MOD関数でエクセルの「列数と列番号」を対応させる

MOD関数は使い方次第では非常にパワフルです。先週の『MOD関数を使って「曜日」を特定する超絶テクニック』では、エクセルの日付設計の特徴を利用し、「割り算の余り」を返す「MOD関数」を使って「曜日を数値的に特定する手法」を取り上げました。そして、このMOD関数、意外と強力な使い方がほかにもいくつかあります。本稿は『エク達』というウェブサイトからの転載コンテンツです。

エク達は、「エクセル評論家」でもある新宿会計士が、エクセルなどの「オフィス系の汎用ソフト」を使い、誰でも気軽に、かつ安価に、とても迅速かつ正確に仕事をこなす、ビジネスマンとしての基本テクニックを研究するサイトである。

MOD関数の威力

MOD関数を使って「曜日」を特定する超絶テクニック』では、エクセルの日付設計の特徴を利用し、「割り算の余り」を返す「MOD関数」を使って「曜日を数値的に特定する手法」を取り上げた。

この「MOD関数」、エクセルの基本的な教科書でさほど多く出てくる関数ではないが、実務上は大変に「使える」関数でもある。というのも、「一定周期で現れる数列、文字列など」を出現させるのに、うまく活用できるからだ。

改めて説明すると、「MOD関数」の書式は、次のとおりである。

MOD(数値,除数)

これは、「数値」を「除数」で割った余りを返す関数であり、たとえば、「数値」に「9」、「除数」に「7」を指定してやると、答えは「2」である(図表1)。

図表1 MOD関数の実例

なお、この場合、「数値」が「9」以外であっても、たとえば「16」「23」「30」など、7つごとに「余り」が「2」になる数値が出現する。この特徴を使い、「エクセルのシリアル値を7で割った余り」で曜日を判定する、というのが、『MOD関数を使って「曜日」を特定する超絶テクニック』でいう「超絶テクニック」だった。

  • 0…土曜日
  • 1…日曜日
  • 2…月曜日
  • 3…火曜日
  • 4…水曜日
  • 5…木曜日
  • 6…金曜日

※なお、似た関数に「WEEKDAY関数」なるものもあるが、こちらのMOD関数の方が、入力に際しての文字数も少なく、扱いやすいため、オススメである。

アルファベット文字列を繰り返す

このMOD関数、強力な使い方はこれだけではない。次に紹介したいのが、「アルファベット文字列を繰り返す」という使い方だ。

サンプルシートを準備しよう(図表2)。

図表2 サンプルシート

サンプルシートのA2セル、B2セルには、各々次のような数式が入力されている。

  • 【A2セル】=ROW()-1
  • 【B2セル】=MOD(A2-1,26)+65

これは、こういう意味だ。

A2セルの値から1を引いたものを26で割った余りに65を足せ」。

いったい、これにどういう意味があるのか。

これは、同じシートに表示されている、実際の計算結果を見ていただく方が早いだろう。

図表2のB2セルの値は「65」と表示されているはずだ。そして、順次、「B3」セルが「66」、「B4」セルが「67」という具合に、ひとつずつ値が増えて行く。この数式を続けていくと、「B27」セルで数値が「90」にまで増え、次の「B28」セルで「65」に戻っていることが確認できるだろう。

では、この「65」、いったいどういう意味があるのか。

さきほどの図表2で作ったサンプルシートのC2セルに、さらにこんな計算式を入力し、それをC3以下のセルにコピーしてみよう。

=CHAR(B2)

これは「CHAR関数」と呼ばれ、使用しているマシンの文字セットのコード番号に対応する文字を返す関数だ。具体的には「C2」セルに「A」という文字が出現し、以下、順次「B」「C」「D」…、が表示されるのが確認できるだろう(図表3)。

図表3 CHAR関数の入力結果

ポイントは、27行目の「Z」の次は、28行目で再び「A」が出てくることだ。そのカギはもちろん、MOD関数でアルファベットの数である「26」を使用していることにある。

エクセルの列名称と列数の対応表も簡単!

さらに、「D28」「E28」「F28」セルに各々次の計算式を入れ、以下のセルにコピー&ペーストしてみよう。

  • 【D28セル】=TRUNC((ROW()-2)/26)+64
  • 【E28セル】=CHAR(E28)
  • 【F28セル】=E28&C28

すると、今度はこんなシートが出来上がる(図表4)。

図表4 完成形

F列(図表5の赤枠で囲った部分)は、じつは、エクセルのシートの列番号でもある。

エクセルのシートは、列は「A列」、「B列」、…、という具合に、アルファベットで表示されている(※もちろん、変更する方法はある)。そして、列が「Z列」までいくと、その次は(なぜか)「AA列」になるのだ。

すなわち、このシートは、エクセルの列数と列名称の対応表になっていて、INDIRECT関数などと組み合わせて使ううえで、じつは、大変便利なシートでもあるのだ。

是非、ご活用いただきたい。

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