訪日外国人数は一見順調に回復しているが…特定国偏重
日本政府観光局(JNTO)データによると、2月の訪日外国人は1,475,300人と1月に続いて100万人を超えました。コロナ禍直前の2020年1月における2,661,022人の水準にはまだ届きませんが、それでもインバウンド需要の回復は「順調」に見えます。ただ、訪日外国人の内訳をみると、4割弱を韓国人が占めるなど、内訳には依然として大きな偏りがあります。
日本政府観光局(JNTO)が先日公表した『国籍別・月別訪日外客数』によれば、2月に日本に入国した外国人の人数は1,475,300人でした。1月の1,497,300人に続き、100万人を超えました。さっそくですが、その内訳は図表1のとおりです。
図表1 訪日外国人(2023年2月)
国 | 人数 | 割合 |
1位:韓国 | 568,600 | 38.54% |
2位:台湾 | 248,500 | 16.84% |
3位:香港 | 119,400 | 8.09% |
4位:米国 | 86,900 | 5.89% |
5位:タイ | 73,300 | 4.97% |
6位:ベトナム | 55,800 | 3.78% |
7位:豪州 | 37,700 | 2.56% |
8位:中国 | 36,200 | 2.45% |
9位:フィリピン | 33,900 | 2.30% |
10位:マレーシア | 32,000 | 2.17% |
その他 | 183,000 | 12.40% |
総数 | 1,475,300 | 100.00% |
数値は速報値なので、細かい人数が表示されていませんが、大体の傾向はつかめると思います。
これで見ると、入国者のトップを占めるのは引き続き韓国人で、入国外国人のざっと4割弱を占め、これに台湾、香港、米国、タイなどからの入国者が続きます。
この1,475,300人という人数がいかなるものなのか、多いのか、少ないのかを判断するうえで、参考として引用しておきたいのが、コロナ禍発生直前の2020年1月時点のデータです(図表2)。
図表2 訪日外国人(2020年1月)
国 | 人数 | 割合 |
1位:中国 | 924,790 | 34.75% |
2位:台湾 | 461,239 | 17.33% |
3位:韓国 | 316,812 | 11.91% |
4位:香港 | 219,358 | 8.24% |
5位:米国 | 117,343 | 4.41% |
6位:タイ | 112,534 | 4.23% |
7位:豪州 | 85,314 | 3.21% |
8位:フィリピン | 53,588 | 2.01% |
9位:ベトナム | 50,424 | 1.89% |
10位:マレーシア | 44,829 | 1.68% |
その他 | 274,791 | 10.33% |
総数 | 2,661,022 | 100.00% |
これによると2020年1月時点の入国者数は2,661,022人で、この水準と比べると、2月の1,475,300人と比べればまだ100万人以上少ない状態です。圧倒的多数を占めていた中国人の入国が正常化したとはいえない状況で、訪日外国人数が200~300万人を記録していた状況には至りません。
月次の入国者数の状況をグラフ化したものが、図表3です。
図表3 訪日外国人データ(月次)
この図表で気付くのは、やはり、中国だけでなく、台湾や香港からの入国者数が十分に回復しているとは言い難いなか、韓国人入国者数が急増していることでしょう。
日本に入国した韓国人は、1月で565,200人、2月で568,600人でしたので、単純平均で566,900人です。ちなみにこの数値は「最盛期」である2018年に迫るものです。
これに対し、韓国政府・法務部が公表した2月の訪韓日本人数は96,723人で、1月の66,900人との平均値は81,812人にとどまります。つまり、韓国を訪問した日本人、日本を訪問した韓国人の7分の1程度に過ぎません。
図表4は、日韓往来の毎月の平均値を示したものです。
図表4 日韓往来(月平均値)
これで見ると、明らかに「日本を訪れる韓国人」が「韓国を訪れる日本人」よりも圧倒的に多いことがわかるでしょう。
また、このペースで推移したら、2023年における訪日韓国人の総数は700万人弱と、過去最大だった2018年の7,140,438人に迫る水準ですが、これとは逆に韓国を訪れる日本人は100万人に満たない水準にとどまるかもしれません。
もちろん、これには「コロナ禍以降、日本人の出国者数が激減している」という事情もあるので、日本人の韓国訪問者数がこれから回復するという可能性はありますが、それにしても現状では極端な差がついているといわざるを得ないでしょう。
その意味では、この入国者数に関する統計については、引き続き注目する価値がありそうです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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何で韓国人がこんなに来日するのだろうか?来すぎでしょ。
コロナ以前 たくさん来日していた中国本土からの観光客は 2月末まで検疫が厳しく、入国に手間がかかっていました。このため2月の統計には中国からの旅行者はかなり少ないものと思います。
来日韓国人が多いのは 安く来れる外国が日本だけだからと思います。
機種の関係で長距離が飛べない韓国LCCは 日本便で稼がないといけないのです。近隣の中国、ロシアへの旅行需要多いとは思えませんから。
なので日本便の航空券は安値多売。
帰り便の空席を埋めるための 日本人向けの安いチケット、パックツアーを企画しても 訪韓旅行者増えないんですね。ただ魅力がないってことでしょう(ストレートすぎて残酷な表現)
日本での宿泊は民泊(韓国系も含む)。食事はコンビニかファーストフード。そして観光地は大混雑。お金を使わない旅行者は 日本にとって メリット多いとは思えないですよ。
人数より (日本に)お金を使ってくれる人を 増やすことを目標にしないと 観光公害が拡大します。
お金持ちほど、混雑、行列は嫌いますから。
「遊びできている人の数」
(=面倒くさいハードルを掻い潜ってでも越境する人の数、と同じ意味)
という串を通して見てみれば、日韓の人数差は、そんなに不思議じゃないような気も?(笑)
勝手な妄想ですが、日本から技術者が来てくれなくなったので、必死で伝令を送り込んでいるのかもしれまへんな。
肌感覚では、在日血族が日本に遊びに来てるような気がしますけどね。
あるいは、韓国籍のまま日本で就職してる人たちが年間2万人くらい居てはるらしいので、その血族が心配で様子を見に来ているとか。
「海外の方に日本をよく知ってもらう」
ということは総じてよいことです。
ただ、
日本を知って好きになってもらって
友好を深めるのならいいのですが、
日本を知ってパクろうと思うのが多くて
混雑すれば、まともな国の人が来づらくなります。
かつて、韓流政党民主党は、
巨額売国野田スワップウッシッシで
日本の企業と労働者に塗炭の苦しみを与え、
就職難の国からは助成金さらに増やして呼び寄せ
反日外国人参政権付与とで勢力拡大を
狙っていたのだろうと見透かされています。
弱小派閥で総理の座にしがみつくため
韓流なんかと手を組んでる岸田のことですから
韓流主体の外国人留学生労働者への
助成金バラマキ増額(?!)を
言い出さないか心配です。
もちろん、変に優遇と利権があるからと言って
来るなと言うことはできません。
ただ、
日本固有の領土竹島に
日本の許可なく不当に上陸したり
活動に組みするのは、日本にとって
山賊追い剥ぎ掠め取りに当たるものです。
外国人に助成金を与える際は
そうした犯罪者的でないことの申告を
申請条件にするのが正しいあり方だと考えます。
人為的な反日不買運動の攻勢があった事への一種の反抗なんじゃ無いでしょうか?つまり反日不買運動は相互監視による強制的側面があり、「ちょっと日本も行ってみたいかも」「日本製品買ってみたいかも」と言う本人の意見が抑圧された。その抑圧からの解放として数年分の「取り戻し」をして居る、と。今後はそれが一巡したらブームは去るのでは無いか。
また、韓国国内での観光産業の衰退もある気がします。訪韓日本人客の減少とも相まってチャイナ依存になったが、中共は限韓令を発したりコロナ騒ぎ、今は経済的クラッシュも伝えられて居ます。こうして一位二位のインバウンドを失った。元々ショボい国内観光がインバウンド目当てになって国民にはつまらなくなり、そのインバウンドが去って何もかも失った。相変わらず韓国側の資料では日本人の数字は韓国トランジット滞在を混みにして居るはずなので、目当て韓国の訪韓では無い事も特徴的ですね。
観光地の活性化はけっこうな事ですが、観光業は経済の主力にはなれないでしょう。
観光で経済発展できるならエジプトやギリシャはもっとマシな国になってます。沖縄の所得水準で気が付きそうなものですが。
海外からの観光客が役に立つとすれば、中露北南のミサイル攻撃を躊躇わせる効果でしょうか。
韓国人の観光客が多いのは、韓国内の観光資源が貧弱なのもあると思います。
今、所用で大阪の通天閣近くにいますが、韓国か中国かわかりませんが、京都に比べてアジア系が大変多いです。日本人はあまり通天閣へは観光に行かないと思いますので、歩いている東洋人は多分観光客だと思います。
安倍政権の頃から思っていたのですが、日本くらいの経済があれば観光はあくまで従にしかならんと思うんですが誰にそんな間違い吹き込まれたのだろうかと。
まして同胞の間だけで出費回す中国韓国系をもっと増やそうとか