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【夕刊】「独立国」でなくなった韓国(追記あり)

年が明けてから、私たちの隣国が現在進行形で崩壊しています。隣国であるとはいえ、しょせんは他国のことですから、私たちがそうした崩壊を止めてあげることはできませんし、そのような義務もありません。ただ、それと同時に韓国は地理的に近いため、この国が迷走した場合にわが国にどのような影響があるのか、私たちは関心を払う必要があります。(※末尾に、13:30付の追記を掲載しております。)

独立国であることを放棄した韓国

韓国は中華属国化しつつあるのか?

韓国が「独立国」とはいえなくなっている―。

そう感じざるを得ない報道が相次いでいます。

【コラム】中国警護員の韓国記者暴行…暴力を「淡々」と受け止めろとは(2018年01月19日08時36分付 中央日報日本語版より)

先月、文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領が中国を訪問しましたが、その際、中国側の警備員から韓国側の写真記者が暴行を受けたという事件が発生しました。

中央日報によると、この事件について文在寅氏は被害を受けた記者に対し、

記者も淡々と考えればよいのではないかと思う。あまりにも敏感になる必要はないのでは

と述べたと報じています。

もちろん、正確な発言、前後の文脈がわからないので、これだけを切り出して論評するのが妥当かどうかという論点はあります。

しかし、韓国大統領府が中国当局に対し、自国のメディア関係者が暴行の被害を受けたという点について、私が知る限りはろくに抗議もしていませんし、真相究明を求めているという話も聞きません。

こうした韓国大統領府の行動に照らすなら、文在寅氏の発言は中央日報が報じたとおり、「暴力を淡々と受け止めよ」、「(あまりにも敏感になるのではなく)泣き寝入りしろ」と言っているのと同じことです。

私は昨年、『韓国は7割の確率で中華属国化する』という記事の中で、朝鮮半島を巡る将来に照らすなら、韓国が何らかの形で中国の勢力圏に入る確率は7割程度であろうと考えています。そして、中国が米韓同盟を「骨抜き」にし、韓国を「日米韓3ヵ国連携」の輪から切り離そうと画策していることは間違いありません。

昨年、「国賓」として訪中したはずの文在寅氏を、中国は徹底的に冷遇しました。

これについて私は、中国が「主人の言うことを聞くように、飼い犬を徹底的に叩いて躾ける」かのように韓国を躾けているようにしか見えません。

文在寅氏の発言を読む限り、「同氏は訪中後に中国の怖さを知り、中国を恐れて自国民も守れなくなっているのだ」、と言われても、私には全く違和感がありません。

平昌五輪で赤化統一?

ただ、韓国が中華属国化に一直線に向かっていると考えるのも、正しくはありません。

今年1月9日に行われた南北高官級協議以降、韓国が猛烈に、北朝鮮に擦り寄っているからです。

こうした中、すでに報じられている話題が1つあります。それは、「南北統一旗」の問題です。

韓国首相「われわれが太極旗持てば北朝鮮が北朝鮮国旗持つだろう」(2018年01月17日11時40分付 中央日報日本語版より)

中央日報によると、李洛淵(り・らくえん)韓国首相は16日、「新年記者団昼食懇談会」の場で、平昌(へいしょう)冬季五輪の選手団入場の際、韓国は国旗を掲げずに「統一旗」を掲げて入場する方針を説明したのだそうです。

李洛淵氏は記者団に対し、「そうした形で南北合同入場を7回した(ことがある)」と前例を述べたとしています。

つまり、主催国でありながら自国旗を掲げず、「南北統一旗」という、まことに意味不明の旗を掲げるのです。

「主催国が自国旗を掲げない五輪」!私が知る限り、そのような五輪開会式を存じ上げません。

国歌、国旗はその国を象徴するものです。それを一切、放棄するということは、国が国であることを辞めたということと同じではないでしょうか?

平昌五輪で北朝鮮に極度に配慮する韓国を見ていると、「北朝鮮が主導する統一国家」という、わが国にとっても「悪夢」のシナリオの実現可能性も、決して無視できないのです。

(※余談ですが、中央日報の記事によると、アイスホッケーで南北合同チームを構成する方針であることについて、李洛淵氏は「アイスホッケーは選手たちが競技時間全体に出場するのではなく1~2分ずつ交代する。北朝鮮選手が韓国選手のクォータを奪うのではなく選手団規模が大きくなることで協議中」と述べたのだそうです。この下りは何度読み返しても理解できません。北朝鮮選手が出場すれば韓国選手が出場する時間が奪われることは間違いないからです。李洛淵氏の発言、完全に意味不明です。)

韓国はどこに行くのか?

つまり、韓国は現在、中国に対しては何も言えず、北朝鮮に対しては全面的に譲歩し、配慮しようとしているのです。韓国が10年後も米国の同盟国の地位に留まっている可能性は、極めて低いでしょう。

この点、『平昌の欺瞞:赤化統一に一歩近づいた韓国』でも触れたとおり、今年1月9日以降、韓国は北朝鮮に赤化統一されてしまう可能性が、25%程度に上昇したのではないかと私は考えています。つまり、

  • 中国の属国になる確率…70%
  • 北朝鮮に赤化統一されてしまう確率…25%
  • それ以外の確立…5%

ということです。

ただ、米韓同盟が消滅する(あるいは死文化する)のは避けられないにしても、韓国が中国の属国になるのか、北朝鮮の属国になるのかによって、わが国としても対応を変えなければなりません。

とくに、日本にとっての脅威とは、韓国の経済力に北朝鮮の核武装が加わることです。要するに「核武装した経済大国」の出現です。

この場合、統一朝鮮の核は、間違いなく日本に向けられるでしょう。

誰からも信頼されない文在寅

ところで、昨年5月に大統領に就任した文在寅氏の言動を見ていると、どうもこの人物、政治的にも外交的にも「素人丸出し」で、どの国からも信頼されていないのではないかと思わざるを得ません。

時事評論:「ツートラック外交」の愚』で申し上げた内容の繰り返しですが、とくに今年に入ってからの文在寅氏の動きは危険です。

たとえば、同氏が提唱する「ツートラック外交」とは、簡単に言えば、

韓国は外国に要求するが、外国からの要求は聞かない

ということです。ということは、「韓国と外交交渉をしようとしても、100%、韓国にとって有利なことでなければ飲んでくれない」という宣言をしているのと同じことです。

それだけではありません。

昨年12月の「慰安婦合意検証タスクフォース」では、2015年12月時点の日本との「慰安婦合意」を巡る交渉過程を勝手に公表してしまいました。

当たり前の話ですが、外交とは、片方の国が100%勝ち、片方の国が100%負けるということは、ありえません。そして、舞台裏まで含めて、すべての情報を開示されてしまえば、そんな国とは怖くて外交交渉などできません。

そんな文在寅氏が、どこかの国から信頼されるとは考えられません。

韓国は現在、中国、日本、米国という、3つの周辺大国すべてを怒らせていて、しかも遠く離れたアラブ首長国連邦(UAE)との間でも、原発輸出案件などを巡り、深刻なトラブルを抱えていると報じられています。

では、なぜ北朝鮮は、そんな状態の韓国と交渉に応じたのでしょうか?

その理由は簡単。北朝鮮も追い込まれているからです。

韓国が主催する平昌冬季五輪をうまく利用すれば、その期間、攻撃を受ける可能性が減るため、核開発のための時間を稼ぐことができるというメリットがあります。さらに、あわよくば韓国社会を赤化統一するチャンスでもあります。

日本語で「貧すれば鈍する」という表現がありますが、ここ数日の併称五輪を巡る混乱は、南北揃って危機に陥っている朝鮮半島の国家のあがきであると考えれば、非常にうまく説明が付くのではないでしょうか?

追記(2018/01/19 13:30)

動画サイトYouTubeに、一風変わった動画を発見しました。

朝鮮半島の再統一は朝鮮国自身により成し遂げられる(The reunification is By Korean Nation Itself)』と題した動画です。

アップロードされたのは1月15日時点であり、現時点での再生回数は7000回少々です。ただし、「低評価」が57件と、「高評価」(25件)の倍以上に達しているという事情もあり、いつまでも視聴可能であるという保証はありませんのでご注意ください。

この動画の中には、韓国国旗ままったく出てこず、出てくるのは北朝鮮国旗と「統一旗」だけです。

平昌五輪が北朝鮮のプロパガンダ大会に成り果てた感があるという意味で、非常に象徴的な動画であるといえるでしょう。

新宿会計士:

View Comments (6)

  • < 夕刊の更新ありがとうございます。
    < まず最初に、追加された動画サイトYouTubeは、北朝鮮の煽りプロモーションですか?出てくるのは泣いたり喚いたり、踊ったり(日本はああいう場面で踊らないな)、やかましい民族だな。映像は北朝鮮国旗と統一旗と言われるものだけ映っている。韓国ではこれを見て、泣き、共感を覚える人がいるんでしょう。
    < カメラマンのケガは文大統領によると「記者も淡々と考えればよいのではないかと思う。あまりにも敏感になる必要はない」とは、なんという言いぐさか。韓国カメラマンの事だから、多少雑な行動を取ったかもしれないが、殴られ蹴られて怪我してるのに(それも大統領の取材で)、中国に抗議もしない。記者、会社は泣き寝入りですか。あのヤリかたは、相手を人間と思ってないようだ。ホントに朝鮮人を獣扱いしている(別にいいんですけどね)。
    < 中国に行っても文大統領は惨めな扱い受けて、得るものもなく、無能をさらけ出しました。しかし、北朝鮮との接近が日本人にはより強い恐怖を与えます。平昌五輪をダシにした韓国吸収。それをまた喜ぶ、待っている、望む韓国人も多い。もし、そうなれば統一朝鮮の「マト」は日本に絞られます。南北の愚民のガス抜きをすべて日本という、たった35年間で、国の基礎を作り食料の作り方も教育も衛生も経済も工場も道、鉄道、水道、インフラすべて与えた国を敵として向かって来ます。
    < 韓国はその時、間違いなく「ウリも核保持国ニダ」と言って日本にさまざまな言いがかりをつけるでしょう。多分、その時に慰安婦合意追加措置も嫌がらせの切り札で使ってくる。徴用工も。ありそうで怖いです。狂人総書記と傀儡大統領だから、日本はあらゆる点で防御を固めないといけません。
    < 何度も言いますが、南北交渉(和解)が進むなら、日本も銃火ではなく対抗措置を繰り出す時です。①外務省による韓国の安全情報3へ引き上げと不要不急の訪韓禁止②在韓邦人の撤退プログラム作成と通達、帰国促進③韓国人へのビザ免除プログラムの短縮(7日間)ーー平昌パラ終了までにせめてここまでは実行するべきです。
    < 失礼しました。

    • 北の核で日本に脅迫か……南朝鮮人ならいいかねないので頭が痛いですね……

      経済や金融、それ以外での内政も失敗続きですから困窮すればするほど日本に癇癪起こすのが目に見えるんでウンザリします。
      癇癪激しい奴には逆に脅迫して脅しますか

  • いつも楽しみに拝読しております。昨日、桜井よしこ先生の講和に行って参りました。文在寅大統領の評価に関して、会計士様と同じ見解を示されておられました。中華属国となるにせよ、北朝鮮に吸収されるにせよ、我が国の防衛ラインが急激に南下する事は不可避です。来年は今生陛下の御譲位も控えておりますので、何としてでも改憲を今年中に達成しなくてはいけないと改めて感じた次第です。

  • ようつべの動画見たよなんか北朝鮮っつうか最後の部分日本共産党みたいww共通フォーマットでもあるのかな?正直キモイ。

  • 政権ベッタリ中央日報記事によれば、「世界最高水準の潜水艦」を作った、のだそうです。

    http://japanese.joins.com/article/704/237704.html?servcode=200&sectcode=200&cloc=jp|main|top_news

    で…
    「同艦は日帝強占期だった1920年、独立軍が旧日本軍に大勝した鳳梧洞(ポンオドン)・青山里(チョサンリ)戦闘の主役、洪範図将軍の名を冠している。海軍は国難の克服に寄与したり抗日独立運動を行ったりした偉人の名前を潜水艦名(に?)している。」
    らしい…(「鳳梧洞」「青山里」は、面白いのでWIKIでも見てください)

    どうしても「日韓戦勝利」を捏造云々、史々策労、弄しても史実化したい、という「夢見る世界史」から目覚めない愉快な国民性、かな。

    冷めて、平昌(※我が家ではヒラマサという、美味しそうな名前で呼んでます)五輪は「統一旗」などと、わけの分からないハタで両国選手団が入場する、のだそうです。

    開催国が自国の旗(国旗)以外で入場するオリンピックを、私は見たことがありません。国旗は「国の印」です。国威発揚、などと古い話をしませんが、少なくとも五輪開催とは「国の威信」を海外に示す重要な機会、ではあるはずです。

    会計士様ご指摘のように、韓国はもはや独立国との威勢を投げ捨て、北との同化、あげくは中国属国化への道程を選択したようです。

  • お疲れ様です。
    各国の皆さま、自分ファーストが過ぎて大変立派な事と思います。では日本でも安倍首相以下閣僚全員で靖国神社参拝のうえ平昌五輪開会式出席を表明してはどうでしょうか?(入国拒否・身の安全が保障されない可能性大ではありますが)またトランプ大酋長・習中華皇帝・プーチンロシア皇帝・金将軍様に平和会談を五輪期間中に開催提案するのはどうでしょうか(出欠席は別として)後戻りできないくらいの大混乱の中で話し合いをする方が事は進むかもしれません。えっ?パシリはどうするかって、事後報告でいいんじゃない。・・・場合の寄っては日本が尻まくっても。  すいません、妄想でした。