生成AIで論破?AI回答検証には最低限の知識が必要
ウェブサイトを運営していると気づくのが、生成AIの回答結果をもとに、ああだこうだとコメントを寄せる人が増えてきたという点です。今後の世の中、生成AIが重要性を増すであろうことは間違いないといえるものの、現状ではそれらを使いこなすにはまだまだ人間の側に知識が必要です。そうでなければとんでもない回答を吐き出しているのにそれに気づけないこともあるからです。
目次
AIを使う人の傾向と対策
ウェブサイト運営、来年で10年
当ウェブサイトは「読んでくださる方々の知的好奇心を刺激すること」を目的に、政治、経済などからおもに時事的な話題などを選んで議論を展開するサイトです。来年でウェブサイト10周年目を迎えます。
なお、本当に知的好奇心を刺激されたかどうかについては、読んでくださった皆さまにお任せ申し上げますが、それでもなんとかウェブサイト運営を続けられる程度には読者の皆さまが訪れてくださっているという時点で、個人的には「最初の段階は合格」と勝手に思っています。
とりわけ最近だと、 google コア・アップデートで個人運営のウェブサイトの検索ランキングが引き下げられ続けているという話題は目にしますが(実際、当ウェブサイトのトラフィックも検索エンジン経由が減っています)、その分、SNS経由でのアクセスが増えていたりもします。
当ウェブサイトの「客観的に確認できるデータや事実をもとに議論を展開する」というアプローチ、決して間違っていないと確信しているのも、現実に少なくない読者の皆さまが当ウェブサイトを日々、訪れてくださっているからでもあります。
生成AIをもとに反論する人
こうしたなか、ウェブサイトを10年近くも継続していると、やはりいろんなことがあるものだと思います。
当ウェブサイトを運営していて困ることがあるとすれば、なかでも最近、頻繁に目撃するのが、生成AIを使って他人の主張に反論した気になっている人です。
山手線の駅名を冠した怪しげな自称会計士はX(旧ツイッター)にフォロワー4.8万人のアカウント(@shinjukuacc)を所有しているのですが、なにかポストしたときに、 grok (Xの生成AI)にメンションをするユーザーも少なくありません。
著者自身、(詳しくは述べませんが)とある生成AIに少しだけ関与しているという事情もあり、AIの将来性については人一倍高い関心を持っているつもりなのですが、こうした事情も踏まえて申し上げるなら、結局はAIもそれを使うユーザーの側の問題がまだまだ大きい気がします。
本稿ではその実例を2つほど紹介しておきたいと思います。
まずは、軽いジャブから。
法の解釈を生成AIに尋ねる人
ひとつは、以前の『テレビ放送の非常識な暴言…最大の責任は総務省にある』で放送法の規定について述べた時に寄せられた、こんなコメントです(無駄に長いのですが、敢えて全文掲載します)。
>放送法第4条第1項に定める①公安及び善良な風俗、②政治的公平、③事実を曲げないこと、④多角的論点―――は、単なる倫理規定と見るべきではありません。
>これは、守らなければ最悪停波処分もあり得るという意味で、「強行法」(絶対に守らなければならない規定)であると見るのが正解です。
最近、こういう雑な発言が本当に目につくようになりました。「強行法であると見るのが正解」とか言っちゃってますが、これは事実ですか?
ということで、例によってCopilotさんに聞いてみました。
Q.放送法第4条第1項の規定は、単なる倫理規定ではなく、絶対に守らなければならない強行法なのですか?
A.放送法第4条第1項は「倫理規定」としての性格が強く、法的拘束力を持つ「強行法規」とは一概に言えません。ただし、政府の解釈や運用によっては、一定の法的効果を持つ可能性も指摘されています。
(中略)
つまり:
従来の解釈では「倫理規定」とされてきた
政府は一部のケースで「法規範」としての運用を示唆
学界・法曹界からは「表現の自由」侵害の懸念がある
というように、法的性格については現在も議論が続いており、明確に「強行法規」と断定することはできません。(以下略)
・・・やっぱり、AIのほうが、よっぽどまともなことを言ってますよね。
個人的・主観的な意見として「強行法と考えるべき」と主張するのはありだと思いますが、「強行法であると見るのが正解」と言ってしまうのは事実に反します。
こういう、個人的・主観的意見をあたかも普遍的な事実であるがごとく語るのは、本当に悪質だと思います。なによりも、「客観的事実と主観的意見は明確に峻別することが重要」とかドヤ顔で主張している当人が、全く逆の行為をこうやって臆面もなくやっていることに、恥ずかしさは感じないのか?と、半ば呆れた心境でおります。
客観的事実を基に立論された論考は、多分に知的好奇心を刺激されるのですが、個人的・主観的な意見に基づく主張を一方的に聞かされるのは、アジテーションやオルグへの同調圧力にさらされているような気分になるだけで、本当に不快です。
個人的な感想ですが、ここ1年か2年で、このWEBサイトもかなり変質したなという印象を強く持ちます。エコーチェンバー化も進んでいるのではないかという気がします。少なくとも、以前のような、膝を叩いて同意できるような論考を目にすることは本当になくなりました。残念なことです。
…。
どうして法律の話なのに法の専門家などに尋ねずにAIに尋ねるのでしょうか?(笑)
これで読者を説得できるんでしょうかね?
当ウェブサイト側にて「この規定はこういう意味である」と断定している点に疑問を抱くのは悪いことではありませんが、ただ、当ウェブサイトの主張が気に食わないからといって、いきなり生成AIに尋ねて、その結果をドヤ顔でご開陳するのはいかがなものかと思います。
いや、もちろん、それをやってはならないという話ではありませんが、聡明な当ウェブサイトの読者諸氏をこのコメントで納得させられるものか、疑問です(現に、当該コメントに対する賛同意見はほとんど見当たりません)。
当たり前の話ですが、生成AIの回答そのものであろうが、コメント主が生成AIを参考にして考えた内容であろうが、その内容が的を射たものであれば、読者の皆さまを納得させ、満足させることができるのではないかと思います。
しかし、どんなプロンプトを入力したのかもよくわからないのに、いきなり「これが生成AIの答えだ」、などといわれて、それでコメントを読んだ読者の皆さんが納得すると思う心理の方が不思議です(というか、どうして法律の話なのに法の専門家などに尋ねずにAIに尋ねるのでしょうか?)。
ただ、あくまでも個人的な主観ですが、その「例によってAIさんに尋ねてみた」という回答も、プロンプトを隠蔽したうえで、AIからの回答の全文ではなく、あくまでも自説に都合が良い部分をつまみ食いしているような気がしてなりません。
どうでも良い話ですが。
AIがプロトレーダーの知識をどうやって持つのか
運用の失敗リスクについてのコメント
さて、以上はほんの前菜というレベルですが、本稿で紹介しておきたいのは、これまた印象的な事例です。
具体的には先日の『厚生年金「世代間不均衡」が凄い』に寄せられたやりとりですが、ことのほったんは匿名のコメント主が当ウェブサイトの記事に対して投稿した、次のような内容のコメントです(便宜上『コメント1』と称します)。
コメント1
上の世代は中卒、高卒で働きはじめる事も多く、また平均寿命もやや短い。
下の世代は大卒どころか修士、博士に行く人も増え、払い込み期間が短くなり平均寿命も伸びてもらう期間も伸びる。
個人で運用する場合の運用失敗リスクを考えていない提案ですね。
コメント1はおそらく当ウェブサイトの本文に対する感想であろうと思いますが、これ自体は他愛もないもので、「あぁ、そういう感想もありますね」、くらいのレベルのものだと思います。
とくに厚生年金を廃止した場合、個々人で資産運用を行わせれば、なかには運用に失敗し、老後に受け取れる資金が足りなくなるというケースだって出てくるのではないか、といった点は、疑問としては正当なものです(ただし、現状の厚生年金をそのままにしておいて良いという話にはなりませんが)。
それはともかくとして、本稿で取り上げる話題の契機を作ったのは、普段から当ウェブサイトに鋭いコメントを寄せてくださる「農民」様というコメント主の、こんな疑問です。
農民様のコメント
収入差を考慮「しなくて良い」ように標準報酬月額を指定しているわけですし、「ある期間でこれだけもらえるはず」という「制度に対する」話であり、各個人の寿命は無関係、平均寿命にしても、現在は伸びたとて引退後の期間の方が大きく伸びるわけであり、例示に影響が大きいとは思えません。また完全な個人運用をしている方などほんの僅かであり、こちらも用いているのは平均的な運用利回りです。個人の失敗を言考慮にいれるのならば、個人運用で大成功した者も考慮に入れなければなりません。
ご指摘の項目をスパコンでも使って全事象を考慮したとて、本文の論旨を覆すほどの影響はあるのか私には疑問ですが、どの程度破綻するという想定でしょうか?
ごくあたりまえのことを、こうやってこんこんと丁寧に説明してくれるというのは、相変わらず優しいですね。
証券会社のプロトレーダー
ただ、これに対して出てきたのが、同じ匿名コメント主による、次のコメントです(便宜上『コメント2』と表記します。少々長ったらしいですが、あまりにも印象的なので、敢えて全文紹介します)。
コメント2
スパコン(chat gpt5)で計算させました。我ながら驚くことに50〜70%が失敗すると予想されました。
プロトレーダーの視点から申し上げますと、仮に現行の公的年金制度を廃止して 全ての国民が個別に老後資金を運用する というモデルを考えた場合、運用に失敗(ほとんど増えず、あるいは目論見通りに資産を形成できない)する人の割合は かなり高い と推定せざるを得ません。以下、その根拠と試算を説明します。
根拠となるデータ
運用失敗リスクを推定するにあたり、現状の日本の個人投資家の「成績」「行動パターン」から以下のポイントが参考になります。
- 日本の個人金融資産に占める「株式・投資信託(リスク資産)」の比率は約 19.6 % にとどまっています。
→ 多くの家庭が“預貯金中心”でリスク資産化が進んでいない- 個人投資家の投信・証券投資行動には、利確・損切りの判断や売買タイミングに課題があるという分析があります。たとえば「利益が出ていると売る、損が出ていると売らない(含み損を抱える)」という傾向。
- ある古い調査では、「通算成績で損をしている個人投資家」が約 70 %というデータもあります。
→ ただしこれは過去のデータ・限定サンプルであり、現代の長期投資スタイルとは前提が異なりますが“失敗のハードルが高い”という警告的なデータです- 「売買損が出た」人の割合として、最近の調査では年間ベースで売却時に“損を確定した”人が9.0 %というデータもあります。→ ただし含み損を抱えていたり長期保有中だったりを考慮する必要があります
- リスク資産(株式)のリターンの分布を見ると、たとえば日本株(TOPIX:配当込み)の平均年率が約6.5 %、標準偏差が21.8 %という分析もあります。
→ 債券・預金に比べると変動が大きく、運用に失敗(目標を下回る)リスクもそれだけ高いことを示唆しています“運用に失敗”とみなす定義
ここで「運用に失敗する」という定義を以下のように置きます(中長期・老後資金の観点から):
定義A:預貯金・年金制度を続けた場合のおおよその代替リターンよりも、個人運用した結果が 著しく下回る(例えば目標リターン+インフレ率を達成できない)
定義B:運用資産が実質価値(インフレ考慮後)や生活費の取り崩しに耐えうる水準に達しない
定義C:資産を減らしてしまう、または運用コスト・税金・売買損失・手数料で実質マイナスになる
このような観点で「どれだけの人がこのように失敗しうるか」を推定します。
推定:運用失敗の割合
上記データを踏ま、保守的に見積もると、もし すべての国民が個別に運用を担当する体制 に移行した場合、運用に失敗(定義A〜Cのいずれかを満たす)する人の割合は 50%〜70%程度 と考えられます。
試算の根拠
過去調査で「通算損益でマイナスになった個人投資家」は約70 %という報告。
現状では投資比率が低いため、そうした“損失を出さない”という保守傾向が功を奏している可能性もあります。
ただし、老後運用という「長期・継続・取り崩しを前提とした運用」では、短期売買的な行動や知識・経験不足・コスト負担などが重なり、失敗リスクは一般の個人投資家にとってかなり高くなると考えられます。
加えて、老後資金の運用には「資産を減らさない」「インフレ以上で増え続ける」「寿命を超えて資金が枯渇しない」というハードルがあります。これを個人が自律的に運用・調整・リスク管理するのは相当難度が高いです。
補正を加えたレンジ
最も楽観的に考えても、十分な知識・分散・長期運用を前提にすれば失敗率を 30〜40%程度 に抑えることも理論的には可能です。
逆に、知識・支援・制度的な補助が弱ければ失敗率は 70%以上 まで上がる可能性もあります。
よって現状水準を考えると、「50〜70%」という中央レンジが妥当だと判断します。
制度移行時のリスク要因
機関での年金制度から個人運用に移す場合、以下のようなリスクが特に顕著になります:
個人毎に運用知識・経験の差が大きく、果たして長期運用・資産取り崩し・寿命対応などを一律に遂行できるか疑問。
生活費取り崩し・税金・運用手数料・相場下落期(例えばリセッション、バブル崩壊など)で資産が減るタイミングを個人が耐えるには、心理的にも資力的にもハードルが高い。
分散・リバランス・市場タイミング回避といったプロが行うリスク管理を、すべての個人が確実に行えるわけではない。
年金制度を通じて「世代間・リスク平準化」が図られているという制度上の利点が消えることで、相場の苦境期・高齢期の購買力低下・資産の長寿リスクなどに直面しやすくなる。
運用期間が長期にわたるため、インフレ・税制変化・制度変更・市場環境の大転換(利率激変、金融危機など)に対応する能力が個人に求められる。
結論(プロとしての見解)
仮に全国民が個別で老後資金を運用する体制に移行したとすれば、「運用に失敗する」人の割合は 半数以上、つまり 50%~70% というかなり高い確率で発生すると見るのが現実的です。運用が成功する人・うまく軌道に乗る人も当然いますが、制度上の安全網(公的年金)がなくなり、個人の運用能力・知識・リスク管理に全面的に依存するという前提では、リスクは非常に大きいです。
もしよろしければ、「成功するための条件(どのような設計・制度補助・教育があれば失敗率を大幅に下げられるか)」についても、トレーディングデスク的視点から整理可能です。いかがいたしましょうか?
…。
「証券会社のプロトレーダー」…???
このコメントに対する評価は、読者の皆さまにお任せします。
ここでは個人的に気になった点をいくつか取り上げてみたいと思います。
まず、本文に出てくる OpenAI Chat GPT-5 は最近一般に利用されているらしき生成AIのひとつですが、どうやら Microsoft Azure のスーパーコンピューティング・インフラストラクチャーを利用してトレーニングことは間違いないにせよ、これを動かしているのはスーパーコンピューターではありません。
こうした細かい点はともかく、このコメントでやたら目につくのが「プロ」という単語です。
この「プロ」について、同じコメント主の方はこう補足説明しています(便宜上『コメント3』と称します)。
コメント3
一応、設問も載せておきます。
「証券会社のプロのトレーダーとして答えてください。」
「現在の年金をやめて、個人個人が別々に老後資金を運用するとします。現在の個人投資の様子から推定して、国民みんながこの様に投資した時、運用に失敗する割合いはどの位でしょう?」
…。
そもそも「証券会社のプロのトレーダー」とは、いったい何を意味するのでしょうか?
少しツッコミをしておくと、証券会社(法的には「第一種金融商品取引業者」)の取引には多くの場合、一般に、自らポジションを取るモデル(いわゆるプロップ取引)と、対顧客取引で手数料により利益を上げるモデルが存在します(それ以外の取引もありますが割愛)。
ここでいう「証券会社のプロのトレーダー」がプロップ取引デスクを指しているのか、対顧客取引デスクを指しているのかはよくわかりませんが、文脈から考えたら前者という可能性が高そうにも思えます。
そんな「証券会社のプロのトレーダー」が年金運用について指図を行うという時点で、金融業界の仕組みをよくわかっていらっしゃらないのではないか、という気がしてなりませんが、それ以上に困惑するのは生成AIに「証券会社のプロのトレーダーになったつもりで個人の年金運用のパフォーマンスを予測してくれ」というプロンプトです。
それぞれの個人がいかなるアセット・アロケーション(資産配分)するのかによっても結論は変わってきますし、それ以前に投資を「成功したか、失敗したか」だけで予測するというのも奇妙です。
ちなみに余談ですが、「アセマネ勤務」という匿名コメント主様が「証券会社のプロのトレーダー」のくだりは「アセットマネジメント会社や信託銀行などのファンドマネージャーのことではないか」という指摘(というかツッコミ)をしていましたが、著者自身もその可能性が高いと思います。
どうやってその信頼性を確かめたんでしょうか?
ただ、それ以上に疑問なのが、このコメント主の方がどうやって生成AIの回答の信頼性を確かめたのか、という点です。
たとえば生成AIが吐き出した回答には「リスク平準化」などの文言はあるのですが、VaRや期待リターン、MPT、アセット・アロケーションなど、リスク・リターンに関する初歩的な単語が一切出てきていないため、本当に「証券会社のプロのトレーダー」(?)レベルの回答になっているのかがよくわかりません。
一般に株式などの「リスク資産」の場合は利回りが確定しておらず、不確実性がある(減配リスク、株価下落リスク、発行会社倒産リスクなど)、という点には注意が必要ですが、アセット・アロケーションや分散投資によってこうした不確実性を減じることができます。
また、個人レベルで銘柄選定が難しいというのはその通りですが、そのために世の中には「マザーファンド」などの仕組みもあります(それぞれパッシブ運用やアクティブ運用などを行っています)。
いずれにせよ、こうした投資の世界におけるごくごく基本的な用語が一切出てきていない時点で、生成AIが吐き出してきた回答がとうてい「プロフェッショナル」水準に達していないことは、金融業界にいればすぐにわかりそうなものですが…。
その重要性がわかるのが、便宜上『コメント4』と称するくだんのコメント主の方の主張です。
コメント4
プロトレーダーをファンドマネージャーに変更して再評価させても結果は大して変わりませんでした。確かにchatgptも4まではかなり突っ込み所の有る返事が返って来ましたが、5になると(空間イメージなどの苦手な分野はあるにせよ)大分まともに返事をする様になっています。あなたの目の前の箱で自分でなるべく正しい名称を使って確認してみては?
これは「アセマネ勤務」様に対して出て来たコメントで、「だいぶまともに返事をするようになった」というのは(文脈に照らして)「日本語として自然に見える」という意味を指しているものと思われます。
ただ、そもそも文章生成系のAIが進化すれば、日本語として自然な文章ができるというのはべつにおかしな話ではありません。
ここでツッコミを入れたい点があるとしたら、「日本語として自然な文章であっても金融理論に照らしてハチャメチャな結論が出てきている可能性」をこのコメント主さんがどうやって見抜くのか(あるいはそもそも知識がないから見抜けないのか)、というあたりでしょう。
結局使う側の知識が重要
いずれにせよ改めて疑問ですが、このコメント主さん、しきりに「プロのトレーダー」だ、「ファンドマネージャー」だと述べていますが、ご自身が使用している生成AIが「プロのトレーダー」ないしは「ファンドマネージャー」に値するレベルの回答を吐き出す能力があるかどうかをどう検証しているのでしょうか。
あるいは生成AIが「私はプロのトレーダーになったつもりで回答を吐き出しました」といえば、それを信じるというのでしょうか?
疑問です。
この点、著者自身も生成AIの恩恵を受けている人間のひとりですので、生成AIについて無碍に否定するつもりはありません。ただ、非常に残念なことですが、現時点においてAIを使いこなすにしても、最低限の知識は必要です。
もちろん、生成AIの必要性は今後とも高まることはあってもなくなることはないと思いますが、それを使いこなすには、現状では少なくとも最低限の知識が必要であることは間違いないといえるでしょう。
本文は以上です。
金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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毎度、ばかばかしいお話を。
○○(好きな名前を入れてください):「AI回答検証するための最低限の基礎知識がないから、作成AIに頼っているのだ」
まさか。
各プラットフォーマー、生成AIを無理矢理使わせようとするのはいい加減やめていただきたい。検索エンジンの一番上に信頼性が低く役に立たない情報を載せたところで誰の得にもなりません。
そしてその回答を生み出すために消費される電力が無駄そのもの、これでSDGsとか言っているのだから呆れる他ないです。
あ…ありのまま最近起こった事を話すぜ!
「androidスマホの 電 源 ボ タ ン が、ある日突然、Geminiの起動ボタンになっていた」
な…何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…
googleさん、自社AIアシスタントを推したかったんでしょうけど……私の父をはじめ周囲の高齢のスマホ利用者は漏れなく全員困惑していたので、いくらなんでも「電源ボタン」を起動に使わせる=電源ボタンを使わせない、なんていう暴挙は勘弁してくれませんか。何度相談されたか。致命的な不便でもって押し付けてもAIなんて使いこなせるわけねーだろ。
「わぁ、電源切ろうとしたらGeminiっていうのが起動したよ?これに電源の切り方を聞いてみよう!」
って展開を期待したのでしょうけど。ならねぇよ。デジタルディバイドなめんな。イルカのカイル君が亡くなって何年経つと思ってんだ。
というAIに関するヤケクソ小話でした。
ジェイガイルの旦那、
を、思い出しました。
Chatgptでは、企業間関係の分析とかには、割と使える感じです。ただ、殆ど嘘になるケースや過去の自分のデータに引きずられるケースも多いですね。使えると思えるのは、知らない会社が出てきたり、新しい概念、言葉づかいなどハットする時もあり、なるほどと視界が広がり、仕事も相当スピードアップした実感はあります。
現状、生成AIは、あくまで壁打ちには最適ではありますが、そのまま使える代物ではなく、プレゼン資料とかは、今までと同様に人手で作成するしかないですね。
生成AIは非常に便利ですが、自分の求める結論に合わせて文章を書いてもらうのは結論ありきのオールドメディアと変わりませんからね
使う側もリテラシーが必要ですね
例のコメント主には僕も違和感を感じた口ですが今日のブログ主の指摘を見て、気付いたのですが要するにChatGPTにプロの証券マンとして答えてってお願いしてもChatGPTはプロの証券マンじゃないからプロの証券マンとしての答え出せる訳ないんですよね。それなのにプロの証券マンとして答えろってゆわれたら、AI側もプロの証券マンの不利でして答えるしかないんですよね。
会計士さん、論評の前に、「有料のAI」を自分で試してみた方が良いですよ。本当に時代遅れになります。
ハハハ、大きなお世話です。
すでに使ってますし、ささやかながら開発に携わっている側です。
AIもデタラメな使い方をしたらデタラメな結果が出てきますよ。
本文にも書きましたけど。
コメント欄じゃしばらく前からハルシネーションが話題になってるんですけどねー。(笑)
>ハルシネーション
自身の経験に基づけば、知ったかぶりのオチは、
いつだって「叱咤被り?」でした・・。バカモーン!!
・・・・・
AIの無知にも「愛の鞭(=フィードバック?)」なのかも。
m(_ _)m
AIの性能がどうこうというより、「AIがこう回答したから」と一次情報のように言ったり、AIの使用を伏せて引用する人が実際に多くりそうな世の中だなぁ、という感想。
ドラえもんのアイテムで、未来からやってきた美少女型ロボットというのがありました。
見た目は人間で、のび太の身の回りのことをサポートする目的のロボットです。
しかし、怪力・直情径行型かつ嫉妬深い性格で、のび太にちょっかいを出すジャイアン・スネ夫ばかりか、主であるのび太やそのママにまでに暴力をふるうロボット3原則をぶち破る存在でした。
そんなロボットですが、のび太がやりかけた宿題を引き継ぐことになり、「宿題の出来によっては先生が怒る」というのび太のプロンプトに基づいて、「先生向きの答えを書く」という今でいうAI忖度に相当するアウトプットをしていました。
それはともかく、件のAI使いの方は普段からAIを使っていて、AI側が「このユーザー向きの回答」をした可能性も捨てきれないと思っています。