わが国では、マス・メディアと野党による「もりかけ・セクハラ・日報問題」という安倍政権に対する攻撃が激しさを増していますが、これと密接な関係を持っているのは、「CVID」というキーワードです。
目次
CVIDとは?
韓国メディアにしては珍しい論考
韓国メディア『中央日報』日本語版に昨日、韓国メディアの記事にしては珍しく冷静な議論が掲載されています。
【時論】南北首脳会談、否定的な未来に備えるべき(1)(2018年04月23日15時22分付 中央日報日本語版より)
【時論】南北首脳会談、否定的な未来に備えるべき(2)(2018年04月23日15時22分付 中央日報日本語版より)
議論の細部については同意できない箇所も複数あるのですが、記載されている内容自体は比較的まともなものです。かいつまんで申し上げるならば、4月27日の南北首脳会談を控え、韓国は「未来学」の知見に学ぶべきだ、という主張です。
この「未来学」とは何でしょうか?記事を執筆した韓国科学技術院(KAIST)未来戦略大学院教授の「イ・グァンヒョン」氏によれば、「我々(=韓国)が避けるべき否定的な未来」に大きな関心を払い、それが実現することを避け、より望ましい未来を実現させようとする考え方なのだそうです。
私は普段、韓国メディアの主張を頭から否定することが多いのですが(笑)、今回のこの論説の考え方については、全面的に同意するわけではないにせよ、韓国メディアにしては非常にまともなものです。
そこで、南北首脳会談を控え、北朝鮮が何を考えているのかについて探ってみたいと思います。
米国が求めているのは「リビア方式」
さて、わが国のメディアは、「もりかけ・セクハラ・日報問題」など、どうでも良い問題を追い掛け回すあまり、重要なニュースを見落としています。ここでは米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道から、ドナルド・トランプ米大統領の非常に重要な発言を拾っておきましょう。
Trump Says He’ll Walk Out of a Planned Meeting With Kim if It Is ‘Not Fruitful’(米国夏時間2018/04/18(水) 20:41付=日本時間2018/04/19(木) 09:41付 WSJオンラインより)
先週水曜日(日本時間木曜日午前)の記事によれば、トランプ大統領は安倍晋三総理大臣との日米首脳会談後の会見で、6月までに実施するとされている金正恩との米朝首脳会談に「実りがない」場合は「すぐに席を蹴って出ていく」と述べたことです。
WSJが報じている日米首脳会談の成果は、次の3点です。
- 北朝鮮に完全、検証可能、そして不可逆的な方法による核・ミサイルの廃棄を求めること
- 北朝鮮に拘束されている米国市民と日本国民の解放を求めること
- 米国が北朝鮮との間で「長距離ミサイルのみの放棄」で合意することはしない
(※余談ですが、冷静に考えたら、日本のメディアではなく米国のWSJが「日米首脳会談の日本にとっての成果」を報道するというのも変ですが、日本国内では読売を含めて、安倍政権の成果をまともに報道しているメディアがほとんどないため、これも仕方がない話かもしれません。)
このうち、最初の「完全、検証可能、不可逆的な方法による核・ミサイルの廃棄」とは、俗に「リビア方式」と呼ばれるものであり、英単語(Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)を略して「CVID」と呼ぶこともあります。
それでは、この「リビア方式」とはいったいどのような方式なのでしょうか?
CVIDの先例とリビアの末路
リビアは1969年9月の無血革命により、カダフィ大佐を事実上の指導者とする「共和制」(といいつつ、事実上は独裁制)が成立。ナショナリズムを鼓舞するあまり、航空機爆破事件(いわゆる「ロッカビー事件」)などの国際的なテロ事件を頻発させ、さらには大量破壊兵器開発などを進めていました。
(※ロッカビー事件とは:1988年12月12日、スコットランドのロッカビー村上空で、ロンドンからニューヨークに向かうパンナム機103便が爆破され、乗客・乗員259人全員に加え、同村住民11人が巻き添えになり、合計270人の犠牲者を出した事件。国連安保理がほかの航空機爆破事件とあわせ、リビアの関与が濃厚と判断してリビアに捜査局力を要求したものの、リビア側が拒否されたため、1992年3月に経済制裁が科されることとなったものです。)
しかし、2003年3月、米英などを主体とする連合軍は、「イラクが大量破壊兵器を開発していた」などとする理由でイラク戦争を開始。同年12月にはイラクのサダム・フセイン元大統領の身柄が拘束されました(2006年12月30日に死刑執行)。
イラクという強固な独裁体制の崩壊を間近で見て、カダフィ大佐はおそれをなしたのでしょうか?リビアは2003年12月に「大量破壊兵器開発計画放棄宣言」を行い、同時に国際原子力機関(IAEA)の核査察を受け入れ、翌2004年1月には包括的核兵器禁止条約(CTBT)を批准しました。
その後、リビアでは核開発施設、化学兵器などの徹底した武装解除が行われ、米国とリビアの関係はいったん好転します。米国は通商利益代表部を設置し(2004年2月)、「イラン・リビア制裁法(ILSA)」からリビアを除外(同4月)、ついで経済制裁を解除しました(同9月)。
さらには、2006年5月にはリビアが「テロ支援国家」リストから削除され、リビアは米国との外交関係を完全に復活したのです。
なお、このあたりの経緯については、「一般財団法人日本エネルギー経済研究所」が作成する『経済産業省・資源エネルギー庁委託 リビアの大量破壊兵器開発計画放棄、国際社会復帰後のエネルギー分野を中心とした経済再建の道筋と課題及びリビアの石油資源への国際石油企業の参入状況と見通しに関する調査』とする資料(※PDF)に詳述されています。
全254ページと少し長い資料ですが、読み応えがあると思います。興味があれば、是非、読んでみてください。
カダフィの末路
つまり、カダフィ大佐は米国が求めるCVIDを実現したことにより、テロ支援国家指定を解除してもらい、米国との国交を回復したのです。これだけを見ると、この「リビア方式」は成功裏に終わったようにもみえます。
しかし、これには続きがあります。2011年1月にエジプトで発生した「エジプト革命」、その前後でチュニジアを民主化させた「ジャスミン革命」など、アラブ諸国で独裁体制を倒す一連の革命が発生しました。これを、俗に「アラブの春」と呼びます。
この余波で、リビアでは2月に発生した反体制デモを発端とし、NATO軍の支援を受けたリビア国民評議会との内戦に発展。その後、カダフィ政権は事実上崩壊ましたが、カダフィ大佐本人は徹底抗戦を続けた末に、同年10月20日に反乱軍との戦闘中に死亡したと伝えられています。
すなわち、米国がブッシュ政権である間は、うまく米国と国交を回復し、修好関係を構築したのですが、結局は民主化運動の波に呑まれて消えて行ったのです。これを北朝鮮の独裁者である金正恩(きん・しょうおん)が見ていないはずなどありません。
北朝鮮はCVIDを受け入れるか?
北朝鮮が核開発を続ける理由
私見ですが、北朝鮮が核開発を続ける理由は、大きく3つあります。
1つ目は、核兵器を保有すれば、そのこと自体が米国に対する交渉カードとして機能する(と金正恩が考えている)ことです。もっといえば、CVIDに応じてしまえば、いったん米国との国交が開けるなどの恩恵を受けたとしても、いずれは独裁体制を破壊されるとの恐れを金正恩が抱いているからでしょう。
2つ目は、核兵器を転売して儲けるというビジネスモデルのためです。イラクやリビアと違い、北朝鮮にはこれといった資源はありません。あるのは鉄道やダムなどの大日本帝国時代の老朽化した産業遺産ですが、これらは無能な歴代北朝鮮指導者により、ほぼ食い潰されてしまっています。
そして3つ目の理由は、中国・ロシアの存在です。イラクやリビアと違って、北朝鮮には中国・ロシアという「後ろ盾」が存在しており、中国・ロシアとの関係を損ねなければ、CVIDに応じる必要はない(と金正恩が考えている)のです。
逆に言えば、北朝鮮に核開発をやめさせるためには、1~3の理由をひとつずつ潰せば良い、ということです。では、それは可能なのでしょうか?
アメリカ版ルーピーが事態を複雑にした
このうち1番目の理由については、潰すことはできません。これは、アラブ諸国に視点を戻してみればわかります。独裁国家のうち、イラクが米国の手で直接葬られ、リビアについては米国や欧州が裏で糸を引く形で、反政府軍により独裁者が除去されました。
これらの国のうち、本当に大量破壊兵器を開発していたのはリビアでしたが、イラクの「大量破壊兵器開発」は米国によりでっち上げられたものであり、2003年のイラク攻撃自体、その正当性をめぐっては未だに論争があります(もっとはっきり私見を言うと、米国によるイラク攻撃は国際法に照らして違法でした)。
ただ、戦後復興は混乱を極めています。イラク、リビアともに、もともとは産油国であり、きちんとした体制が存在し、外国資本の技術協力が得られれば、それなりに豊かに暮らせるはずの国です。しかし、部族・宗派対立などに加え、さまざまなテロ組織が入り込み、とくにイラクについては混迷を極めています。
イラクやシリア、リビア、エジプトなどで混乱が生じた最大の理由は、バラク・オバマ前大統領という、「アメリカ版ルーピー」の存在があります。民主化すれば何でもうまく行くというのは、アメリカの大きな勘違いであり、中東情勢の混乱の原因を作ったアメリカという国は何と罪深いのかと思います。
いずれにせよ、北朝鮮にとっては核兵器を取り上げられれば体制が崩壊するとの懸念を捨てることはできません。
「アメ」を与える方法
一方、2つ目の理由については、米国側に付け入る隙があります。それは、北朝鮮が資源のない、貧乏な国である、という点です。そして、北朝鮮が何らかの行為(例:段階的な核放棄)を行うことと引き換えに、米国(と日本)が経済支援を行うのだとすれば、北朝鮮はこれに応じる、との観測です。
実は、この「アメ」を与える方法は、クリントン政権、ブッシュ政権などが選択したものです。しかし、北朝鮮は「段階的な核放棄」などと言いながらも、実質的には核放棄に応じておらず、国際社会は何度も何度も北朝鮮に騙され、煮え湯を飲まされた格好です。
(※余談ですが、北朝鮮のような小国に米国が騙され続けていることを、私たち日本国民に笑う資格はありません。「慰安婦問題」「歴史問題」などを巡り、わが国は朝鮮半島の南の片割れからも、何度も何度も騙されているからです。)
北朝鮮を中露から引き離す方法
このように考えていけば、1つ目と2つ目の理由を潰すことは、非常に困難であるとわかります。そのように考えていくならば、北朝鮮のCVIDを実現させるためには、3番目の理由を潰す――すなわち、中国とロシアの2ヵ国を巻き込むしか方法はない、ということがわかります。
仮に米国が強制的に北朝鮮から核兵器を除去しようと思っても、米国にはその手段がありません。たとえば、米国を主体とする国連軍などが北朝鮮に攻め込んだところで、中国の了解がなければ、中国が北から北朝鮮に進駐してくる可能性があります。
また、金正恩は多数の影武者を北朝鮮に残して米軍を攪乱し、本人はロシアに逃亡してウラジオストクあたりから北朝鮮国内に向けて「徹底抗戦」を呼び掛けるというシナリオだって考えられます。
結局、米国としては北朝鮮に攻撃を仕掛けるとしても、中国が了承する範囲内で限定空爆を行うくらいしかできません。この場合、数年経過すれば、再び北朝鮮はミサイルを装備し、核開発を続けるに違いありません。
つまり、現状で考えるならば、北朝鮮にCVIDを呑ませる方法はないのです。
北朝鮮だけで考えるのには無理がある
拉致問題は「数少ないが確実な交渉カード」
一方、トランプ氏側も本当に強気一辺倒でいられるのかは、よくわかりません。それは、外交が交渉ごとである以上、相手側も何らかのカードを持つことが考えられるからです。こうしたなか、WSJは日曜日に、北朝鮮が拘束された米国市民の開放をチラつかせていると報じています。
New Hope for Families of Americans Detained in North Korea (米国夏時間2018/04/22(日) 06:37付=日本時間2018/04/22(日) 19:37付 WSJより)
そして、この「拉致問題」は、日本に対しても同様に機能します。
拉致された日本人の正確な人数についてはいまだによくわかっていませんが、北朝鮮当局は拉致問題の解決をチラつかせ、日本に対してもしたたかな外交交渉を続けてきたのです。先日の日米首脳会談でトランプ氏は「すべての日本人拉致被害者を家族のもとに戻す」などと勇ましい発言を行っていましたが、北朝鮮が先手を打って、「拉致被害者を追加で2~3人返して終了」、となってしまえば意味がありません。
北朝鮮の体制崩壊の方法
さらに、「6月までに行われるはずの米朝首脳会談」が、実際には開かれない可能性も十分にあります。
米国は3月末から4月にかけて、ポンペオFBI長官を北朝鮮に送り込みましたが(『【夕刊】安倍総理の圧倒的存在感:日米首脳会談の滑り出しは上々』参照)、これは米朝両国が首脳会談を実現する意欲を示している証拠です。
しかし、先ほど申し上げたとおり、トランプ氏側は安倍総理の強い入れ知恵の結果、CVIDを強硬に主張しており、CVIDの具体的なスケジュールを話し合うのでなければ金正恩と会っても意味がない、とまで言い切っています。
北朝鮮側の最大の目的は、あくまでも先代の金正日(きん・しょうじつ)がやったように、「段階的な核放棄」というウソをついて米国(と日本)を騙し、経済援助をせしめることにあります。「拉致問題の解決」も、北朝鮮が利用するカードの1枚に過ぎないのです。
北朝鮮が本当に警戒している政治家とは?
このように考えていくと、北朝鮮が本当に警戒している政治家とは、実はドナルド・J・トランプ米大統領でも、習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席でもありません。その人物とは、
安倍晋三
です。
考えてみれば、この人物は小泉政権下で官房副長官を務めていたころから、核武装という「朝鮮民族の偉大な野望」を邪魔することばかりしてきました。日本国内においてパチンコ利権を締め上げ、外務省内の北朝鮮との密約を反故にした、まさに「にっくき男」です。
おそらく、「小泉訪朝」は、北朝鮮に利用されたのです。北朝鮮が拉致問題を認めることとひきかえに、5人の拉致被害者を日本に「一時帰国」させることで拉致問題を手打ちにし、その後、日本から巨額の「戦時賠償」という名の経済支援をむしり取るという、北朝鮮の邪悪な野心に、小泉純一郎元首相が乗っかったというのがその正体でしょう。
しかし、「安倍晋三という男」は、この密約を反故にし、5人の拉致被害者を「永住帰国」させ、残りの拉致被害者を返せと言い続け、さらには「北朝鮮の段階的な核廃棄は絶対に認めない」とする「入れ知恵」をトランプ大統領に刷り込んだのです。
北朝鮮が「安倍晋三を何としてでも排除したい」と考えているのは当然のことでしょう。
日本のマスゴミは北朝鮮の味方
ここまで書けば、すべての問題がつながっている、ということがご理解頂けるでしょう。
北朝鮮は、「CVIDには応じない」、「拉致問題は解決済み」、「日本は巨額の戦時賠償を北朝鮮に支払え」という立場で一貫しており、これに対して安倍総理が「CVIDありき」、「拉致問題は未解決」、「北朝鮮には経済封鎖で応じる」という姿勢で一貫しています。
実は、米朝首脳会談とは、形を変えた日朝交渉なのです。
このように考えていくならば、最近の「もりかけセクハラ日報問題」の正体とは、何としてでも安倍政権を引きずりおろし、憲法改正、放送利権打破、北朝鮮封じ込め姿勢をやめさせるための行動です。そして、日本のマス・メディアと野党こそが、まさに北朝鮮・金正恩の味方、すなわち日本国民の敵なのです。
現段階で北朝鮮が素直にCVIDに応じるとは思いませんが、主張し続けることが大事です。世間では文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領と金正恩がどのような会談を行うのかに注目が集まっているようですが、私はむしろ、マス・メディアによる安倍政権攻撃と北朝鮮の動きの密接な関連性にこそ、注目する価値があると思うのです。
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安倍首相の事を特亜三カ国は殺してでも失脚させたいと思っているのは間違い無いと思います。
現代で過去にこれだけ長期政権を維持して不十分ですが改革を行い続け、絶対的な特権を持っていた官僚、マスゴミと正面から戦い続け政権を盤石ならしめている力量は賞賛に値します。
それどころか連中の特権を表面に出さず緩やかに兵糧攻めを行う力量は正に権謀の人です。(筋を通してるだけですがww)
政敵が自滅しているのも一因ですが勝ち札を引ける運の強さも良いですね。どんなに有能でも運が味方しないとダメな時はありますから。
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信有り難うございます。
米朝にとりベストで日本にとってワーストな合意は北朝鮮が香港方式でプエルトリコ型の準州として加盟する事です。
主権を建前で残すリビア方式では無いと思います。
中国に配慮して正規軍は小規模に留める必要が有りますが、この合意は米朝の国益と黒電話将軍の私益全てにメリット有ります(笑)
彼らのメリット書きます。
・50年なり99年なり「体制は変えない」とアメリカがお墨付きする事。
・中国に対して軍事拠点が出来る事。
・北朝鮮復興の名目で日本と韓国から兆円単位のカネを取り立て、「アメリカ企業の為に使える」事。
韓国は日韓基本条約で北朝鮮にカネを支払う義務が有りますからね(笑)
・強国に事大する事で北朝鮮の要求が「親方星条旗」になる事(怖)
・自国の範囲として韓国、日本、沿海州を北朝鮮が要求出来る様になる事。
・朝鮮人を通じて日本を制御するアメリカの戦略に合致する事。
黒電話将軍は自分の命に注意が要りますが今と変わりません。
今の北朝鮮の軍は州兵として残す事が出来るでしょう。
これ等は事大して周りに自分の要求を強要する。朝鮮民族の戦略に最も合致します。
要求される日本はたまったモノではないですが。
以上です。長文失礼しました。
< 毎日の更新、ありがとうございます。
< 米朝会談は日時もはっきりせず、南北会議など幼稚園並みの予行演習をしています。米朝は開催されるか疑問です。北が「CVID」を呑むとはとても思えません。南北で言葉を修飾し、話を逸らし、話を盛り米朝会談に挑むつもり。何らかの譲歩―-例えば国体の保証、経済的援助を引き換えに言ってきても、すべてぶっ潰してからだ、というのがトランプ大統領らの考え。もちろん日本も同じ。ここはひとつ、徹底的に『椅子を蹴る』覚悟で臨んでほしいと思います。なお北の保証は既に韓国に65年に支払い済み。
< 話が前後しますが、前オバマ大統領の執務業績について、「やはり黒人大統領はあの程度しかできない」「彼の限界。何もしなかった。世界を悪くした」という声を日本人ジャーナリスト複数の方から聞きました。黒人ともかくは別として、『ルーピー』『カン ナオト』並みですな。おっと、三人方とも民主党ですか、気が合うことで(笑)。
< 小泉総理の北朝鮮訪問は金正日に仕組まれたとのご意見、うすうす感じてました。でも一時帰国の予定の日本人をそのまま逗留させ、家族が出国できるようにしたのは、若き頃の安倍信三氏です。その時、私は「実際事務方が動いたんだろうが、安倍さん、よく決心された」と快哉を叫んだものです。アレは日本国の逆転勝ちです。でも北が『これで終わり』と鍵を掛けられたのは奴らの悪知恵です。卑怯千万、無垢の人々を拉致して拘束した。亡くなった方も多いだろうが、拉致時に抵抗して殺害された人々もきっといる。推定を含めれば100人じゃとてもきかない。
< 北は今や韓国を包含しています。朝鮮半島全員が敵。その為には、憲法改正がまず第一。今年中に発議できれば良いがと思っています。
< 失礼します。
私はいまだに北朝鮮の核開発を信じていません。最初の核実験は数キロトンの爆発で広島型のウランタイプであることは間違いないようです。しかし、その後のプルトニウム型については疑問があります。プルトニウムは原子炉で生成されますが、数10%程度の純度しかなく、90%以上兵器クラスの純度にするには濃縮する必要があり、数千の遠心分離器を稼働させる必要があり、巨大な電力が必要です。日本はこの濃縮に失敗しています。
更に、プルトニウムを爆発させるには爆縮レンズといわれる速度の遅い火薬と速い火薬を組み合わせて数百万分の一秒のタイミングで爆発させて巨大な高温、高圧を中心にあるプルトニウム一点に集中させ超臨界にし、核爆発させます。この技術は非常に高度で広汎な素材技術が必要で北朝鮮にその産業基盤があるとは思えません。実験に成功したという水爆にしても数十キロトン程度で規模が小さすぎます。本物ならば山なぞ吹っ飛びます。
北朝鮮があるあるといっている核兵器も実は実験用の器材があるぐらいと思います。金正恩が段階的にこだわるのはこうした実態がばれるのを恐れるためだと思います。
今回の記事も大変勉強になりました。読者様コメントもいつもレベルが高く、とても興味深く拝読しております。今後の更新も期待しております。