「他人とコミュニケーションを取る」。これは、人間としての基本です。そして、国家といえども人間の集合体ですから、国の首脳たる者、外国の首脳ときちんとコミュニケーションを取ることが出来なければ、最悪、国自体が危機に晒されることにもなりかねません。その典型的な事例を、私たちはどうも現在進行形で目撃しつつあるのかもしれません。
目次
無視しても返信しても文句をいう国
中央日報が「慰労メッセージ無視事件」を取り上げる
昨日、『相次ぐ「コリア・パッシング」の兆候は日本正常化の証拠か?』のなかで、文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領の北海道地震等へのお見舞いメッセージを、安倍晋三総理大臣が無視しているとの疑惑が出ている、という話題を紹介しました。
安倍総理は台湾の蔡英文(さい・えいぶん)総統やオーストラリアのスコット・モリソン首相から寄せられたメッセージにはただちに反応したのに、文在寅氏のメッセージについては特段の反応を示していなかった、というものです。その話題の続報が、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に出ています。
文大統領「慰労」メッセージに一歩遅れて返事をした安倍首相…「心から感謝」(2018年09月12日06時44分付 中央日報日本語版より)
中央日報は日本の共同通信の報道を引用する形で、安倍総理が10日の夜、自身のツイッターに文在寅氏の慰労メッセージへの返信を投稿したとしつつ、暗に「ツイッターへの返信が4日も経過していた」と批判しています。
これについて私自身の個人的感想を申し上げるならば、別に大災害のときくらい、多少、返信が遅れたとしても、大した問題ではありません。また、あからさまにメッセージを無視したのではなく、少し遅れたものの、きちんと返信しているのだから、ごちゃごちゃ文句を言われる筋合いでもないと思います。
しかし、中央日報は共同通信による「(安倍総理が)オーストラリア(の首相)や台湾(の総統のメッセージ)に即座に返信したのとは対照的だとの見方が日韓間で出ている」という文章を引用しており、いかにも安倍総理が韓国を軽視しているといわんばかりの論調です。
「遅れたのは事務処理上の問題」
引き続き、中央日報から共同通信の記事を孫引きしておきましょう。
政府の「消息筋」は共同通信の取材に対し、メッセージへの返事が遅れた理由を「事務処理上の問題」、「文大統領がツイッターに日本に対する慰労文書を添付したので、こちらでも謝意を表する文書を準備する必要があると判断し、その準備に時間を費やした」、などと説明しているそうです。
むろん、こうした説明が正しいという保証はありません。巷間で指摘されるように、安倍総理が「嫌がらせ」のために、わざと韓国への返信を遅らせたのかもしれませんし、あるいは逆に、台湾やオーストラリアを特別視していて、両国首脳からのメッセージに優先的に対応しただけのことかもしれません。
ただし、私が把握している事実関係だけを述べるならば、文在寅氏のメッセージは、日本語でも英語でもなく韓国語で、しかも自身のツイッターに投稿されたのに対し、蔡英文氏のメッセージは、わざわざ日本語で、しかも安倍晋三総理自身のツイッターに投稿された、という違いがあります。
当然、多忙な安倍総理自身の目に留まる可能性が高いのは、前者よりも後者でしょう。
昨今、主要国の首脳はツイッターやフェイスブックなどを使用していて、自分自身で積極的に情報発信をしています。安倍総理と米国のドナルド・J・トランプ大統領が相互にツイッターをフォローしていることは有名ですが、ツイッターのアカウントがあれば、安倍総理のツイートに直接、リプライを送ることも可能です。
あくまでも可能性の議論ですが、単純に蔡英文総統は安倍総理のツイッターをフォローしていて、文在寅氏は安倍総理のツイッターをフォローしていなかった、というだけのことではないかと思います。
したがって、今回の騒動については、文在寅氏が自身のツイッター・アカウントに韓国語でメッセージを発表したので、日本政府がそれに気付くのが遅れ、しかも日本語と韓国語でメッセージを準備するのに時間がかかった、というのが真相ではないかと思うのです。
米韓関係も深刻に悪化
そもそも意思疎通ができていない
以上の考察が正しいかどうかは別として、私が一連の騒動を眺めていて感じるのは、日韓の距離が広がりつつある、という現状です。いや、もう少し正確にいえば、文在寅氏自身が「大韓民国の国家元首」という地位にありながら、他国の首脳とのコミュニケーションを取る力が絶対的に不足しています。
たとえば、トランプ大統領が昨年11月に韓国を訪問した際、文在寅氏は事前の米韓間の打ち合わせを無視して、トランプ氏が平沢(へいたく)の在韓米軍基地「キャンプ・ハンフリーズ(Camp Humphreys)」を訪問した際に、文在寅氏が乱入。
ちなみに昼食時に文在寅氏がトランプ氏の左隣に座ろうとしたところ、米国側はこれを拒否し、トランプ氏と文在寅氏の間に軍人が1人入る、異例な座席配置となりました。
さらに、トランプ氏の1泊2日の滞在期間中、元慰安婦を晩餐会に呼んだり、「独島エビ」と題するボタンエビを晩餐会で提供したりするなど、米国を苛立たせる対応が目立ちました。
おそらくこうした対応に激怒したのでしょうか、トランプ氏は翌日の朝、「板門店を電撃訪問する」と言いながら、悪天候を理由に途中で引き返し、文在寅氏に板門店で待ちぼうけを喰らわせるという、ちょっとした反撃を行ったのは興味深い点だと思います。
トランプ氏、軍事境界線に電撃訪問……のはずが悪天候で中止(2017年11月8日付 BBC日本語版より)
トランプ氏は昨年11月のアジア歴訪で、日本と中国にそれぞれ2泊3日ずつ滞在したのですが、噂では、当初は日本に3泊4日、韓国に0泊1日というスケジュールも検討されていた、という話も聞きます(※ただし、出所は不明です)。
このように考えていけば、わざわざ韓国に1泊すると決めてくれたトランプ氏に対し、韓国側はもう少し「おもてなし」をすべきだったのではないでしょうか?
中央日報「今年1月にトランプ氏が激怒」
こうしたなか、本日、もう1つ気になる報道がなされています。
「トランプ氏、今年初めの文大統領との電話会議で怒り爆発」(2018年09月12日09時38分付 中央日報日本語版より)
中央日報によれば、トランプ大統領が今年初め、文在寅氏に対し、在韓米軍の費用負担の問題で激怒したのだそうです。トランプ氏が在韓米軍や高高度ミサイル防衛システム(THAAD)、さらには米韓FTAなどに不満を募らせているとされているため、なかなか興味深い記事です。
中央日報が報じたところによると、トランプ氏はまず、韓国の180億ドルという対米貿易黒字を問題化。また、文在寅氏が「貿易と安保には密接な関係がある」と反論したところ、今度はトランプ氏がTHAAD配備問題で文在寅氏に費用負担を求めた、という流れです。
といっても、情報源はトランプ氏自身が「フェイク・ニューズ・メディア」と批判する米ワシントンポスト(WP)であり、全幅の信頼を寄せるのは尚早という気もしますが、それでもトランプ氏であれば、外国首脳に怒りをあらわにするという可能性はゼロではないでしょう。
しかし、実際にトランプ大統領は、6月12日の米朝首脳会談直後から、在韓米軍の規模縮小や米韓合同軍事演習の延期・中止などに言及するなど、その振る舞いはすでに韓国のことを同盟国として信頼していないように見受けられるのは私だけではないと思います。
そして、こうした状況を招いた原因の1つが、文在寅政権が米国の同盟国という立場を理解せず、迂闊に北朝鮮に対して譲歩する姿勢を見せていることにあることは間違いないといえるでしょう。
あと3年少々で韓国は…
以前からの繰り返しですが、隣国としての韓国の事例を眺める意義とは、ずばり、「国家はどのようにして破綻するのか」を理解するためにあります。
誤解して欲しくないのですが、私は「韓国が国家破綻すること」を望んでいるわけではありません。しかし、それと同時に韓国はしょせん他国ですから、自分で自分の首を絞めたとしても、それは「自業自得」としか言い様がありません。
以前、どなたかが「文在寅(氏)は鳩山由紀夫(元首相)の韓国版だ」と指摘されていたと記憶していますが、文在寅氏の外国首脳とのコミュニケーションを眺めていると、まさに一事が万事、この調子です。本当に韓国は大変な人物を国家元首に選んでしまったものだと思います。
しかも、日本の首相の場合とは異なり、韓国の場合、基本的に大統領の任期は5年と定められており、一昨年弾劾された朴槿恵(ぼく・きんけい)氏の例を除けば、少なくとも1988年の民政移管後、韓国大統領が途中で退任したという事例はありません。
文在寅氏の残り任期は3年半あります。その3年半で韓国はどうなってしまうのか――。非常に不謹慎ではありますが、「興味深い」と感じてしまうのも事実なのです。
View Comments (10)
< 更新ありがとうございます。
< 文が自分のツイに日本の地震に慰労のメッセージを載せたが、韓国語だった。そんなもん、言われな分かるかいな(笑)ということですね。台湾総統と豪州首相は、フォローしていたからすぐにリツイ出来た。それも蔡総統は、日本語で寄越した。素晴らしい!
< 朝鮮語?読めません。せめて英語か、大嫌いだろうが、日本語にして送りなさい(笑)。安倍首相は、あるいは官邸は、ワザと4日もかけたのかも。日本語訳が難しいニダって。それぐらいしてもOKでしょう。
< 思うに、文やら人権派の弁護士らは、日本人も含めて屁理屈こねて無理難題言うか、要求ばかり言う奴です。概して夢ばかり語り、現実を見てない。
< だからノコノコ平沢基地で、トランプの横に座ろうとする。自己満足だけ、周り迷惑。コミュニケーション能力もからっきし駄目なんだろうね。トランプと電話で喧嘩するなんて、オマエの国と、世界一の米国が同じ立場と思ってるのだろうか?
< あと3年半持たんよ。多分支持率ダダ下がりで30%台で、来年ローソクでしょうね。オメ。
<<思うに、文やら人権派の弁護士らは、日本人も含めて屁理屈こねて無理難題言うか、要求ばかり言う奴です。
確かに双方結果的に似たような感じになったりしますが少なくとも一つだけ大きく異なる部分があります。それは韓国人のいわゆる無理難題というか、要求には”根拠がない”ことが多い、ということだと私は考えます。
一般的な日本人の思考ならそれがたとえ屁理屈であってもまず根拠や原因などを述べたうえでの要求となるかと思います。しかし、一般的な韓国人の思考ではこれらすべてが希薄であるかそもそもなく、かわりに自身の心情、感情といったものを述べたうえでの要求となるのです。
これが、一般的な日本人的価値観からすると韓国人の要求はまったく意味不明であったり、どう考えてもおかしいと不快感を覚えたり、無理難題であったりする原因の一つではないかと。
< 匿名さん
< なるほど、ごもっともですね。確かにアチラは根拠が無いです。
因みになぜ韓国人の言動に根拠がないのかといいますと、そもそも韓国人は”不変の正しさ”というものを最初に定義してから物事を考えるのが一般的であるからです。
そしてこの”不変の正しさ”があるからこそ、韓国人は正しいという前提で話すし、たとえ論破されようが根拠が支離滅裂であろうがそもそも根拠がなかろうが関係ないのです。
その事例は、慰安婦や旭日旗、竹島問題についてなどを調べてみるとわかりやすいかと思います
今アメリカでは「北より危険な南」と認識されているとの事。
この危険とは、何を指しているのか私には解りませんが、手当たり次第引っかき回す文さんが一つの秩序を破壊すると見られて居るのでしょうか?文さんを担いでる国民なのか?
韓国人が、本来の姿に戻るスピードはますます激しくなるばかりで、手のつけようが無いですね。
何処かで纏めてお仕置きが有るのでしょうかね。
いつも楽しみに拝読いたしております。文在寅氏のコミュニケーション能力欠如、ご考察の通りだと思います。政策能力もなく支持率も急降下、憐れです。しかしながら我が国も10年前は鳩山由紀夫率いる史上最悪内閣でした。安倍総理の三選と後任育成に期待します。
A4用紙手放せない…
>A4用紙手放せない…
言いたいことは便箋一枚にまとめよという田中角栄先生の遺訓を守っているのでしょうw
>他国の首脳とのコミュニケーションを取る力が絶対的に不足しています。
いやあ、他国の首相だけじゃなくて、自国の国民とも取れないみたいですよ。
結局イエスマン以外はみんな首にするみたいだし。
経済統計の数値が良くないから統計を取る部局の人間を首にするのにはビックリしました。
日本の被災に対して本当は何も反応したくないものの、用日を企む取り巻きに推されて仕方なくツイートしたのでは無いかと思います。従って本気で伝える気が無いので韓国語のみしか無いかと。
文の頭の中では、格下の日本に態々手間を掛けて慰労の言葉をかけてやった、当然即座に土下座して感謝するのが当たり前、と考えていると思います
ですから自分のアカウント内で自国語である朝鮮語で書いているのです
当然格下奴隷である日本は常に文様の動向には気を配り、一旦お言葉があれば即座に押し頂き、何を於いても対応し即座に返事をするのは当たり前
うん、書いてて心の底から気持ち悪いけど、朝鮮人を見ている限り上記の考え方で強ちというかほぼ正解だと思う
で、現実では安倍総理周辺は文のツイッターなど見ていなかっただろうし、朝鮮語のコメなど読める人がどれだけいるかも謎
だから当然返事も遅れる
ところが上下意識と小中華思想に凝り固まった朝鮮人が顔真っ赤にしてそれに怒り出す
すぐにこれは差別だってことで朝鮮が騒いで、日本のマスコミも安倍は朝鮮を意図的に侮辱しているだの騒ぎ出すまでが様式美
まぁ今回の件はちょっと弱いから立ち消えの可能性が高いが
しかし本当に行動や考え方全てに嫌悪感しか感じられない奴等だと思う