またしても韓国ウォンの値動きがおかしいようです。
先日の『【ショートメモ】通貨KRWが下がり出したのか?』、『韓国は典型的な「縮小均衡経済」の罠におちたのか?』、『USDKRWの為替変動が不自然、通貨当局による為替介入?』の続きですが、どうもここ数日、韓国の通貨・ウォンが米ドルに対して下落しています。
WSJの「ヒストリカル・プライス」のページによると、米国時間午前3時40分(日本時間午後4時40分)時点で、1ドル=1168.72ウォンを記録していますが、私の手元メモによれば、これは2017年1月30日以来の最安値水準です。
なお、韓国の通貨・ウォンは日本円やスイスフランなどと同様、米ドルに対し、「コンチネンタル・ターム」で表示されていますので、数値が上昇すればするほど通貨の価値が下落していることを意味します。
このウォン安の理由については、私にはよくわかりません。
というのも、韓国の場合、為替相場は通貨当局によって操作されていることが多く、大きく分けて
- 行き過ぎたウォン安を是正するための為替介入(外貨売り・ウォン買い介入)
- 行き過ぎたウォン高を是正するための為替介入(外貨買い・ウォン売り介入)
の2種類があるからです。
したがって、今回のウォン安局面についても、
- 市場でウォンが売られ過ぎていて、それを通貨当局(韓国銀行)が買い戻している
- 通貨当局(韓国銀行)がウォンの価値を下げるために、わざとウォンを売っている
という2つの可能性が考えられます。
いずれのケースも過去に事例がありますし、また、韓国の通貨当局は為替介入の具体的内容(何月何日にどちらの方向にいくらの金額の介入を行ったのか)については開示していません(開示しているのはざっくりした総額のみです)。
このため、先日に引き続き、現段階で何か断定的なことを申し上げるのは控えたいと思いますが、「日本が連休中に為替相場が大きく動く可能性は否定できない」とだけ申し上げておきたいと思います。
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なぜ、ウォンが下がっているかという点についてのNiel Kimberlyさんという方の記事です。
https://www.scmp.com/comment/insight-opinion/article/3008213/south-koreas-economic-slump-bad-sign-asian-economies
この記事によりますと、以下のような事由があるので、ウォンが下がっているということのようです。
(1)0.3%のマイナス成長
(2)しかも、このマイナス成長が、中国が売上を微増しており、かつ、中国の元との関係で、韓国ウォンが下げている局面において生じたことから、中国との関係で、韓国製品の魅力が失われている可能性があること。
(3)中国は、これからのアメリカとの貿易交渉の中で、アメリカからの輸入を増やす必要があり、韓国から中国への輸入がその影響を受ける可能性があること
(4)韓国は5月1日よりイランの石油を輸入できなくなり、韓国企業にとって石油の調達コストが高くなるであろうこと。ウォン安により石油の調達コストがあがること。石油の世界的な値段アップ。以上の三要素をあわせると、石油等のエネルギーの調達コストが、韓国にとって、かなりあがることになること。
(5)中国への輸出に経済が依存しすぎていること。中国との関係が依然としてよくないこと。
上記に加え、①日本との関係悪化、②今後、日本企業がますます韓国から脱出するであろうこと、③北朝鮮と韓国との関係も悪化していること、④韓国にさしたる成長産業もないこと等もあわせれば、しばらくは、ウォン安が続くのではないでしょうか。
R様、ためになるリンクを有難う御座いました。
キンバーレイ氏は「この経済低迷はアジアではソウルだけのものと考えるべきではない」と結んでいますが、アジアの他国では以下の韓国特融の問題が無い事を留意すべきでしょう。
1)韓国の人件費は場合によってはEUのそれを凌駕する。
2)韓国の鉱工業の生産性は発展途上国の中では最低ラインである。
3)米国や日本が韓国に対して与えていた恩賜や便宜は悉く撤廃されつつある。
4)上記の3)からの推論で、韓国の通貨危機はIMFでさえも救出出来ない。
5)韓国は約束や条約を守らない国家・民族である。
日本の長期の休暇中に韓国で通貨危機が起こっても日本政府が何も助けない対外的な良い口実が出来ました。
R様、ためになるリンクを有難う御座いました。
キンバーレイ氏は「この経済低迷はアジアではソウルだけのものと考えるべきではない」と結んでいますが、アジアの他国では以下の韓国特融の問題が無い事を留意すべきでしょう。
1)韓国の人件費は場合によってはEUのそれを凌駕する。
2)韓国の鉱工業の生産性は発展途上国の中では最低ラインである。
3)米国や日本が韓国に対して与えていた恩賜や便宜は悉く撤廃されつつある。
4)上記の3)からの推論で、韓国の通貨危機はIMFでさえも救出出来ない。
5)韓国は約束や条約を守らない国家・民族である。
日本の長期の休暇中に韓国で通貨危機が起こっても日本政府が何も助けない対外的な良い口実が出来ました。
二重投稿を失礼しました。
いつも、興味を引く話題をありがとうございます。
たまに、こうやってドル/ウォンの話をしてくれると、無精な私も新興国通貨をチェックしますんで、大変ありがたいです(笑)
さて、ウォン/ドルの事ですが、たしかに最近の上昇は他の通貨に比べて急ですね。
それで、ちょっと変動率を出してみました。
最近1週間で約2%上昇してました。
年初の最安値からの上昇率が約5%でした。
思ったより、大したことないですね。
これでは普通ですね。
ドル/円でも、年初安値から約3%の上昇(円安ドル高)していますからね。
結局、ドルが強いだけかもしれませんね。
ユーロも調べてみましたが、円と同じく、3%対ドルで安くなってました(ユーロ安ドル高)
そして、気になる新興国通貨ですが、ざっくり見ると。
ドル/トルコリラ・・・約15%
ドル/アルゼンチンペソ・・・約20%
ドル/ブラジルレアル・・・約8%
ドル/豪ドル・・・約3%
と、こんな感じでした。
すべて上昇(ドルに対して安くなる)してます。
これらに比べるの韓国ウォンの5%は小さすぎますね。
韓国は金利もトルコに比べりゃ全然上がってないですもんね、トルコは24%らしい。
ドル/ロシアは下落(ドル安ルーブル高)してましたね。
ロシアは好調なんですね。
原油が高いですからね。
トルコやアルゼンチンは、恐らく、政治の問題でしょうね、ベネズエラと一緒ですね(笑)
残念ながら?世界規模の通貨危機は起こりそうもありませんね(笑)
他のアジア諸国も見てみました。
マレーシア・・・変わらず
タイバーツ・・・変わらず。
どっちも現在の対ドルレートは、1月とほぼ同じでした(変化なし)
どうやら、新興国、資源国からの、資金流出は無さそうです。
中国経済が好調なんで、人民元も見てみましたが、これも変化なし。
もし米中貿易協議が決着したら、資源国通貨は軒並み上がるんじゃないですかね。
ただ、韓国中銀による景気テコ入れのための、ウォン安誘導という可能性はありますね。
ウォン安は輸出に有利です。
ただ、韓国は米韓FTAで為替条項を交わしてますから、ウォン安誘導が事実だとしたら、米国の逆鱗に触れると思いますね。
それこそ、経済制裁どころじゃないんじゃないかな、為替操作国に指定されますよ(笑)
そんなリスクおかすかな?
たぶんしないと思います。
そうなると、このウォン安、原因不明です。
ただ、言えることは、このウォン安は韓国の輸出にとっては追い風、我々は喜んでばかりはいられないということです。
また、サムソンやヒュンダイが、偉そうにのさばるかもしれません。
カニ太郎さん、鋭いご指摘ですね。すべてごもっともです。
今まで、韓国は、米国に色々と為替条項のことなどで牽制されてウォン高を強いられたので、ウォン安に誘導したいという気持ちがあるのであると思います。
なお、
>韓国は米韓FTAで為替条項を交わしてます
とおっしゃっていますが、韓国政府は、否定しているようです(日経新聞等)。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28768760Z20C18A3FF2000/
韓国のウォン安を認めないように、ジム・ロジャースさんにもっと、韓国に投資をしていただくというのも、選択肢なのかもしれません。
韓国経済は、今年ではなく、破綻するのは、来年のような気がしていますので、それまでは、あまりウォン安にならない方が日本にとっては、メリットが大きいのかもしれません。
カニ太郎さんの意見に賛成します。KOSPも下がってないし、まだそれほど経済崩壊は表面化しないでしょう。
なにせ、サムソン、LGをはじめ財閥企業の半分は外資が握っており、新興国のように簡単にキャピタルフライトしない。(配当金だけでも大きい、みずほ銀行なんとかしないのか?)
たぶん、ゆっくり崩壊していくと思います。ドラスティックな展開を期待する人も多いでしょうが。
特に、今年からの不動産の元本返済と2~3年がかりでのGDPを越える家計負債が決め手になるとみています。
トルコやアルゼンチン、ブラジルと比べるのはどうでしょうか? 特にアルゼンチンは、、、。確かに地政学的にはトルコは大国ですが、通貨となるとどうでしょうか。インチキの上に成り立ってる韓国ですが経済的にここらと比較するのはどうかと思います。むしろマレーシア、タイが変動してないのに何故韓国が?でしょう。 故意ににやらかしてると仮定すると次のG20の議題の上がるかもしれません。
カニ太郎様へ。
不景気のもとでの原油高とウォン安、それによる物価の上昇、失業率の増加、これだけではスタグフレーションかと思いきや、消費の低迷、在庫の過剰による物価の下落もありそうでこれでいくとデフレ。
韓国の行く末はわからない。
管理人さんの指摘している経済の縮小均衡とはどういうものをもたらすのか?
的確な分析ですね。 米国どころか、世界中の経済大国の逆輪に触れてると思います。 一か月もあれば、全部ひっくり返ると、私は思ってます。
為替の挙動不審は、外貨獲得とウォン安誘導の一石二鳥を狙ったものではないでしょうか?
取引額の多い昼間に自国市場でウォン売り介入。秘密裏に夜間に取引量の少ない海外市場での逆介入で相場を戻せば、長期にわたって市場での外貨調達が可能だと思います。
韓国の中央銀行は、国債の代わりに資金流通量の調整をしている通貨安定証券の残高がすさまじく、ウォン売りによって、これにかかる金利負担を減らしたい思惑もあるのかもですね。
ただ、急激なウォン安は国内での物価上昇にも直結すると思われますので、望ましくない状況ですし、慎重な判断の下の行動でなければ、通貨の信用棄損にも繋がりかねません。
ひとたび、債券市場で通貨の信用が揺らぎ、リスクヘッジのための先物売りが殺到すれば、韓国経済は「オワリ」の可能性が大です。
韓国は、それだけは回避しないといけません。(日米政府による債務保証は、ありません)
朝の記事で、
>ロウソク足を月足で見ると20年前からの三角持ち合い。〔エネルギー充填120%かも?)
と、コメントさせていただいたのですが、為替の長期チャートだけで判断すると20年前の通貨危機・10年前のリーマンショックを経ての大三角、いつ「波動砲」が発動されてもおかしくはない状況ではあると思うんですよね。
崔碩栄
@Che_SYoung
韓国総理「明仁天皇殿」「徳仁天皇殿」とTweetしたことで批判を受ける。自業自得。
それにしても天皇(천황)に殿(님)まで付けるのは初めてみた
https://twitter.com/Che_SYoung/status/1123098009892294656
こちらがみたのでは「様」ってなってましたね。
どっちが正しい訳なのかな。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
韓国ウォン下落は、もはやアメリカのトランプ大統領が、「韓国が自国
通貨を通貨安誘導している」と思うかどうかに、かかっているのではない
でしょうか。
勿論、韓国経済の問題点が要因で、ウォン安になり、それを韓国政府が
放置(またはウォン安を後押し)しただけかもしれません。
しかし、他国の(米ドルに対する)自国通貨安誘導を許さないトランプ
大統領としては、(極論を言えば、1ウォンでも安くなったり、ウォン高
にならないことを問題視して)通貨安誘導している韓国に、見せしめの圧
力を加えることもあり得るのではないでしょうか。(その場合、他の国が
どう動くかは分かりません)
駄文にて失礼しました。
もしかしてですよ。
日本の大型連休狙い撃ちで操作してるのではないかと
ふと素人目線で考えてしまいました。
この時間に1168.48に。
4/30高値1169.59(ウォン安)接近してます。
勢い的には折り返してレンジになりそうですが。気がしますが。
一応。
今日、5/6(月)は日本は祝日ですが、ドル円が週明け寄付からギャップダウンで始まりました。
ちょっと荒れそうな予感です。
USDKRWも、5/3の高値を越えて、先ほど8時台に1174.32を付けました。
何かあれば、ウォンが売られるという反応のように見えます。
と言うわけで、4/24以降の一定速度でのUSDKRW上昇は、今も継続中です。
今日、今の時点では、ちょっと加速している風情もあります。
失礼、8時台じゃなく、10時台のようです。investing.com
なんか、開くたびにチャートがズレてる・・・癖が悪いな。