すでに報じられていますが、平昌(へいしょう)冬季五輪を巡る「南北統一チーム」については、スポーツマンシップに反するものであり、呆れて物も言えません。ただ、それだけではありません。韓国政府の振る舞い自体が国際社会の秩序に対する挑戦であり、同国はいまや国際社会に対する「加害者」だといえるのです。
目次
スポーツを政治利用する卑劣な韓国
平昌五輪の信じられない政治利用
スポーツ関連の記事をチェックしている方なら、すでにお気づきかと思いますが、来月から韓国・平昌(へいしょう)で開催される冬季五輪を巡って、色々と信じられない報道が相次いでいます。
そのなかでもとくに大きなものといえば、女子アイスホッケーを巡り、南北朝鮮が「合同チーム」を結成することとし、これを国際オリンピック委員会(IOC)が追認した「事件」でしょう。
これについては、産経ニュースが批判しているほか、珍しく日本経済新聞が「選手不在の規定ねじまげ」と手厳しく評しています。
北朝鮮選手派遣 ルール曲げたIOC 「南北融和」利用か(2018.1.21 10:36付 産経ニュースより)
選手不在の規定ねじまげ アイスホッケー南北合同チーム(2018/1/20 23:06付 日本経済新聞電子版より)
この「事件」とは、IOCを含めた4者会談で北朝鮮が選手を平昌五輪に派遣することで合意したものであり、なかでもアイスホッケーの女子が合同チーム編成となるために、韓国選手の出場機会が減少することになるのです。
公益財団法人日本アイスホッケー連盟のウェブサイトによると、アイスホッケーのルール上、氷上にいるのは6人ですが、ベンチには合計22人入ることができ、また、選手の交代は試合中、何度でもできます。
大会登録選手は23人ですが、今回、政治的に北朝鮮との「南北統一チーム」結成が決まったことに伴い、北朝鮮から12人の選手が加わり、登録人数が35人に増え、かつ、北朝鮮の選手が最低3人、ベンチに入ることになりました。
これにはおおきく3つの問題があります。
1つ目は、韓国選手に対する不公平です。
当初の報道によれば、ベンチ入りする人数自体を増やしてほしいという韓国側の要望もあったようですが(※これはアイスホッケーのルールをねじまげることになるので、さすがに認められません)、ベンチ入り人数が22人のままで変わらない以上、韓国側の選手は自動的に3人、試合に出場できなくなるのです。
実力で勝ち上がってきた選手たちは、南北朝鮮両国とIOCの政治的な決断の犠牲にされたのであり、これこそスポーツの政治利用との誹りを免れません。
平昌五輪でスポーツマンシップは死んだ
2つ目の問題点は、先ほど引用した日経、産経のニュースにもあったとおり、対戦相手国にとってもルールをねじまげていることになる、という点です。
韓国と同じ、「平昌五輪グループリーグB組」に属しているのはスイス、スウェーデン、日本ですが、次の中央日報の報道によれば、これらの国はエントリー拡大を巡って「公正ではない」と反発してきました。
<平昌五輪>日本・スイス「IOC、南北合同チームに特恵・不公正」(2018年01月22日08時06分付 中央日報日本語版より)
当たり前の話です。
このような措置が認められれば、対戦相手にとっても、相手チームの分析をやり直さねばなりませんし、万が一、北朝鮮に優秀な選手が居た場合には、試合運びが不利になる可能性もあるからです。
そして、3つ目の問題点とは、スポーツのフェアネスを曲げる、という点でしょう。
スポーツの醍醐味とは、「事前に決めたルールに従い、選手が練習し、公正に実力を発揮すること」にあります。スポーツマンシップという言葉がありますが、ルールに従って実力をぶつけ合うからこそ、勝ったチームに賞賛が送られ、負けたチームにも健闘が称えられるのです。
しかし、その土台となるルールを事後的な政治判断によってねじまげることは、まさにスポーツの政治利用です。いわば、スポーツマンシップの死であり、それを殺したのは南北朝鮮政府とIOCです。
その意味で、南北朝鮮両国政府とIOCは、スポーツマンシップをねじまげた存在として、スポーツの世界では語り継がれていくことでしょう。
統一旗と「アリラン」、そうして能天気な韓国政府
さて、IOCは先日、南北朝鮮合同チームについてのプレス・リリースを出しています。
これによれば、アイスホッケー以外にもいくつかの合同チームについて言及がなされていますが、その中でもとくに呆れるのは、「統一旗」と「アリラン」でしょう。
言い換えれば、韓国は「五輪主催国」でありながら自国旗を掲げることも、国家を流すこともできない、ということです。
これについては『【夕刊】「独立国」でなくなった韓国』でも説明しましたが、今や韓国は「国であること」をみずからやめてしまったようなものです。
それにしても、五輪主催国でありながら自国旗を放棄した国とは、前代未聞でしょう。
ただ、韓国政府当局者が何らかの危機感を抱いている形跡はありません。
青瓦台「北の平昌参加で五輪成功を確信」(2018年01月22日09時29分付 中央日報日本語版より)
中央日報日本語版によると、韓国大統領府は尹永燦(いん・えいさん)国民疎通首席秘書官の名義で「平昌五輪関連の立場声明文」なるものを発表。その中で、
「北の参加で平昌五輪が南北の和解を越え、韓半島(朝鮮半島)の緊張緩和と平和構築のきっかけを提供できることになった」
としているのですが、韓国大統領府が本当にそのような認識を持っているのだとしたら、能天気としか言い様がありません。
また、韓国大統領府はグーグル検索の結果、
- PyeongChang
- gPyeongChang Olympic(※Pのまえのgについては原文ママ)
- Korea Olympic
などの検索語が急上昇していると説明したそうですが、それは「五輪の政治利用」を世界の人々が懸念しているからではないでしょうか?
韓国は国際社会への「加害者」だ!
では、アイスホッケーを含めた平昌五輪関連報道について、韓国の世論はこれをどう見ているのでしょうか?
激怒する韓国選手も 北朝鮮と平昌五輪統一チーム結成に韓国世論は猛反発(2018年1月18日(木)09時07分付 Newsweek日本版より)
ニューズウィークなどの報道を読む限り、韓国側ではさすがに政府の決定を批判する意見が溢れているようです。
また、アイスホッケーチームにかんして言えば、明らかに韓国人の選手が犠牲者であり、同情の余地はあります。
しかし、それと同時に韓国国民が勘違いしてはならない点が、1つあります。
それは、韓国はれっきとした民主主義国家であり、このような決定を下した文在寅(ぶん・ざいいん)政権を選んだのは、韓国国民自身だ、という点です。
そして、韓国がふらふら、ふらふらして、北朝鮮の核開発を容認するだけでなく、南北統一チーム結成で北朝鮮に便宜を与え、時間稼ぎを許してしまったことは間違いありません。
その意味で、私はもはや韓国が国際社会に対する、れっきとした「加害者」だと考えるべきだと思います。
今からでも遅くありません。
日本、スイス、スウェーデンをはじめとする有志国家は勇気を持って、平昌五輪への不参加を表明すべきではないでしょうか?
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#平昌不参加
でつぶやこう!今からでもヒラマサ不参加を日本政府は決定すべきだ!
< 夕刊発信ありがとうございます。
< それにしても、4者会談とかで、IOCのバッハ会長は世界の空気がまるで読めない。してはいけない決着をしました。3流国の韓国がよりによって冬季五輪の切符を握った。コレは日本にどうしても負けたくない韓国が、資金のアテもないのに、見栄だけでロビー活動して奪い取ったものです。日本は冬季2回、夏季2回(2020含む)。冬季どうしても欲しかったんでしょうね。何もなければ話題にもあがらず国内で盛り上がりもない、マイナー大会で終わったのに、北朝鮮が悪だくみして韓国はものの見事に策略に嵌りましたね。
< 北朝鮮は核開発ICBM弾頭小型化を進め、しかし金ヅルを次々塞がれ困窮しています。時間も稼ぎたい。そこに韓国文大統領は、北が参加してもいいと囁かれて、有頂天になりました(阿呆丸出し)。早速南北合同出場に決まりましたが、22人の選手に応援団や管弦楽団やら舞踊団、政府関係者とは名ばかりの秘密警察や諜報員で計500人。多過ぎやろ。
< ここまでやるともう平壌五輪ですね。アイスホッケーBグループの日本、スイス、スウェーデンは不参加で抗議をしてもいい。選手の選び方が異常だ。統一朝鮮は五輪の意義を冒瀆した。IOCも無関心過ぎるし統一チーム認めては駄目でしょう。
< 五輪など経済的余裕のあるG7で持ち回るか、夏季大会は金欠のギリシャ、冬季大会はスイスで固定にしてはどうでしょうか。負担金はメダルの多い順に出すと。大きなスタジアム、室内プール、室内スケートリンクを世界中に作っても五輪終わったら維持費が大変、たいがいメンテナンスの予算も無く、ボロボロになってます。現にリオのメーンスタジアムも荒れるに任せてます。たった2年前ですよ。とにかく統一朝鮮の国威発揚には利用されたくないです。平昌は日、米、豪、英らで一発逆転不参加にして欲しいです。
< 失礼しました。
夕刊拝読させていただきました。産経記事もチェックしましたが、平昌五輪は最早「南北冬季体育大会」と揶揄される始末。文政権は客観的に見ても国家解体に向けて着実に歩みを進めています。しかしながら、韓国国民の支持率は7割超。私には理解が及びません。失業率の高止まり、将来に希望が見えないという事が、率先して共産圏に飛び込む理由になるのでしょうか。いずれにしても、我が国は自国の国防や国益を最優先すべきですね。いち国民としても現政権の意思が速やかに政策に反映する事を願っていますが、本日から始まった通常国会では、早くも野党が足を引っ張っている様子。大変嘆かわしい。