本日の「時事ネタ」です。本日上梓した『FT「韓国が為替介入」記事とトランプ通商戦争』を読み返し、若干、経済学のマニアックな知識に関する部分が難しかったので、「外貨準備と為替介入の関係」について、もう少しわかりやすく解説した原稿を、現在、執筆中です。早ければ2日後にでも当ウェブサイトに掲載したいと考えていますが、本日は執筆中の原稿『わかりやすい為替介入(仮)』から、一部、先走りしてこの下りを紹介しておきたいと思います。
「経済新聞」が経済を理解しない国
以前から私は、韓国の経済関係者が、「金融政策」と「為替介入」の違いを理解していないのではないかとする仮説を提示しています(詳しくは『量的緩和と為替介入をごっちゃにする韓国会計士協会長』や『あれほど「為替介入と量的緩和は違う」と…』などもご参照ください)。
こうした中、「中央日報日本語版」に掲載された、こんな記事を見つけました(※記事というよりも「怪文書」と言った方が正確かもしれませんが…)。
韓経:【社説】日本ではなく韓国が為替操作国と主張した英紙FT(2017年02月15日10時40分付 中央日報日本語版より)
リンク先の記事は「韓国経済新聞」が掲載したものですが、この記事には、
「何よりも日本はマイナス金利や量的緩和などを施行し、日本円の価値を意図的に切り下げてきた。日本銀行は内需刺激のために金融緩和政策を繰り広げたものというが、日本円の切り下げを密かに支持してきたという事実は誰もが知っていることだ。このFT紙の報道は、行き過ぎた日本肩持ちだ。」
という下りが出てきます。
日本銀行が行っている「量的質的異次元緩和」(QQE)や「日銀当預の政策残高に対するマイナス金利政策」は、いずれも「デフレ脱却」に主眼を置いているものであり、日本銀行が外為市場で直接、円を売ってドルを買っている訳ではありません。やはり、こうした記事を見る限りは、「韓国経済新聞」の記者が、経済の「イロハのイ」を知らないで記事を執筆しているのではないかとする疑いを払拭することはできません。
自分たちの国(=韓国)が為替介入を日常的に行っているからといって、「日本も同じに違いない」と考えるのは「浅はか」であるとしかいえません。
明日の予告
明日(といっても数時間後ですが)のコンテンツでは、「インターネットと既存メディア」について取り上げたいと思います。最近、政治家がSNSなどを多用することに対し、既存メディア側から強い批判が上がっています。ただ、これは今まで特権階級だった既存メディア側が、特権を失いつつあることに対する危機意識の顕れと見ることもできるかもしれません。こうした中、明日は、最近相次いで発生している「インターネットと既存メディア」の対立が深まっていると感じざるを得ない「事件」を、いくつか紹介したいと思います。どうかご期待ください。
View Comments (2)
確かに韓国の新聞で量的緩和を説明した記事を見たことがありませんね〜^_^
まさか、主さんの仰る通り、ば韓国人の記者は為替介入を量的緩和だと勘違いしてるとか・・・!?
通りすがり 様
コメントありがとうございます。
引き続きご愛読賜りますと幸いです。