日本の譲歩を前提とした日韓関係改善論の大きな間違い
日韓関係を「改善」するためには、「日本が韓国に譲歩しなければならない」。こんな与太話が、またしても出て来ました。米戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長のマイケル・グリーン氏が韓国メディア『中央日報』に寄稿した記事を読んでいると、そもそもの前提条件が大いに間違っているとしか言いようがありません。
日韓関係が良好ではない「理由」と「ゼロ対100理論」
日韓関係は良好か、良好ではないかと聞いてみると、日韓両国を含め、多くの人が「現在は良好ではない」と答えるでしょう(ただし、日本人のなかには、最近、「現在くらいの状態がちょうど良い」、などと述べる人も増えてきたようですが…)。
ただし、「日韓関係が良好ではない」という理由を巡っては、日韓で意見は異なるようです。
日本の側では最近、日韓関係にさしたる関心がない人であっても、2015年の慰安婦合意を含め、韓国が日本との関係で、さまざまな約束や条約、国際法などを破ってきたことについては、かなり認識しているのではないかと思います。
これに対し韓国の側では、「日本が過去について謝罪も反省もしないのがすべての原因だ」、あるいは「韓国にも悪いところはあるかもしれないけれど、日本にも悪いところがある」、といった言い分が一般的でしょう。
ちなみに余談ですが、韓国では自分たちの側に100%の過失があったとしても、なんだかんだで理屈をつけ、「お互いが悪い」などと言い募るという癖があるようですが、これを当ウェブサイトでは「ゼロ対100理論」と称しています。
※ゼロ対100理論とは?
自分たちの側に100%の過失がある場合でも、インチキ外交の数々を駆使し、過失割合を「50対50」、あるいは「ゼロ対100」だと言い募るなど、まるで相手側にも落ち度があるかのように持っていく、韓国や北朝鮮が好んで使う屁理屈のこと。
問題は韓国の側にある
いずれにせよ、韓国が日本に対し、さまざまな不法行為を行っているという状況だと、日韓関係の破綻を回避するためには、韓国が国際法を守る方向に舵を切るか、日本が韓国の不法行為を不問に付して譲歩するか、そのいずれかしかあり得ません。
ただ、少なくとも自称元慰安婦問題、自称元徴用工問題、竹島不法占拠問題などを巡っては、日本にはまったく落ち度がありませんので、これらの問題で日本が韓国に譲歩するということは、大変に難しいでしょう。また、日本政府も韓国に下手な譲歩をしようものなら、政権が吹き飛ぶ可能性すらあります。
問題は、これだけではありません。
日本政府が現在、米国、インド、豪州などの国際社会を巻き込みつつ、力強く推進している「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」という構想に、韓国はまったく協力していません。
とりわけ米中対立局面が強まるなかで、韓国が米国の同盟国でありながら、米国、中国の双方のあいだで「戦略的あいまい性」を維持していること自体、正直、「日米韓3ヵ国連携」を前提とした安全保障の枠組みを機の不全に追いやりかねない行為でもあります。
このように考えていくならば、日本が韓国に対し「譲歩する」という多大な政治的コストを払ってまで、日韓関係を維持する必要があるのか、大いに疑問です。
前提条件が間違っているマイケル・グリーン氏の議論
こうした視点で、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に本日掲載された次の記事を読むと、著者の方が基本的な前提条件を把握していないのではないか、と思えてならない部分もあります。
【グローバルフォーカス】大統領選後に韓日関係の転換点は来るのか
―――2022.01.14 11:23付 中央日報日本語版より
記事を執筆したのは米戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長のマイケル・グリーン氏です。
読んでいただければわかりますが、グリーン氏の認識は、正直、周回遅れと言わざるを得ません。記事冒頭にはこんな記述があります。
「韓国・米国・日本の北東アジアにおける戦略的弱点は悪化した韓日関係だ。この3つの民主主義国家が域内規範を基盤とする国際秩序を守ることができず、挑発と攻撃を阻止できなければ、利益はそのまま北朝鮮と中国・ロシアのものとなる」。
このあたり、「日韓関係が悪化すれば、北朝鮮、中国、ロシアが喜ぶ」という発想は、「日韓関係をどんなコストを払っても修復しなければならない」などと主張する人たちが好んで持ち出すロジックです。要するに、「日本も韓国も、仲たがいするのをやめて和解しなければならない」、という主張です。
グリーン氏は韓国の次期政権で「日韓関係の改善」が図られるかどうかを巡り、韓国の専門家らが「1998年の小渕恵三首相と金大中(きん・だいちゅう)大統領の歴史的な日韓会談に匹敵する関係の転換」を期待しているとしつつも、「率直に言って予感は良くない」とします。
ところが、その次のくだりに、深刻な事実誤認があります。
「主な問題は、日本の政治指導者が性向を問わず慰安婦および強制徴用問題でこれ以上妥協することを考えていない点だ」。
違います。全然違います。
主な問題は、「日本が韓国に妥協しないこと」、ではありません。「韓国が日本に対し、理不尽な要求をしてくること」です。グリーン氏を含めた米国内の「日韓友好論者」が議論の出発点において勘違いしているのは、まさにこの「日本が韓国に譲歩することが必要だ」とする命題が、当然の前提となっていることでしょう。
グリーン氏は、こう続けます。
「1965年の韓日基本条約ですべての対日請求権問題が解決し、2015年の朴槿恵-安倍合意で慰安婦問題は終結したというのが日本側の考えだ」。
このあたり、ご自身の国の当時の政権自身が2015年の合意をバックアップしたという事実が、グリーン氏の頭からはスッポリ抜けています。これは「日本側の考え」ではありません。「事実」です。
そして、韓国が約束を破ったことが、すべての問題の始まりです。その点を認識していないからこそ、グリーン氏の文章では、次のようなわけのわからない記述が出てきてしまうのでしょう。
「岸田首相は『ボールは韓国にある』という言葉でこの点を明確にした。岸田首相、林外相が新しい妥協案を出すことを望んでもそれは容易ではない」。
「韓国が約束を守る」という選択肢がない時点で、まともに相手をする必要がない与太話です。
なにより、グリーン氏自身、韓国が「FOIP」にコミットしていないという事実を、いったいどう考えているのでしょうか。そもそも論ですが、同盟国である日本に「韓国に譲歩せよ」という多大なコストを押し付けておいて、米国の国益に寄与せよとは、なかなかに厚顔無恥と言わざるを得ない御仁でもあります。
念のために、最後のこの記述についても取り上げておきましょう。
「共有する価値と利益のために協力して信頼を積み上げながら構築した善意の関係は、両国の前にある難題を取り除く原動力になるだろう」。
そもそも韓国が日米と価値や利益を共有しているのかどうか。
百歩譲って共有していたとして、韓国がこれまで、「信頼を積み上げる」に値する行動をしてきたのかどうか。
グリーン氏のこの議論、初歩的な前提条件が間違っているため、正直、まったく傾聴するに値しないと思わざるを得ないのです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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マイケル・グリーン……そういえばこんな人もいたな、位の印象です。
過去の発言からすれば、中央日報にはありがたい人物なんでしょうね。
今のアメリカに韓国の味方をしてくれる人は貴重でしょうしね。
でも、こんな記事を書いても韓国人に
「アメリカ人にも味方は居る!ちゃんと分かっている人も居る!希望はまだある!」
といった感情を持たせる以外のメリットはあるんだろうか……?
それだけでも今の韓国にはありがたいのかな?
寄稿した時点の内容と、掲載された時点での内容は同じだろうか?
内容や表現を都合のいいように変えちゃう国や組織に寄稿する時点で、判断ダメダメだが。
①英語で → ②韓国語へ翻訳 → ③日本語へ
穿った見方ですが、①→②の過程で、韓国にとって都合のよいような書き換え、意訳がなされてはいないでしょうか。
原文が正確に訳されてきたのであれば、マイケル・グリーン氏が上級副所長(要職?)を務める米戦略国際問題研究所(CSIS)というのもたいしたことはないな、と思いました。
米国政府肝いりなのかどうか知りませんが、このようなシンクタンクの研究・報告を採用するようであれば、諸処での戦略を誤ることになるのではないでしょうか。
アメリカの外交はずっと前から間違い続けていると思います。
分析が表層的というか、国の歴史や民族性についての分析が甘いのでは無いのでしょうか?
アメリカの歴史が浅いせいかも知れませんが。
アメリカのシンクタンクとの対話が必要なのかも知れません。
同感です。アメリカの歴史が浅いというのにも納得です。教科書や大学で学んだ歴史と 先祖代々の言い伝えとでは重みが違います。彼は西欧に対する歴史は少しは理解できても アジア民族の歴史認識が全くダメ。だからベトナムでもイラン・イラクでも失敗ばかり。こんな人を雇っているCSISは3流のシンクタンクだと思う。
必ずしもそうとも言えない
アメリカの教科書は、ヨーロッパと合衆国以外の歴史が極めて質量共に薄っぺらいから
これ中央日報 日本語版ですよね。
その時点でもう・・・笑い。
新宿会計士様なら直接英語版を翻訳してほしかったです。
そうじゃ無ければグリーン氏の本当の意図はわからないと思います。
韓国ってこれまでも日本と韓国に言われたことを日本だけが言われたように報道したり、はなはだしくは自分たちの意見を勝手に付け加えたりって事平気でしますよね。
中央日報朝鮮語版の元記事を見付けました。
Google の機械翻訳の内容は日本語版と大差ないようですな。
https://www.joongang.co.kr/article/25040605
所詮は民間シンクタンク。
日本の有力なシンクタンクも、ある程度は政府に影響を与えますが、政府と見解がまるっきり異なるケースもあります。
寄稿と表現してますが、原稿料を払って都合の良い記事を書かせたというところでは?
では日本が韓国に頭を下げたら、韓国はアメリカ側に付くのか?
マイケル・グリーンさんは確信を持っているのだろうか?
日本人からしたら、そんなことは100%無いと断言できる
約束を守らない国と何を妥協する(話す)のか、まず約束を守れ。日本側から譲歩する必要は全くない。
それから自称徴用工と慰安婦の問題を「歴史問題」というマスコミや国内政治家・元外交官は認識を改めてもらいたい、あれは「歴史にかこつけた国際法違反」である。そんな言葉を使うこと自体が朝鮮半島側のペースに乗って振りまわれてしまう。
ああ、マイケル・グリーン氏ね……(苦笑)
まあ、これだけで終わらせるのも何なので多少追記すると、アメリカの東アジア戦略における脆弱性の一つが「日韓関係の不安定性」にあるというところまではあながち間違いとも言えないでしょうが、その不安定性が「韓国の不安定性(鈴置さんに言わせれば『韓国の特殊性』)」そのものであるという視点が欠落しているために、以降の議論がすべて上滑りになっているのです。
ただし、掲載されたのが韓国メディアであるという「特殊性」を考慮する必要がありますが、CSISと言えばアメリカの対アジア政策錯誤の総本山のようなところですので、グリーン氏が本気でそのように考えているという可能性も捨てきれません。彼の過去の発言を見る限り、彼は「可哀そうな韓国」という固定観念をどうしても拭いきれないようでいるように見受けられます。かつては日本にも「可哀そうな韓国」視点を共有してくれる人がいたんですが、そのような世代が絶滅したいまとなっては、日本人の心には何も響かなくなりました。日本人じゃない人には何かしら響くのかもしれませんが。
サイト主様
大変申し訳ございませんが、上記コメントを一度削除願います。
「アメリカ言うことを聞かないクズ国家を日本が面倒みろ。」と腐った肉を日本に押し付けるのは止めてもらいたい。
マイケル・グリーン氏は、日本に日韓関係の改善を要求するリスクにまだ気が付いていないようですね。
日本は今までアメリカの無理筋に付き合わされて来たように思います。
宮澤元首相もアメリカに忖度して韓国に譲歩したのかもしれないとも思います。
慰安婦の強制連行を認める事は、私の父親を含む日本のために命を懸けた人々に対する侮辱行為であると思いますが。
これ以上日本に対して韓国への譲歩をアメリカが迫るなら、アメリカのアジア戦略というか世界戦略の生命線である日本国民の対米意識を大きく悪化させる愚策であると気が付かないところがまさにアメリカ的鈍感さであると感じざるを得ません。
分かっている人もアメリカにはいるかもしれませんが。
バイデン氏はそこまで鈍感であると思いたくはありませんが、対岸田首相という事になると不信感が先に立ってマイケル・グリーン氏のような誤った認識に基づく圧力を日本に対してかけかねない危険性を感じています。
個人的には、岸田総理なんぞよりも、バイデン大統領のほうがよほど不安要因だと考えています。
日韓関係でバイデン大統領が日本に対して圧力を掛けてくる可能性はほとんどないだろうと見てますが、対中国姿勢でいつ日和るか、梯子を外してくるかわかりません。まず、バイデン氏は政権の目玉法案可決のめどが立たず、国内政治を思い通りに動かせていません。先のアフガニスタンでの「失態」や絶賛昂進中のインフレ(こっちのほうがより痛い)も併せて、今年の中間選挙で民主党が敗北すれば「弱い大統領」になることは確実であり、そのままカーター氏以来の「失敗大統領」になる可能性すらあります。
さらに、日本も同様ですが、アメリカの経済界も対中激突を望んでいません。対中経済圧迫にどこまで従ってくれるか、若干心許ないところがあります。なにしろアメリカは「金の亡者」の総本山ですから。
このように考えると、「日韓関係『改善』」は日本にとってはもちろん、アメリカにとってすらも、良くも悪くも、さほど優先順位の高い問題ではなくなったのではないかと思っています。
アメリカ民主党の支持基盤がニューヨークやカリフォルニアの資産家に加えて、黒人やヒスパニックなどである事がバイデン大統領の政策を解りにくくしていると思っています。
資産家は中国と揉めたく無いでしょうし、貧困層は保護貿易を要求するでしょうし。
トランプ復活もありそうですね。
シンクタンクは個々の研究員の寄せ集め。
個人の考えに賛同するスポンサーから資金を出してもらうというビジネス。
韓国寄りの主張をすれば、バンクなりからそれなりの安定資金を受けられます。
韓国寄りの主張の賛同者は、韓国のロビー活動で米国にそこそこいますから、日本のリスクなど知ったこっちゃありません。
お疲れさまです。
人それぞれ意見はあるとおもいます。
究極の選択、反日国家と妥協するか断交するか、私は断交希望いたします。
この米戦略国際問題研究所(CSIS)に関する中央日報の記事について、いくつか意見を述べたいと思います。
まず、私の結論を申し上げますと、マイケル・グリーン氏発言を気にする必要はない!ということです。以下は、その理由です。
(1)最初に知るべきことは、このCSISの立ち位置です。これはCSISの記事の中にある下記文章で明確です。則ち、
Commentary is produced by the Center for Strategic and International Studies (CSIS), a private, tax-exempt institution focusing on international public policy issues. Its research is nonpartisan and nonproprietary. CSIS does not take specific policy positions. Accordingly, all views, positions, and conclusions expressed in this publication should be understood to be solely those of the author(s).
以下はその機械和訳
「解説は、国際公共政策問題に焦点を当てた民間の非課税機関である戦略国際問題研究所(CSIS)によって作成されています。その研究は無党派で非独占的です。CSIS は特定なポリシーの立ち位置を取りません。したがって、本書で表明されたすべての見解、立場、結論は、著者のものだけであると理解されるべきです。」
つまり、CSISは無責任な民間の一組織です。日本側がいちいち気にする必要がないといえば、その通りだと思います。
韓国メディアが喜んでニュースにしても、日本側が放置すればそれで終わりです。
上記の英文は、例えばここの一番下にあります。↓
https://www.csis.org/analysis/case-us-japan-rok-cooperation-democracy-support-indo-pacific-region
上記の英文記事を開いて、記事の表題とその上に三つ並んだ旗をみれば、「え!」を思うかもしれません。
この研究のための日本政府からCSISに助成金が出ている!と聞くと、もっと驚かれるのではないでしょうか?
(2)別の例です。米国のトランプ政権時2019年3月に、同じくCSISの研究員で、ジョージ・ワシントン大学教授のラリー・ニクシュ氏が、古森義久氏(産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)のインタビューに答えたJBpressの記事では、全く反対のことが述べています。↓
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55733
残念ながら、本文はPremium会員専用になってしまいましたが、インタビューの内容は、「韓国側が違反行為を履行した場合にはWHOに提訴すべき。日本企業の資産の差し押さえや現金徴収をした場合は、等しい金額の関税をかけよ。韓国側の当事者が日本から韓国に送金する際には、特別な税金をかけるという警告も一策である」等、慰安婦問題に関しても「一方的な合意破棄は正当化できない。日本は慰安婦問題に関する再交渉や再協議には一切応じるべきではない」という、まさしく我々日本側を「正」としています。
私は、こちらも朝鮮半島問題の専門家、ラリー・ニクシュ教授のご意見が米国の本音だと信じています。ただし、韓国を簡単には切れそうにないので、そういう声を上げて頂ける米国からの数は少ないでしょうが。
無病息災の男様、
上記のCSISの記事「インド太平洋地域における民主主義支援に関する日米韓協力の事例」のリンクを有難う御座いました。
要約すると以上の記事の結論は「日米韓の三国は対外支援や援助で協力できるどころから協力すれば良い」で、「日本が妥協すべき」とは一言も書いてありませんでしたので良しとします。
この記事についての、私の視点での一番の問題点は、この CSIS の東アジアの専門家さん達の頭の中でも「韓国はちゃんとした法治国家である」と言う現実とは乖離した前提から論旨を展開している事です。
日本政府は韓国政府の約束破り・国際法違反・条約無視の行状を国際舞台でもっと宣伝すべきですな。
は米国においては「社説」と「寄稿」を区別するための但し書き・常套句・枕詞で、悪意は無いと思います。
笑w様
その 『但し書き・常套句』が、CSISの日本議長、シニアフェロー兼副所長でもあるNicholas Szechenyisi氏のCSISの記事にも付けられていて、記事は個人見解だとされているのですから、マイケル・グリーン副所長の記事も個人見解ですよね。
なお、中央日報の記事中にある 「中央日報-米戦略国際問題研究所(CSIS)フォーラム2021」の内容は、下記の動画で見ることが出来ます。ご興味がある方はどうぞ。↓
https://www.csis.org/events/joongang-ilbo-csis-forum-2021
この動画の41:00あたりで、マイケル・グリーン副所長が、『オーストラリア、アメリカ、日本、インドは協力している。Korea is not a part of the team. 』とはっきり発言しておられました。地政学的に韓国の状況を理解しておられるようでしたが。
多分、韓国側のメンバーにとって、このフォーラムは居心地のよいものではなかったでしょうし、韓国が責められているような内容では、そのまま中央日報の記事になることはないでしょう。
このフォーラムに 元韓国外交部長官の尹炳世の顔が見えたのも、驚きでした。
戦略的弱点は悪化した韓日関係ではなく、米韓関係だろうと。米韓関係がスムーズなら日米韓も勝手に機能するし、そもそも韓国が日本にすり寄ってくるときは米中に頼み事があるときだけだし。
>日本の専門家は韓国が中国のアジア覇権の野心に同調すると感じる一方、韓国の専門家は日本がクアッド(日米豪印)と海洋民主国家連帯を強調して過度に中国と緊張を形成していると考える。しかしアジアの明るい未来を望む両国の観点は大きく異ならない。ともに中国の覇権主義を警戒し、域内の米国の強いリーダーシップを望む。
韓国の『アジアの明るい未来』が意味するのは、日本が冤罪なのに未来永劫謝罪と賠償をし続ける未来であって、そんな未来は真っ平ごめんな訳で。
グリーン氏の韓国に対する理解は全然駄目ですねぇ…。