レアアース揚泥成功には海外も驚愕…資源大国も視野に
海洋研究開発機構(JAMSTEC)は2日までに、南鳥島EEZ水深約6000メートルの深海からのレアアース泥の揚泥に成功したことを発表しました。詳細分析は今後を待つ必要があるにせよ、なかなかに将来は有望です。世界第6位ともいわれる領海面積を持つ日本が、一躍、世界の資源大国となる可能性も出てくるからです。
レアアース泥の揚泥に成功
先日の『中国の制裁逆手?南鳥島揚泥成功…資源国化も現実に?』でも取り上げましたが、レアアース開発で重要な進展がありました。
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)は先月から南鳥島EEZ水深約6000メートルからのレアアース泥採取の実証研究に取り組んでいるのですが、そのJAMSTECが2日までに、揚泥に成功したと公表しました。
南鳥島EEZ海域でのレアアース泥採鉱システム接続試験の状況について(速報)
―――2026.02.02付 JAMSTECウェブサイトより
JAMSTECによると地球深部探査船「ちきゅう」は先月17日に現場海域に到着し、30日から最初のレアアース泥回収作業を開始し、2月1日未明に最初のレアアース泥が船上に揚泥されたことを確認。2日に作業を終了し、清水港には15日に帰港する、などとしています。
また、。
~~~🚢~~~~~~~~
レアアース泥
採鉱システム接続試験
深海底・船上の
貴重な瞬間をお届けします―――■―――――――――
🔽プレスリリースはこちら🔽
南鳥島EEZ海域でのレアアース泥採鉱システム接続試験の状況について(速報)https://t.co/l5gqf8N2PD#レアアース #SIP… pic.twitter.com/k0vKOgionN— JAMSTEC 海洋研究開発機構 \海と地球の研究所/ (@JAMSTEC_PR) February 3, 2026
そもそも南鳥島(あるいは小笠原周辺)には資源が豊富に眠っていると考えられている点もさることながら、深海から資源をクリーンに採取する技術が確立すれば、世界第6位ともいわれる領海面積を持つ日本が、一躍、世界の資源大国となる可能性も出てくるからです。
レアアース17種とレアメタル31種
これについて考える前に、まずはレアアースとレアメタルの分類を確認しておきましょう。
一般にレアアースは17種類の元素(※1)を指し、磁石、発光材料、触媒などに使われます(【出所】元素の種類については経産省『レアーアース対策』など、希土類の使途については株式会社三和鍍金ウェブサイト『メッキライブラリ』等参照)。
一方で、レアメタルは一般にレアアースよりも広い概念で、レアアースに加えて「リチウムやコバルト、ニッケルなど、電子機器やエネルギー関連の技術に用いられる様々な非鉄金属」(※出所は『メッキライブラリ』等)から構成され、レアアースを含めずに31種類(※2)から構成されているそうです。
※1 レアアース17種
スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム
※2 レアメタル31種のうちレアアースを除く30種
リチウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、インジウム、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、白金、タリウム、ビスマス
これらの素材、コスト競争力の観点から、一説によると最も多い時期には中国産が世界生産の9割以上のシェアを占めていたとのことです。
将来は有望!
この点、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の2013年3月22日付『南鳥島周辺に高濃度レアアース埋蔵』によれば、南鳥島EEZ付近ではジスプロシウム(ハイブリッド車のモーターなどに使用されるレアアース)など「重レアアース」の含有量が高い可能性が高いうえ、次のような特徴があるそうです。
- 海底に広く分布しており資源量膨大
- 地層として分布しており探査が容易
- 開発の障害の放射性元素を含まない
- レアアースの抽出が容易
…。
もちろん、詳細な分析は「ちきゅう」が清水港に帰港するのを待つ必要があるのかもしれませんが、なかなかに将来は有望です。
「日本近海に眠るさまざまな天然資源」のなかには、(前参議院議員で兵庫8区からの衆院選出馬中の青山繁晴氏がしきりに推す)「メタンハイドレード」などのエネルギー資源も含まれており、これらの開発にも弾みがかかる可能性があります。
海外の反応も目立つ!
ただ、このJAMSTECの発表から数日が経過するにつれ、むしろ海外のXアカウントなどがこの実証実験に驚き、そして称賛を寄せているのです。
たとえば高市早苗総理大臣のXポストに対しても、外国のユーザー(※)からのポジティブな反応が散見されます(※所在国としては米国や台湾などが多いものの、国籍不明というケースもあります)。
Japan’s rare earth breakthrough shows that America and our allies can work together to deny China control over the materials that power our lives and the economy.
Congratulations to PM @takaichi_sanae and Japan on this development. We look forward to working together on… https://t.co/wDfPBIv9hw
— Select Committee on China (@ChinaSelect) February 3, 2026
A timely, landmark achievement that can lead to possible future commercially viable exploitation of deep seabed critical minerals.
Trust science not rhetoric. Though you can be sure somebody is going to start pouring cold water on this development. 👇🏼 https://t.co/gcAerhvGxN
— Collin Koh 🇸🇬🇺🇦 (@CollinSLKoh) February 2, 2026
Japan’s Prime Minister Sanae Takaichi announced that on February 1, Japan successfully lifted rare earth–rich seabed mud from within its EEZ surrounding Minamitorishima.
This marks Japan’s first concrete step toward domestic industrialization of these resources. The operation… https://t.co/zy6hg7XnST
— Lokman Karadag 盧克曼 (@DrLokmanKaradag) February 3, 2026
台湾人として、
日本が海底からレアアースを回収する技術を実証し、
実用化に向けて前進していることを、
とても心強く、そして嬉しく感じています。🇯🇵🇹🇼レアアースは、
日本だけでなく、
台湾の産業やテクノロジー分野にとっても
本当に欠かせない資源だと思います。台湾にいると、… https://t.co/IK5bWsmQKV
— 杏の台湾日記 (@TWDiary_of_An) February 3, 2026
これなどは、「世界初の試みである6000メートルの深海からの資源採取」、「できっこないと思っていた深海の資源開発に成功した日本」に対するシンプルな驚き、という素直な反応が見られるのは興味深い点です。
「右翼の高市が資源ナショナリズムを煽っている」の間違い
もちろん、X上の反応などを見ていると、ごく少数ではありますが、高市総理に対する「批判のための批判」のようなものも散見されます。
たとえば、要約すると「バカな総理が余計なことをしなければレアアースの(中国からの)調達に支障を来さなかっただけの話であり、(深海のレアアース開発も)手柄とするに値しない」、「コストはどうするの?」、といった主張があります。
だいいち、今回の海洋資源開発の話は高市総理が指示を出して実行に移されたものではありませんし、レアアースの中国脱却は石破茂・前首相、岸田文雄・元首相、菅義偉総理大臣、故・安倍晋三総理大臣の頃から、国を挙げて強く意識されていた重大な産業政策課題でした。
もちろん、タイミングとしては11月7日の高市総理の台湾発言とそれに伴う中国の対日「制裁」(?)の時期と重なったという側面もありますが、「高市総理が右翼だから資源ナショナリズムを煽っている」、といった発想は大きな間違いなのです。
ただ、それ以上に興味深いのは、日本社会は危機に際し、一致団結できる、という点が改めて確認できたことでしょう。中国は日本を困らせるつもりで資源輸出制限に手を掛けたのかもしれませんが、少なくとも株式市場は無反応(というか史上最高値を更新中)だったりもします。
しかも、南鳥島レアアースはもちろんのこと、少なくとも現時点で資源の安全保障については同時並行でいくつものプロジェクトが進んでおり、日本の産業が、少なくとも戦略物資に関する脱中国の動きを加速していることは間違いありません。
この点、南鳥島レアアースが「脱中国の切り札にならない」、などとドヤ顔で指摘した人もいましたが(『中国脱却は「できるかどうか」ではなく「必要がある」』等参照)、大事なことは、現時点で「脱中国ができない理由」ばかりを探すことではありません。
国を挙げて中国依存の危険性を強く認識したうえで、経済安全保障の取り組みを進めるとともに、その法整備をさらに推進することです。
その意味でも、私たち有権者の立場としては、今週末の選挙で賢明に判断し、行動することが求められていることについては間違いないといえるでしょう。
本文は以上です。
金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
| 自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
![]() | 日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |



こうやって困難にあっても日本人なら突破口を開ける、と信じることも、ナショナリズムと切って捨てられるのでしょうかね。この下地があればこそ、まだ成果の出ない科学研究に投資を続けたり、成長戦略を講じたりができ、それを推し進めると期待させてくれる政権が今は支持を得られるのでは。
成果が出るかわかんないから無駄と仕分けたり、そんなの中国から買えば良いと原理原則を曲げて媚びへつらったり、なんていう「日本人を信じない」人達が多数の支持を得られるとは思えません。それらの特に酷い延長線上が「ほっとくと侵略戦争をするぞ」だの「日本は最貧国だ」などという人達で。こういったニュースもさぞ気に食わないのでしょうね。
その代表的な政党の議員が「うちは例えれば老舗旅館」とかのたまってましたが、なんで日本的美点を消すことに躍起な人達が日本的なものを標榜するやら。愛されて永く続く老舗とカビが生えてただただ残っているだけの廃墟との区別もつかなくなっているようで。心霊スポットも極一部には人気っちゃ人気かもしれんけども。
日本は昔から資源国家とは言われてました。
金、銀、銅、石炭、その他鉱石、領海には天然ガス、メタン、レアアース。
ただ、取りすぎて無くなったり、採算が取れなくて諦めたことの多い事。
技術進歩は確かに日本を明るいものにする。
ジパング ウィル ビー バック
自国民なら心躍るキャッチコピーですね
海外の反応が目立ちますが、対して国内の反応は冷静かなーという気がします。
>もちろん、タイミングとしては11月7日の高市総理の台湾発言とそれに伴う中国の対日「制裁」(?)の時期と重なったという側面もありますが、
ネットの高市下げポスト見てるとどうも、先日の中国商務部のレアアース恫喝がトリガになってJAMSTECが動いて海底掘削を始めた、なんて思ってそうな人もチラホラ。
そうだとすれば日本の技術力最強なんですが。(笑)
多分、そんなすぐに海底掘削ってできないきがする。
詳細な情報ありがとうございます
個人的には、海外勢力のプロパガンダが進んでる証左だと思いました
自前の資源開発を邪魔してダレトクか考えると、これで世界シェアが激減する中国や、資源に関わる既得権益層
社保税のこともですが、自民党内にはそれらの利権との強く長い結び付きがある議員も多く、高市さんだけでなく(企業団体献金を受け取らない)維新のアクセルも必要だと思います
実際、大阪では不要でムダな補助金を削減しまくって若い世代へ振り向け、既得権益層や一部の高齢者から激しいネガキャンの嵐です
これは改革が進んでいる証の一部だと思います
これらの実績と「政治家は使い捨てでいい」という覚悟は信頼できると思いました
日本国民にとっては喜ばしい情報は無視。日本国民にとって望ましくない情報は嬉々として流す。というのが日本のマスコミ・メディアであります。
で、昨日は天下の公共放送NHKがグラミー賞における移民取り締まり反対を掲げる芸能人を嬉々として報道していました。いいネタあった〜!ってとこですかね。醜悪です。
んー、中共次はマタゾロnextグレタかナンか引っ張り立てて「海底の環境ガー!」「深海の静謐を守れー!」的なエコテロプッシュし始めるかしらん??
知らんけど
NHKを国営化してこんなニュース当たり前に放送するようにならんと
海底6000メートルからのレアアース採取、いとも簡単に成し遂げましたね。海洋国家日本の面目躍如です。海底からの採掘が事業として成り立つことを願っています。
日本独自の資源確保に次いで、レアアースを使用した素材や機器などでも日本企業が優位に立てるものと期待しています。
レアアースの自前確保が可能になり次第、政府は環境破壊を伴った資源や製品の使用禁止措置を定めるよう、世界各国を説得して頂きたいと思います。これには、人権や環境にうるさいEUや左翼の方々などは反対しにくいと思いますので是非よろしくお願いします。
あー“環境”ネタにナンかするンはチーとアブナイか知れまへんで?
藪突いて蛇出るや知らん
なんせコッチの『深海』については『判っていないコト』の宝庫でっさかい、陸の上のハナシでもせいぜい判り易く議題に掛けられる範囲の放射性物質ネタか労働環境ネタくらいに絞らな、連中もコッチの判らんから痛くないハラおもっきし殴り返しにきよるかしらんでしかし
成功すれば将来プロジェクトXで取り上げられるかな?
海底のレアアース泥はなぜ偏在するのかを調べてみました。長文ですがJAMSTECが解説記事を出してます。(リンク先を末尾に貼付)日本は世界的にみても特異な資源環境をEEZ内に有しているようです。商業化の道のりは長く険しいでしょうが資源小国の日本がレアアース大国へ転じることを願ってやみません。
https://www.jamstec.go.jp/sip3/j/
リンク先誤りを訂正します。
https://www.jamstec.go.jp/sip3/j/topics/20251212/