを拒絶して「やぼな説明は要らない」などとやってしまったのですから、あえて主観に基づくきつい言葉を申し上げると、「ちょっと救い様がないな」、という印象を受けてしまいます。
「セクシー」の前は「ノドグロ大臣」
さて、小泉氏といえば、セクシー発言以外にもいくつかの問題発言をしています。その一例が、「ノドグロ」です。産経系のメディア『zakzak』に寄稿した、こんな記事を紹介しておきましょう。
小泉進次郎氏「原発処理水」言動に批判集中! 有本香氏「悪しきポピュリズムの典型」 (1/2ページ)(2019.9.14付 zakzakより)
「福島の漁師の皆さんが、どんな日々を過ごしてきたかに思いをはせなければ、(処理水に関する)発言はできない。今度、福島で採れる(高級魚の)ノドグロを一緒に環境省で食べてみたい」
これ、いったい何の発言でしょうか。
zakzakでは触れられていませんが、この文章は、福島第一原発の処理水を海洋に放出することに関連し、記者から「韓国が国際社会に対して恐怖感を与えるとの懸念を示したことが被災地への風評被害を助長しかねない」との質問に対する答えです。
まったく、質問に対する答えになっていません。
トリチウムを含んだ処理水の海洋放出を巡っては、かなり以前から韓国政府が科学的知見を無視して日本政府を批判しているわけですが、これに対しては環境大臣として、毅然として「韓国の批判は科学的根拠に基づかない」と一蹴して欲しかったところです。
それがなぜ、「ノドグロを環境省で食べてみたい」になるのでしょうか?
小泉氏は見てくれが良く、また、発言も人々を魅了するものであることは否定しませんが、だからといって頭の中身がこんなにスッカラカンで良いはずがありません。20代から、せいぜい30代前半くらいまでならばまだ話は別ですが、40歳手前にもなってこの不勉強ぶりは困りものです。
よく練られた発言だからこそ人々の心に届く
小泉さんが当ウェブサイトをご覧になっているかどうかは存じ上げませんが、ふとした経路で小泉さんの目に留まることを期待し、あえてきついことを申し上げたいと思います。
小泉さんは、第一に「勉強不足」です。
環境相に就任するならば、きちんと官僚からのレクチャーを受けるとともに、ご自身でも関連する法令を読みこみ、きちんと環境法制や関連する気候変動条約についてもひととおりの知識を調べておくべきでしょう。
もちろん、「環境」という、彼自身にとっての畑違いの分野にいきなり配属されて戸惑う、という気持ちがあることは当然ですし、安倍政権の方針と閣内不一致を起こさないように、細心の注意を払わねばならないというのもまた事実です。
しかし、我々一般人ですら、最低限、安倍政権の政策課題と主要与野党の主張、主要な経済問題や社会問題、近隣国との関係などの国際問題くらいは普段からある程度関心を持って情報を集めているくらいですから、政治家という立場にあれば、なおさらのこと、これらの話題を深く勉強すべきです。
小泉さんの場合、あまりにも普段から国民の関心事を深く勉強していなさすぎることがバレバレなのであり、環境相以前の問題として、政治家としての資質にも深刻な疑念を抱かざるを得ません。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ちなみに当ウェブサイトでは、べつに「セクシー」という発言そのものが問題だと申し上げつもりはありません。なぜなら、発言者に「きちんとした意図」があるのだとしたら、ちょっとした発言の揚げ足取りをするのは不適切だからです。
しかし、立場が上がれば上がるほど、「発言を不適切に切り取られてしまうリスク」は飛躍的に高まります。
安倍・麻生両総理を含めた閣僚が、いままで「もりかけ」などの虚報問題を始め、マスメディアによるさまざまな理不尽な攻撃にどれほど苦しんできたのかと考えると、ちょっと今回の「セクシー」発言は、擁護する気になれません。
また、小泉氏が小泉純一郎元首相の息子という立場にあるためか、マスメディアは彼をマスコットキャラとして利用しているフシがありますが、若い小泉氏がオールドメディアに利用され、インターネットというニューメディアの前に敗れ去っていくのは非常に皮肉でもあります。
いずれにせよ、「無能な者は傷が浅いうちに切る」というのは、古今東西、人事の世界では鉄則の1つです。オールドメディア受けの良い小泉氏をこのタイミングで環境相として入閣させたのも、どうやら安倍総理自身に単なる「客寄せパンダ」以上の何らかの意図があったと見るべきではないかと思えてならないのです。
少なくとも現在の小泉氏には、政治家として必要な「勉強すること」という最低限の資質が備わっていません。40代、50代で閣僚となるよりも、30代のうちに、本人と自民党内の彼の支持層に対し、「政治家としての適性がない」ということを自覚させる、ちょうど良いチャンスになったのではないでしょうか。
小泉氏がここから一念発起して猛勉強し、政治家として脱皮を目指すのか、それとも今までどおり、父親である小泉元首相のような、中身がスッカスカな「ワンフレーズ・ポリティクス」でゴリ押ししようとするのかは知りませんが…。
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セクシー大臣の発言をすべて追っているわけじゃないですが、彼のバランス感覚はオールドメディアから流される情報の中で作られているような気がします。
メディアで取り上げられる「弱者」に配慮し、メディアで取り上げられる「強者」を批判するような、浅い世界観が垣間見えます。
過去の政治家はこの感覚で乗り切れたのかもしれません。
政治家としての作法を教えてくれる人たちが、古い人たちばかりなのかもしれないです。
こういう政治家は、オールドメディア受けはよくても、早晩ネットで厳しい洗礼を受けることになるでしょう。
本人自身がネットから直接情報を引き出せる能力を持っていないか、自分でやろうとしない、と言うことだと思うんですよね。
ここを他人に頼る政治家は、多分、今後の世界は厳しいんじゃないかと思います。
ここにも勉強不足の40代が一人
<「韓国なんて要らない」なんて要らない?>
https://www.newsweekjapan.jp/pakkun/2019/09/post-48.php
パトリック・ハーラン Newsweek日本版
2019年09月24日(火)15時20分
なんという浅慮浅薄・・・
ここまで浅はかなのは、久しぶりに見ました。
韓国論議が深まっている昨今では、まずお目にかかれない浅はかさです。
ハーバード大学は日本の大学と違って、思考力を問うのではなかったのか?
空っぽの頭を風船のように振り回して得意になってる幼稚園児のようだ・・・
彼は報道1930という番組でその浅はかな知識で日韓関係の改善をよく訴えています。日本の韓国に対する輸出管理の見直しを、米中貿易戦争と同類に捉え「日本政府がトランプ化しているのが心配です」などと全く頓珍漢な発言をしていて呆れました。今後も国内の媚韓勢力などに利用される可能性が高いですね。米国人という立場が、今や四面楚歌の媚韓勢力にとっては利用価値が上がっているのかもしれません。
国防動員法様
リンク先を読んでいたら吐き気がしてきました。🐧
国防動員法 さま
私も驚きました。
元々の能力が低いようではないですから、何かの確信犯ではないでしょうか。一見人当たりの良さそうな態度を取りますが、思想信条、バックボーンなどに問題を抱えているのかもしれませんね。
小泉さんを閣僚に押した菅官房長官、散々な目に合われましたね(笑)。
明晰な菅さんであれば、彼については、隣国同様、関わり合いを避けて後は放置がよろしいかと。
それにしても、環境相とは、安倍さんやりますね(笑)。環境相の仕事は汗をかいて実績を積み上げるものと理解しております。かといって、その政策で国体を脅かすものではない。派手なことがお好きなボンボンにはムリなお仕事です。早晩、投げ出すのではないですかね。
環境問題は国政への影響度は低いですが、国民の注目度はやたらと高いですからね。
やらかしても影響の少ない職で小泉Jrの実態を国民によく見てもらう、というのは理にかなってます。
もちろん小泉氏が環境相としての仕事を上手くこなせるならそれはそれで悪いことは無いわけですし。
ただ、ここまでの行動を見る限りだとそれは期待薄そうですね。
位攻めってやつなんじゃないですかねえ。
実は小泉政権下で苦労した安倍首相は小泉家がダイキライで、重責を負わせて失敗するのをニコニコ見ているとかw
石炭火力を削減するにはやっぱり原発が必要だと言わせたいのかも知れませんよ。
まあ、言わないと思いますけど、じゃあどうするのか、と。
私はもう少し見守りたいと思います。周囲で支える人たちが優秀なら、それなりの仕事が出来るかもしれません。周囲に有能な人が集まるかどうかは、その人が仕事が出来るかどうか?に加えてその人の魅力が左右します。能力が高いけど周囲がついていかない、といことはよくあり、結果としてそういった人は出来ることが限られてくるものです。魅力だけではダメでしょうが、魅力があるということも実力のうち、ではないでしょうか。まずは環境省の官僚が彼をサポートする気になれるかどうか、ですね。
匿名 さま
>能力が高いけど周囲がついていかない、といことはよくあり
どうも、今みなさんが心配しておられるのはそれとは正反対のことで、能力が低すぎて周囲がついていけないということではないかと思うのですが。
最近は、レクの資料より、ゼクシィを読み込んでいたため、ついセクシィと言ってしまった可能性も微レ存。
しらんがな、といった気分です。
国益を十分考えた慎重な言動を望みたいです。
リーダーシップとパフォーマンスは違うこと、認識しているのか、心配です。
「叱られてもわからない人」が大臣にまでなってしまった典型的なパターンというか伝統芸ですよね。たぶん。
この人、官僚のブリーフィングを拒否してるんでしょ。
「ワシは偉いんや!何でも知ってるねん!」いう感じで。たぶん。
持続可能な開発目標(SDGs)と言いながら、自分はできていない、やってもしない、やろうともしないことを認めないところを認めさせる方向で、野党さんは遊んで欲しいもんです。
妄想すいません。
更新ありがとうございます。
小泉進次郎さん、駄目ですねぇ(失笑)。やはり私の見立て通りでした(笑)。小泉家は代々政治の一家、しかし一流スポーツ選手の子弟が親をなかなか越えれないのと同じで、大概が3段ロケットぐらい付けて貰ってるのに、切り離されたら失速、海ポチャです(爆笑)。
音楽家、芸能人、落語家、歌舞伎、茶道花道、企業家、技術者、研究者、医者、いずれも名を残した親越えはなかなか出来ません。中には例外が出ますが、まあ、少ないです。
しかし例えは悪いですが、犯罪者(前科持ち等)の子は、また犯罪に手を染める事が多い。小さい頃に親にマトモな育て方されなかった子が、親になると、子に暴力振るったり、最悪殺してしまう。悪い方は、スンナリ乗り越えれるんですな(笑)。所謂、劣性遺伝、DNAの連鎖でしょうか。
さて、進次郎氏ですが、会計士さんは【だからといって頭の中身がこんなにスッカラカンで良いはずがない。40歳手前にもなってこの不勉強ぶりは困りものです。】
いやいや、私は30代前半までに勉強しておくべきだったと思います。父親が総理の頃、鞄持ちでも横須賀市の汚ない横丁でも、這いずり回って勉強すべきでした。ずっと米国留学でも良かった。
しかしその父親自体、そんな泥臭い選挙や地盤固めなどしてませんし、教育不十分は親の責任でもあります。
派閥力学や父親がまだ存命(確か小沢氏と大学同窓ですよ)なので、安倍総理らは大臣ポストに付けたんでしょうが、『まあ、いっぺん軽いとこやってみぃ』(環境が軽量級とは思いませんが財務や外務、防衛、官房長官よりは低いでしょう)と思って任せたら、大外れ!でした。
小泉進次郎さん、貴方の振る舞いを見てると好き嫌いではなく、足立議員の方が遥かに行動力、発言もしっかりしていると見ました。
議員で残るには自民党から出て、考えの近い方に面倒見てもらいましょう。それか一番良いのは政界引退です!自民党に残ると自爆テロ起こしそうです。出て行けッ!(笑)
多分、ここからが彼の政治家として生き残れるか否かの大きな別れ道なのでしょうね。
少なくとも、これからしばらく(数年くらい)は、彼の不勉強さや不注意などによって逆風が吹き荒れることでしょう。
この経験で潰れて消えてしまうなら、その程度。
逆にそれを糧として、不屈の精神で、どんなに無様な姿に堕ちようとしがみつくことが出来るなら、まだ見込みありかなあと。
本人に聞かれたらぶちギレられるかも知れませんが、高い確率で、第一次安部政権で安部首相が経験したような挫折を味わう事になると考えています。
ともあれ、自分は今の彼に成果は期待していません。
成長の見込みが有るかどうかだけ、見ていきたいと思います。
そこから立ち直れる可能性も、若い方があると思いますから。
いや、勉強するも何も「小泉様」はこれから大事な大事な育休でしょ?
何だろねこのやる気も気概もないくせに大臣とか言ってる奴は
だいたい若手だの言われてますが、すでに38歳で国会議員になって丁度10年経っています
普通の企業で考えてみましょう、38歳の10年勤務、まさに現場の中核レベルではないでしょうか?
確かに政治家は全体に年齢の高い業界?wとはいえ基本は当選回数です
つまり開始年齢の幅が広いので、職歴の長さが基準になるという事です
そんな世界で3期10年やってる議員の中身がこれです
なにより福島の原発処理水の問題でのあの対応が許せない
ただただ自分が批判されない事だけを考えた、日本の将来も福島の関係者の事も全く考えていない、自分大事な姿に呆れると当時に反吐が出ます
今迄は責任を取る必要もなく、後ろから好き放題喚いていたのでしょうが、大臣となってそれが許されなくなった途端に、次々とその化けの皮が剥がれてきています
将来に期待?
それ1期目の議員ならともかくもう仕事のスタイルも固まったこいつに出来るはずがない
悪いけどこの年でデキ婚、仕事の実績なし、まだ就任1週間なので~の言い訳、これで期待できますか?
マスコミに次期総理とか煽てられ、事前予想になかった大臣就任をし、私生活も充実し、なんか勘違いしまくっている気がします
このまま育休でその間は大臣は辞退、更には議員バッジも返上すればいいのでは?
大臣の器でないのは確か。国会議員は数が多いので、大臣でなくて一議員として活躍すればいいのでは。すべての国会議員が大臣を目指す必要はない。それにしてもクリステルさんは人を見る目がないね。それが最大の不幸だと思う。