政党支持率で立民4位に転落…維新は7位=JNN調査
世論調査には全幅の信頼を置くべきとは限りませんが、ただ、一定の傾向を知ることはできます。本稿ではTBS/JNNが日曜日に報じた記事をもとに、政党支持率で参政党が2位、国民民主党が3位を占める反面、最大野党であるはずの立憲民主党が支持率で4番手に転落したこと、日本維新の会が7番手に転落したことなどを紹介しておきたいと思います。
世論調査の限界
当ウェブサイトではときどき、メディア(新聞社、テレビ局、通信社など)が実施する世論調査を話題に取り上げることがあります。
この世論調査、多くの場合は「RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式」と呼ばれる、無作為に電話番号を抽出して実施するもので、年齢や職業などを問わず、広く人々の意見を聴くことができるなどの長所があるとされているようです。
ただ、一部ではこのメディアの世論調査に対し、いくつかの批判もあります。
たとえば、少し前までは携帯電話が調査対象に含まれておらず、もっぱら固定電話のみに対して調査がなされていたため、回答者属性が高齢者などに極端に偏っているのではないか、といった指摘もありました(昨今、多くのメディアは固定電話だけでなく携帯電話も対象にしているようですが…)。
また、多く場合、インターネットによる調査を大々的に実施しているケースはほとんどなく、依然として電話ないし面接を主体とする方式によっているとされることから、やはり現在でも回答者属性の偏りは是正されていないのではないか、とする疑問を呈する人もいます。
知らない番号からの着信に出ますか?
あくまでも個人的な印象で恐縮ですが、昨今の携帯電話、電話がかかってきたら電話番号が表示されるため、知らない電話番号から着信があった場合は、いったん無視したうえでその電話番号をコピーし、即座にスマホのブラウザで調べる、というパターンが多いように思えます(少なくとも著者自身はそうします)。
実際、当ウェブサイトでは報告してきませんでしたが、著者自身の電話にも、過去に何度か、世論調査会社から着信がありました。いずれも休日です。
ただ、著者自身のケースでいえば、休日は電話に出られないことが多く、親戚や知り合いなどから着信があった場合にはこちらから折り返すことが一般的ですし、また、知らない番号から着信があった場合はネットで調べ(あるいは電話帳アプリをインストールし)、自分自身と無関係であれば無視します。
こうした行動は、現代人であれば多くに見られる現象ではないかと思いますが、ただ、「自身の携帯電話に世論調査の電話がかかってきたときに無視する割合」に関する調査などは見当たりませんので、以上はあくまでも著者自身の推論に過ぎません。
いずれにせよ、世論調査に関する話題を取り上げる際には、それに関し、自動的に全幅の信頼を置くのではなく、あくまでも「ひとつの参考資料」程度の位置づけで接するのが正解ではないかと思います。
内閣支持率は依然4割弱?
以上を踏まえ、本稿で取り上げたいのが、TBSが日曜日の夜に配信した、この話題です。
【速報】石破内閣の支持率36.8% 前月調査より4.0ポイント上昇 JNN世論調査
―――2025/08/03 22:34付 Yahoo!ニュースより【TBS NEWS DIG Powered by JNN配信】
TBSによると石破茂内閣の支持率が前月と比べ4ポイント上昇し、36.8%となる一方、不支持率は3.1ポイント下落して60.5%だったのだとか。
心なしか、ずいぶんと支持率が高い気がします。
石破首相自身が自民党総裁として率いた参院選で自民党が現に敗北しているわけですから、正直、前月比で支持率が(多少とはいえ)上昇していることに違和感を禁じ得ません。
もちろん、著者自身、この「4割近くが内閣を支持している」とする調査結果が「明らかに間違っている」と断言できる証拠を持っていませんので、これは「違和感がある」以上の何物でもありません(※もっとも、不支持率自体も依然、6割台ですが…)。
ただ、本稿でこの調査を取り上げたのには、もうひとつの理由があります。
それが、政党支持率です。
当ウェブサイトでは7月23日付の『立憲民主党が政党支持率で4番手に転落=共同世論調査』でも取り上げたとおり、政党支持率に関しては先行するいくつかの調査で大きな地殻変動が生じているのですが、これと同じ現象がTBS/JNNの調査でも出てきているようです。
支持率で参政が2位、国民が3位…立民は4位に転落
政党支持率 JNN(8/2~8/3)
- 自民…20.4%(▲0.4)
- 参政…10.2%(+4.0)
- 国民…*8.7%(+2.8)
- 立民…*6.9%(+0.6)
- 公明…*4.0%(+0.1)
- れ新…*3.1%(▲0.1)
- 維新…*2.7%(▲1.4)
- 共産…*2.1%(+0.4)
- 保守…*1.8%(+0.7)
- 未来…*1.6%
- 社民…*0.3%(▲0.5)
なかなかに、興味深い結果です。
国政の場では、衆議院だと自民(196)、立民(148)、維新(38)、国民(27)、参議院だと自民(100)、立民(42)、国民(25)、公明(21)、というランキングですが、支持率で見たら自民がトップではあるものの、2番手が参政党、3番手が国民民主党で、立民は4位です。
その立憲民主党、今回の参院選では公示前勢力をほぼ維持する議席しか獲得できませんでしたし、得票数では選挙区で参政党に、比例代表では参政党と国民民主党に、それぞれ負けていたことを思い出しておくと、「非自民層」が「最大野党=立憲民主」を選ばなくなっている、といった地殻変動が見て取れます。
さらに、かつては立憲民主党を政党支持率で上回ったこともあった日本維新の会は参議院では19議席と公明党(21議席)以下ですが、TBSによる支持率では公明党、れいわ新選組の両党にすら後れを取り、ランクでいえば7番手に落ちてしまいました。
世論調査結果と当ウェブサイトとしての私見をダイレクトに結びつけるのは必ずしも適切ではありませんが、端的にいえば、これは維新が「高校税負担化」などと引き換えに、所得税と住民税の基礎控除を75万円引き上げる、とする政策を潰したことなどが響いているのかもしれません。
政策で政党が支持される時代
いちおう、くどいようですが、著者自身は国民民主党や参政党が「手取りを増やす」、「減税」といった政策を必ずしも実現し得るだけの能力を持っているとは考えていませんが、それ以上に、これらの政党が支持率でも議席でも躍進したという事実は、国民・有権者がそれを望んでいるという間接的証拠でもあります。
なにより、立憲民主党は、例の「年金流用法案」を成立させたことが響いている可能性がありますし、また、「税を減らす」「社会保険料を減らす」「手取りを増やす」に失敗したら、国民民主党バブルも容易に崩壊する可能性が高い、といった点については指摘しておく価値がありそうだと思う次第です。
このSNS時代、私たち一般の有権者は、徐々に、「自分で直接必要な情報を取得してそれらをもとに支持政党を決める」といった行動をとるようになりつつあります。
当然、良い政策を掲げる政党が支持され、そうでない政党は徐々に淘汰されていくのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
本文は以上です。
金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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直接的には「手取りを増やす」国民民主党と「減税」参政党が躍進したということは、国民が望んでいることを政策に反映しないと、次の選挙で落選者をバタバタ出しかねないというプレッシャーにはなるかと思います。
やっぱり若年層・現役世代の投票率をもっと上げていくことが重要ですね。
現在の自由民主党政権は左派野党同然の偏向ぶりですので、それを忌避した中道右派の有権者は、当然ですが従前の左派野党に支持政党を変えるのではなく中道右派有権者が許容範囲であると考えた非左派野党に支持政党を移行した結果であると言えるでしょう。
政策で支持政党を決めるという方向性は否定しませんが、一方で気になるのはここで挙がる政策は比較的目先の状況で取り上げられるアイテムがコロコロ変わる傾向があること。所謂ポピュリズムが入り込み易い下地がある。
また、政党レベルだと、ある政策は共感できるが別の政策は反対であるという矛盾が発生することは大いに起こり得る。
それよりも個人商店即ち、フリー政治家として各々があるイシューの専門家として活動し、各々がマス・メディアなど介さずダイレクトコミュニケーションして、そのイシューに共感した有権者各々が各々のフリー政治家に投票するとかできると、全体の集合知が最適化できる予感がします。
例えば、ここのサイト主様であれば、税務省改革、公共放送改革等に於いて専門個人政治家として政策提言を行い有権者の支持を集める事ができましょう。その代わり自身にとっては専門外の事象についてはご本人も有権者も検討対象外となり、他の専門個人政治家とそれを支持する有権者が中心に政策を進めるという感じです。
視点を変えてどんな政策の専門家が必要なのでしょうか。
ヒントは四半期毎の決算と年2回の配当といった短期的成果を重視する経営と持続可能な長期安定経営を重視する経営。
日本企業でも後者よりも前者を志向する企業が増えたような気がします。
しかし、レジリエント性に優れ浮き沈みの少ない後者の方式の方が大きい門構えの機関には向いているように感じます。
政治の世界においても、数年に1回しか行われない選挙の関心事は、時間スケールの短い目先の事象よりも長期に亘る重要事象を以て議論していただきたいものです。しかし移ろい易い有権者の心を捉え自らの票を集めるには理想論過ぎて現実的には難しいのかも。
望むらくは、高市さんが挙げるような事象を以て、論戦を争っていただきたいものですが、そういう重量級は政党として、軽量級は個人商店として取り上げるのが良いのかもしれません。
石破談話は絶対に出すらしいですね。支持政党1位陥落しそう。もう歴史的役目は終わったのかも知れない自民党。
立憲を支持するにもどれも政策が心に刺さらないどころか、逆にえ?ってことばかりです。自民も一部には応援したくなる議員もいますが多数が??のつく議員ばかりです。
ということは公明、共産は選択肢から外れるのは当然ながら、減税で邪魔する維新を応援する気になりません。
やはり日本人ファーストの参政党の公約が心に刺さりますね。
内閣支持率なんて個人的印象は1%も無いだろうとすら感じますが、どうもTV視聴層の方と少し前に話をしたところ「石破総理は頭が良い」といったどこからだかわからん(いやわかるか)情報で彼を評していましたから、まだまだマスコミの力は崩壊にまでは至っていないようです。まぁ「自民が再起不能になるまで石破総理に頑張ってほしい」という方々も支持に含まれるでしょうしね。
さて参政党、「敵を作る」のが上手いですね。
石破政権のように「純粋に反感を買って味方にすべき者を敵にまわす」それとは全く違い、その石破政権であったり、会見で問題行動をとる新聞記者の締め出しであったり。そういった面では、かなり多くの(情報を”まずまず”多く取り入れられる傾向の)有権者が求めている行動をとり、またそれをよく見せつけています。躍進するわけです。安芸高田市長時代の石丸氏も形としては同様か。
まぁ党首に問題行動が多く、農業従事者としては絶対に受け入れられない噴飯ものの個別政策を掲げているので、表面的にいくら日本人ファーストだろうがなんだろうが絶対支持しませんが(但し自民小泉大臣も同様)。
立憲も同様の手口で生き残ってきたのだとは見ています。ただしこちらは国民のウケを見る能力は無く、とにかく”反自民”で自民を徹底的に敵視・逆張りして、受動的に支持をかき集めていた(ハン・ジミンに変換されて鬱陶しいんだけど誰スか)。他にも反自民な政党は多くとも、第二党として反自民の筆頭になるのは自動的に立憲。だった。
しかし一向に進歩も反省も見せないでいる。そこに能動的な反自民要素(減税・反財務省・国粋といった各政策)を持った政党が出てきたら、置いてけぼりになるのは当然でしかありません。もう現有議席数以外で躍進政党らに勝つ要素は無い=時間とともに消滅コースではないでしょうかね。”R”が前言を反故にして復活してしまうとか、幹事長が涙を流して(若者が「きめぇwww」って嗤ってました)消費税を守れとか、一兵卒(裏ボス)がいまだに操り糸をたぐっていたりとか、本当に現代日本人に合わない要素ばっかり。逆にどうして生き残れると思うのか聞きたいレベル。
今回の政党支持率だけをみると、上から自民、参政、国民、(ひとつおいて)公明と、見事に日本人ファースト(?)が並びましたね。
留守電で、相手を確認してから電話に出るとなると、電話による世論調査自体が不可能になるのではないでしょうか。もし、電話による世論調査が不可能になったら、メディアは、どうやって世論調査をするつもりなんでしょうか。
今回の政党支持率で 社民党は新政党の未来にぬかれましたね。
80兆円アメリカに贈与する余裕があるなら、減税でしょう。暫くは、減税を先行して、肥大化した補助金行政をスマート化する流れになりそうです。人口減少で働き手が少ないのだから、補助金で食べているただ座っているだけの組織は、自活してもらうことに。
野田さんが党首をやっているようでは駄目です。他の政党もそうですが、日本経済再生の具体的な政策がないです。
>心なしか、ずいぶんと支持率が高い気がします。
昨年から自民党は選挙で歴史的敗北を継続中なのですよ。しかも結果は悪くなるばかり。
まあ、普通におかしいですよね。(笑)
RDDの質問の一言一句、集計に加える通話、切り捨てる通話との判断基準、電話番号の選択ロジック(仕様書じゃなくソースコードで)等々、全部洗いざらい公開してくれれば、その数字が信用に足るものかを考えられますかね。(要は信用できない)
立憲は私にとってはもう過去の存在です。
衆議院140議席。これは歴史上のピークだと思います。この先これを超えることはまずない。彼らも選挙をすれば議席が減ることはわかってる。だから不信任案だけは絶対に出さない。(笑)
左翼の退潮。選挙の敗者は岸破自民と立憲共産。オールドメディアが絶対に触れたくない文脈。ジリ貧。さよなら。
経年劣化を起こしている仕組みの抜本的な改革はやらないで、木に竹を接ぐような、無理な小手先の調整ばかり。右も左も関係なく「しがらみのある政党や政治家には、抜本的な改革は無理だ」と、有権者は悟ったんだと思いますよ。
たまたま新興政党に人気が集まったわけじゃない。オールド政党が全て拒絶されたんです。党内で世代交代ができない政党は、やがて消えていくでしょう。