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朝日新聞を「最も信頼できない新聞」と呼ぶ日本国民の良識

昨日、『韓国への仏罰?自業自得?韓国に対する特別扱いをやめる日米』という記事のなかで、「歴史のターニングポイント(転換点)」についての持論を述べました。ただ、冷静に考えてみれば、こうしたターニングポイントは、別に外交の世界にだけ成立するものではありません。テクノロジーの進歩により、民間の産業(たとえば新聞業界)にも「時代の波」は確実に打ち寄せるのだと思います。

ターニングポイント

わずか数年で世の中が大きく変わる!

歴史というものを眺めていると、意外なものが、後々「あれが歴史のターニングポイント(転換点)だったのだ」、と認識されるものなのかもしれません。

昨日、『韓国への仏罰?自業自得?韓国に対する特別扱いをやめる日米』という記事の冒頭で、「いまこの瞬間、ある国とある国の外交関係が成立していたとしても、長い目で見れば友好関係も変わってしまう」という趣旨のことを申し上げました。

ただ、自分で書きながら改めて思ったのですが、よく考えてみると、別にこれは自然界や外交関係などに限った話ではありません。

現代社会で「常識」と考えられていることのなかには、ほんの数十年前だと「常識」ではなかった、といったものもありますし、逆に、ほんの数十年前までは考えられなかったようなことが、現代社会では「常識」となってしまう、というケースもあります。

いや、最近の技術革新の速さを考えてみれば、社会の変化は数十年どころか、わずか数年で発生し、人々のライフスタイル、街の風景そのものをガラッと変えてしまうこともあります。

その典型例が、スマートフォンでしょう。

今から10年前の2008年ごろまでであれば社会人(とくに会社員)は新聞を読むことが当たり前だったのではないでしょうか。東京や大阪などの都市圏の場合、超満員の通勤電車に乗ると、新聞をタテ折りにして読んでいる人がたくさんいましたし、新聞を読んでいないと話題についていけないのが普通でした。

その分、新聞の社会的影響力は絶大で、たとえば日経新聞あたりが変なことを報じ、上司がそれを読んで、部下に「おい、今朝の日経に出ていたあの話は本当かね?調べてみてくれ」などと命じるのは日常茶飯事だったような気がします。

しかし、現在では、どうでしょうか?とくに首都圏や近畿圏に住む方は、超満員の通勤電車のなかで新聞を読んでいる人がめっきり減ったと感じませんか?そして、新聞を読む人の代わりに、四六時中、スマートフォンを触っている人々がたくさん出現していると思いませんか?

画面の中身は様々ですが、ふと他人のスマホの画面が目に入ると、どこかのニューズ・サイト(日経電子版など?)を読んでいる人もいれば、「まとめサイト」を見ている人もいますし、マンガアプリを起動している人もいれば、ゲームに興じている人、動画を見ている人もいます。

とくに、東京の場合、2013年3月21日以降、東京メトロの全線で携帯電話が利用可能になったことで、こうした「電車内のスマホ・シフト」が加速したような気がします。

スマートフォンもなくなるかも!?

ちなみに当ウェブサイトの場合、一番アクセス数が増える時間帯は、午前8時と正午、そして夕方6時以降です。私が想像するに、これはビジネスパーソン(とくに都会の人)の行動パターンと一致しているような気がします。

あくまでも仮説ですが、当ウェブサイトをご愛読頂いている人は、朝8時台の通勤電車で出勤するさいにスマートフォンを眺め、正午以降は昼休みで一息つき、夕方5時以降は退社時に、あるいは家に帰ってからゆっくりとインターネットを楽しむ、というケースではないかと思います。

思えば、スマートフォンが出現したことで、本当に世の中の多くの人々が、四六時中、インターネットにつながる生活を楽しんでいると思います。スマートフォンとうまく付き合えば、本当に便利で快適な世の中になったと思います。

ただ、もっといえば、技術革新はまだまだ続いています。今はスマートフォンという媒体を使う人が多いのが実情ですが、そのうち、スマートフォンに代わって、手のひらに画像や文字情報を映し、それを直接触って操作する、という形のデバイスが登場するかもしれません。

あるいは、新しいデバイスの操作方法は、「手で触る」のではなく、「目で追いかける」形になるのかもしれませんし、あるいはもっと斬新な方法があるのかもしれません。重要なことは、スマートフォンですら「最終形」ではない可能性がある、という点でしょう。

残念ながら私自身は電子技術や半導体業界などの専門家ではありませんし、新しいデバイスがどのようなものになるのか、想像すらつかないのですが、それでも、技術革新がまだまだ続くことだけは間違いないと信じています。

「永遠に変わらないもの」はない

こうした技術革新の速度を踏まえれば、「ほんの数十年」、あるいは「ほんの数年」で、物事がガラッと変わってしまう、というのは、別におかしな話ではありません。ましてや、旧態依然とした産業が時代に取り残されて消滅した事例など、過去にいくらでもあります。

たとえば、ひと昔前までであれば、商売をする人にとって、算盤(そろばん)は必須のアイテムでした。私たち公認会計士業界でも、まさに「紙と算盤」を使って会計監査をする人が一般的であり、算盤をいかに速く弾けるかによって仕事のスピードが違っていたのです。

しかし、私が監査業界に入社したころは、ちょうど監査法人内でも個人用PCの支給が始まったばかりであり、若者ほどPCを使いこなしていて、「紙と算盤」で監査をする年長の公認会計士を駆逐し始めていたのです。

考えてみれば、方眼紙に鉛筆で勘定科目と金額を並べて記載し、その合計金額を算盤で弾いて記入するというやり方と、エクセルに打ち込み、合計欄に「Alt+Shift+-」で合計を入力する方法だと、下手をすれば速度が100倍異なります。

ちなみに私は入社した監査法人の同期(約200人)のなかで、タイピング速度が最速だったという記録の持ち主ですが(笑)、そのタイピング速度とエクセルのショートカットを駆使することで、歴代の先輩の公認会計士が3時間かけて作成していた資料を1分半で完成させ、周囲を驚かせたこともあります。

(※余談ですが、個人PCの導入によって生産性が100倍になっていたのならば、勤務時間も100分の1にならないとおかしい気がするのですが、どうして日本の会社では勤務時間が100分の1にならないのでしょうか?不思議でなりません。)

当然、時代の変化に応じてPCのスキルを身に着けた公認会計士が増えていけば、「紙と算盤で監査をして、先輩風を吹かせる公認会計士」は自然に淘汰されるはずです(※ただ、あまり淘汰されている形跡がないのが、公認会計士業界の不思議ですが…)。

新聞業界は「斜陽産業」

新聞業界は足元から崩れ始めている?

つまり、技術が進歩すれば、必然的に、技術の変化に取り残された産業は衰退します。

その典型例が、新聞業界でしょう。

とくにわが国の場合、新聞のビジネスモデルとは、毎日、新聞社の記者らが原稿を書き、紙面のイメージを作成し、それを印刷工場に回して紙とインクで印刷し、それを梱包して各地の新聞専売所に届け、そこからさらに、各家庭、職場などに宅配するというものです。

諸外国だと宅配ではなく駅売りなどが一般的だそうですが、わが国の場合、新聞各社は宅配にこだわっており、紙媒体に刷ったものを物理的に朝晩2回、二酸化炭素を撒き散らしながら全国各地に配る、というのが基本です。

そうやって配られた新聞を、どんな人がどう読んでいるのでしょうか?おそらく、その「読まれ方」は、さまざまでしょう。

  • 東京の郊外に住むAさん(66)は数年前に会社を退職し、悠々自適の暮らしを送っている。Aさんは朝6時に起きてポストを覗き、宅配された新聞を隅々まで読み、その後、奥様と朝食を楽しむのが日課だ。
  • 大阪近郊で一人暮らしするBさん(26)は、朝7時に飛び起きると、朝食もそこそこに身支度をしてスーツに着替え、自宅を飛び出して集合ポストに配達された日経を片手に会社に向かう。
  • 北海道で農業を営むCさん(46)は、早朝から農作業を行っており、朝の農作業を終えて自宅に向かう途中で新聞配達員とすれ違い、配られたばかりの新聞を自宅でゆっくりと広げるのが楽しみだ。

あなた、8時間前の情報を読んで意味があるの?

ただ、どんな人がどう新聞を読んでいるかについては、事情はさまざまだとしても、1つの共通点があります。それは、「情報の鮮度」という問題点です。

仮に朝8時台の通勤電車で勤務先に向かう途中に新聞を読んでいる、という人がいたとしましょう。

この人が新聞を手に取って読んでいるのは、朝8時台です。しかし、その新聞は遅くとも7時までには自宅ポストに投函されたものでしょう。そして、遅くとも朝7時に新聞を配り終えるためには、新聞配達員は、新聞を午前5時には配り始めなければなりません。

しかし、朝刊にはたくさんのチラシが挟み込まれます。チラシを挟む作業には約1時間が必要であり、遅くとも午前4時には新聞が販売店に届いていなければなりません。逆算すれば、新聞は午前3時には刷り上がっていなければならず、午前2時に新聞を刷り始めなければ間に合いません。

ということは、紙面に載せるための記事、新聞社説などは、遅くとも午前1時ごろまでに校了していなければならず、ということは、午前0時頃までの情報しか新聞に掲載することはできないのではないでしょうか?ということは、朝8時に目にする情報は、前日深夜時点の情報なのです。

これだと、とくにマーケット関係者だと、新聞などを読んでも意味がありません。米国のFOMCなどの重要なニュースは、日本時間の午前3時から4時頃に流れてくるのが通常であり、FOMCで利上げがあったとしても、新聞を読んでいたのではわからないからです。

スマートフォンだとリアルタイム

しかし、スマートフォンの場合は、リアルタイムで情報が配信されて来ます。設定次第では、それこそ24時間・365日、スマートフォンの端末には何らかの情報が届き、表示され続けるのです。

かくいう私も、スマートフォンにWSJやロイターなどのアプリをインストールしていますし、設定次第ではツイッターで自分がフォローしている人のつぶやきをリアルタイムで読むこともできるはずです(※もっとも、私はそこまでの設定はしてませんが…)。

そうなって来ると、「通勤時間帯に電車内で読む媒体」としての地位は、いまや、完全にスマートフォンに奪われたと考えて間違いありません。

スマートフォンが出現する前であれば、通勤電車内で新聞を読んでいたような人たちは、「朝の新鮮なニュースを仕入れてから会社に行きたい」というニーズでそれを読んでいた可能性がありますが、ニュースは古いものより新しいもののほうが価値が高い傾向にあります。

さらに、新聞だとかさばるし、読んでいてインクが手に付着するなどの欠点もあります。何より読み終われば物理的に紙ごみとなってしまいます。

これに対しスマートフォンは軽くて持ち運びしやすく、手がインクで汚れる、ということもありません。新聞がスマートフォンによって駆逐されつつあるというのも、時代の必然なのかもしれません。

朝日新聞独自の事情

朝日新聞の崩壊は、絶賛進行中

さて、新聞業界自体が崩壊しつつある理由は、大きく分けて、2つあります。

理由のうちの1つは、先ほど申し上げたとおり、「紙に情報を印刷して届ける」という仕組みが時代遅れなためです。情報は鮮度が命であり、「いちいち紙に印刷して届ける」という仕組み自体が、情報を伝達する手段にそぐわないのです。

しかし、新聞業界が衰退している理由は、それだけではありません。

2つ目の理由は、とくに日本の新聞業界の場合、独占にかまけて記事を執筆する能力の研鑽を怠り、ゴミクズのような記事しか出てこない、という事情が大きいと思います。

そして、衰退著しい新聞業界の中でも、とくに私自身が注目したいのは、朝日新聞の崩壊です。

今から25年前の1993年といえば、ちょうど私は大学生であり、かつ、「朝日新聞奨学生」として、朝日新聞販売店で働いていました。当時、朝日新聞といえば、発行部数は800万部、全国紙の中では読売新聞に次いで2番目の部数を誇っていました。

そんな朝日新聞が廃刊されることなど、絶対にあり得ないと思われていたことも事実です。

しかし、慰安婦捏造報道など、不祥事が相次いだこともあり、朝日新聞の現在の発行部数は公称600万部割れにまで低迷。一説によると「押し紙」を除いた発行部数は400万部にまで減少しているとの噂もあります。

実際、25年前に私が勤めていた東京都下の某朝日新聞専売所は、近接する2~3の専売所と統合されて消滅してしまっており、少なくとも実売部数が600万部どころか400万部、いや、下手したら300万部を割り込むのも時間の問題ではないかという気がしてなりません。

少なくとも私自身は街中や電車内などで、朝日新聞を持ち歩いているという人に出会うことも減ったように思います(もっとも、『ホームレスが朝日新聞を愛読?「国民の敵」としてのマスコミ』で述べたとおり、最近だと朝日新聞はホームレスの皆様の御用達新聞となっているようですが…)。

ネット・アンケートだと「信頼できない新聞」1位

こうしたなか、朝日新聞に限定して言えば、その信頼性の低下に拍車が掛かっているのではないかと思える記事、調査なども、多数出て来ています。その中でも私が気になったのは、次の記事です。

もっとも信用できない新聞はどれ? すべての世代で1位に輝いたのは…/最近は紙の新聞を目にする機会も減りつつあるが、その信用度を調査。(2018/10/14 10:30付 しらべぇより)

これは、株式会社NEWSYが運営する『しらべぇ』というウェブサイトに掲載されたもので、同編集部が全国20〜60代の男女1344名を対象に調査したところ、「もっとも信頼できない新聞」として、朝日新聞が全世代で1位を獲得した、とするものです。

※『しらべぇ』の説明によれば、今回の調査の方法、期間、対象は次のとおりです。

  • 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
  • 調査期間:2018年8月31日~2018年9月3日
  • 対象:全国20代~60代の男女1344名(有効回答数)

「もっとも信頼できない新聞」として朝日新聞を挙げた割合は、男性で44.2%、女性で34.7%でした。また、男性に限定して言えば、30代で50.0%が朝日新聞を挙げていたほか、20代、40代、50代は40%超が、60代でも36.1%が、それぞれ朝日新聞を「信頼できない」と述べた格好です。

一方、女性は男性と比べて朝日新聞を「信頼できない」と答えた割合は低いものの、一番低い60代女性でも29.9%が、それ以外の年代では30%以上が、朝日新聞を「信頼できない」と回答しており、20代女性だとその割合が39.4%に達していたそうです。

アンケートの信頼性はともかくとして

これをどう見るべきでしょうか?

もちろん、調査の方法の詳細もよくわかりませんし、母集団が日本国民の世論を正確に代表しているという保証もないため、この調査結果を鵜呑みに信じることは危険です。しかし、それと同時に、アンケートを見て違和感を覚えなかったという人も多いのではないでしょうか?

おそらく、現代も時代のターニング・ポイントに差し掛かっているのだと思います。スマートフォンの出現やインターネットの大衆化は、マスコミによる情報発信の独占を突き崩しつつあるからです。

先ほど紹介したアンケートの信頼性はともかくとして、「古い既得権益である新聞業界」の筆頭格である朝日新聞が信頼を失い、さまざまな調査でも日本国民から嫌われまくっていることを見れば、やはり「新聞が第4の権力だった時代」は、間違いなく終焉を迎えていると考えて良いでしょう。

私は、『しらべぇ』の調査に全幅の信頼を置くつもりなどありませんし、朝日新聞社が今すぐ倒産すると申し上げるつもりもありません。ただ、「朝日新聞のことは信頼できない」と思う国民が増えること自体は、日本国民の世論が健全である証ではないかと思えるのです。

新宿会計士:

View Comments (5)

  • < 「しらべぇ」自体、他の記事を読むと、なんか三流芸能誌か日刊ゲンダイ並みの部分が多いですね〜(残念)。これでマトモなサンプルが取れたのか、というのがやや不安です。でも1,334人はこの手ならかなり多いです。

    < また一応こんな事を大手マスゴミは、自分のクビ締めるだけで、更にライバル社から非難、謝罪求められるだけで、するはずがありません。書けないもんね。だから一定、信用します。

    < 一番ワーストが朝日、次いで読売、3着産経、あと毎日、日経。若い方と40歳代まで、さすがに良く分かってらっしゃる。そう、私などは朝日新聞さえ消えてくれたらそれでいい。毎日などほっとっても潰れる(笑)。

    < インターネットの普及により10時間前、12時間前のニュースをホット情報!なんて言っていたのが嘘見たい。大変便利な世の中になりましたが、見たくない見せたくない情報も増えました。コレに代わるとなると手のヒラを使ったり、知覚を使ったり、少なくとも今の携帯を『持つ』というスタイルではないでしょう。

    < もうその頃には私は、存命してないですが(笑)。さて、アチャヒとイヌアッチケーを減らすことを考えるか。

  • >さまざまな調査でも日本国民から嫌われまくっていることを見れば、やはり「新聞が第4の権力だった時代」は、間違いなく終焉を迎えていると考えて良いでしょう。

    いえいえ、嫌われている新聞ナンバーワンのうちは安心ですよ。それだけ影響力があるって事ですからね!

    「愛の反対は憎しみでは無くて無関心」

    選択肢にも上がらなくなってからが本番です。

  • 消費税が2%上がったら、新聞をやめて増税分を補填しよう運動を広めましょう
    自分たちだけ軽減税率を受けても、消費者はその世帯の消費額によりますが、2%なので20万使う家庭は4000円30万消費する家庭は6000円まあ新聞を取っている世帯はちょうどいい穴埋めです
    新聞社は財務省より消費者の方見ないとダメなこと思い知らせましょう

    • たしかに腹が痛くなりました。

      >今回の結果から、何が見えるのか。政治とメディアの問題に詳しい、東京工業大の西田亮介准教授に聞いてみました。
      >西田さんは、情報を得るためのコストをかけるかどうかが、内閣支持率に影響しているのではないかと指摘します。
      > 新聞を参考にする人は、情報を取ることにコストをかけている人です。つまり社会や政治のことを、お金を払ってでも知りたいという積極的な意識を持っていると捉えられます。
      > 一方、SNSは、情報を得るためのコストは低い。社会や政治への意識、関心が高いとは言えず、受動的になりがちです。
      > その上で、「コストを払おうとしない人たちは、現状肯定に流されやすいのではないか」と言います。

      いや自分でそういう情報にアクセスしようという意欲コストを無視しています。
      新聞なんかより頼りになる一次情報が、無料でインターネット経由で入手できる時代にお金なんかコストのうちに入らんでしょう。