米軍から韓国軍に対する「戦時作戦統制権」の返還が一気に実現に向けて動き出しました。米韓両国が合意したのは、「未来連合司令部」と呼ばれる米韓の新しい連合軍司令部をソウル市南方60kmの地点にある平沢(へいたく)の米軍基地「キャンプ・ハンフリーズ」に設置し、その大将に韓国軍人が就任する、という計画です。ただ、この構想だと、結局、ソウルの韓国軍合同参謀本部と米韓連合司令部が物理的に分断されるというでもありますし、また、米軍がいかに韓国軍を信頼していないかという姿が垣間見えるのも事実です。
鈴置説に沿って動いているのか?
当ウェブサイトで以前から公言しているとおり、私自身は日本経済新聞社元編集委員で日本を代表する韓国観察者である鈴置高史氏の大ファンです。
ただ、別に「大ファン」だと申し上げているのは、無条件・盲目的に鈴置氏の議論を信頼しているという意味ではありません。パズルのピースを大量に集めるがごとく、客観的な情報源を淡々と並べて再構成するという姿勢に強い共感を抱いているのです。
まことに僭越ながら、当ウェブサイトもこうした「鈴置流」を勝手に参考にさせていただいているのです(※それが実践できているかどうかは別として)。
それはさておき、以前から当ウェブサイトで「推薦図書」として何度も紹介して来た私の愛読書が、鈴置氏が執筆した『米韓同盟消滅』です。
私の責任で本書を要約すると、「米国は将来的に、米韓同盟を解消しようとしている」、というものですが、それと同時に「それは今ではない」と述べているものです。
考えてみればわかりますが、現在、韓国軍の装備品や訓練スタイルなどは、基本的に米軍と共通(あるいは「劣化版米軍」)ですし、米韓同盟は「韓国を防衛するため」だけのものではなく、むしろ「日米韓3ヵ国連携」という枠組みで機能するものです。
世の中、何事にも「プロセス」というものがあります。ドナルド・J・トランプ大統領その場の感情で「米韓同盟破棄だ!」「米韓断交だ!」などと叫べば、米韓同盟が破棄されて米軍が朝鮮半島から撤収される、というものではありません。
今すぐ米韓同盟が破棄されてしまえば、米国としても日本としても非常に困ったことになるからです。
戦時作戦統制権とは
こうしたなか、1つの基本知識が「作戦統制権」と呼ばれる概念です。
ジェトロアジア経済研究所のレポート『作戦統制権問題』によれば、この「作戦統制権」が戦時と平時で分かれているというのが、韓国軍の特徴の1つだそうです。
以下、レポートから記載を抜粋し、要約・箇条書きにしておきましょう。
- 韓国軍の部隊の作戦統制権が戦時と平時に分かれているのは、朝鮮戦争以来の歴史の産物である
- 韓国軍の作戦指揮権限は1950年7月に当時の韓国大統領だった李承晩から国連軍総司令官のマッカーサーに移譲され、朝鮮戦争休戦後の1953年11月17日の米韓合意に基づき、韓国軍は国連軍総司令部の作戦統制権の下に置かれることが明記された
- その後、1961年5月に国連軍総司令部の作戦統制権の一部が解除され、さらに1978年10月には米韓連合司令部が設置され、国連軍総司令官と米軍第8軍司令官を兼任した米韓連合司令官が韓国軍に関する作戦統制権を行使するという枠組みが作られた(連合司令部の設置)
- さらに1994年12月1日に、韓国軍に対する作戦統制権が戦時と平時に分けられ、そのうち平時の作戦統制権が国連軍総司令部から韓国軍に移管された
つまり、ジェトロアジア経済研究所によると、統制権が戦時と平時に分けられているのは、「歴史の産物」なのだそうです。いかにも中途半端ですが、韓国の「独立国」としてのプライドを満たしつつも、米国にとっては大事な米兵の命を韓国軍の指揮下に置かないために出て来た「苦渋の選択」にも見えます。
考えてみれば、李承晩は建国間もない大韓民国の国家元首だったはずなのに、朝鮮戦争勃発とともに自らが真っ先に首都を捨てて逃げ出し、挙句の果てに多くの避難民で溢れる漢江に架かる橋を爆破したような男です。
裏を返せば、米軍がいかに韓国軍を信頼していないかという証拠でしょう。
盧武鉉政権時代から始まった「戦作権の回収」
ただ、前出レポートも「本来、作戦統制権は戦争の遂行に関する権限であるため、権限を平時と戦時に分けたとしても、本質は戦時のほうにある」と述べているとおり、すべての作戦統制権を回復しなければ、「作戦統制権を持っている」とは言えません。
このため、盧武鉉(ろ・ぶげん)政権下で始まったのが、戦時作戦統制権の回収です。
もっとも、韓国軍にとっては米軍との連合作戦体系が消滅しては元も子もないので、要するに、「現在、米軍と国連軍司令部が所持している統制権をそのまま韓国軍に移管すれば済む」という簡単なものではありません。
ただ、盧武鉉政権下の統制権返還の動きは、その後、北朝鮮の弾道ミサイル実験によっていったんは中断。李明博(り・めいはく)、朴槿恵(ぼく・きんけい)と2代続いた「保守政権(?)」の間は事実上、話し合いが棚上げになっていたのですが、それを再開したのが文在寅(ぶん・ざいいん)政権です。
米韓両国は昨年10月31日(現地時間)にワシントンで開かれた第50回米韓安保協議会議(SCM)で、戦時作戦統制権返還と連合指揮構造改革案を協議(2018-11-01 10:13付 ハンギョレ新聞日本語版『戦時作戦統制権の返還後、韓国軍主導の連合司令部を創設』)。
順調に行けば、2020年までに2段階の完全運用能力(FOC)を検証したうえで、2021年に3段階の完全任務遂行能力(FMC)検証までを終えたうえで、文在寅政権の任期中の2022年までには戦時作戦統制権返還のための連合作戦能力検証手続を終えるとの公算が出ています。
シャナハン代行訪韓、韓国人連合司令官で合意
こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)によると、米国のシャナハン国防長官代行は3日、韓国の鄭景斗(てい・けいと)国防部長官と韓国・ソウルで会談し、「戦時作戦統制権の韓国返還後は、韓国軍4つ星階級章将軍(隊長)が米韓連合軍司令官を引き受ける」ことで合意したそうです。
第2朝鮮戦争が勃発すれば韓国隊長が連合司令部を指揮(2019年06月04日07時44分付 中央日報日本語版より)
中央日報はこれについて、「朝鮮戦争が再発すれば、韓国軍司令官が米軍を指揮することになる」と述べているのですが、実際に米軍が韓国軍司令官に指揮されるような事態が発生するとは考え辛く、中央日報の見方は非常に表面的です。
というのも、韓国側が当初考えていた「韓国軍の合同参謀議長が米韓合同司令部(未来司令部)の司令官を兼ねる」という構想は頓挫し、また、合同司令部についても、韓国政府・国防部内ではなく、平沢(へいたく)の米軍基地「キャンプ・ハンフリーズ」に移設することでも合意したからです。
これに加え、奇しくも中央日報自身が述べているとおり、現時点において、米軍は「韓国に提供する核の傘」といった戦略資産については、連合司令部とは別に米軍が独自に統制権を行使している状態です。
つまり、米軍としては戦時作戦統制権を韓国軍司令官に渡すものの、あらたに設置される「未来連合司令部」自体は平沢の米軍基地内に置くことで、米軍による監視を強化する、ということでしょう。
これに対し、珍しく「保守系」と「左派」のメディアが同じような懸念を表明しているようです。
韓米連合軍司令部が平沢米軍基地へ移転、有事の連合防衛態勢に支障はないのか(2019/06/04 9:25付 東亜日報日本語版より)
米軍に囲まれる韓米連合軍司令部、米軍の発言権が高まる可能性も(2019-06-04 07:42付 ハンギョレ新聞日本語版より)
いずれも「未来連合司令部」が韓国国防部の建物内ではなく、ソウルより約60キロメートルほど南方にある平沢に移ることで、結果的に「韓国統合参謀本部」との連絡に支障が生じるのではないか、との懸念ですが、これも米軍が韓国軍を信頼していない証拠と見るべきでしょう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、現在のところ、米韓両国は「米韓同盟と日米韓連携は大切だ」と言い続けていますが、果たしてそれは本当でしょうか。
韓国は日米豪印などが参加する「自由で開かれたインド太平洋」構想に明らかに参加する意思がありませんし、米国が同盟国としてのコストを負担したがらない国を、いつまでも同盟国として維持するとも思えないからです。
確かに、現時点で米韓同盟を破棄することは難しいのですが、今回の統制権返還問題についても、私などからしたら、米国が将来的に朝鮮半島から撤収しようとしている伏線にしか見えないのです。
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>現時点において、米軍は「韓国に提供する核の傘」といった戦略資産については、連合司令部とは別に米軍が独自に統制権を行使している状態です。
まず、米国は韓国に「核の傘」をそもそも論として提供していない事実があります。
http://heiwagaikou-kenkyusho.jp/opinion/1375
韓国の核の傘
> 韓国は米国に対し、去る5月には核兵器の共同管理を要望し、8月には第三国の核の脅威に「核の傘」を必ず提供するという確実な保障を求めたが、米国はいずれの要望も断った。
前者はともかく、後者!「おめーの核の傘ねーから」ですよw
> 核兵器の共同管理は米国と一部のNATO諸国(ドイツ、イタリア、オランダおよびベルギー)との間で行われているが、核攻撃のボタンをどちらでも押せるようになっているのではなく、最終的な決定権は米国だけが持っている。それでも共同管理国内に核兵器があるので一定の抑止力になると考えられている。
これもう韓国に認めてしまえばいいと思うんですよね。
誤解が多いようですが、ニュークリアシェアリングというのは、あくまで戦術核でしかなく、通常戦力で劣勢になったときに自分の国土で、敵の通常戦力を破壊するという性格ものなんですよ。
北朝鮮が韓国に攻めてきて、ソウルが占拠されそうになったら、ソウルに核兵器を投下するという話。
韓国以外誰も不幸にならないじゃないですかw
軍事関連も私が苦手な分野なので、黙っていようと思いましたが…
> 米国は韓国に「核の傘」をそもそも論として提供していない事実があります。
知りませんでした。びっくり!と腰を抜かしつつ読み進めると、
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米韓相互防衛条約
第二条
(前半略)締約国は、この条約を実施しその目的を達成するため、単独に及び共同して、自助及び相互援助により、武力攻撃を阻止するための適当な手段を維持し発展させ、並びに協議と合意とによる適当な措置を執るものとする。
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> 第2条の後段は、北朝鮮の核の脅威に対して米国が抑止力を維持することになっていると読めそうだ。
> そうであれば、韓国が米国に「核の傘」の確認を求めことは必要ないとも考えられるが、
> それでも政治的には必要なのだろう。
これなら暗黙に核の傘が存在するとも読めるのですが、「その『暗黙』は無いよ」と米国が明確に断ったわけですよね。スゴい拒絶ぶりです。米軍は韓国軍を信用していないということですね。
> ニュークリアシェアリングというのは、あくまで戦術核でしかなく
> 通常戦力で劣勢になったときに自分の国土で、敵の通常戦力を破壊するという性格ものなんですよ。
だとすれば、韓国人がソウルに原爆を落とす決断を行えるはずがありませんね。どさくさに紛れて「平沢から東京にミサイルは届かなくても福岡なら届くニダ」とか言って目標を変更されそうです。共同管理なんてとんでもない。
現在の軍事企業のランキングを見てみましょう。
武器製造・軍事サービス企業の2017年売上トップ10社(2018,12,26,フォーブス記事)
1. ロッキード・マーティン(米国)/449億2000万ドル
2. ボーイング(米国)/269億3000万ドル
3. レイセオン(米国)/238億7000万ドル
4. BAEシステムズ(英国)/229億4000万ドル
5. ノースロップ・グラマン(米国)/223億7000万ドル
6. ジェネラル・ダイナミクス(米国)/194億6000万ドル
7. エアバス(欧州連合の4カ国)/112億9000万ドル
8. タレス(フランス)/90億ドル
9. レオナルド(イタリア)/88億6000万ドル
10. アルマズ・アンテイ(ロシア)/85億7000万ドル
*注:比較可能かつ十分に正確なデータが不足していることにより、中国企業は除外した。
出典:ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)
米国のみではなく、英仏伊露、といった白人国家で武器市場は独占されてるんですね。
彼ら軍事産業は世界各国の防衛費で食ってるダニなわけです。
中国だけはここに乗ってませんね。
やっぱり、なんだかんだ言ったって、自前の武器で自国を防衛できるってのは、羨ましい限りですね。
もし、ここに三菱や本田がランクインするなら、三菱は嫌いですけど、日本の防衛費がどんなに増えようと文句は言いません。
でも白人軍需産業のため、有色人種が税金払うんじゃ、たまったもんじゃないですね。
米韓同盟・・・米国がこんな美味しい武器の売り先手放すもんですか。
ロッキードは困るでしょう(笑)
軍事産業が食っていけるのは、米軍が同盟国から金を巻き上げているからですよ。
韓国みたいな偏狭国でも、米軍に年100億ドル進呈している。
朝鮮半島で戦争は起きても、韓国から米同盟国という首輪を外れることは、絶対ないでしょう。
奴隷国家は永遠に貢ぎ続けるしかないんです。
日本もそうじゃないですかね。
中国だけが、首輪を引きちぎりそうですね。
中国を悪く言う人が多いですが、ホント私には、悪く言う人の気持ちがわからない。
そりゃ隣国に侵攻するぞ発言や領土、領海奪ったり他国の技術盗んだり、民族浄化よろしくウイグル、チベット、内モンゴルではナチスなんて可愛いレベルの殺戮と再教育。更には自国民を監視社会にして法律は共産党の下、これでは周辺国が警戒するし悪くも言いますよ。
アメリカもまぁ録でもない事しますが中国よりかはマシ。
現代はアメリカの覇権時代なのですから覇権国家と衝突するのは避けるべきです。我々はww2で十分味わったじゃないですか。
ボーイングとエアバス社って防衛産業だけの売上高ですか?
https://www.sipri.org/sites/default/files/2018-12/fs_arms_industry_2017_0.pdf
を読むと、ボーイング社は防衛産業は全体売り上げの3割と書いてあるので正しいと思うのですが、エアバス社はよくわからず。
それにしてもLM社のF-35バブルと堅調なF-16の売り上げがものすごい。
ボーイング社は、ちょっと最近落ち目です。F-18しか戦闘機の売れるものがないので、F-15を近代化して売ろうとそれはもう必死です。ちょうど今、アメリカの議会でF-35は金食い虫だから新型のF-15買えって丁々発止でやっています。
737Max墜落だとか、KC-35の製造不良で空軍に受領を拒否されたり、最近は悲惨な状態です。
ノースロップ・グラマンは、すっかり戦闘機・爆撃機なんて流行らないものから手を引いて、無人機バブルで大儲け。賢いですねえ。
艦船でもフォード級次世代空母の開発大炎上していますが、現行のニミッツ級も同社製なのでどっちに転んでもいいとか強い!
日本がフリーハンドで武器輸出した場合、おそらくそれなりのところまでは食い込めると思いますが、やり過ぎると親分が黙っていませんよ。
アメリカのやらなそうな飛行艇だとかを売り込んだり、巡視艇を配るのを黙認してもらうのが関の山。
通常型潜水艦のモンキーモデルなんか作れば売れるでしょうけど、ゴルゴで「そんなん製造ラインが死ぬ」とか暴露されちゃったw
F-35があまりにも高価な買い物になってしまったので、ホンダシビックみたいなノリで安い4.5世代機を開発すれば(そういえばそんなものを作ろうとしている国がありましたねw)、モリモリ売れちゃいますね。
そんなおいしい市場は、残念ながらインドが手を上げることになりました。枯れたF-16の技術を輸出してインドにF-21として、作らせることにしたそうです。技術移転してもらうつもりだった某国がそれを聞いて火病を起こしているそうな。
皆さん、もうご存知だと思いますが、一応、ご紹介します。
こちらの評論記事と一緒に読むと、怖いニュースだと思いますよ。
<米韓合同軍事演習、「再開の必要なし」 米国防長官代行>
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190603-00000026-jij_afp-int
更新ありがとうございます。
まずは鈴置高史氏の「米韓同盟消滅」は既に拝読いたしました。未だの方は是非どうぞ!
韓国 京城市の「米国人小中高学校」が60年の歴史に幕を閉じ、平沢基地周辺に移転する(朝鮮日報)そうです。これも米国軍総司令部と韓米連合軍総司令部がキャンプ・ハンフリーズにすべて移る為でしょう。
京城市の韓国軍総司令部はそのままという事は、60km離れた「京城に用はない」と言えば言い過ぎか。北から地上軍、戦車、ロケット弾・ミサイル搭載車輌が38度線突き抜けて来ても、米国陸軍は手を出さず空軍、海兵隊の飛び道具だけで対処、というふうに思える。
また戦時指揮権を韓国に返す事自体、朝鮮半島はカネがかかる割に得るモノ少なく、裏切り専門であり、若い米国人の血を流したくない。米国としては、半島は失ってもギリギリ可、日本列島、沖縄、台湾、比を防衛ラインと考えている。
日本が最前線に立たされるのは好ましくないです。しかし今のまま韓国や北朝鮮の刃物や銃を振り回す相手に日本が「関知しない」だけでは通る訳もなく、それなら戦える準備と太平洋インド洋の自由主義同盟国の平和の環を強固にすべきだと思う。
NATO欧州連合軍ですら、歴代の最高司令官は全てアメリカ軍人、
副最高司令官は全てイギリス軍人かドイツ軍人
建前上は韓国軍人をトップにする事はあるのかも知れないが、
実質上は絶対にアメリカ軍が韓国軍人の指揮下の元に入るなどという事は起こり得ないと思う
現実問題としてアメリカが自国の部隊を他国の指揮官の下で戦争に参加させる事態は有り得ない。単一の戦闘とかならまだしも、在韓米軍全体のような多数の部隊から構成される総合的かつ大規模な「方面軍」的なものの指揮を他国の将官に委ねることは決して有り得ない。
従って、戦時作戦統制権の韓国への移管の結果は次の2つの何れかにしかなりえない。
1.形式の上だけで韓国の大将を奉り上げて権限を持った形にさせるが指揮の実権はアメリカ軍側が持ち、韓国軍側はそれに干渉できないようにする。
2.在韓米軍の実戦兵力は撤収し軍事顧問団的な少数のアメリカ軍のみを韓国に残す。
北朝鮮問題でアメリカに裏切り続け在韓米軍をバックアップする在日米軍を抱え朝鮮有事に対する出撃の可否の判断権を有する日本に対する露骨な反日を止めない近年の韓国の実情と、トランプの韓国に対する在韓米軍の費用負担の非常な増額要求などを見ていると、私自身はこれまでは移管後のアメリカ軍の採る選択肢は2で在韓米軍は実態としては撤収しアメリカは韓国を切り捨てる方針だと思っていましたが、今回の記事を読む限りでは、アメリカは軍事的に韓国を捨てずに1で戦時作戦統制権移管後の半島有事に対処する方針なのかと少し驚きました。
あるいは、トランプ政権下で北の非核化交渉が始まったので、在韓米軍はその撤収を交渉でのカードとして切るために当面は撤収させず在韓米軍は駐留を継続させねばならないという方針になったのかも知れませんね。
その場合、在韓米軍を撤収するまでは1の方針で実質的には戦時作戦統制権をアメリカ側が握ることで在韓米軍の将兵が韓国側による作戦指揮で無駄死にさせられないように守り、在韓米軍撤収を北の非核化交渉での交渉カードとして使用し終わって在韓米軍の実質的な撤収が終わり2の状況を作れたら「後は野となれ山となれ」ではありませんが米韓連合軍という名前の実質は韓国軍だけの戦力の運用は韓国の好きにさせるというのが北との非核化交渉開始後のアメリカの新たな方針なのかも知れませんが。
米朝会談決裂という結果にも関わらず、
・統帥権返還の計画に変更なし
・米韓合同演習 再開の必要なし
ということは、
米国は対北非核化交渉の上で、韓国に関するカード
(在韓米軍撤退、米韓同盟解消、北による併合黙認等)
は全く価値ナシ
と見切ったというでしょうか。
そうなると韓国の経済焦土化も加速しそうです。
撤退なり縮小なりの準備を着実に進めてますね。負担金の増額など、言うことを聞かなければ時計を早めるのでしょう。
>裏を返せば、米軍がいかに韓国軍を信頼していないかという証拠でしょう。
韓国軍の将官の著作では、韓国軍は立派に戦ったと書かれていますが、立場上そう言うでしょう。軍人なら、部下の不名誉は書けませんから。
朝鮮戦争時、勇戦敢闘した韓国軍の部隊もありましたが、第二代国連軍司令官マシュー・リッジウェイは回顧録で韓国軍を酷評しています。いわく、「韓国軍の態度だけが、私の悩みの種だった」と。朝鮮戦争後、日本の占領統治に当るGHQ総司令官の二代目に就任したリッジウェイは、自衛隊の建設を進めるに当たって元日本陸海軍軍人の復帰を強く主張し、元大本営参謀を含む大佐クラスまで復帰が実現しました。韓国軍の高級将校のお粗末さに苦しめられ、経験と能力を有する元日本軍人が、自衛隊には欠かせないと考えたからです。
平沢には2017年第8軍、同司令部が移動済みであり今回は米韓合同司令部が平沢に移転したわけですが、漢江守備の伝統的拠点38度線は地雷を外し済みで既に防衛拠点としては機能していない。
このため漢江の防衛戦力は韓国陸軍のみとなりはてはのが現実と理解します。
そして韓国人将官が米韓合同司令部を仕切る、故に米軍は韓国の意のままに制御できるとする事で、衆愚な民衆は米軍が韓国軍の指示により60kmを走って救援に来てくれると信じてるのでしょう。
しかし今や侵攻タイミングを自由に設定できる北朝鮮の漢江包囲と、韓国参謀本部での北朝鮮韓国侵攻を平沢へ通達し状況から米韓合同司令部から部隊が防衛行動を起こしても圧倒的に北朝鮮の侵攻速度が速い状況から米軍は漢江放棄、釜山への撤退を決定するはずです、
このように在韓米軍の拠点を平沢としただけで漢江包囲は避けられないのが現実です。
いよいよ北朝鮮の韓国支配が開始かなと固唾を飲んで注視するべき時が近づいていると思います。