最近、MMTという言葉をよく聞くようになりました。某ウェブサイトの説明によると、これは「自国通貨で借りている財政赤字は紙幣を印刷すれば返せるのだから巨額でも構わない」というものだそうですが、この定義が本当だとしたら、MMTとは非常に乱暴な議論です。ただ、当ウェブサイトで「日本国債はデフォルトしない」、「日本に必要なのは緊縮財政ではなくむしろ国債の増発だ」と申し上げて来た点については、わざわざこの「MMT」なる考え方を使わなくても、十分に説明可能です。
目次
消費税の欠陥
消費税の2つの問題点
日本は消費税の増税を必要としていない――。
これは、以前から掲げている持論のようなものです。
その理由はいくつかあるのですが、まず、消費税という税制が非常に不公平なものである、という事実を忘れてはなりません。
消費税は日常生活のほとんどの品目に関係していて、食品から水道・光熱費、衣料品、衛生消耗品に至るまで、生まれる前の妊娠中から死んだあとの葬式に至るまで、医療費や教育などの一部を除き、日用品のありとあらゆる項目に8%の税金が課せられています。
つまり、「金持ちほど負担が軽く、貧乏人ほど負担が重い」という悪税であり、世の中に「酒も飲まない、タバコも吸わない、贅沢はしない」という人がいたとしても、最低限、生きていくだけでも8%という税金を負担しているのです。
それだけではありません。
中小企業の場合は、年間売上高1000万円を境に、受け取った消費税を納税しなくても良いという「免税業者」制度が設けられていますし、年間売上高5000万円までであれば、納税義務はあっても全額を納税する必要はありません(いわゆる簡易課税制度)。
つまり、国民が支払った消費税額の全額が国庫に納められているわけではなく、いわば「益税」が発生しているのです。
つまり、消費税には、負担する側はエンゲル係数が高い人・所得が低い人ほど重税感が強く(逆累進課税)、しかも消費税額として支払われた金額のすべてが国庫に納税されるわけではない(益税)という、2つの問題点が存在しているのです。
消費税の2つの問題点
- 逆累進課税…所得が低い人ほど税負担が重く、所得が高い人ほど税負担が軽い負担が軽い
- 益税…消費者が負担した消費税の全額が国庫に納税されるわけではない
つまり、制度設計そのものとして、消費税法には深刻な不備が存在しているのです。
消費税の負担軽減について
ところで、消費税法が施行されてから30年が過ぎました。
1989年4月に導入された当初の税率は3%で、私自身はまだ社会に出ていない学生の身分でしたが、お小遣いからゲームを買ったり、学校帰りにお菓子を買ったりするのに税金を負担することに、釈然としない思いをしたものです。
その後、1997年4月には、消費税率は4%に引き上げられ、あわせて地方消費税1%が創設されました(つまり合計税率は5%)。当時はちょうど国家Ⅰ種試験に合格したころで、官庁訪問のときに「消費税法は廃止すべきだ」と主張して、官庁から門前払いを喰らったのは良い思い出(笑)です。
さらに、安倍政権が成立後、野田佳彦前首相の「置き土産」として、2014年4月に、消費税の税率は6.3%、地方消費税は1.7%に引き上げられました(合計税率は8%)。この増税が、始まったばかりのアベノミクスの腰を負ったのも、記憶に新しいところです。
ただ、考えてみれば、諸外国の場合だと食品などの生活必需品には軽減税率、免税などの措置が取られています。日本のように、医療・教育などを除く、ありとあらゆる品目に8%の税金が課せられている国は、むしろ珍しいのではないでしょうか。
私自身、消費税法にはさまざまな欠陥があると考えていますが、それらの欠陥のうち、「逆累進性」については、たとえば、
「税率区分をいくつか設け(例:0%と10%)、食品、生活雑貨などのたぐいは基本的に0%の税率を適用し、それ以外の品目(新聞など)には10%の税率を適用する」
といった方策で軽減することはできます。
複雑な税制と企業経営
企業経営者から見た消費税
ところで、消費税法を議論するときに、経済評論家という立場からは「逆累進性」、「益税」という2つの問題点は欠かせないポイントですが、それだけではありません。
私自身、(いちおうは)企業経営者(のようなもの)ですが、自分自身が企業経営者になってから気付いた点があります。
それは、税制が本当に複雑でわかりにくい、という点です。
たとえば、サービス業を営んでいて、売上高が1080万円の会社があったとすれば、売上高は1000万円を超えていますので、基本的に消費税と地方消費税を80万円(=1080万円÷108×8)納めなければなりません。
ところが、軽減税率が適用される会社であれば、納税する額は、結果的にはその半額の40万円(=80万円×50%)で済みます(詳しくは消費税法などの解説サイトをご参照ください)。
ということは、顧客から預かったはずの消費税相当額80万円のうち、納税するのは40万円で、残り40万円は「丸儲け」です(※もっとも、法人税などは掛かって来ますが…)。
ということは、年間売上高が1000万円を超えそうになれば、もう1つ会社を設立して契約を分け、売上高を分散すればよい、ということです。
といっても、会社をもう1社作るとなれば、設立費用が必要になりますし、また、東京都の場合は中小企業でも年間7万円の住民税の均等割(年間7万円)を負担する必要があります。
それでも、先ほどの「売上高1080万円」という会社の場合だと、会社をもう1つ作って売上高を半々にすれば、いずれの会社も免税事業者となるため、結果的に節税効果は33万円(=40万円-住民税均等割7万円)です。
つまり、企業にとってはいくらでも節税をすることができてしまうのです。
複雑すぎる税制と社会保障制度の弊害
実際、私のように会社を経営している立場からすれば、極端な話、社会保険料(自己負担+会社負担)、住民税均等割、法人税、個人所得にかかる所得税、さらには消費税などをトータルに考え、これらの負担がもっとも低くなるように、自由に契約を変更することができます。
ついでにいえば、売上高が1000万円であれば、会社を2つ作り、片方は売上高200万円、もう片方は売上高800万円にして、売上高200万円の方の会社から毎月12万円の給料をもらっていることにすれば、社会保険料(自己負担+会社負担)を極端に低額に抑えることもできます。
(※当ウェブサイトとしてはそれを推奨しているわけではありません。私が言いたいことは、現行の税制上、節税、あるいは合法的脱税の手段はいくらでもある、ということです。)
当然、このあたりの節税術については、さまざまな人が研究していて、市販書籍もたくさん刊行されています。私自身、そのような節税・合法的脱税のたぐいに手を染めるつもりはありませんが、税制や社会保障制度などが複雑になればなるほど、脱法的な手法も増えてくるのは当然のことです。
当然、税制が複雑であればあるほど税理士などが儲かりますし、それらの資格を取れば儲かるということに気付けば、優秀な若者が実業ではなく資格試験を受けて税理士(や弁護士、公認会計士など)を目指す、ということにもなりかねません。
つまり、複雑な税制は社会を歪め、健全な競争力を損ねることにもつながりかねないのです。
(※ちなみに私自身は公認会計士資格保持者ですが、税理士登録はしていません。というよりも、事実上、公認会計士業務自体営んでいないからこそ、会計士業界が利権拡大の手段にしているインチキ会計基準・IFRSを批判することができるのかもしれませんね。)
企業経営者としては、増税はオトク…なのか?
ただ、私自身、「ウェブ評論家」としては、消費税の増税を阻止したい、あわよくば消費税については減税、税法廃止が必要だと考えている一方で、「企業経営者」の立場としては、このまま消費税の税率が上昇した方が、短期的には売上高が増えるというのも事実です。
私の本業について、業種や売上高などの詳細を明かすことは控えますが、ごく簡単にいえば、免税・簡易課税の特例を受けることができる立場です。売上高が税抜1000万円・税込1080万円だとすれば、消費税等の税率が2%上がれば、自動的に売上高が20万円増えます。
簡易課税だと、納税額が10万円増えますが、残り10万円は丸儲けですし、免税の場合は20万円が丸々儲けとなり、目先だけで見れば、非常に嬉しいのです。
ただし、「増税で喜ぶ企業もある」という例え話は、あくまでも「そのような企業がある」というだけの話に過ぎません。
強引な消費増税の結果として、経済が低迷すれば、将来もらえるはずの契約ももらえなくなるかもしれませんし、既存の契約が更新してもらえなくなることで売上高が低迷する、といった可能性だって懸念しなければなりません。
いずれにせよ、私自身が経営している会社の話でいえば、消費税の増税があろうがなかろうが、それに対する準備を怠らないというだけの話であり、「積極的に増税をしてほしい」というわけではありません。
とくに、10月以降に導入されるという簡易課税制度が複雑怪奇な代物であり、税の簡便性という原則からも著しく逸脱しています。やはり、経済評論家という立場からは、消費税の増税には全力で反対せざるを得ないのです。
MMT理論
国債デフォルトの3要件
ところで、「日本国債はデフォルトしない」という議論については、2016年7月に当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』を開設する以前の大手ブログ時代から一貫して申し上げている話です。
ただし、「日本国債がデフォルトしない」と主張するその前提条件として、「国債のデフォルトが発生するためには、3つの条件を満たすことが必要である」、という点については、改めて主張しておきたいと思います。これは、
①国内投資家が国債を買ってくれなくなること
②海外投資家が国債を買ってくれなくなること
③中央銀行が国債を買ってくれなくなること
です。
この3つのバックストップがある限り、日本国債がデフォルトすることはまずあり得ないのですが、逆に言えば、この3つの条件を満たした場合には、たとえ国債であってもデフォルトすることはあり得ますし、とくに3番目については「中央銀行による直接引受」の結果、ハイパー・インフレ状態が生じることもあります。
当然、「国債がデフォルトしなければ問題ない」という話ではありませんし、経済成長率を上回る速度で国債残高が増えていけば、国債GDP比率は上昇してしまいます(※もっとも、国債GDP比率が上昇しただけの状態だと、直ちに何か問題が発生する、というわけではありませんが…)。
こうしたなか、最近、当ウェブサイトにも複数の方が「MMT理論」というものを紹介して下さるようになりました。
調べてみると、これは “Modern Monetary Theory” の略で、日本語訳すれば「現代金融理論」というものだそうですが、当ウェブサイトの「現状で考えれば日本国債はデフォルトしない」という議論と似ているのだとか。
MMTは「財政赤字容認」?
ちなみに当ウェブサイトではあくまでも「国債の適正な発行量は国内の資金循環などから決まる」、「上記3つの条件が満たされている限りは国債のデフォルトは発生しない」という当たり前のことを述べているに過ぎず、これらの主張は「MMT」とやらを意識したものではありません。
ただ、気になってMMTについていろいろ調べてみると、次のダイヤモンドオンラインに先週掲載された記事を発見しました。
財政赤字を容認する「MMT理論」は一理あるが、やはり危険な理由(2019.5.10付 ダイヤモンドオンラインより)
記事の著者は久留米大学商学部教授の塚崎公義氏ですが、塚崎氏によると、MMT理論とは
「自国通貨で借りている財政赤字は紙幣を印刷すれば返せるのだから巨額でも構わない」
というものだそうですが、これが事実だとしたらずいぶんと乱暴な議論ですね。
ちなみに当ウェブサイトでは「適正な国債GDP比率はその国の経済構造などに応じて決まる」と申し上げた記憶はありますが、「日本国債は自国通貨で借りているため、紙幣を印刷すれば返せるのだから巨額でも構わない」と述べたことはありません。
よって、塚崎氏のMMTの定義が正しければ、当ウェブサイトの主張はMMTではない、ということでしょう。
それはさておき、塚崎氏はMMTを「『財政赤字は悪ではない』という新理論だ」としたうえで、MMTとはインフレに対して脆弱である、などとして、MMT自体には賛同していないのだとか。
(※もっとも、塚崎氏は「何が何でも財政赤字反対」というわけではないと述べているようですが、当ウェブサイトとしては、この点については論評しません。ご興味があれば、リンク先の記事を直接読み、ご判断下さい。)
MMTは論者によって異なる
ただし、MMTについて触れられているさまざまな議論を読んでみたのですが、どうもMMTは論者によって主張内容が微妙に異なるようです。
たしかにアルファベット3文字でわかりやすく、「日本は財政破綻しない」という主張をする分には便利ですので、私のような「増税反対論者」からすれば、「MMTに基づけば消費増税は間違いだ」、などと主張すれば、当ウェブサイトを初めて読んで下さった方からもわかりやすい、というメリットはあります。
しかし、当ウェブサイトにおいて、「日本国債がデフォルトしない」と主張している論拠は、「MMT」ではありません。第一義的には、国内で資金が有り余っているという、資金循環分析に基づく議論です。
図表 日本全体のバランスシート(2018年12月末時点※クリックで拡大、大容量注意)
※上記のPDF版
(【出所】日銀『データの一括ダウンロード』のページより『資金循環統計』データを入手して加工)
また、日本が世界最大の債権国であるという事実は『カリブ海の小国に63兆円を貸し付ける最強の日本の金融機関』などで触れて来ましたし、日本円という通貨自体が世界で深く信頼されているという点については、『世界最強通貨・円の国際化』でも説明しました。
わざわざ「MMT」なる理論によらなくても、「日本国債はデフォルトしない」という点は、十分に説明できるのです。
増税派はしつこい
ただし、MMTなる言葉が流行することで、そもそも「国の借金」という表現がおかしいという点に気付く人が増えること自体は、歓迎したいと思います。
マスコミや学者の皆さんがばら撒く「増税プロパガンダ」は、さまざまな形で変遷して来ました。
もともと消費税が導入されたときのロジックは「安定的な財源」という話だったはずですが、いつのまにか
国の借金を返すためには消費税の増税が必要だ
といった具合に話がすり替わり、さらには「国の借金」論のウソが論破され始めると、今度は
社会保障財源を確保するためには消費増税が必要だ
といった具合に、再び話がすり替わって来ているのです。
社会保障財源(とくに年金と健保)については、きちんと年金・保険数理計算をこなしていれば、基本的に財源が枯渇するということはありません。また、年金などの国庫負担を債務として認識すべきだという点は事実ですが、それを言えば将来の租税も債権として認識すべきでしょう。
いずれにせよ、財務省とうい組織は、東大法学部などを出て、国家Ⅰ種という「超難関試験」(?)を突破した偏差値秀才のスーパーエリート官庁ですが、しょせんは偏差値秀才を集めただけの組織です(※ちなみに国家Ⅰ種自体は世間で思われているほど難しい試験ではありませんが…)。
今後も、「何としても増税が必要だ」というロジックを無理くりにひねり出してくるに違いありません。
結局、『真の国民の敵とはNHKと財務省 解決する唯一の方法と人物』で申し上げた結論の繰り返しになりますが、強大な権限を持つ財務省による強引な増税は日本の国益を破壊する行為であり、これについては日本の有権者がきちんと学び、民主主義の力によって強制的に止めなければなりません。
そのことを、当ウェブサイトでは何度でも繰り返して申し上げたいと思います。
View Comments (37)
国債の買い手がいなくなる?私など利付き国債を申し込んでも買えないんですけど・・特に長期は一般国民には回してもらえないです。これで今より利率があがったら・・・機関投資家の間でも奪い合いでしょう。
MMTに関しては、10年以上前から主にリフレ派が主張していた内容に近いと思っています。ただ、MMTを意図的に曲解して説明している場合が多い気はしますね。
MMTとは、量的金融緩和(国債の中央銀行買い入れ)の効果もしくは副作用がインフレの加速なのだから、危険なレベルのインフレに達するまでは国債を発行し続けても問題ない。
というのが私の理解です。
重要なのが、MMTがインフレを促進する以上、現在既にインフレ率が高めの国では危険であるという事ですね。もちろん現在デフレの日本では全く問題にならないし、デフレで苦しんでいる日本では成功して当然とも言えます。
つまり、MMTはその国の現在のインフレ率によって効果的か危険なのかが変わりますが、その点を無視する説明が多いように思います。
MMT反対派は、インフレの加速が止まらなりハイパーインフレになると主張しますが、その理由を納得できる論理的な説明を見たことがありません。心理とか精神面での説明のみの場合が多いです。
塚崎氏はインフレを地震に例えて、MMTでエネルギーが溜まっていき、ある日突然インフレになると言っていますが、なぜそうなるのか、その主張の証拠も論拠も何も提示していません。
現実の事例では、ジンバブエやベネゼエラも最初は穏やかなインフレから始まり、数年かけて次第にインフレが加速していきハイパーインフレになっています。ある日突然ハイパーインフレになった訳ではありません。
インフレを怖がる人の心理は「羹に懲りて膾を吹く」が正に当てはまるのでは無いでしょうか。
忘れがちだけどさぁ、ガソリンはガソリン税がかかっているんだが、現状はその税金に消費税がかかってる。
つまり2重課税という、憲法違反状態なのに問題視されてないのが問題だと思うんだよねw
MMT論?も国債買ってほしければ利率あげないとねw
何年も低金利だけど、まるで効果が無いように見える。
外国人や外資に売らなければ金利上げてもいいんじゃない?
ダルマさん さんへ
>国債買ってほしければ利率あげないとねw
基本的な事実誤認ですよ
日本国債は、大人気で困るちゃう程に
売れるからマイナス金利なんです
更新ありがとうございます。
『日本国債がデフォルトしないのは、カネが有り余っている状況だから』『借り手もある』と私もこの会計士さんの何年ものご指導で信じてました。
ところで先日、MMTなる言葉がコメント欄に出てきて、いきなり論を始めた方がいらっしゃいました。詳細な説明は無かったようですが、無学な私は聞いた事ない言葉だな〜と思い、調べてみました。
久留米大学教授の論旨も含めて、ちょっと会計士さんとは違いますね。どちらがどうとか言いませんが、ま、長年拝読させて頂いてる会計士さんを一に記憶したいと思います。サイト主さんは賛成意見より反論ウェルカムでしたね(笑)。知識無いので無理です(笑)。
横から失礼します
金が余っているといってもただ単にお金を刷って配っただけだとお金の1円あたりのお金の価値が下がるだけだとふと思いました
やはり日本の強みは物を作ってそれを買ってくれる外国の方がいる事だと思います
ものづくりの精神さえ忘れなければ価値はお金に価値を生み出すことができるでしょう
それにはやはり中国が要注意
単に製造拠点が外国に移るだけでなく虎の子の技術まで盗まれてしまいます
財政破綻の話からそれてすみません
typoです。
>この増税が、始まったばかりのアベノミクスの腰を負ったのも、記憶に新しいところです
腰を折った
でしょう?
りょうちんさんへ
"オーヴァーロード"は、絶対に行った方が良いよ!
実写版HELLSINGと言える傑作だ!
> 「免税業者」制度
については、インボイス制が始まることでなくなるんじゃありませんっけ?
もっとも、そのせいでフリーランスの人の実質収入が減ることになるみたいですが・・・
MMTという学説を生かせるのは、基幹通貨のドルを持つアメリカ、巨額の外貨準備を持つ日本くらいでしょう。あっ、もう一カ国ありました。北朝鮮です。自国でいくらでもドルを印刷できますから・・・www
ただ怖いのはボーッとしているとインフレになる、何かの拍子でハイパーインフレに突っ込む心配があることです。
> ただ怖いのはボーッとしているとインフレになる、何かの拍子でハイパーインフレに突っ込む心配があることです。
またそういう脅しを混ぜ込む。
マスコミの人って、病的ですよね。
マスコミ関係の匿名さんへ
MMTでインフレを止めるのは簡単です、
金利を上げれば良いだけ
政治も政府も関係無い
中央銀行の采配で出来る
金利をインフレに上回るまで上げれば
インフレは確実に止まります
国債の償還?が難しくなる?
インフレなってから緊縮財政や増税するのは当然ですが?
ソレこそ、政治や政府の役割でしょ
否定派は、何故か、中央銀行の役割を無視する
(中央銀行からすれば、全責任を押し付けられる様な
立場には絶対に成りたくないだろうけどね)
なんだか、だんだん、MMTブームの裏が見えてきました。
どうも日本では、MMTとリフレ派が混同されてる。
これは財務省の罠でしょう。
MMTの提唱者ニューヨーク州立大学のスティファニー・ケルトン教授は、日経新聞のインタビューでこんなことを言っている。
「日本の政府債務は国内総生産の240%と主要国で最悪です。にもかかわらず財政再建は不要ですか?」
「答えは明白だ。日本政府と日銀はMMTを実証してきた。日銀による日本国債の保有割合は、全体の40%以上だ。長期金利が抑制され、国債増発がなかったかのような現象になる。財政赤字が問題ならインフレになるはずだ。債務のGDP比がよく問題視されるが、240%という数字に意味があると思わない」
このインタビューに日本人のリフレ派が、かなり洗脳されてしまった、財務省の仕掛けた罠なのに。
これに乗っかると危ないわけです。
何しろMMTはアメリカ主流経済学者のほとんどが否定してるわけですから。
逆に財務省にとっては都合がいい。
日本のリフレ派をクルーグマンやバーナンキの名前を使って叩けるわけですから。
クルーグマン、バーナンキは「MMTを否定している」=「政府の借金を否定する」となるわけです。
日本最高の経済学者さえ押さえてしまえば、あとはどうとでもなる。
本当に財務省は頭がいいですね(笑)
証拠に、今、リフレ派=MMT=とんでも論、意味不明、夢物語、数式モデルがない、怪しいetc.と田中秀臣らアベノミクス応援団までこき下ろし始めた。
でも、もう遅いだろう、「いくらでも借金できる」というMMTの甘いフレーズに、一般人はすっかり洗脳されてるようだから。
カニ太郎様へ
≫でも、もう遅いだろう、「いくらでも借金できる」というMMTの甘いフレーズに、一般人はすっかり洗脳されてるようだから。
ほとんどの一般人はMMTなんて言葉も知らないし、内容も当然知りません。
また、借金があるのは将来に負債を回して将来の生活を厳しくする、という信仰の方が強いでしょう。借金をして投資を行い、そこから借金を上回る利潤を得る、という考え方は主流ではないでしょう。
借金は悪、貯蓄は善、という単純な考え方は、日本の保守的な人々に共通する考え方でしょう。
日本は、江戸時代以前から高度な資本体制を整備してきた実績があります。複式簿記を西洋から輸入せずに独自に始め、世界初の先物取引も行っています。日本人は何も、他国の経済体制を無条件におし戴くほど無知ではありません。
日本人が簡単に洗脳されるようなら、改憲はとっくの昔に実現しているでしょう。何しろ、朝日・毎日以外の大手新聞は、毎日のように改憲を薦める記事を上げ続けているのですから…
すいませんね、私の文章が下手くそなせいで、完璧私の意図することが書けていないのに、今気がつきました。
つまりですね、一般人といったのは、一般ピープルの事ではなくて、よくテレビに出てる軽い経済評論家たちという意味で使ったつもりだったのです。
つまりですね、リフレ派と積極財政派って言うのがアベノミクス以降権勢を奮ってるじゃないですか。たぶん名無しUさんもそうだと思うのですが。
でも、この主張はまことに酷いものだと私は思っているわけですよ。
だけど情念司とか高橋洋一とか長谷川幸弘とか三橋貴明とか田中秀臣とか、容赦なく、分からない者は馬鹿であるみたいな感じで喋ってるじゃないですか、これが洗脳だと思うわけですよ。
だいたいどんなに財政赤字を出しても何の問題もないとか、政府債務の水準がどれほど高まっても何の問題もないとか、政府債務は償還する必要がまったくないとか、日銀に買わせて永久に借り換えさせても何の弊害もないとか、だいたいそんな感じでしたよね。
これって、MMTとそっくりじゃないですか。
リフレ派と積極財政派は、それをメディアにスティグリッツが言っているからとか、クルーグマンが言っているからとかいって、ノーベル経済学賞の印籠が目に入らぬか!ってなのりで、この7年間のアベノミクスを謳歌してきたわけです。
ところが、さすがにこれだけ、結果がでないと、ヤバイって言うわけで、更なる権威を探して見つけてきたのが、ニューヨーク州立大学教授のスティファニー・ケルトン美人教授の近代金融理論、通称MMTなわけです。
なんたってこの理論、日本を見習えってな感じで、日本の財政赤字に安心感を与えるという意味では、新鮮味のなくなったリフレ派積極財政派理論よりインパクトがあったわけです。
そこに大金落とし穴があったんです。
アベノミクス応援団にしてみたら、このMMTは従来のリフレ派以上に使えると思っていたのに、とんだポンコツだったわけです、ヤバイって思ったときには遅かった、アホなリフレ派経済学者どもがこぞって支持したMMTをなんとリフレ派重鎮どもがこぞって否定し始めた。
慌てて高橋洋一などがMMTを否定し始めるけどもう遅い、MMTは金になると踏んだ三橋貴明などは大々的に宣伝した後だった。
とまあ、私の頭ではこういう流れになるのですが違ってますかね。
ここの主さまは、さすがにこのMMTの怪しさには乗っからなかったわけです、さすがですね。
私なんか、全然このMMTとリフレ派の違いに気づかなかった。
ここまでだらだらと書いてきましたが、私は経済学素人なんで間違ってたらすいません。
あと借金は悪、貯蓄は善という考え方は古いといったお考えなのでしょうが、私はそっちの方が絶対正しいと思いますよ。
日本人は洗脳されにくいとも言われてますが、それも逆だと思います。
近江商人が世界一だとも思いませんし、大阪堂島が世界最初の先物相場だとも思っていません。たぶんユダヤ、フェニキヤ人ははるかエジプト文明の頃から地中海沿岸の都市で先物相場をやってたと思いますし、利に敏な中華圏で「奇貨おくべし」とかいって幼少の始皇帝を保護するような中華商人が先物相場を知らなかったはずがない。そもそも商人という言葉の商の字は中国の商の国の人って意味ですよ。私も日本人ですけど日本人を賛美しすぎるのはよくない風潮ですし、中華をバカにしすぎるのもよくはない。現に今だって日本の商取引は欧米に比べて時代遅れも甚だしい。
昨今の欧米の主流金融商品デリバティブではオプションが主流です、日本の業者になくて欧米では整備されてる商習慣にネガティブバランスプロテクションというのがあります、証拠金取引において追証は取らないという流れが欧米にはあるからです、しかし日本の証券業者でそんなサービスやっている業者は一社もありません。
制度一つとっても欧米に10年は遅れているんじゃないでしょうか。
うーん、会計士さんほど会計や貸借対照表に明るくてもMMTを理解できないのかぁ。
でも結局、紙幣を発行して返済も、中央銀行が市中から買い入れる量的緩和も、同義なんですけどねぇ。
それにMMT反対派は、わざと曲解してますから。
おすすめの論者は中野剛志さんですね。あの人の記事は癖がない文で読みやすいです。
新宿会計士様、いつも、非常に秀逸な評論ありがとうございます。これだけの長文相当時間を要するものと思います、心から敬服いたしております。官庁訪問で消費財反対をぶつとは恐れ入りました。ひょっとして大蔵ですかね。だとしたら漢だとしか、いや尊敬します。あと、国家1種の経済職は相当の難関だと思いますよ。私は理系の某学科出身ですが、同系統の学科(そこからは経済で受ける人もかなりいる)に行ったすごく優秀だった知り合いが落ちてますもん。
消費税に関するご意見ですが、私も、まったく同意です。極めて逆進性が高く、特に食品等の必需品にも課税するのは、倫理にもとる税金と思います。食料品などへの軽減税率はもっと早くに導入すべきでした。4段階程度の複数税率を採用して、必需品は非課税(ただし、g単価の高い食品は課税)、奢侈品は高率、このましからざる営業(パチンコとか)はさらに高率の課税でよいのです。昔は、間接税で高額品に物品税があったのですがね。もう一つ申し上げると、今のデフレの状態で消費税を上げるのは愚の骨頂としか言えません、税金といのは政策手段でもあり、消費、投資、貯蓄を促進、抑制する作用があります。財政再建が必要というのでれば、資産課税にしたほうが経済に好影響があるはずで、なんでこんな単純なことも考えないのだろうか疑問を思ってます。確かに輸出企業と富裕層には消費税はありがたい税金ですから、いつから、財務省は理念を忘れた亡国の官庁になったのかと残念で、なりません。
日本の財政が破綻することはないというのはMMT理論でなくても、日銀が通貨を発行できる限りあり得ないのは、自明と思います。ただ、日本の財政が破綻し、IMF行きになるじゃないかと本気で心配していた人は霞の中にもいたようです。(あほかと思いますが)
MMTですが、どれだけ紙幣を刷ってもいいと宣伝されているのは大間違いです。プライマリーバランスは、意味がなく、国家財政における赤字の限界は目標インフレ率によって決めるべきという自然な考え方と思います。逆に言えばインフレが亢進している場合は、国家財政を黒字にしなければいけない場合もあるわけで、バブルの折、日本の財政が好転した時期がありまして、そのとき、あろうことか、NTTの売却益を使ってさらに財政で公共投資を拡大させたのはアホとしかいいようがないです。そのころ、建設業者は、有り余る工事に悲鳴をあげてましたからね。あの時は緊縮財政をすべきだったんですがね。
MMTをこんなふうに例えてみました。とある外界と隔絶された島国がありまして、通貨として金が使われていますが、その国には金が無尽蔵にありますが、技術的に採掘できるのは政府だけです。さてその国において、財政でプライマリーバランスは意味があるのでしょうか。財政はその時の必要(災害とか)と金の価値(インフレ状況)で歳入と歳出のバランスを決めればよく、なにも単年度の収支を考慮する必要なんざないということになりませんかね。