安倍総理、真珠湾訪問について

異例ですが、本日は「安倍晋三総理大臣の真珠湾訪問」に関して、2本目のエントリーを掲載します。

本論の前に:メール御礼

本論に入る前に、私にメールを下さった方に、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。ただ、メールをいただいて気付いたのですが、このウェブサイトの「コメント機能」が無効になってしまっていました。

そこで、本日から「コメント欄」を開放し、試験的に運用していきたいと思います。どうか忌憚なきご意見を下さると幸いです。当面、「コメント欄」は管理人である私の「承認制」とさせていただきますが(※スパム・コメントを防ぐため)、基本的には当ウェブサイトの記事の内容に即していれば、賛同コメントでなく、反論コメントであっても大歓迎です。

安倍総理、パールハーバーを訪問へ

それでは本日2本目の「本論」です。

安倍晋三総理大臣が今月、真珠湾を訪問されるそうです。これについては国内メディアだけでなく、外国のメディアも報道しているらしく、フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版も月曜日(※日本時間火曜日)にこれを報道しています。

Shinzo Abe to visit Pearl Harbor in symbol of reconciliation(英国時間2016/12/05(月) 15:39付=日本時間2016/12/06(火) 00:39=付 FTオンラインより)

FTは

The visit will make Mr Abe the first sitting Japanese prime minister to visit Pearl Harbor since his country’s surprise attack on the Hawaiian port began the Pacific war 75 years ago.

(仮訳)75年前に太平洋戦争が発生する原因となったハワイの港湾に対する日本のる奇襲後、今回の安倍氏の真珠湾訪問は現職の日本の首相としては初のものだ。

と報道しています。記事を執筆したのは東京在勤のRobin Harding記者なので、文章が極めて読み辛い点はご愛嬌でしょうか?

それはともかく、安倍総理が日本の現職総理として初の真珠湾訪問に踏み切ることについては、どう考えればよいでしょうか?順序は逆転しますが、日本の国内の報道をいくつか眺めてみて、強い違和感があります。それは、多くのメディアが「『不戦の誓い』を世界に広めに行く」などと報じているからです。

安倍首相、真珠湾訪問へ=歴代初「未来に不戦の決意」-26日から、オバマ氏と慰霊(2016/12/05-23:30付 時事通信より)
首相、真珠湾へ 「不戦の誓い」を世界に(2016年12月6日付 東京新聞社説より)

特に酷いのは「東京新聞」の社説でしょう。東京新聞は社説の末尾で、

「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇、武力の行使を、国際紛争を解決する手段としては、永久に放棄する、という憲法九条の決意を、堂々と語るべきだ。

首相のハワイ訪問では日米首脳会談も予定される。首相には、トランプ次期米政権発足前に、日米「同盟」の重要性を再確認する場にしたい意向もあるようだが、日米両国が軍事的関係にとどまらず、国際社会が抱える幅広い問題の解決に、協力して取り組む姿勢を確認する場にもしてほしい。」

と述べていますが、これが本当に「プロの文章」なのでしょうか?

安倍総理の真珠湾訪問の「真の狙い」とは?

東京新聞によると、安倍総理がハワイ訪問に際し、「国権の発動たる戦争の放棄を堂々と述べるべきだ」などと述べていますが、今回の訪問はそんなことを目的にしているはずなどないことは間違いありません。

ただ、それと同時に、安倍総理がこのタイミングで唐突に真珠湾を訪問するのは不自然です。バラク・オバマ米大統領は今年5月、G7首脳会合後に、現職大統領として史上初めて広島を訪問。今回の安倍総理の訪問は、オバマ氏の広島訪問に対する「返礼」のようにも見えます。しかし、そうだとしたらなおさら、以前からそのような話が出ているべきでしょう。

さらに、安倍総理の訪問予定日は、「真珠湾爆撃の記念日」ではなく12月下旬だそうです。そんな中途半端な日付に訪問するのなら、いっそのこと、トランプ氏が大統領に就任する来年1月以降に訪問した方が「日米関係の『強化』を図る」ことに寄与するのではないか、とも思ってしまいます。

APEC埋め合わせ論?

それでは、安倍総理の真珠湾訪問の「真の狙い」とは、一体どこにあるのでしょうか?

仮説は二つあります。

一つ目の仮説は、「APECの埋め合わせ」論です。11月のAPEC首脳会談では安倍総理とオバマ大統領との会談は実現しませんでした。つまり、安倍総理がこれに対する「埋め合わせ」として、オバマ氏と会う、という可能性です。

ただ、「APECの埋め合わせ」だけで、歴代総理が訪問しなかった真珠湾への訪問をし、「平和への誓い」を唱えたりするでしょうか?あまり説得力のある仮説ではありません。

「オバマ花道論」

そこで私が考える、もう一つの仮説とは、「オバマ花道論」です。

オバマ大統領は来年1月初旬に退任します。その退任するオバマ大統領にとっては、おそらく、安倍総理が「首脳会談を行う最後の外国首脳」となるのではないでしょうか?

つまり、「かつて『米国の仇敵』だった日本の総理大臣が、奇襲を行った真珠湾を訪問して慰霊し、日米の完全な和解を演出する」ことで、「退任するオバマ氏の花道を飾る」、ということです。いわば、オバマ氏は「日米の戦後を完全に終わらせた大統領」という名誉を得て退任していく格好です。

これを日本側から言い換えれば、安倍総理が一種の「切り札」を切ったともいえます。これはどういうことでしょうか?

安倍総理の真の狙いは「世界の日本」!

今年11月のAPEC首脳会談に先立ち、安倍晋三総理大臣は、次期米国大統領に選出されたドナルド・トランプ氏を訪問し、会談を行いました。これは、事実上トランプ「大統領」にとって、初の首脳会談です。

そして、オバマ氏が退任する直前のギリギリのタイミングである12月26~27日を狙ってオバマ氏と「最後の首脳会談」を行うのだとすれば、非常に有意義です。仮に安倍総理がオバマ氏にとって、最後の「首脳会談相手」だったと仮定すると、安倍総理は

  • 首脳会談を行った最初の相手(トランプ政権にとって)
  • 首脳会談を行った最後の相手(オバマ政権にとって)

を同時に達成するということであり、日本が対米関係をより強化するだけでなく、世界中に存在感を示す絶好のチャンスでもあるのです。

中韓両国はますます窮地に!?

もうひとつ、日本国の現職の総理大臣が真珠湾を訪問することには、もう一つ、副次的な効果があります。それは、ことあるごとに「歴史」を持ち出して日本を牽制する中韓両国の異例さが浮き彫りになる、ということです。

中国のインターネットでは、早速、「なぜ安倍(総理)は南京を訪問しないのか?」といった意見が出ているようですが、言い換えれば、日本が完全に「米国との歴史の和解」を演出する一方で、中国が突きつけてくるでたらめな歴史を相手にしない、という意思を間接的に示しているようなものです。

そして、韓国にとってはさらに状況は深刻です。

ただでさえ朴槿恵(ぼく・きんけい)政権は現在、「崔順実(さい・じゅんじつ)事件」の余波で、完全に機能を停止している状況にあります。日米両国が(表面上は)「過去の歴史」で完全な和解を達成する中で、韓国は未だに過去にこだわっている状況にあります。

穏健派だったオバマ政権はまだ比較的、韓国の「過去の歴史」にある程度理解を示してきました。しかし、次期政権を率いるトランプ大統領は冷徹な「リアリスト」であると見るべきであり、韓国の「日本に対する歴史の蒸し返し」を許さないでしょう。

いずれにせよ、この問題を巡っては、私も緊密にウォッチを続けていきたいと思います。

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