交通違反の取締まりは監視カメラなどで自動化しては?
Xでバス停付近に自動車が駐停車するという行為が投稿され、ちょっとした話題となっているようです。ただ、道路交通法違反という意味では、考えてみたらほかにもいくつもの事例があります。道路交通法も時代にそぐわなくなった条項を改廃し、たとえば監視カメラ映像などを活用し、もっと積極的に違反を摘発すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
目次
Xで話題…バス停付近の駐停車問題
最近、Xでちょっとした話題となっているのが、「#長野駅東口駐停車問題」というハッシュタグです。
これは、長電バス株式会社公式アカウントが投稿しているもので、長野駅東口のバス停付近に一般車両が停車し、バスの安全な停車や進行等の妨げになっている、というものです。
#長野駅東口駐停車問題
ここでは、このようにバス停🚏に駐停車される風景が日常茶飯事😕
バス🚍は車道にはみ出して停車せざるを得ず、駐車車両🚘はバックしての脱出もできず、右車線の車も通りづらく、更に混雑の原因になってしまいました😧
皆様のご協力をお願いします🙇 pic.twitter.com/IWYY3KkmcS— 長電バス株式会社【公式】 (@nagaden_bus) March 10, 2025
この手の画像を見ていつも思うのですが、はたして、警察はいったいなにをやっているのでしょうか?
そもそも道路交通法上、バス停から10メートル以内の駐停車は禁止されていますが(道路交通法第44条第1項第5号)、これは道路の安全を確保するうえで当然の行為でもあります。このような行為、発見次第即座に摘発し、反則切符をきることができるよう、法令を改正することはできないでしょうか?
あるいは、民間バスや公営バスなどの監視カメラ映像の記録をもとに、後日、ナンバープレートから自動車の所有者を特定し、交通違反として摘発できるようにすべき時期ではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
道路交通上の安全
さて、当ウェブサイトでもしばしば議論してきた、私たち一般人の生活において極めて大事な論点があるとすれば、それは、道路交通の安全です。
私たちは歩行者となることもあれば、自転車や自動車の運転者となったり、バスや鉄道の乗客となったりすることもありますが、ただ、どの立場であっても「安全に」移動できることが大事です。
ただ、とりわけ自動車や原付などは、運転適性がない人間が運転することを規制しなければなりません。簡単に速度を出せることから、運転適性がない者が下手に操作すると、人の生死にも関わる重篤な事故を発生させるおそれがあるからです。
このため、我が国を含め、通常の国では運転免許制度を設けていることが一般的であり、また、交通違反に際しては反則点を加算し、点数次第では免許を停止したり、取消したりする措置が講じられます。
このようにして、危険な運転者を道路から排除するとともに、交通取締当局は絶えずマナー啓発などを行い、道路の安全を維持しようとしているのです。
ただ、警察も人の手が足りていないのか、とくに都内などでは、シャレにならないレベルの交通違反が放置されているのをよく見かけます。
著者自身が気づいている事例を思いつくままに列挙してく行くと、こんな具合です。
違法なモペッドによる公道走行、信号無視、一方通行逆走
最近、都内でよく見かけるのが、俗にいう「モペッド」―――フル電動自転車―――です。
これは多くの場合、車輪が通常の自転車と比べて太く、また、通常の自転車(電動アシスト付自転車を含む)と比べて飛躍的に速度が出せる、という特徴があります。実際、運転者がしばしば足でペダルをこいでいないのに、モーター音を立てて時速20~40㎞程度で走行しているのを見かけることもあります。
これ、じつは道路交通法上は「軽車両(自転車)」ではありません。
法的にはあくまでも「原動機付自転車」に位置付けられており、公道を走るためにはナンバープレートを設置し、ヘルメットを装着するなどの義務がありますが、著者自身が見たところ、多くのモペッドはナンバープレートを付けておらず、また、運転者はヘルメットを装着していない事例も散見されます。
著者自身は警察官ではないため、運転しているモペッドを強制的に止めて運転免許証の有無をチェックする、といったことはできませんが、想像するに、無免許運転者も相当にいるのではないでしょうか。
とくに車道で右折禁止箇所を右折したり、一方通行を逆走したり、歩行者の合間を縫うようにして歩道を高速走行したりしているのを見かけます(ちなみにモペッドは法的に「自転車」ではなく「原動機付自転車」ですので、「自転車を除く一方通行」の標識があっても、一方通行逆走は禁止されています)。
一時停車しない自動車
同様に、道路を歩行していると気づくのが、自動車のマナーの悪さです。
信号のない横断歩道では、横断歩道を渡ろうとしている歩行者または自転車がいるときには、横断歩道等の直前で一時停止し、その歩行者や自転車の通行を妨げないようにすることが義務付けられています(道路交通法第38条第1項)。
しかし、著者自身の居住している地域の近隣にある、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、デイケアサービス施設、スーパーマーケット、公園などが集まっている住宅街に設置された横断歩道では、歩行者が渡ろうとしているのに、自動車が40~50㎞程度でビュンビュン飛ばしたりしています。
(※ちなみにその道路の制限速度は30㎞です。)
なかには高齢の方が横断歩道をゆっくりと渡り始めているのに、けたたましいクラクションを鳴らしながら交差点に強引に突っ込んでくる馬鹿者もいます(※ただし、著者自身はチキンなので、その場で運転者に抗議できるほどの勇気がなく、ナンバープレートを覚えておいて警察に通報するくらいしかできませんが…)。
近所の保育園児たちがおさんぽで保育士さんと一緒に交差点を渡ろうとしていたときに、見かねた地元の人が手を挙げて自動車を停め、保育園児らに横断歩道を渡らせているのを目撃したこともあります。
警察はいったい何をやっているのでしょうか。
信号無視する自動車
さらに気になるのが、自動車の信号無視です。
同じく著者が暮らす街には、片道2車線の幹線道路と歩車共用の狭い生活道路が交差する場所があり、同時に信号が設置されています。
この道路、狭いですが、先ほどのスーパー、保育所、各種学校、デイケアセンターなどが集積する地域に行くためには絶対に通らなければならない道でもあります。ちなみに車両は一方通行ですが、ここに一方通行を無視したモペッドが侵入してくることもあります。
(※余談ですが、大都会だと地権者も多いためか、この手の「狭いのに通行量が非常に多い生活道路」も多く、こうした道も車両通行禁止にするなど、それなりの改善が必要ではないかと思えてなりません。)
ただ、問題はそれだけではありません。
幹線道路が生活道路と交差しているがために、幹線道路側の信号が赤になり、生活道路側の信号が青に変わったとたん、歩行者や自転車が我先に道路を横断し始めるのですが、まれにけたたましいクラクションを鳴らしながら交差点に進入して来る自動車がいるのです。幹線道路側が赤信号なのに、です。
これ、れっきとした信号無視です。
道路交通法施行令第2条第1項の規定によると、黄色信号の段階で、車両は止まらなければなりません。
道路交通法施行令第2条第1項抜粋(「黄色の灯火」の項目)
一 歩行者等は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者等は、速やかに、その横断を終わるか、又は横断をやめて引き返さなければならないこと。
二 車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置を越えて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。
つまり、信号が黄色に切り替わったタイミングで安全に止まれないときのみ交差点に進入できるのであり、幹線道路側が赤信号に変わり、横断歩道側が青信号になったタイミングで交差点を突っ切るのは、あきらかな信号無視です。
電動キックボード・ほか
ほかにも、無免許で乗れる電動キックボード、スポーツ型自転車、電動アシスト付自転車など、世の中にはさまざまなモビリティが出現していますが、これらのなかでもとくに危険な乗り物が、電動キックボードです。
先週だけで、著者自身は電動キックボードによる信号無視を3件、車道を逆走しているケースを2件ほど目撃していますが、これも電動キックボードのユーザーの多くが交通ルールを知らないことの証左ではないかと思います。
その一方、(あくまでも著者の私見ですが)自転車乗りの場合は、そこまで無茶な運転は多くありません。
モペッドなどと異なり、電動アシスト付自転車の場合は法令で仕様がガチガチに制限されていて、そもそも電動アシスト自転車で暴走することはできないうえ、なかにはお子様を載せているケースもあるなど、無茶な運転はできないからなのかもしれません。
ただし、スポーツタイプの自転車などのなかには、やはり歩行者をすり抜けるように歩道を爆走するケース(フード・デリバリー系の者にそれが多い気がします)や、車道を走行しながら車道側の信号を無視して交差点に進入し、横断歩道を通行中の歩行者とぶつかりそうになるケースもあります。
監視カメラの活用などは?
このように考えたら、問題は、いくつかに切り分ける必要がありそうです。
- 既存の交通ルールを守っていないケース(自動車の横断歩道一時不停車や信号無視など)
- 交通ルールが周知徹底されていないケース(違法モペッドの横行、一方通行無視、歩道走行など)
- そもそも現在のルールに不備がある(フードデリバリー系の自転車、電動キックボードなど)
冒頭に取り上げた長野駅の事例は「既存の交通ルールをないがしろにしているドライバー」の問題が大きいといえますし、モペッドも取り締まるべきですし、現在のルールの不備は早急に改めるべきです(たとえば電動キックボードは免許制にすべきでしょう)。
ただ、警察も人員が足りていないというのならば、「駐車監視員」と同じように、民間に委託するなどして取り締まりを強化するのもひとつの手です。
あるいは交通違反の交差点やバス停ごとに自動監視カメラを設置し、赤信号を無視したり、バス停付近に駐停車したりすると、ナンバープレートをもとに自動的にその自動車の所有者を特定し、出頭を命じる仕組みを導入することも検討すべきではないでしょうか。
むしろ役に立たない警察官よりも、交通安全カメラの設置の方が、長い目で見たらコストは安いのではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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総論賛成。
各論では、難しいでしようね。
自動運転と同じで、技術的なハードルではなくて、運用についての社会合意のハードルを越えにくいかと。
「あの人はスルーなのに、何故アタシだけ切符を切られるのか?」
今のやり方は人力アナログのザルみたいなランダムさで、ムカつくけれども運が悪かったと受入れられています。
(=社会合意ができてる)
デジタル化すれば一気にいろいろ解決するから賛成なんだけど(特に人手不足な警察にはよい手法)、そこは折り合いつかん気がしますね。
個人的には信号機の統合制御を先になんとかしてほしいですね。
フルコントロールではなくても、例えば電波時計で時報に合わせるくらいの粗い同調で必要十分。
山手通りとか青梅街道とか、遠くまでランダムに点滅してるのを見てると設計者の頭の悪さにウンザリします。
井の頭通りなんか遠くまで一斉に青と赤が切り替わるように見えるから、やれないはずはない。
たぶん。
やれるところから進めたらよいのに、警察なのか国交省なのか、仕事しろ~(笑)
>交通安全カメラの設置の方が、長い目で見たらコストは安いのではないかと思う次第です。
自動速度違反取締装置(いわゆるオービス)は制限速度60km/hの首都高にも設置されていますが、実際には100km/h出ていなければ取り締まりの対象にはならないようです。その理由は、「違反処理の事務手続きが追い付かないから」と云われています。
ナンバープレートから車両を特定できても、運転者が所有車とは限りません。
警察が所有者を呼び出して証拠写真を見せて、
所有者:これは私ではありません
警察 :じゃ、これは誰よ?
所有者:それを探し出すのは警察の仕事でしょ?
警察 :そりゃそうだけど
監視カメラで違反をチェックしても、警察が「裁判になっても確実に勝てる証拠」を収集するのはたいへんな手間がかかることでしょう。警察官を増員して全件対応可能にしたら、警察国家になっちゃいます。交通違反は基本的に現行犯に限定、という警察の対応は、、冤罪を減らすことには役立っていると思います(けっして褒めているわけではありません)
一緒に働く中国人スタッフの話によると、「上海に住むおばが停止線オーバーで捕まった」「監視カメラで見ていてすぐにSNSでメッセージが届き、そのままオンラインで違反金を支払う」そうです。
そんなこと許したら警官は益々働かなくなる
出勤もせず、家でコタツにはいったままモニター見ながら切符切るだけのお座敷警官の出来上り。
包丁で脅されてる人が刺されても、欠伸して見なかったことになるよ。
そうはならないでしょ。
欠伸して見なかったログが残るから。
(昭和じゃない)
コタツのままでもいいから切符 切ってくれ!の是非が、今回のお題ですよ。