ホワイト国に戻った韓国で相次ぐ半導体等「不正輸出」
金融評論家としては、今年の大きな話題のひとつとして、「韓国のホワイト国戻し」を挙げておきたいと思います。自称元徴用工問題の「解決」(?)と引き換えに、日本政府は今年、レーダー照射不問、日韓通貨スワップと並んで「ホワイト国戻し」という譲歩を韓国に与えたのですが、その後も韓国では半導体技術のロシアへの供与などの事案が相次いでいるようです。
目次
韓国のホワイト国戻し
早いもので、もう12月も半ばに来ました。
今年を振り返るには少し早いかもしれませんが、敢えて金融評論サイトとして、今年最も印象深かった話題を挙げるならば、そのひとつが韓国を輸出管理上の「(旧)ホワイト国」に戻した、という出来事でしょう。
輸出管理の仕組みについては、当ウェブサイトはもちろんのこと、著者自身はワック文庫『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』なども通じて、これまでしばしば説明してきたとおりです。
【参考】『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』
(【出所】アマゾンアフィリエイト)
この措置は「輸出規制」ではなかった!
わかりやすくいえば、日本政府が2019年7月に発表した措置は、「軍事転用されかねない製品の輸出管理を適正化する」というものであり、韓国メディアや一部の日本のメディアが主張していた「輸出規制」「輸出制限」「禁輸」などの措置でではありませんでした。
日本政府が発動したのは、おおきく2つの措置です。
ひとつめは、フッ化水素、レジスト、フッ化ポリイミドの3品目に関し、包括的な輸出許可の制度を韓国に対しては適用せず、個別許可に切り替える措置。
ふたつめは、韓国を輸出管理上のカテゴリーでいう「(旧)ホワイト国」(現在の用語でいう「グループA」)から除外し、「グループB」にランクダウンするという措置です。
ただ、どちらの措置も、韓国に対する輸出が少し煩雑になっただけであり、とりわけフッ化水素については一時的に対韓輸出が滞ったものの、すぐに対韓輸出は正常化しました。用途が確認されたものについては、問題なく輸出許可が出たからです。
ところが、これらの措置に対し、韓国の世論は沸騰し、「ノージャパン」運動が発生しました。
日本の輸出管理適正化措置のことを、勝手に「輸出『規制』」などと呼び、日本に対する敵愾心を、韓国政府・文在寅(ぶん・ざいいん)政権自身が煽ったのです。そして、韓国国内ではこの輸出「規制」が自称元徴用工問題への報復だと(勝手に)理解されていたのです。
スワップ、FCレーダー照射…国益を続々と捨てる岸田首相
こうしたなか、文在寅氏が2022年5月に退任し、尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権が発足すると、この政権は自称元徴用工問題を巡り、財団による第三者弁済を日本に提案。
同年7月に安倍晋三総理大臣が凶弾に倒れたこともあってか、岸田文雄・現首相はこの提案に乗っかり、今年3月にこの第三者弁済案を「日韓関係を健全な関係に戻すものとして評価する」などと述べてしまいました(『岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ』等参照)。
まさに、岸田首相でいる間に、韓国は日本から「取れるものを徹底的に取る」つもりなのでしょう。
日本政府はこれを受け、2018年12月の火器管制レーダー照射事件を不問にすること、日韓通貨スワップを再開することと並び、対韓輸出管理適正化措置についても事実上の撤回を決めたのは、まさに日本の国益をドブに捨てるのと同じ行為だったと断じざるを得ません。
想像するに、国民の多数は反対だったのでは?
ちなみに『韓国ホワイト国戻し政令案のパブコメ、99%が反対か』あたりでも指摘しましたが、経産省が韓国を(旧)ホワイト国に戻すための政令案に対しては、当ウェブサイトにおけるサンプル調査だと、約99%が反対意見だったことが明らかになっています。
もちろん、当ウェブサイトは、一部からは「程度の低いネトウヨの嫌韓系サイト」と見られているようですので、当ウェブサイトへの読者コメントが「ホワイト国戻しへの反対意見」で占められるのは、ある意味で、当然のことだ、という言い方はできるかもしれません。
しかし、2019年の韓国をホワイト国から除外するパブコメについては、その賛同コメントが全体の95%を占めていたという事実を思い出しておくと、やはり今回の「ホワイト国戻し」には国民の圧倒的多数が反対していたことは間違いなく、しかも、日本政府はこれについて、合理的な説明もせず、沈黙を守ったままです。
韓国人男性が半導体技術をロシアに供与か
こうしたなかで、日本政府、経産省、岸田首相らにとっては都合が悪い話題をひとつ紹介しておきます。
米財務省の対ロ制裁リストに61歳韓国人男性…「ロシアに半導体技術を提供」
―――2023/12/14 10:40付 朝鮮日報日本語版より
米財務省、ロシア関連制裁リストに韓国人1人含む
―――2023.12.13 07:03付 中央日報日本語版より
米財務省 ロシアを支援した企業と個人に制裁 韓国人も
―――2023-12-13 15:58:50付 KBSワールド日本語版より
いくつかの韓国メディアの報道によれば、米国政府が現地時間12日ロシアによる軍事目的の物資調達を支援した容疑で公表した法人・個人に対する制裁リストのなかに、61歳の韓国人男性が含まれていたそうです。
この人物は、ロシアの防衛関連企業などに海外の半導体技術を移転してきたロシア企業「AKマイクロテック」の「重要調達代理人」として活動しており、韓国、日本、米国企業などが持つ半導体製造関連の技術や設備を入手しようとしていた、などとされています。
ただ、本件について悪質なのは、(あくまでも報道ベースですが)この人物はペーパーカンパニーや複雑な決済ネットワークなどを駆使したということであり、本件以外にも、また、ロシア以外にも、中国や北朝鮮などに西側諸国の重要な戦略物資を横流ししようとしている個人や組織がいないかが懸念されます。
氷山の一角?
さて、日本政府は今年、韓国の輸出管理体制を「ホワイト国に相応しいもの」だと判断した、などと発表しているのですが、そもそも論として、その点に疑念を覚えざるを得ないような話題は、ほかにも相次いでいます。
たとえば以前の『韓国当局者「慰安婦合意は両国の公式合意として尊重」』などでも指摘したとおり、じつは韓国ではしばしば、不正輸出事件が発覚しています。
ロシアへの「輸出統制」半導体装備の不法輸出が明るみに=韓国
―――2023.11.24 09:50付 中央日報日本語版より
このように考えると、報じられている不正事案は氷山の一角に過ぎないのではないでしょうか。正直、韓国が「ホワイト国に相応しいほどにしっかりした輸出管理体制を持っている」などといわれても、「前科」が多すぎることを踏まえると、このことに不安を覚える日本国民も相応にいるでしょう。
なにより、日本が韓国を「(旧)ホワイト国」扱いし、キャッチオール規制などの対象から外すことで、万が一、韓国を舞台にした大掛かりな不正輸出事件が発覚した場合、今度は日本自体が諸外国から「ホワイト国」扱いを外されてしまうことになりかねません。
いずれにせよ、韓国を安易に「(旧)ホワイト国」に戻してしまったことが、日本の国益をどれだけ棄損したのか、岸田政権は後年、厳しく検証されることでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
切り札を切ったつもりだったのではないでしょうか。
偉大な指導者としての評価を渇望していた岸田文雄首相はそうすれば政権基盤を堅固なものとできるとそう考えたとしか思えません。薄弱なリーゾニングにもとづく見込み違いが逆回転を始めたとき、道連れになるのは日本国です。
時系列的には韓国での摘発→米国リスト入り、でしょうかね。
逆だったら「輸出管理機能してないじゃん」と言えるんでしょうが。
ホワイト国外しが話題に上がった頃に、ホワイト国にするしないは偏に韓国の輸出管理体制を評価して決めるのであって、個別の事案は直接的には関係ない、と識者が何度も繰り返していたのを思い出します。
今回の事例は報道だけを見ると、輸出管理体制が機能していたからこそ発覚したと言える面もあるし、少なくとも輸出管理体制の機能不全を示すものではないですね。
「氷山の一角」と指摘されているとおり、取り逃し件数ってどんだけあるんでしょうかね。過去の不適切事例の報道やら、あちらの方々の簡単にリスクを取る文化(リスクが見えてない?)やら、ルールに対する姿勢を見るにつけ、そうとうアレそうですが。
まあ、韓国絡み案件でも、中長期の国益が何たるかを冷静に考えて、且つそれを毅然と守る策を実行せずに、その時点での自らの政治的思惑を優先させていた、それが岸田政権であり、岸田自民党政権であり、外務省の連中という事ですよ。
他の諸懸案でも、LGBT法成立やら、緊縮税制路線堅持やら、噴飯ものの少子高齢化対策等々、その根底におけるスタイルや思考法が全く同じですね。
岸田は対韓譲歩すると支持率が上がると思っている大馬鹿野郎なのでしょうがない。
まぁ、韓国に対して厳しく接するとマスコミが無いこと無いこと騒いで支持率を下げようとするので、当たらずも遠からず、と言ったところでしょうか。
今後も岸田は、マスコミやマイノリティ、公明党の顔色を見て国益を損ない、多くの日本国民を塗炭の苦しみに導いていくのでしょうね。
まあ岸田政権「だけでなく」、韓国を西側に取り込むために日本は犠牲になれとやかましい米バイデン政権の干渉もあるんでしょうねえ・・・。LGBT法にしても
>ただ、本件について悪質なのは、(あくまでも報道ベースですが)この人物はペーパーカンパニーや複雑な決済ネットワークなどを駆使したということであり、本件以外にも、また、ロシア以外にも、中国や北朝鮮などに西側諸国の重要な戦略物資を横流ししようとしている個人や組織がいないかが懸念されます。
朝鮮学校とか朝鮮総連とか、まさに該当しそうですけどね。
まあ、
およそモロモロ韓流というものは
そうしたものだと十分知ってはいても
その行状にはふさわしくないホワイト国に
してあげた途端のこのありさまには、
愛犬家の人の、
「いくら愛情かけてあげてもそれでも
どうしようもない野良犬根性抜けず
手のつくしようのない野犬もいるんだよ」
との言葉を思い出します。
韓流汚染メディアの
しょもない擁護などは捨て置いて
世界と日本と人類の未来のためには
こうした汚れたモロモロ韓流からのデトックスが
真に求められていることを私達は
正しく認識する必要があるとあらためて
感じます。
政治家の質は当然国民の質に比例します。
こんなアホが日本人のはずはない。という人が増えてくれば
岸田政権の存在意義もあったかと思います。
私見ですが、
「祖組織の責任」
にするからみんな認めないし悪あがき。
「個人の責任」
にすればよいのでわ?
韓国をホワイトに戻す提案した人たち。
その手続きした役人
ペナルティを個人の資産から損害賠償しろ。
大丈夫だと思ったから通したのでしょ?
なら責任を果たせ。
ザルな規制なら、反対しろ。
通さない役人は罷免し、通して問題の起きない役人は家が建つくらい儲けてよろしい。
原理的にはシンプルな話だと思いますけどね。
今更ですが、予想された結果ですので、騒いでいるほうが馬鹿なのではないでしょうか?
韓国は、半導体の会社2社を中国に人質にとられていますので、先日の7ナノ以上にもっと深刻な問題が進行中だと思います。
バイデンは岸田首相に負けず劣らずのかなり間抜けな人なのではないでしょうか?
>予想された結果
>バイデンは岸田首相に負けず劣らずのかなり間抜けな人・・???
おそらくは彼の圧力で為された”韓国のホワイト国化”も、半導体企業2社の米国内保有資産凍結までをも視野に入れた布石であればいいんですけどね。
食えば死ぬ 食わねば飢える 毒饅頭。
・・・・・
(対韓外交)
中・露・北による躾は、「 飴とムチ 」によるもの。
西側諸国への不躾は、「アメの無知」によるもの。
対韓理解の深さは自ら退治する中国と、日本に対峙させる米国の違いなのかもですね。