韓国議員の竹島上陸は対韓再考の好機
本来、日本が「不戦の誓い」を新たにする終戦記念日である昨日、わが国固有の領土である島根県・竹島に、韓国の国会議員10人が上陸する事件が発生しました。いわば「不戦の誓い」を台無しにする行為です。こうした韓国による「対日侮辱行為」を招いたのは、ひとえに外務省の不作為であり、最も咎められるべきは外務省です。しかし、我々日本国民としても、「国益」という観点から、韓国とのおつきあいの仕方を考え直す時期が来ていることを忘れてはなりません。
「不戦の誓い」台無しにする韓国
わが国は昨日、71回目の「終戦記念日」を迎えました。私自身も戦争の犠牲となられた方に思いを馳せる意味で、ささやかではありますが、正午に黙祷しました。昨日、日本武道館で行われた「全国戦没者追悼式」では、安倍晋三総理大臣が式辞を述べたほか、天皇陛下からは日本国民に対し、
終戦以来既に71年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられました
とのお言葉も賜りました。我々日本国民にとって、このような素晴らしいお言葉を下さる天皇陛下を戴くことができるとは、まことにありがたい限りです。
ただ、いくら我々日本国民が「不戦の誓い」を立てたところで、こうした日本国民の真摯な思いも、悪意を持った外国により一瞬で台無しにされてしまうということを痛感させる事件が、昨日、発生しました。
韓国議員団が竹島上陸=前外交委員長ら10人(2016/08/15-11:46付 時事通信より)
報道によれば、昨日、韓国の国会議員らが、わが国の固有の領土である島根県・竹島に不法上陸しました。上陸した議員団の団長は与党に所属する「前外交統一委員長」を団長とする10人で、野党議員らも含まれているとのことです。これを、いったいどのように考えるべきなのでしょうか?
いまさら指摘するまでもありませんが、竹島は日本固有の領土です。具体的には、1905年に当時の日本政府が国際法に従って日本領に編入したものであり、韓国政府が現在、竹島を「独島」と称して不法占拠していることには法的根拠など全くありません。しかも、韓国は竹島を不法占拠する過程で、多くの日本人漁民を拉致するなど、事実上の戦闘行為を働いていたことが知られています。
韓国に拿捕された船長 73日間毎日丸麦1合と大根葉の塩漬2回(2012年8月27日 16時00分付 ライブドアニュースより【NEWSポストセブン配信】)
我々日本人が勇気を持って直視しなければならないのは、「昭和20年(1945年)8月15日以降も、日本はソ連、南朝鮮(=韓国)、北朝鮮の3か国から武力攻撃を受けている」という事実なのです。そして、昨日、竹島に不法上陸したのは、まさに竹島を不法占拠している韓国の「国会議員」という要職にある政治家らです。
では、なぜ韓国は、日本国民の「不戦の誓い」をわざわざ踏みにじるような行為に及ぶのでしょうか?
外務省と日本国民の対立
これを考える前に、ここ1年少々の間で外務省がしでかしてきた対韓外交の失敗を積み上げてみましょう。
- 明治期の産業革命関連施設の世界遺産登録を巡り、韓国からの猛烈な妨害を受ける。7月に入り、佐藤地(さとう・くに)ユネスコ大使は、韓国が主張する「強制連行」があったかのような発言を行い、国益を大きく損ねた。
- 昨年12月の慰安婦合意では、「慰安婦問題」が事実であることを前提として、その「最終的な決着」が図られた。しかし、これは朝日新聞社と同社元記者の植村隆が捏造した記事が発端となった問題であり、そもそも事実無根である。
- 「終戦記念日」に当たる8月15日、島根県竹島に韓国の議員らが不法上陸したにも関わらず、外務省は「遺憾の意」を表明するに留まる。
いかがでしょうか?
日本に対する挑発・不法行為を仕掛けてきているのは明らかに韓国側ですが、これに対して外務省が行っていることといえば、韓国に対する一方的譲歩であったり、あるいは「遺憾の意」の表明であったりします。韓国に対する何ら実効性のある制裁手続を取っていないのです。
それだけではありません。たとえば竹島関連に関する外務省のウェブサイトを見ても、日本人漁民が韓国軍・韓国当局に不法に拿捕された話などは一切紹介されていませんし、ユネスコの世界遺産登録で韓国が国を挙げた猛烈な妨害をしてきたことについては一切触れられていません(※外務省がその問題に触れたページがあるのを知っているという方がいれば、逆にむしろ教えてください)。
つまり、外務省の不作為が韓国に徹底的な反日行為を取らせる原因にもなっているのです。
では、外務省はなぜ、韓国の日本に対する不法行為の数々を、敢えて放置しているのでしょうか?これについて、岸田文雄外相、あるいは杉山晋輔事務次官は、きちんと日本国民に向けて説明すべきでしょう。その説明には、少なくとも次の項目を含めるべきです。
- 昨年の世界遺産登録問題で佐藤地(さとう・くに)ユネスコ大使が次の発言を行ったことの理由について
“Japan is prepared to take measures that allow an understanding that there were a large number of Koreans and others who were brought against their will and forced to work under harsh conditions in the 1940s at some of the sites, and that, during World War II.”(仮訳)「日本としては、第二次世界大戦中の1940年代にいくつかの現場で、大量の朝鮮人・その他が意思に反して連れてこられ、過酷な環境の下での労働を余儀なくされたことの理解を助けるための方策を準備している。」
- 昨年12月に、「慰安婦問題」が存在することを前提として、その「最終的な解決」で合意したことの理由について
- 韓国が竹島を不法占拠していることは明白な事実なのに、国際司法裁判所(ICJ)に提訴しないことの理由について
安倍総理は、確かに対中・対米政策では良くやっていると思います。しかし、対韓外交では、特に2015年の世界遺産登録妨害事件以来、「稚拙」といえるミスが目立っています。外務省は、「日本国民に対して」、対韓外交の稚拙なミスについてきちんと説明しなければなりません。
韓国は日本の敵?味方?
その一方で、韓国が反日に邁進しすぎたためでしょうか、国民の多くは、既に韓国に対する親近感を失っています。
李明博(り・めいはく)前韓国大統領は、大統領退任直前の2012年8月に島根県・竹島に不法上陸していますが、その年の10月に行われた「外交に関する世論調査」では韓国に「親しみを感じない」人が一気に過半数となります。さらには、後任の朴槿恵(ぼく・きんけい)現大統領が就任して以来、日韓首脳会談が1年以上開かれなかったことや、日本を侮辱する慰安婦像が世界中で建立されたこと、さらには「告げ口外交」とも揶揄される、世界中で日本を貶めて回る外交がなされたことなどが思い出されますが、いまや日本人の3分の2近くが「韓国に親しみを感じていない」状況にあります。
ただ、外交を考えるうえで、特定の国とおつきあいするかどうかは、「好き嫌い」ではなく、「国益」に従って冷静に判断する必要があります。では、韓国は日本にとって、どのような国なのでしょうか?
冷戦期(たとえば1960年代あたり)であれば、日本はソ連(当時)・中共(「共産党が支配する中国」という意味で、当時、メディアでも頻繁に登場していた単語)・北朝鮮と対峙する意味で、「南朝鮮」(韓国の当時の呼称)との関係を強化することには、一定の合理性もありました。特に、日本が残していった莫大な資本インフラのうち、水力発電所など、かなりの部分は北朝鮮にありましたから、世界の最貧国レベルの経済力しかなかった「南朝鮮」が北朝鮮から侵攻され、赤化統一されるというのは現実的な脅威だったのです。
そうなると、当然、日本にも大量の難民が押し寄せてくる危険性がありますし、日本が共産圏と対峙する最前線となってしまうという恐怖もあったようです(もっとも、日本は北海道でソ連・ロシアと、沖縄で中国と、それぞれ対峙していますが…)。そして、当時の日本の指導層には、韓国が先進国になれば、日本にとって国際社会における「味方」が増える、という思惑もあったに違いありません。
しかしながら、現実にはその後、韓国がOECD加盟国となり、国力をつけてくると、彼らは日本に対し敵対し、ことあるごとに日本を妨害するようになりました。欧米が中心となる国際社会で「孤軍奮闘」していた日本を、いわば「後ろから刺す」ような行為に出たのです。
現在の日韓関係が「外交関係として成功している」と思う人は、皆無でしょう。なぜなら、韓国は「日本からの過去の謝罪は十分ではない」と思っているわけですし、日本は「いつまでたっても過去にこだわり続ける韓国」に辟易としているからです。
そして、現在の韓国は、中国と米国の間でふらふらと軸足の定まらない外交を続けながらも、「反日」だけはきっちりと遂行しています。そうであれば、韓国の望み通り、日本は韓国と断交し、韓国に経済制裁を下すのが、正しい外交の在り方ではないでしょうか?
覚悟を固めよ
そろそろ、日本もいつまでも問題を先送りする局面ではなくなってきました。昨年12月の慰安婦合意に基づく10億円の拠出が行われるそうですが、これを機に、ぜひ、日本政府は対韓外交を見直してほしいものです。これ以上の国益毀損は許されません。具体的には、10億円を「手切れ金」としたうえで、長期的には、米国との関係において、韓国を「日米共通の同盟国」から「中国の同盟国」「日米共通の仮想敵国」へクラス・チェンジを図るべく、米国への働きかけを始めるべきでしょう。
一方、すぐには難しいかもしれませんが、いずれ、次のような対策の実施が必要でしょう。
「◆韓国国民に対する日本への入国ビザ免除制度の見直し、◆韓国の企業・銀行による日本国内の資本市場での起債の制限、◆日本の産業にとっての基幹部品の対韓輸出規制、◆在日韓国人・朝鮮人らに対する特別永住許可の更新制度の導入、◆竹島領有権問題を巡る国際司法裁判所(ICJ)への強制付託」
日本政府の決断に期待するとともに、私も日本国民の一人として、「日本人は対韓関係の見直しを恐れるな」と唱え続けるつもりです。
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