【緊急上梓】釜山の慰安婦像問題の本質
本日、「慰安婦像」を巡り、日本国民として到底許せないニュースが入ってきました。本日は予定を変更してもう1本、日本国民の一人としての「魂からの思い」を書き留めておきたいと思います。
目次
慰安婦問題を巡る混乱
市民団体の圧力に負ける行政当局
日韓両国の「慰安婦合意」から丸1年となる今月28日、韓国・釜山(ふざん)市の日本領事館前の公道上に、地元の市民団体「未来世代が建てる平和の少女像推進委員会」が慰安婦像を設置しましたが、釜山東区庁は同日、これを強制排除し、撤去・押収しました。
ところが、慰安婦像が撤去された直後から、同庁には「業務がマヒするほどの抗議電話」が殺到。同庁ホームページには苦情の書き込みが相次ぎ、29日夕方4時頃にはホームページがダウンするという騒ぎにまで発展しました。
こうした「市民団体」(?)側の反発が強すぎたためでしょうか、本日付の「中央日報日本語版」によると、同庁は押収したこの慰安婦像を市民団体側に返還する方針を固め、さらには慰安婦像の設置そのものを許可する方針に転換したそうです。
釜山日本領事館前の少女像設置を許可…「自治体が対応するのは難しい」(2016年12月30日11時13分付 中央日報日本語版より)
なかなか信じられない話です。
釜山市当局が28日時点で慰安婦像を撤去した行為は、法治国家としての常識に照らしても正当な行為です。しかし、これに対して「市民」側から、抗議の電話が殺到し、ウェブサイトにも当局対応を批判する書き込みであふれたということですから、「慰安婦問題」を巡る韓国国民の反応は明らかに常軌を逸しています。釜山東区庁は事実上、こうした「常軌を逸した韓国国民の反応」により、方針の転換を迫られた格好だともいえるでしょう。
外国公館前に慰安婦像を設置するという問題
当たり前の話ですが、外国公館前に、今回の慰安婦像のような構築物を設置することは、国際法に照らしても違法です。なぜなら、「外交に関するウィーン条約」(正式には「外交関係ウィーン条約及び紛争の義務的解決選択議定書」)第22条第2項には、次のように明記されているからです。
「接受国は、侵入又は損壊に対し使節団の公館を保護するため及び公館の安寧の妨害または公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有する。」
ここで、「接受国」とは韓国政府のことであり、「公館」とは日本領事館のことです。
ただし、条約上の「公館の威厳の維持」は、あくまでも韓国政府の義務であり、一方の「釜山東区庁」は「地方政府」に過ぎません。したがって、今回の騒動の責任を「釜山東区庁」に押し付けるのは気の毒な気もします。実際、先ほどの中央日報日本語版の記事によれば、区庁長は「自治体が対応するのは難しい」と語ったそうです。
しかし、敢えて厳しいことを申し上げれば、法治国家である以上は法律に従って粛々と職務を執行すべきですし、百歩譲って「自治体が対応するのは難しい」と思うのならば、なおさら、「中央政府に対して」事態の収拾に当たるように要請するのが筋でしょう。
もちろん、ソウルの日本大使館前の慰安婦像すら撤去できない現在の韓国政府に「事態の収拾」ができるとは、私には到底思えないのですが…。
市民運動はますます先鋭化し、暴走する!
この一連の騒動を見るに、もはや韓国では、「慰安婦」が一種の「錦の御旗」のようになってしまっていて、「慰安婦強制連行に対して日本は謝罪すべきだ」とする意見に対し、もはや韓国国民は誰も表立って反対できない状況なのではないでしょうか?
その結果、韓国では市民運動が先鋭化し、暴走していると見るべきでしょう。
そして、もう一つ気になるのが、「市民運動の暴走」を止められない、韓国政府の当事者能力のなさです。
今回の騒動だけでも、「法律よりも国民情緒を重視する」という韓国政府(あるいは地方政府)の姿勢が、よりいっそう明白になりました。国民からの反発を恐れるあまり、法律や外国との合意すら守れなくなっているのです。
いずれにせよ、比較的「親米保守」であるはずの現政権でさえこうなのですから、韓国の次期政権が「反日」「離米」を掲げ、慰安婦合意を反故にする(あるいは蒸し返してくる)確率は極めて高いと見るべきでしょう。
韓国人の6割「慰安婦合意を破棄すべき」
ところで、韓国の世論調査によると、その「慰安婦合意」については「破棄すべきだ」との回答が59%に達したそうです。
韓日慰安婦合意 韓国世論「破棄」に傾く=世論調査会社(2016/12/29 13:00付 聯合ニュース日本語版より)
聯合ニュースの記事によると、
- 「韓日合意」(※日韓合意の韓国側からの呼称)について、「破棄すべきだ」が59.0%、「維持すべきだ」が25.5%、「よく分からない」が15.5%
- 調査実施日は12月28日、対象は成人525人、調査実施者は世論調査会社のリアルメーター
- 合意直後の昨年12月30日時点で「韓日合意は韓国政府の誤りだった」が50.7%、「韓日合意を評価する」が43.2%
ということです。聯合ニュースはこのような世論調査結果が出たことの背景について、「1年の間に否定的な世論が強まった」ためだと説明していますが、アンケート調査自体、1年前と設問が異なるため、そのような単純な比較はできません。ただ、現時点の韓国の世論が「慰安婦合意」の撤回を求めているということ自体は間違いないと考えて良いでしょう。
また、聯合ニュースによると、慰安婦合意を「破棄すべきだ」と回答した比率は、40代で79.2%、30代で76.4%でした。いわば、「社会の中核層」である30代や40代の7~8割が慰安婦合意破棄を望んでいるということです。調査対象サンプルが韓国社会という母集団を正確に示していると仮定すれば、「日韓慰安婦合意を求める意見」は、「社会のごく一部の極端な層」にみられるのではなく、「韓国の現役世代のマジョリティ」を占めているということです。
冷静な判断ではなく感情を重視する
以上、韓国国民の一連の行動を見ていて痛感することは、彼らが「客観的事実関係」や「約束」よりも、「その場の感情」を重視する国民だ、ということです。
日本人だと「理性」が働くので、どんなに納得のいかない法令や条約であっても、辛抱してそれを守ろうとします。昨年の「慰安婦合意」は、日本国内でも保守層を中心に、強い反発を招きましたが、それでも日本国内では表立って「慰安婦合意を破棄しよう」と考える人は少数派でしょう。
しかし、韓国国民の場合、明らかに「理性」が働いていません。つまり、韓国国民の多数が「嫌だ」と思えば、国際条約ですら無視して良いと考えるのが韓国国民だ、ということです。
この事実は、私たちが韓国との関係について考えるときに、絶対に忘れてはならない前提条件なのです。
慰安婦問題の「唯一の解決」とは?
では、この「慰安婦問題」、どうやれば「解決」するのでしょうか?実は、これには次の二つしかあり得ません。
- 韓国国民が納得するまで、日本が韓国に謝罪し続ける
- 韓国が日本にこれ以上、謝罪を求めない状態を作る
このうち、韓国国民が考える「慰安婦問題の解決」とは、「韓国が納得するまで」(つまり「未来永劫」)、日本が韓国に謝罪し続けることです。
しかし、慰安婦問題は朝日新聞社と植村隆が捏造した事件です。私は日本人の一人として、ウソの事件で謝るくらいなら、慰安婦問題など「解決」しない方が遥かにマシだと思いますし、このように考えるのは私だけではなく、おそらく日本人の多数派であるに違いありません。
よって、「日本が韓国に謝罪し続ける」という選択肢は、絶対にありえないし、あってはならないのです。「ウソであってもとりあえず謝っておけば丸く収まる」などという安易な考え方は、少なくとも私にとっては到底受け入れられません。
したがって、慰安婦問題を解決させるためには、私は後者しかあり得ないと考えます。つまり、韓国が国全体として、「慰安婦」だの「謝罪」だのと言っていられない状態に追い込む、ということです。
安倍政権は昨年、「時間を稼ぐ」べきでした。時間が経てば、ウソは必ず露呈するからです。その意味でも、拙速かつ稚拙な昨年の安倍政権による日韓慰安婦合意は、返す返すも残念です。
ただ、私は慰安婦問題を巡り、落とし前をつけなければならないのは、むしろ韓国国民一人ひとりにあると考えます。なぜなら、韓国国民は「ウソをついて日本人を侮辱した」という人道上の罪を犯したのであり、それを贖わない限り、韓国国民の罪は、永久に消せないからです。
その「落とし前」が、どこにあるのかは現時点ではわかりません。全ての韓国国民が全ての日本人に対して土下座して謝罪することなのか、それとも、米韓同盟の破棄に追い込まれて北朝鮮による「赤化統一」が実現してしまうことなのか…。
韓国にいかなる過酷な運命が待ち受けているにしても、私には全く同情する気持ちにならないどころか、むしろ積極的に、そうなってほしいとさえ思っている今日この頃です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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