「逆風」のはずの自民党、沖縄県議選で候補が全員当選
「オール沖縄」中核4党は4分の1以下
自民党に、逆風が吹いているはずだった。今回の選挙の争点は、辺野古移設の是非にあるはずだった。それなのに結果は「オール(?)沖縄」が過半数割れ。「逆風が吹いている」はずの自民党は立候補した20人が全員当選。48議席中、いわゆる「反知事派」が28議席、「知事派」が20議席、このうち「オール沖縄」の中核4党の勢力は11議席(=4分の1以下)に留まった―――。今回の沖縄県議選は、そんな非常に興味深い結果となりました。
沖縄県議選の結果(石垣市選挙区以外)
沖縄県議会選挙が、ちょっとした話題となっています。
沖縄県選管の発表によれば、定数48人のうち、無投票となった石垣市選挙区(定数2)を除く46議席の立候補・当選状況は、次の図表のとおりです。
図表 沖縄県議会選挙(2024年6月16日執行)当選者の状況(石垣市選挙区を除く)
政党 | 立候補者 | 当選者 |
自由民主党 | 19 | 19 |
立憲民主党 | 5 | 2 |
公明党 | 4 | 4 |
社会民主党 | 5 | 2 |
日本維新の会 | 3 | 2 |
日本共産党 | 7 | 4 |
沖縄社会大衆党 | 3 | 3 |
右でもない左でもない本物の無所属庶民ど真ん中党 | 2 | 0 |
無所属 | 25 | 10 |
合計 | 73 | 46 |
(【出所】沖縄県ウェブサイト『【特設ページ】令和6年沖縄県議会議員一般選挙』データをもとに作成)
自民党は20人全員が当選:反知事派が過半数制する
なお、自民党と無所属はそれぞれ、無投票の石垣島でも1人ずつ立候補していますので、候補者合計は75人、当選者合計は48人です。
すなわち自民党は立候補した20人が全員当選するという快挙を遂げたうえ、公明党(※国政与党)が4人全員、日本維新の会も3人中2人が当選しており、これら3党で26議席を占めた格好です。
(ちなみに報道等によれば、選挙前勢力は自民党が18議席、日本維新の会が2議席、公明党が2議席だったそうですので、これら3政党の議席は自民が+2、公明が+2、維新がプラスマイナスゼロ、ということです。)
これに対し左派政党は沖縄社会大衆党が3人全員を当選させているほか、日本共産党が7人中4人。ただし、社会民主党と立憲民主党がそれぞれ5人ずつ立候補させたものの、当選者は2人ずつに留まっており、結果的にこれら4党の勢力は合計11議席にとどまりました。
(ちなみに報道等によれば、選挙前勢力は社会大衆党が1議席、日本共産党が7議席、立憲民主党が4議席、社会民主党が2議席でしたので、2議席増やした社会大衆党を除く3党はいずれも議席は横ばいまたは減少しています。)
一方、無所属が11議席(図表では10人ですが、石垣市選挙区で1人が無投票で当選しています)ですが、報道等によれば、選挙結果で「反知事派」が28人、「親知事派」が20人だった、などとされているため、無所属11人については知事派が9人、反知事派が2人、ということでしょう。
知事派…20人
- 日本共産党(4)+沖縄社会大衆党(3)+立憲民主党(2)+社会民主党(2)+無所属(9)
反知事派…28人
- 自由民主党(20)+公明党(4)+日本維新の会(2)+無所属(2)
(【出所】沖縄県選挙管理委員会データおよび各種報道)
辺野古移設が「争点」だったとするメディアも!?
ちなみに読売新聞の6月15日付の『沖縄県議選挙、16日投開票…現有勢力は知事派24人・反知事派22人・中立2人』という記事によれば、選挙前の勢力は「知事派」が24人、「反知事派」が22人、「中立」が2人だったそうです。
ここまで自民党に「逆風(?)」が吹いているとされるなかで、かつ、伝統的に左派政党が強いとされる沖縄で、自民党候補者が全員当選するというのは、一種の「快挙」のようなものでしょう。
ちなみに、一部のメディアはこの沖縄県議選の争点が「辺野古移設巡る是非」だったと報じたようであり、たとえばX(旧ツイッター)にポストされた次のような記事が、その典型例でしょう(もっとも、ポストのリンク先記事は、現時点で閲覧できないようですが…)。
辺野古新基地建設、南西諸島のミサイル要塞化…。岸田政権の暴挙を許すのか、否か。沖縄県知事選は今日6月16日が投票日!
沖縄県議選、投票始まる 辺野古移設巡り過半数争う:東京新聞… pic.twitter.com/WyqpSUerzp
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) June 16, 2024
このあたり、もしも本当に「辺野古移設」が今回の沖縄県議選の「争点」だったのだとしたら、沖縄県の民意は、少なくとも普天間飛行場の辺野古への移設にゴーサインを出した、ということでもあります。
「オール沖縄」中核4政党はたった11議席
また、一部メディアは玉城デニー沖縄県知事を支える勢力(とりわけ上記の4政党など)を「オール沖縄」などと呼称したりしているようですが、少なくともオール沖縄の中核となる、先ほどの4政党の獲得議席数は48議席中11議席、割合でいえば23%に過ぎません。
さすがにたった4分の1以下の勢力を「オール沖縄」と呼ぶには無理がありそうです。
また、先ほど述べたとおり、無所属で当選した11人のうちの9人が「知事派」だそうですので、この9人を加えた20人を「オール沖縄」だと定義したとしても、いずれにせよ半数未満です。
そういえば、昨年の統一地方選では、いくつかの県議会で日本共産党の議席がゼロになるという出来事もありました(『日本共産党、5つの県議会で「議席ゼロ」=統一地方選』等参照)。
この点、立憲民主党は今年4月の補選で3候補の全員が当選するなどの「躍進」を経験していますが(『週末の衆議院補選で立憲民主党の世襲候補者2人が当選』等参照)、だからといって単純に「自民党に逆風」などと決めつけるべきでもありません。
いずれにせよ、選挙というものは個別性が強いものでもあるため、今回の沖縄県議選を全国の選挙に軽々に一般化すべきではありませんが、果たしてメディアが大騒ぎする「自民党への逆風」とする見方が正しいのかについては、先入観なしに考察することが大切ではないか、などと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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オール阪神・巨人だって阪神と巨人のファンを代表しているわけではないので、別にオール沖縄と名乗ってもいいのかもしれません。
あいつらは野球球団の巨人、阪神とは無関係で、ファンでも何でもないからね
沖縄県議会選は、確かに自民党に逆風が吹いてましたが、それ以上の逆風が沖縄県知事派政党に吹いていたということでしょう。もちろん、その逆風がなんであるかは一概には言えませんが、その一つに安全保障への不安があったのではないでしょうか。(岸田総理は、沖縄県議会選で勝ったと、お喜びしているのでしょうか)
蛇足ですが、(広告だけで本文を読んでないので恐縮ですが)本日発売のAERAに、「メディア生存戦略」という記事があります。ということは、朝日新聞も生存戦略を考え、その過程で沖縄メディアを見捨てることも、あり得るのではないでしょうか。
某望月記者は、今回の沖縄県議会選の結果を、どう総括するのでしょうか。もっとも、「確かに沖縄県議会選で自民党は勝った。しかし、基地に反対している沖縄県民の声を忘れてはならない」と言い出すかもしれませんが。(明日の朝日新聞には、「基地に反対している沖縄県民」という記事が出るのでしょうか)
かつてのオウム真理教やトランプ前大統領のように、「選挙管理委員会が、我々の票を盗んだ」と言い出す人が出てくるのでしょうか。
「本土は鞭で不当に我々の票を奪った」みたいないつもの事を言い出してる人がいるそうです。
沖縄県民の民意が示された
選挙で勝利した時は民意が示されたと誇示し
敗北すれば冷静に対応する必要があると
民意から目を逸らします
リベラル野党の選挙結果への反応の二枚舌に嫌悪を示します
こと民衆は愚かなどと自信の望まない結果になった際の他者への軽蔑の言葉は
ああこの人達は支持できないはとなります。
また選挙結果と沖縄の新聞論調に大きな差異があることが気になります
元日の能登半島地震での、異様に迅速な対応に比べたら、台湾沖地震でのデニーの遅さ&無能さに、ようやく沖縄県の有権者も愛想が尽きたのか。
個人的には、共産党中国による工作資金が尽きた(本国がバブル崩壊で大変)から、動員や投票依頼ができなくなってるのでわ?と。
元から、知事選や国会議員選では左翼が強いけど、市長選挙では自民党が全部勝ってますから、
「民意」
なんてのは、少し奇妙だったのですな。
社民党が日本で唯一の小選挙区議席を持ってる、というくらいに激レア地区なんですから。
オール沖縄は、反対する事しかできない烏合の衆。
大言壮語な世論工作が、見透かされたのでしょう。
選挙前:意気揚々と「オール沖縄!」
選挙後:意気消沈の「フォール沖縄」
・・。
「辺野古反対派が過半数」
このフレーズでGoogle検索すると、いわゆる予定稿誤報の残骸がヒットしますね。
どれも記事は削除されているようですが。
庭師さま
ホントだ!
これは面白いものを見ることができました。
ありがとうございます。
しかも、香ばしいメディアチャネルばかりで、編集現場の混乱が垣間見える感じでした。
うわははははは!これは良い物を見せてもらいました。
ありがとうございます!
新聞社としては「予め両方の予定稿を用意していただけ」の理屈で済みますが、
これらを発行できなかった悔しさはいかほどの物か……
①最高裁確定判決が現知事派の主張を否定した②中共の戦狼外交がますますあからさまになってきた。
この二つは大きいと思います。特に台湾を囲んで軍事演習をしてミサイルをぶっ放すのは紛れもなく中共であり、日米の側ではありません。
また何の検証も無い勝手な妄想ですが、③沖縄県で特に強いとされたチュチェ思想(要するに北朝鮮系)団体が本国の経済的苦境で支援の手が回らなくなった?韓国左派政権から運動団体に流れて居た資金の方が補助金が尹政権で見直しされた? ④案外ひろゆき氏が笑顔で記念写真撮って「辺野古座り込み」が普段は留守にして居る事実の暴露した事も運動の神話に穴を開けたかも知れません。⑤そして沖縄でもご多聞に漏れず新聞離れは進行して居るのではないか?左派論調で有名な地方紙二紙も退潮。スマホやネットは不可避で発展を続けて居る事でしょう。
日共の議席の退潮が著しいですね。一方で沖縄社大党は維持。日本では珍しく沖縄県は今人口減に歯止めがかかって居ます。つまり妊娠可能な若い夫婦が増加して居る。子育ても他県よりも待ったなし。そして多分観光業や建設業が景気が良いのでしょう。
前回から投票率が下がった上に、ここまで負けたということは、
組織票が機能しなかったということでしょうか。
ここでも、世代交代が進んでいるのかねぇ。
まあ、知事選ともなれば、県外から人を動員しまくるんだろうなぁ。。
投票率が上がってなお自民が議席伸長なら文句なしなのですが「負けたのは低投票率のせい」とデニー与党派に言い訳出来る余地を残した事は民意の緩慢な動きを表していますね。
今の中共に立ち向かう姿勢を欠く現知事派はもっと追い詰められなければなりません。もっとも自民党勢力も対中共での危機感を全体としてどこまで持って居るのか?維持出来るのかが肝心なのですが。
今回の収支報告不記載問題も個人の問題であり等の問題ではありません。
沖縄のかたは極めて冷静な判断をしたようです、自民党の逆風といってもそれはマスコミや野党が作り出したもの。
逆に都知事選事前選挙運動で自民党ガーと批判している挑戦者がいます。
外国人だから女性だからと出自や属性で批判するのがヘイトや差別です。
自民党への逆風も言い換えれば差別やヘイトです、日頃、差別ガー、ヘイトガーと批判しているのにマスコミや挑戦者は本当に差別やヘイトはいけないことと思っているのでしょうか
「いくら何でも最高裁の判決にすら従わないのは……」とマイナスイメージが
広がった、と解釈すべきでしょうかね?この結果は。
「そんな事やってる暇あれば知事としてやるべき事をやれ」とも言われるでしょうし。
デニー知事に同情的なメディアは滅茶苦茶悔しそうにしている様ですが、
逆の結果だったら「民意が示された!」と大騒ぎしていたんでしょうね。
こういう勢力にとって沖縄は北海道と並んで最重要拠点だっただろうに、
そこでも勝てなくなったのは彼らにとっては非常事態でしょう。
もはや「オール沖縄」ではなく「オールド沖縄」ですね。
公明党の浸透具合がやばいですね。これを駆除することは可能なんだろうか?
都知事選もだれか立候補させときゃよかったのにな