昔から「現実は小説より奇なり」と言いますが、ここ数日、日韓関係の崩壊、韓国の迷走を思わせるような記事が相次いでおり、私が気になった記事は多数あるのですが、正直、紹介し切れていません。そこで、本日はいくつかのテーマをピックアップして、関連する報道を紹介しておきたいと思います。本来、当ウェブサイトは「韓国専門サイト」ではありませんが、「韓国崩壊」「日韓関係破綻」は、わが国の政治、経済に対しても重篤な悪影響を与えかねないため、当ウェブサイトとしては重大な関心を持たざるを得ないのです。

思わず目を疑った記事

最近、インターネット上でニュース記事をチェックしていて、思わずコーヒーを吹き出しそうになることが増えて来ました。そんな記事の１つが、これです。

来年の韓・ＡＳＥＡＮ特別首脳会議　「正恩氏の招待検討」＝文大統領（2018/11/14 17:06付　聯合ニュース日本語版より）

この記事自体、少し前からすでに発見していたのですが、ほかに紹介すべきニュースが多すぎたので、後回しになっていたものです。

韓国メディア『聯合ニュース』（日本語版）によると、韓国の文在寅（ぶん・ざいいん）大統領は14日、韓国で来年開催されるＡＳＥＡＮ・韓国特別首脳会議に北朝鮮の独裁者である金正恩（きん・しょうおん）を招待することを「積極的に検討」すると述べたそうです。

聯合ニュースによると、この「ＡＳＥＡＮ＋韓国＋北朝鮮」特別首脳会議計画を持ちかけたのはインドネシアのジョコウィドド大統領だそうですが、ジョコ大統領が本当にそう持ちかけたのだとしたら、まことに失礼ながら、相当に政治的センスがない大統領ですね。

文在寅大統領とジョコ大統領。ある意味でまことにお似合いのお二人です。

ちなみに、今年７月に発生したラオスのダム決壊事故（詳しくは次の記事もご参照ください）を巡り、韓国メディアからはほとんど続報がありません。

• 2018/08/22 05:00 『「決壊したラオスのダムは日本の資金」記事の事実誤認が酷い』
• 2018/08/28 12:00 『ラオスの事故「日本が救いの手」というスクープ記事の信憑性』
• 2018/10/15 14:00 『ラオスダム事故巡るハンギョレ報道が事実ならば、許されない』

自分たちが「被害者」だと大騒ぎするくせに、自分たちが明確な「加害者」であるときにはダンマリを決め込むというのも不誠実だと思います。

韓国から撤退する日本企業が出始める

ただ、韓国がＡＳＥＡＮ諸国との「関係改善」を目指しているなかで、韓国にとっては「重要な隣国」だったはずの日本が、徐々に韓国との関係を絞る方向に出ているようです。

こうしたなか、すでに複数のメディアで報じられていた、「富士ゼロックスの韓国工場の閉鎖」という話題が、今朝、韓国メディア『中央日報』（日本語版）にも掲載されました。

富士ゼロックス、韓国工場を閉鎖　来年３月末に（2018年11月16日06時36分付　中央日報日本語版より）

中央日報を含めた複数のメディアの報道によれば、今回の工場閉鎖は構造調整の一環として行われるものであり、別に10月30日の「徴用工判決」とは直接の関係はないようです。「徴用工判決」からまだ半月しか経過していないわけですから、日本企業の意思決定の遅さを思えば、それも当然でしょう。

ただ、「徴用工判決」を受けて、日本企業の多くは韓国の「リーガル・リスク」（法的なリスク）を痛感したことも事実ではないかと思います。しかも、今回の「徴用工判決」では、日本政府は韓国政府に対して一切譲歩する構えを見せておらず、このままでは日韓関係自体がかなり後退する可能性もあります。

実際、日経の報道によれば、新日鉄住金と同じく韓国側で「（自称）徴用工」からの訴訟を起こされている三菱重工は今年３月、韓国の現地法人を清算済みであり、こうした動きはさらに広まりかねません。

日本大使館が在韓日本企業向けに説明会

私は、10月30日の「徴用工判決」の意義があるとしたら、韓国が政府、司法を含めて国際法を守らない国だ、という事実を全世界に露呈したという点にあると考えています。

もちろん、韓国でリーガル・リスクが高まったからといって、全世界で活動している日本企業が、それだけの理由で簡単に韓国から撤退する、というものではありません。商社やメーカーなどは、法治主義が期待できない国や治安の悪い国などに、支店や工場を持っているというケースもあるからです。

ただ、韓国に進出している日本企業（とくに大企業）であれば、今回の「徴用工判決」に対して、それが「韓国で事業を営む際のリーガル・リスク」が非常に高まったものである、ということを、経営レベルで、きちんと認識する必要があります。

こうした中で気になったのが、中央日報に昨日掲載された、次の記事です。

駐韓日本大使館、韓国進出日本企業対象に強制徴用判決説明会（2018年11月15日11時12分付　中央日報日本語版より）

記事では「15日午前にソウルジャパンクラブ（ＳＪＣ）会員企業を対象に駐韓日本大使館が（徴用工判決に対する）説明会を開催する予定だ」とありますので、報道が事実ならば、現時点では説明会は終了しているものと思われます。

中央日報記事では、ＳＪＣの会員企業400社のうち、何社が参加するのか、あるいは徴用工訴訟の当事者である企業が参加するのかどうかは不明だとしていますが、続報があれば、是非、読んでみたいものです。

ただ、私がこの記事を読んだ印象を申し上げると、これは「困っている日本企業に大使館が説明してあげた」、というニュースではありません。日本大使館が現地日本企業に対し、「韓国はリーガル・リスクが高い国だということを、きちんと認識してくださいね」と釘を刺した、というものだと見るべきです。

この期に及んで韓国事業を拡大しようとしている某企業もありますが、そもそも国際法を守らない国でビジネスを展開すること自体、その企業の自己責任でもあります。もちろん、「日韓関係破綻」、あるいは「日韓断交」など、本来ならばあってはならないことですが、それでも最悪の事態に備えることは必要でしょう。

韓国政府の逆ギレも力なし

韓国メディアの報道をチェックするという意味では、もう１つ紹介したい記事があります。

韓国外交部「日本指導者に対する遺憾の立場、複数のルートで伝達中」（2018年11月16日08時16分付　中央日報日本語版より）

中央日報によれば、韓国外交部（外務省に相当）の報道官は15日の定例会見で、「日本指導者に対する遺憾の立場、複数のルートで伝達中」だと述べたそうです。

韓国外交部のホームページに「強制徴用大法院判決に関する韓国政府の立場」と題する声明文が掲載されたという話題については、すでに当ウェブサイトでも『韓国外交部の「徴用工判決に対する立場表明」の意味を考える』で触れたとおりですので繰り返しません。

しかし、徴用工判決から半月以上も経過しているにも関わらず、韓国政府はいまだに、この徴用工判決にどう対処する方針なのかを明らかにしていません。これこそまさに、韓国政府の無能ぶりの極みとでもいうべきでしょう。

また、中央日報の記事によると、この報道官は先ほど紹介した日本大使館の日本企業に対する説明会についても、「具体的な内容に対してはまだ把握しているところ」であり、「関連内容を把握した後、立場を明らかにする」と述べたのだそうです。

韓国は国として終わっている？

そういえば、大昔流行したマンガ・アニメに、主人公が敵に対し、「お前はもう死んでいる」と冷徹に宣告する、という名場面（？）がありました（どうでも良いのですが、私がこのセリフを聞くと、名声優・千葉繁さんが務める敵役の叫び声を思い出してしまいます。わかる人にはわかると思いますが…笑）。

それはどうでも良いのですが、私は最近、韓国がすでに抜け出せない隘路にはまり、死を待つのみの状態になってしまっているようにしか見えません。

諸悪の根源は北朝鮮との関係を改善させようとする文在寅（ぶん・ざいいん）大統領ですが、その影響で、韓国はいまや米国から見捨てられようとしていますし、そういう苦境に陥ったときに米国との関係改善を取り持ってくれるはずの日本との関係も破滅前夜の様相を呈して来ました。

さらに、私自身は韓国が北朝鮮に対し、戦略物資を横流ししているのではないかとする疑念を抱いていますが、北朝鮮核開発を韓国が手助けしていることを理由として、日本と米国が韓国に対するセカンダリー・サンクションに踏み出す可能性は決して低くないと思います。

いずれにせよ、日韓関係（とくに韓国からの報道）については、当面、かたときも目が離せない展開が続きそうです。