「事実上のリストラ」が地方紙で始まる?=労組は反発
いくつかのメディアの報道によると、一般社団法人徳島新聞社は株式会社徳島新聞社と分社化し、2025年春以降の採用を同社で行い、猶予水準を現在の65%に削減するなどの計画を立てているのだそうです。事実上のリストラのようなものでしょうか(※ただし、現在の従業員の給与水準自体は維持されるようですが…)。ただ、この計画に「次世代を担う若手記者を低賃金に追い込む」として労組側が反発。14日に2時間のストライキを予定している、などと報じられています。
縮小する新聞業界
先日の『ネット広告が成長:新聞とテレビの広告費はさらに低下』でも取り上げたとおり、あるいは年初の『「新聞がなくなったら社会に莫大な利益」とする考え方』などでも取り上げたとおり、現在の日本の新聞産業は、おそらくは「瀕死」の状態にあります。
その大きな要因は、①部数が毎年減り続けていること、②広告費も減少傾向が続いていること、という2点に求められます。
まず、部数については、一般社団法人日本新聞協会が発表する部数データによれば、2023年10月時点の新聞部数は3305万部(※「セット部数」を「朝刊1部+夕刊1部」とカウントし直した場合)で、これは最盛期の1996年の7271万部と比べ、半分以下に減ってしまった格好です(図表1)。
図表1 新聞合計部数の推移
(【出所】一般社団法人日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』および『日本新聞年鑑』データをもとに作成。ただし、セット部数を朝刊1部・夕刊1部とカウントし直している)
しかも、部数の落ち込み方は、近年になればなるほど激しくなっており、直近3年の減少ペースが続けば、新聞は遅くともあと10年前後のうちに絶滅する計算です。
固定費が非常に大きい新聞社
といっても、現実的には新聞は地方紙を中心に需要が根強いため、新聞社によってはあと20年くらい生き永らえるケースもあるかもしれませんし、不動産部門の収益が堅調であるなどの理由により、新聞社としての「本業」が傾いても問題なく生き延びていけるケースもあるかもしれません。
しかし、不動産部門などの「本業以外」の収益で生き延びていける社は少数派でしょうし、このペースで新聞部数が減り続ければ、下手をするとあと数年もしないうちに、経営が立ち行かなくなるという事例も出て来るのではないでしょうか。
実際問題、新聞社とは、固定費が非常に大きいビジネスです。
高いコストを負担して工場を建てて輪転機を設置し、日々、莫大なコストをかけてロール紙やインクを浪費し、刷り上がった新聞を莫大な地球温暖化ガスを撒き散らしながら配送トラックで各専売所に配達し、専売所からは人海戦術で各家庭・事業所に送り届けるというビジネスモデルを採用しているからです。
もしもこれらの情報配信をすべてネット化すれば、紙代、インク代、燃料・電気代、工場の作業員の賃金、配達員の人件費などが不要になりますし、実際、諸外国には紙媒体の発行を取りやめ、ネットビジネスでうまく行っているメディアも出現しているほどです。
ただ、日本の新聞社の場合は、ネット化したとしても有料の読者契約を取ることは難しいようであり、現実に先行するいくつかの新聞社の事例で見ても、ネット戦略が順調に行っているとも言い難いのが実情でしょう。
新聞は広告市場としての魅力を失っている
そして、新聞社経営が行き詰まるのと同時に、広告費も落ち込み続けています。
図表2は、株式会社電通が毎年公表している『日本の広告費』というレポートをもとに、新聞広告費と折込広告費の推移をグラフ化したものです。
図表2 新聞広告費と折込広告費
(【出所】株式会社電通『日本の広告費』および当ウェブサイト読者「埼玉県民」様提供データをもとに作成)
これで見ると、ここ数年は落ち込みもやや小康状態にあるとはいえ、2000年時点の合計1.7兆円という市場規模に比し、2023年の新聞広告・折込広告の合計市場規模は3512億円と、3分の1以下に落ち込んでいるのです。
新聞部数が減って購読料収入が落ち込み、また、新聞の広告媒体としての魅力の低下から新聞広告の市場も縮小し、結果的に新聞社は売上高の激減に直面している、というわけです。
市場全体がこうですから、想像するに、個社で見ると、そろそろ経営に行き詰まる事例が出て来ても不思議ではありません。
徳島新聞の経営陣と労組の対立=朝日、読売の報道
こうしたなかで、ちょっと気になる話題が出てきました。
徳島新聞労組がストライキ通告 経営側に編集部門分社化の撤回求める
―――2024年3月12日 20時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より
徳島新聞労組がストライキ通告、編集部門の分社化計画に反発
―――2024/03/13 10:36付 読売新聞オンラインより
朝日新聞や読売新聞などの報道によれば、徳島県の地方紙・徳島新聞を発行する一般社団法人徳島新聞社の労組は12日、経営側が4月から編集部門を分社化する計画を労組側に伝えたことに反発し、14日からストライキを実施すると通告するという騒動になっているのだそうです。
報道等によれば、この「別会社」とは、昨年11月に設立された「株式会社徳島新聞社」で、2025年春以降の採用は同社で実施し、給与水準については現在の65%に削減する一方で、現在の「一般社団法人徳島新聞社」に在籍している従業員の給与は維持する、というものだそうです。
形を変えた、事実上のリストラ、でしょうか。
経営側はまた、労組の反発を受け、賃金水準を(65%ではなく)75%にすると提示したものの、分社化の計画は変更せず、労組は「次世代を担う若手記者を低賃金に追い込む」ものだとして、計画撤回がなければ14日、従業員の半数を超える120人が14日午後2時から2時間、業務から離脱する、としています。
また、朝日新聞によると、印刷、紙面整理、広告などの業務を分社化する新聞社は珍しくなくなっているのだそうですが、「編集部門をすべて別会社にするのは初めてのケース」、などとしています。
新聞値上げも相次ぐが…新聞社経営は立ち行くのか
このあたり、自然に浮かぶ疑問点があるとしたら、「給与水準をそこまで抑え込んで、果たしてこの新会社は新卒採用に成功できるのか?」という点です。
想像するに、新聞業界全体の部数がジリジリと落ち込む中で、同社に限らず、現在の購読料水準のままで現在の人員を維持することには限界も生じているのではないでしょうか。
とりあえず一般社団法人徳島新聞社の経営の内情については、私たち外部者がその詳細を知り得る立場にはありません。
おりしも新聞業界では昨年以降、購読料の値上げが相次いでいますが(『今月も新聞値上げ相次ぐ…ビジネスモデルはすでに破綻』等参照)、部数が減っているタイミングでの値上げは自分で自分の首を絞めるような行為でもあります。
このように考えていくと、同社の事例は氷山の一角に過ぎず、これから数年の間に新聞業界を挙げて、人件費のさらなる削減(人員削減や給与削減)、新聞ページ数の削減といった涙ぐましい経営努力(?)が続く可能性は濃厚ではないか、などと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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リクナビによると、
徳島新聞社グループ 新聞/広告/出版/デジタルサービス
https://job.rikunabi.com/2025/company/r414462032/employ/
株式会社徳島新聞社/大学卒・記者職
初年度 月収例 月22万円程度(月給制)
株式会社徳島新聞ネクスト/大学卒・営業職
初年度 月収例 月18万円程度(月給制)
との事なので、此処から65%ならそれぞれ143kと117k、75%なら165kと135kですね。
徳島県の最低賃金は896円ですが、勤務時間を月168hや月176hで計算すると・・・。
相対値には気をつけろ!
>春以降の採用は同社で実施し、給与水準については現在の65%に削減する一方で、
現在の65%水準でも世間or 競合他社並みだから大丈夫(?)。
つまり現在の水準がとても高い。
素朴な疑問ですが、徳島新聞が労組のストライキを理由に休刊にした場合、会社として困るのでしょうか。(新聞は月いくらの長期契約で、何回休刊日があろうと料金は変わりません)。また、徳島新聞の読者のなかで、習慣として新聞を読んでいるだけで、なくなっても困らないという人が、どれだけいるでしょうか。
ストを理由に休刊したとしても、意外に苦情が来ない(=休刊していたことに気付かれない)パターンがあるかもしれませんね。
例え新聞が休刊でも、チラシだけは宅配してくれれば、奥様は文句を言わないのではないでしょうか。
白紙で配ってくれれば何の問題もない。もちろん大幅値下げは当然。
例え白紙の新聞でも、新聞社は前と同じ新聞代を要求してくるでしょう。
不動産ならば「古家有り」の土地より更地のほうが高値で売買されるとか…..
実質問題として経営側は事業継続に興味がなくなっており、ロートル社員たちを奥の院に閉じ込めて淀んだ水を入れ替える戦術で職場刷新を図るという構図です。割り増し退職金交渉は社員側に拒否されたのかも知れません。新聞読者が後進国の周回遅れ産業に共通する穢れを感じるのであれば、すでに商品として通用しなくなっている可能性は大です。
このような組合側の反発があるのは折込済。
「将来のある若い人ばかり負担を押し付けるのは皆さんの言うように問題がありますね。じゃぁ、あなた方ロートルも全員転籍して給与削減に応じれば、若い人の負担を減らすことが出来ますよ」
と云うための伏線に過ぎない気がします。
それにしても「一般社団法人」って。
そういう事業形態が一般的なのでしょうか?
新聞業界って。
社会の公器として利益を目指さないために一般社団法人としているようですが、
新聞社としては一般的ではありません。
他のマスコミ系一般社団法人としては、かの共同通信社があります。
また日本新聞協会も一般社団法人です。
また(一社)共同通信社の100%子会社に株式会社共同通信社があります。
これから就職を予定している学生の皆さんは、賢いと思いますから、将来真っ暗な新聞業界に自身の未来を賭けて飛び込む人は恐らく極端に少ないのではないでしょうか?敢えて火中の栗を拾いに行くご奇特な方は、ご家族、ご親戚、先輩等々がこの業界にお勤めされておられるか?何らからのご関係があるか?もしくは、とてもじゃないが、一般社会の真っ当な会社には就職できかねる(使い物にならない)ちょっと思想かぶれした学生活動屋?の方ぐらいでは無いでしょうかね。昨今の労働市場は私が就職した昔と違い、安易、容易に転職がし易いですので、人生経験のために怖いもの見たさで、ちょっとこの業界に腰掛けることも有りかもしれませんけれども。
新聞業界、中小企業への変身や稼げるセクターが不動産業など色々(バラ色を除く)の展開が見られますね。
さて実家の高齢両親が双方施設入所したため、NHKと新聞を解約しました。
新聞は、空き家となると伝えるとあっけなく解約の運びとなりました。
一方NHKは、当方との関係、入所先はどこ?場所は?などつながるまでに時間がかかりさらに担当者からの質問が延々と始まり、ようやく受け付けられました。NHKふれあいセンターへの長時間の電話は、ナビダイヤルでありフリーダイヤルではないことに更に腹が立ちました。
そして届いた「放送受信契約解約届」に署名押印せよ、と送られてきました。お前ら、押印廃止派じゃないんかよ。
我が家もNHKに受信料払っておりましたが、このほどネットで支払方法を払込用紙へ手続きを終えました。簡単でした。
それって銀行窓口やコンビニに行くのが面倒じゃない?そう、面倒なんですよ。集金人がいつ来るのだろ、まちどおしいな。
日本社会に寄生する暗黒組織 NHK の正体を暴き速やかに解体せよ
そんな衰退産業従事者的な見出しの妄想が沸きました。
Wikiによると徳島新聞の売上は74億円、従業員238名だそうだ。部数174,000部。
新聞4000ページを印刷できる紙を1連と呼ぶらしいが、この値段が3500円だそうだ。
地方紙と言えども20ページくらいの分量はあるだろうから1部の紙代が17.5円。
17.5円 x 174000部 x 29日/月 x 12か月で紙代だけで年10.6億円。
インクや包材、配送料がいくらかかるかわからないが、紙代を含めた直接原価がざっと20億円といったところか。
Wikiによると東京、大阪、高松に支社をもち、県内に11の支局を置いている。
高コスト体質なんじゃないの?
新聞業界の若手のまともな記者さんは
凋落の偏向新聞業界に見切りをつけて
新天地でその才能を正しく国民文化に
貢献して活躍してほしいと期待します。
なんせ、
ふつうの他の仕事でも
まともな会社と思って勤めたら
やくざか韓流かどぶサヨかの
息がかかった仕事だったとわかったら
さっさと足を洗って辞めるものです。
これまで、おかしな印象操作記事執筆に
こき使われてきたご自身の黒歴史から
早くおさらばしちゃいましょう。
一方で、
これまで偏向報道でえらそぶって
どぶサヨ記事を垂れ流してきた記者さんは
偏向報道新聞社社内で玉砕総突撃して
思う存分内ゲバなさっていただければ
と思います。
なんせ、
すでにかつての都知事選での
鳥越氏の轟沈劇でわかるように
左翼を気取っての
横着な主張と生きザマが許される時代
ではないのですから。
かつて県紙が2つあった県に住んでいますが、潰れた1紙が末期の頃は、自社が協賛している地元の花火大会が1面トップだったりと、終わってる感が満載でしたね。
その県紙が潰れた後、残ったもう1紙に内幕の暴露話みたいな記事が載っていましたが、末期は経営陣も、地元の地銀から送り込まれた人達に入れ替わっていたそうです。
さて、徳島新聞社はどうなるんでしょうね? 上の人達は、すでに貰うものを貰って、逃げ出していたりして?
「今の新聞社は老人幹部達が”自分が引退するまで持てば良い、後は知らん”の精神で
改革を拒絶している」と常々思っていましたが、このケースはそれに当てはまりそうですね。
分社化して給料35%ダウン?新卒採用はそっちでやれ?本社の給与は維持?
そりゃあ、追いやられる方は反発するに決まってますね。そして残り少ない甘い汁を
すすり続ける本社の方も引く訳がない。元から自分達の為に犠牲にするつもりなんだから。
一言で言えば「争え……もっと争え……」と言う奴です。