X
    Categories: 金融

カリブ海の小国に63兆円を貸し付ける最強の日本の金融機関

「中央銀行のなかの中央銀行」である国際決済銀行(BIS)が公表する『国際与信統計』の日本提出分にかかる最新データが、昨日、日銀のホームページにて公開されています。日本の外国に対する与信(貸出金や債券など)の残高は、2018年12月末時点で、なんと450兆円を超える金額に達しています(※ただし1ドル=110円で換算した場合)。年間GDPに近い金額を外国に貸しているという事実も驚きですが、相手先別に見ると、カリブ海に浮かぶケイマン諸島という小さな島に、5700億ドル(約63兆円)もの資金が投資されているという状況を、どう考えればよいでしょうか?

日本の債権は450兆円!

BISの最終リスクベース与信統計

「国際決済銀行」という組織があります。

日本語よりも、 “Bank for International Settlements” という英語を略した「BIS」という略称の方が有名ではないかと思います。そして、日本銀行などの中央銀行は、一般に「銀行の銀行」と呼ばれることもありますが、このBISは金融業界では「中央銀行の中央銀行」と称されることがあります。

また、BISはさまざまな有益な統計データも取り揃えていて、しかも、それらについては基本的に無料で利用可能であるため、私のような経済評論家にとっては、非常に重宝しています。

それらのなかでも特に有益なものは、『国際与信統計』です。

統計の種類には「最終リスクベース」と「所在地ベース」の2種類があり、それぞれ “Consolidated Banking Statistics” “Local Banking Statistics” と呼ばれていて、略称は『CBS』『LBS』です。

このうち、私がよく参照するのは「連結ベース統計(CBS)」です。

これは、銀行がおカネを貸している先(つまり「与信先」)の地域・国別分類を、「与信先の直接的な所在地ではなく最終的なリスクの所在地に応じて行う集計方法」のことであり、「どの国の金融機関がどの国おカネを貸しているか」という実情を、より正確に知ることができます。

たとえば、日本の銀行がフランスの会社の米国支店におカネを貸していたとしたら、この与信は「所在地ベース」で見たら「日本の銀行から米国企業への貸付金」ですが、「最終リスクベース」で見たら「日本の銀行からフランス企業への貸付金」です。

やはりグローバル経営の時代ですから、「どの国がどの国におカネを貸しているか」という意味での与信の状況については、あくまでも「所在地ベース」よりも「最終リスクベース」で行う方が正確でしょう。

なお、今月公表された次の報告書によると、この「CBS」には、銀行からの貸出金だけでなく、債券、ノンバンクセクターからの借入金なども含まれているそうです(同P16に “This measure also includes bond financing and borrowing from non-bank creditors.” の記述)。

Emerging markets’ reliance on foreign bank credit(2019/03/05付 BISホームページより)

日本集計分の公表

こうしたなか、昨日、日銀のウェブサイトに、2018年12月末時点における『BIS国際資金取引統計および国際与信統計の日本分集計結果』が公表されました。

BIS統計は各国の中央銀行からBISに対して集計結果が報告されるのですが、その前段階として、たとえば日本の場合は「日本の銀行等金融機関がどの国にいくらのおカネを貸しているか」という状況を報告しています。

早速ですが、2018年12月末時点のデータを眺めてみましょう(図表1)。

図表1 日本の金融機関の外国に対する与信残高(連結ベース、金額:百万ドル)
相手先 与信額 比率
先進国向け 2,787,008.6 67.62%
(うち、欧州) 904,515 21.95%
(うち、米国・その他) 1,882,494 45.68%
オフショア向け 767,915.9 18.63%
発展途上国向け 550,287.9 13.35%
(うち、アフリカ・中東) 68,276 1.66%
(うち、アジア・太平洋) 392,830 9.53%
(うち、欧州) 27,837 0.68%
(うち、ラテンアメリカ・カリブ海諸国) 61,345 1.49%
国際機関 16,137.2 0.39%
合計 4,121,349.6 100.00%

(【出所】日銀『BIS国際資金取引統計および国際与信統計の日本分集計結果』、2018年12月末時点・最終リスクベース)

図表1によると、日本の金融機関が外国向けに貸しているおカネのトータルは約4.1兆ドルで、1ドル=110円と換算すれば、約453兆円という巨額に達します(※この金額は日本の銀行の外国支店などが外国向けに貸しているおカネなども含まれているため、資金循環統計等のデータとは整合しません)。

それにしても、年間GDPに近い金額が外国に貸し出されているわけですから、これは凄い金額です。

もっとも、余談ですが、これは「日本が外国にこんなたくさんのおカネを貸している!」「日本は金持ちだ!」という意味ではありません。むしろ、日本国内で貸す先がないからこそ、虎の子の日本のカネが海外に大挙して流出している、という側面があるからです。

繰り返す!日本は財政再建も消費増税も必要としていない』でも申し上げたとおり、わが国にとって一番の問題は、国内に有効な投資先がない、という点であることは、間違いないでしょう。

(※ただし、わが国のデフレ議論については本稿の目的ではないため、詳細については割愛します。)

相手先別ランキング

ただ、先ほどの図表1を見てみればわかりますが、およそ4.1兆ドル(453兆円)という巨額の資金は、そのうちの3分の2が先進国向けであり、これにオフショア向けを含めると、およそ86%、つまり9割弱を占める計算です。発展途上国向けは、わずか13%しかありません。

上位20ヵ国と地域、金額と全体に対する比率を列挙すると、図表2のとおりです。

図表2 日本の与信先(最終リスクベース)ランキング(全世界、2018年12月末)
相手国と区分 金額(百万ドル) 比率
1位:米国(先進国) 1,679,667 40.76%
2位:ケイマン諸島(オフショア) 570,018 13.83%
3位:英国(先進国) 204,751 4.97%
4位:フランス(先進国) 185,686 4.51%
5位:オーストラリア(先進国) 120,367 2.92%
6位:ドイツ(先進国) 114,195 2.77%
7位:ルクセンブルク(先進国) 91,287 2.21%
8位:タイ(発展途上国) 89,145 2.16%
9位:中国(発展途上国) 80,515 1.95%
10位:カナダ(先進国) 75,150 1.82%
11位:オランダ(先進国) 74,781 1.81%
12位:香港(オフショア) 73,656 1.79%
13位:シンガポール(オフショア) 69,056 1.68%
14位:韓国(発展途上国) 56,269 1.37%
15位:インド(発展途上国) 45,782 1.11%
16位:アイルランド(先進国) 45,425 1.10%
17位:台湾(発展途上国) 39,290 0.95%
18位:スイス(先進国) 34,232 0.83%
19位:ベルギー(先進国) 33,441 0.81%
20位:イタリア(先進国) 31,544 0.77%

(【出所】日銀『BIS国際資金取引統計および国際与信統計の日本分集計結果』、2018年12月末時点・最終リスクベース)

わが国の金融機関は中国を初めとする発展途上国に多額のおカネを貸しているというイメージがあるかもしれませんが、意外なことに、実際に集計してみると、米国だけで全体の4割を占めていることがわかると思います。

また、2位がケイマン諸島ですが、これは有名な租税回避地(タックス・ヘイヴン※)であり、わが国の中小・地域金融機関が好んで投資する仕組債、仕組ローンなどの発行体が本社を構えていることが大きく影響しているものと考えられます。

(※「租税回避地(タックス・ヘイヴン)」とは “tax haven” のことであり、 “haven” は「避難所」「停泊地」などの意味を持っています。ときどき勘違いする人がいるのですが、「税金天国(タックス・ヘヴン)」 “tax heaven” ではありませんので、ご注意ください。)

意外と多くないアジア向け

アジア向けランキング:トップはタイ

さて、上位20ヵ国・地域の中で、1位の米国、2位のケイマンを除けば、3位から7位までがすべて「先進国」です(※ルクセンブルクは「先進国」というよりも「オフショア」に近いのかもしれませんが…)。また、12位の香港と13位のシンガポールは「アジア」ではなく「オフショア」というカテゴリーです。

日本に近いはずの「アジア向け与信」を見てみると、日本の与信額全体に占める比率は極めて少ないとの印象を抱きます。ここで、実際に香港とシンガポールの2ヵ国を除いた残りの「アジア諸国」で「アジア向けランキング」を作ると、図表3のとおりです。

図表3 日本の与信先(最終リスクベース)ランキング(アジア、2018年12月末)
相手国と区分 金額(百万ドル) 比率
1位:タイ 89,145 2.16%
2位:中国 80,515 1.95%
3位:韓国 56,269 1.37%
4位:インド 45,782 1.11%
5位:台湾 39,290 0.95%
6位:インドネシア 31,353 0.76%
7位:マレーシア 24,065 0.58%
8位:フィリピン 11,594 0.28%
9位:ベトナム 8,319 0.20%
10位:カザフスタン 1,256 0.03%

(【出所】日銀『BIS国際資金取引統計および国際与信統計の日本分集計結果』、2018年12月末時点・最終リスクベース)

なんと、アジア向け与信のトップは、中国ではなくタイです。

三菱UFJフィナンシャル・グループがタイのアユタヤ銀行を買収したためでしょうか?

このあたりの事情は、正直、よくわかりません。しかし、日本の報道機関の記事などを眺めていると、てっきり、中国に対する与信残高が全体のかなりの部分を占めているのではないかと思い込んでしまいそうですが、現実には中国に対する与信残高はタイよりも少なく、日本全体の海外向け与信の2%弱です。

これに、韓国、インド、台湾が続きますが、それぞれ1%前後に過ぎません。

また、「東南アジア諸国連合(ASEAN)の雄」であるはずのインドネシアに対する与信は1%を大きく割り込んでおり、さらには図表1で示したとおり、アジア・太平洋向けを全部足しても、日本の海外向け与信の10%弱に過ぎないのです。

「アジアの中のニッポン」論の間違い

このように考えていくと、あくまでも金融(融資や債券・資金市場など)の世界から見れば、日本は米国、ケイマン、欧州の「3極」とかなり密接なつながりを得ていて、事実上、アジア諸国とは大して深くつながっているわけではない、ということが示唆されます。

もちろん、「日本はアジアに位置しており、アジアと連帯していくしかないから、もっとアジア向けに与信を増やすべきだ」、といった主張をする人がいることは、重々承知しています(鳩山由紀夫元首相とか)。

しかし、それと同時に、日本の金融機関がクロスボーダーでおカネを貸す相手は、先進国の企業や銀行に限られている、という実態が、これらの図表からは判明します。

いったいどうしてそうなってしまうのでしょうか?

考えられる大きな理由は、やはり、通貨そのものの使い勝手が違う、という点にあると思います。

この世の中には、2つの通貨があります。

1つ目は「ハード・カレンシー」と呼ばれるもので、私自身の著作の定義で恐縮ですが、これは

その通貨の発行国・発行地域に留まらず、国際的な商取引・資本取引等において広く利用されている通貨であり、為替取引等においても法的・時間的制約が少ないもの

のことであり、具体的には、米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、加ドル、豪ドル、スイスフランの「7大通貨」がこれに該当します。

2つ目は「ソフト・カレンシー」です。これは、

おもにその通貨の発行国においてのみ利用されている通貨であり、決済機能面や通貨の安定性等の観点から国際的な商取引・資本取引には馴染まないもの

のことであり、中国の通貨・人民元を含めた世界の多くの通貨がこれに該当します。

実際、BIS統計の1つに、『世界の店頭外為取引』(原文 “Triennial Survey of foreign exchange trading” )と呼ばれるものがあります。これは、3年に1回実施・公表されている、世界の外国為替市場における通貨ペアを分解したものです。

これによると、2016年時点で世界の外為取引(OTCベース)は1日当たり10兆ドル少々でしたが、そのうち約44%は米ドル相手の取引であり、以下、ユーロと円が続きます(図表4)。

図表4 世界の外為取引(1日当たり、2016年公表分)
通貨 取引額(十億ドル) シェア
1位:米ドル 4,438 43.79%
2位:ユーロ 1,591 15.70%
3位:日本円 1,096 10.82%
4位:英ポンド 649 6.40%
5位:豪ドル 348 3.43%
6位:加ドル 260 2.57%
7位:スイスフラン 243 2.40%
8位:中国元 202 1.99%
9位:スウェーデンクローナ 112 1.11%
10位:ニュージーランドドル 104 1.03%
その他 1,091 10.77%
合計 10,134 100.00%

(【出所】Triennial Survey of foreign exchange and OTC derivatives tradingより著者作成。ただし、「その他」「合計」「シェア」については著者の文責において不整合を再集計・再計算しているため、オリジナルの数値と整合していない部分がある)

中国人民元の取引量が年々増えていることは事実ですが、やはり、アジア諸国の通貨は使い勝手が悪く、必然的に、外為市場における取引の多くは米ドル、ユーロ、円、英ポンドなどの「ハード・カレンシー」どうしで行われているというのが実情に近いでしょう。

最強という名の日本の金融機関

わが国の金融機関における資金循環構造には、もう1つ、大きな特徴があります。

それは、家計が保有する、1800兆円を超える巨額の金融資産の内訳は、その過半数が現金、預金で占められている、という点にあります。

「資金循環統計」を巡っては、数日以内に日銀が最新統計を出す予定ですが、ここでは便宜上、少し古いものの、2018年9月末時点のデータを確認しておきましょう(図表5)。

図表5 日本の資金循環状況(残高ベース、2018年9月時点速報値※クリックで拡大、大容量注意)

(※上記のPDF版)

(【出所】日銀資金循環統計より著者作成)

ということは、「預金取扱機関」(銀行、信金、信組、労金、農協、漁協、系統上部団体、ゆうちょ銀等)は必然的に、預かっている巨額の預金(2018年9月末時点で約1479兆円)を貸出金か債券、外国証券などの手段で運用しなければなりません。

その結果こそが、450兆円を超える外国向けの与信なのです。

ただし、私の見立てでは、わが国の金融機関の海外向け投資は、普通社債(Straight Bonds)ではなく仕組商品(Strunctured Loan Products)の形式を取っていると考えています。だからこそ、ケイマン諸島に5700億ドルもの大金を投資しているのだと思うのです。

そして、日本の金融機関の持つ「マネー・パワー」は強烈であり、この点は、諸外国がなかなか日本に勝てない点であることは間違いありません。

基礎データに勝るものなし

さて、こうした基礎的なデータを眺めていると、やはり、さまざまなことが判明します。

資金循環統計などを通じて、「複式簿記」の仕組みにより日本全体の各経済主体の財政状態を把握する癖を付けると、日本政府が「財政再建」をまったく必要としていないということもわかりますし、「財政破綻する」論も「年金破綻する」論も大ウソであるということもわかります。

マスコミの皆さんが、なぜか日本のマクロ経済統計を読まない(あるいは恣意的に捻じ曲げる)のは今に始まったことではありませんが、基礎データについては数字としてきちんと読み込むことが必要ですし、マスコミがやらないなら、ウェブ評論家である私がそれをやるだけの話です。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

また、ここ数日、日本が韓国に対する経済制裁を加えるのではないかといった議論も出ているのですが、日本から韓国に対する与信は2018年12月末時点で563億ドルと確かに巨額ではあるものの、日本全体の海外与信に対する比率は1.37%に過ぎないということもまた事実です。

なお、本日紹介した統計は、あくまでも日銀が集計した「日本提出分の統計」であり、今度はBIS側が国別にその統計を集計し、開示する運びとなります。

ただ、現時点でまだBIS統計側のアップデートが終了していないらしく、当ウェブサイトで精力的に追いかけているテーマの1つである「韓国金融崩壊」を巡っては、その最新数値がまだ手に入りません。

このため、私自身の余裕を見ながら、このあたりの統計についてはおいおい、アップデートしていきたいと思います。

新宿会計士:

View Comments (12)

  • こういうのでいいんだよ!

    といったエントリですね。
    正直、韓国ネタは他所でもあるのでどーかなと思っていたのですが、せめて数字ベースの韓国弄りであるべきでしょう。

    あと意外と北朝鮮の数字を検討した記事ってあまり見ない気がします。
    まともに取引しているのは中国くらいしかないので、数字自体が公表されていないのかもしれませんが。
    あとは、武器輸出なんかなんでしょうけどアングラに突っ込んでしまいますし。

  • やっぱりサイト主様のホームグラウンド、読み応えがあります。
    自分なら分析の前にどこから数字を拾ってくるのか見当もつきません。

    > わが国にとって一番の問題は、国内に有効な投資先がない
    > 家計が保有する、1800兆円を超える巨額の金融資産の内訳は、その過半数が現金、預金で占められている
    > 預かっている巨額の預金を貸出金か債券、外国証券などの手段で運用しなければなりません。

    実際に預金者として実感しています。
    円建てで国内企業中心に組んだ投資信託を買いましたが、実績はマイナスです。
    金利ゼロでも普通預金に預けていた方がマシだったわけです。
    ま、株は長期で考えないとね、なのですが、それはそれとして、もう少し一般市民の資産のうち、株式の比率が増えた方がいいと思いますし、それの受け皿として、投資したくなる企業が増えて欲しいです。
    株より国債というマインドもね。

  • こういうお話は本当に勉強になります。今後ともよろしくお願いいたします。

  • >アジア・太平洋向けを全部足しても、日本の海外向け与信の10%弱に過ぎない

    〔日本の中のアジア〕
    経済規模・取引額の違いがあるのですから、日本の立場で集計すれば、先進国と新興国の与信額に格差があるのは当然だと思います。

    〔アジアの中の日本〕
    アジア諸国・その他の新興国への影響力を計るためには、相手国の借入額に占める日本の与信割合を確認すればいいと思います。
    *****

    海外での資金運用〔投資〕の規模はハンパないですね。
    通貨発行権の行使により市場供給された「円」を海外で流通させていれば、国内で急なインフレを発生させることなく、財政管理〔国債の市場購入〕も可能なのだと思います。
    だから、日本の財政破綻は考えられないです。

    *「円」の信用力を構築してくれた先人の偉業に感謝ですね

  • 更新ありがとうございます。

    さすが〜!手慣れたもんだ。読みやすいし、数字の拾い方も納得です。韓国ネタだけでは食傷気味なんで、良いです。あとコレに関する韓国ネタを次回に是非お願いします(笑)。

    しかし、カリブ海のタックスヘイブンて、どうなんだろう。某国とかややこしい国も、勿論貯め込んでいるんだろうな〜。

    • ケイマン諸島ってイギリス領なんですよね。きっとシティ・オブ・ロンドン辺りから色々な裏金が流れ込んでいるんじゃないかと妄想しながらググったら面白いものを見つけました。

      https://gudao-lazy.com/cayman-company/

      > ケイマン籍にして中国に投資をすると、中国では外資系企業として扱われ外資系企業の優遇策が得られる。
      > ケイマン籍の企業は中国や香港の登記企業と同様に香港市場でのIPOが可能である。
      > ケイマン企業はニューヨークで取引される米国預託証券(ADR)を発行することができるが、米国の法律は適用されない。

      不十分な情報開示でありながら対中国投資で優遇されるわけです。
      こりゃあ、叩けばいくらでも埃が立ちそうな場所ですね。

      • 「パナマ文書」というのはわりと最近ありましたよ。>叩けばいくらでも埃

        米国は、非合法的にほとんどのデータを握っていそうですが・・・。

  • 日銀がこれだけ国債を買い占めてもさして円安にもならなければインフレにもならないという事実は、国債残高が今よりも減るとデフレをコントロールする手段を1つ失うことになるので、むしろ危険であると愚考しています。
    しかしその一方で、ひとつの思考実験として、国債残高が現在の1000倍とかになると、とても耐えきれないだろうとも思います。
    そう考えると、どこかに国債残高の適正水準の範囲があるのだろうと考えます。
    現状はその範囲内にあるのだと思いますが、ではその範囲とはどこまでなのかがわからないと、財政再建が必要とも不要とも言えないと思います。
    そういう観点で分析した研究などはないのでしょうか。
    本来なら財務省の仕事だとは思うのですが。

  • いつもながらとても勉強になりました。ありがとうございます。

    ケイマンと聞いて思い出したことがあります。以前の勤務先のワンマン元社長が数億円をケイマンに投資して大損失が生じたので、その債権を会社に付け替えたのだそうです。それを知ったある有力OBが取締役会に意見書を提出した(要するに責任があるよとの指摘)のです。ところがその文書の全文が怪文書で暴露されて全社がパニックに陥ったことがありました。

  • 日本政府の円借款は、このBISの統計上どういう扱いになっているのか、含まれてるのかどうなんでしょう。
    そもそも円借款って、どうやってお金を送っているんでしょうね。日銀が直に送っているのか、民間銀行を通しているのか。ふと思いました。