座席占有の外国人観光客には日本語で「どいて」が正解
もしもあなたが新幹線車内でデカい荷物で席を陣取る外国人観光客に出くわしたら、慣れない英語で丁寧にどいてもらうようにお願いするべきでしょうか?答えは日本語で「どいて」、です。そして有無を言わさず荷物を通路にどかすなり、車掌を呼ぶなりすべきです。ここは日本ですので日本人が英語を話す必要などありません。それにしてもどうして外国人観光客はやたらデカいスーツケースやバックパックを持ち込むのでしょうか?不思議です。
目次
日本語が離せない外国人観光客
日本に入国する外国人が月間400万人に達しようかとする昨今ですが(『訪日外国人過去最多も…手放しで喜べない統計上の理由』等参照)、実際、私たちが出会う外国人―――とりわけ欧米人―――の多くは、日本語を話せません。
Xなどを読んでいると、なかには「新幹線で外国人に席を占領されていて指定席に座れなかった」、「拙い英語で席を空けるように懇願したが、外国人からは無視された」、といった報告も、ちらほら見かけるようになりました(個人情報の侵害の疑いがあるため、該当するポストについては本稿では示しません)。
外国人がたくさん日本にやってくる時代、私たちは外国人観光客と対話するために、英会話くらいできるようになるべきなのでしょうか?(※ちなみに著者自身も居住地が居住地だけあって、外国人から道を尋ねられたりすることがよくあります。)
ここで、少しだけ視点を変えてみます。
あなたは、日本に旅行に行きたいかもしれない。
しかし、あなたは日本語が話せない。
どうすれば良いか―――。
外国人が外国人向けに書いた「日本旅行のヒント」
英語で、たとえば “getting around Japan without speaking Japanese“ (日本語を話さずに日本を旅する)などの検索語を入力すると、日本語が話せない人々がどうやって日本を旅するかというヒントのサイトがたくさん出てきます。
“Travel Tips” (旅のヒント)などのサイトがそれに該当しますが、こうしたサイトのひとつである “Japan Without Japanese: How To Travel In Japan When You Don’t Speak Japanese” というサイトを覗いてみると、なかなかに面白いことがいろいろと書かれています。
サイトを執筆しているのは2000年ごろから日本に嵌っているという英国人だそうですが、日本旅行の “Quick Tips” には、次のような項目が列挙されています。
- Buy a phrasebook, app or learn a few key Japanese ‘survival’ phrases suitable for travel
- Use public transport, many signs, station names, departure boards, etc are also in English
- Get a Suica pre-paid travelcard for use on buses, subways, trains, paying for taxis and food in convenience stores – greatly reduces the need to speak Japanese day to day
- Pre-plan key travel connections and book accommodation (minimises on-the-spot conversations when you might get stressed out)
- Print out key destinations in Japanese. Have key destinations written out (eg printed off-screen) in Japanese to show to people during your travels. Very handy when using taxis.
- Make the most of tourist information offices. The big ones all have an English-speaking member of staff and brochures in English. Some offer discount coupons codes when you show your foreign passport.
SUICAにそんな使い方があったなんて…
意訳すると、こんな具合でしょうか。
- ①日常会話集・アプリを購入・ダウンロードするか、旅に適した日本語の重要な「サバイバル」表現を学習する
- ②標識、駅名、出発案内板といった情報が英語でも表示されている公共交通機関を活用する
- ③「SUICA」と呼ばれる前払式カードを入手すれば、バス、地下鉄、鉄道などの乗車に加えてタクシーやコンビニエンスストアでの食事も支払えるため、日常的に日本語を話す必要性を減じることができる
- ④おもな移動手段を事前に計画し、宿泊施設を予約しておく(ストレスフルな現地での会話の必要性を軽減する)
- ⑤おもな目的地を日本語で印刷しておく。主要な行先を日本語で書き出しておくと道中で人々に見せるのに役立つし、タクシーでも便利
- ⑥観光案内所を最大限活用する。大規模な案内所は英語を話すスタッフが常駐し、英語のパンフレットも設置してある。外国人パスポートの提示で割引クーポンコードの提供を受けられることもある
…。
なるほど。
これらのうち、①や②、④や⑤などは、私たち日本人が英語の通じない外国に行くときにも便利です。
たとえば台湾のように、一般には「親日国」とされている(※)ものの日本語も英語も通用するとは限らない国だと、行先を繁体字で書いたフリップを準備しておいたり、あるいはとくに現地に到着した初日の宿を日本から予約しておいたりすると、大変に有益です。
ただ、③の考え方は、シンプルに面白いと思いました。
SUICA(あるいは交通系ICカード)は最近、日本全国津々浦々で使えるようになりつつありますので(たとえばローソン、ファミマ、セブンイレブンの3大コンビニチェーンやセイコーマートなど大手コンビニではたいてい使用可能です)、店員さんにSUICAを見せてタッチすれば決済が完了するのは便利です。
いずれにせよ、日本にやってくる外国人の多くは、日本では英語が話せる人が少ないことに困惑しつつも、それなりに対策を立てている、ということが垣間見えます。
日本人が英語を話すべき?話は逆です
ただ、こんな話を紹介すると、なかにはこんなことを言い出す人もいるかもしれません。
「外国人旅行者の便宜を考えるなら、日本人はもっと英会話を学ぶべきだし、外国人が日本を何不自由なく旅行できるようにするなら、街中の標識ももっと英語や外国語を増やすべきだ」―――。
しかし、著者自身は残念ながら、上記のような考え方には同意しません。
ここは日本ですので、私たち一般日本人は、日本語「のみ」で応対するのが基本です。
たとえば、外国人がやたらとデカいスーツケースを新幹線の車内などに持ち込み、3人掛けの通路側に陣取って、あなたが予約している窓際の席まで行けないようなことがあれば、決して英語で
“Excuse me, this is my seat. Please let me …”
などと言ってはなりません。
「荷物をどかして」。
基本は、これで大丈夫です。
ここは日本ですので、日本人が英語を話す必要はありません。あくまでも日本語で対応しましょう。
1回警告したわけですから、もしも相手が荷物をどかしてくれなければ、その荷物を強制的に通路に出しても良いかもしれませんし、その場で車掌を呼んでも良いかもしれません。また、車掌がすぐに対応してくれなければ、指定席料金の返金を求めるのも筋かもしれません。
ひとり数万円レベルの入国税の導入を!
余談ですが、外国人旅行者が「なぜか」非常に巨大なスーツケースやバックパックを持ち歩いている理由はよくわかりません。
著者なども出張族であり、また、学生時代などはわりと頻繁に海外旅行などに出かけていたクチですので、荷造りには拘りがあって、とにかく旅に必要なものをコンパクトにまとめることに執心していますので、あの無駄にデカい鞄の存在は謎というほかありません。
いずれにせよ、著者自身が2020年頃から、当ウェブサイトや株式会社産業経済新聞社のオピニオン誌『正論』などを通じて提唱してきた通り、日本政府はそろそろ外国人観光客の「人数目標」を捨てるべきです。
日本国内でそれなりにおカネを落としてくれる外国人に絞って誘致するのが筋であり、その第一歩は外国人観光客向けの消費税の免税措置の廃止と一律ひとり1,000円の出国税の廃止、そして入国外国人ひとりあたり数万円レベルの入国税の導入ではないでしょうか。
とりあえずインバウンドの弊害を是正するうえで、可能ならば今すぐにでもこれらの対策を講じるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
本文は以上です。
金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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「日本語で話す」のは当然のことですよね。先制攻撃あるのみです。ただ、英語がある程度分からないとやりにくいのも確かです。
週末のXはこの話題で盛り上がっていましたね。
自分の経験からも、こういう場合は日本語で十分通じると思います。
荷物と言えば、バックパッカーなみの荷物を背負って(腹に抱えて)公共交通機関に乗ってくるサラリーマン・学生に高頻度で遭遇します。
今春、本社に異動して20年振りに東京での電車通勤をしていますが、大荷物さんの多さに吃驚しています。
皆さん、何をそんなに持ち歩く必要があるのでしょう。
車内持込制限してほしいです。
むかし 京成線には 都心に向かう担ぎ屋(野菜行商人)さん 専用の車両が設けて 通勤客との分離、利便を確保してありました。
常態的に大型スーツケース客が利用する路線には 大型スーツケース客専用車両をつくり、そこに押し込めるのが有効と思います。あんな大荷物を周辺への気遣いもしない外国人には 分離、区別が必要です。
どみそさま
気遣いって大事ですよね。
気遣いできない方はお国に帰ってほしいと思います。
転勤族様
ご疑問の公共交通機関に大きな荷物を抱えたサラリーマンについては、次の理由で大荷物になるかと思います。
・出社勤務と在宅勤務とを使い分けして勤務している
・出社と在宅の切り替え時には、PCと当面の書類を持って出勤・退勤する
ペーパーレスにしたくても、気づいたことを手書きで書きこんだりしたくて、紙から離れられない人も、そこそこいるのではないでしょうか。
いつもは傍観者さま
コメント、ありがとうございます。
当方も在宅勤務をしています。
通勤時は必要最小限の荷物しか持ち歩きたくないこともありますが、一部持ち歩かざるを得ないもの(PC関連や必要書類)はあるものの、一般的な手提げ鞄に収まっています。
大荷物を持って公共交通機関を使う際は棚を使ってほしいと思いました。
山岳救助の有料化を徹底しないと、無謀登山やタクシーを呼ぶがごとく救助ヘリ要請が続出しますよ。
ヒマラヤでは 無保険者は救助されないのが当然。
日本人の恩情に縋るのは甘えです。
「うぬ、そこは拙者の席でござる。立ち去れ」”(-“”-)”
>入国外国人ひとりあたり数万円レベルの入国税の導入
上記のご提案に大賛成です!
一般車両に大型スーツケースを持ち込むこと自体、通常の乗客には大変な迷惑・不便・不愉快でしかありません。
加えて、あれ程の大型の重量荷物を駅構内や車両内でガタガタと移動させたら、構内・車内の構造物の損傷や消耗、劣化も早まります。これは、外国人ツーリストと接しない乗客や駅利用者の安全に関わる問題でもあるのです。
大型スーツケースや荷物のバス・電車・新幹線等への持ち込み制限、あるいは特別料金徴収も考える時が来ているのではないでしょうか。皆様ご存知の通り、飛行機では荷物の制限をしていますよね。
https://x.com/kiss486/status/1932027521085902921
前世紀にはそこここの鉄道会社にも「手荷物料金」なるものがあったのですが…
飛行機の制限は「飛ぶ」ために物理的な制約が他の交通手段より大きいことに端を発しているのではないかと思います。
もめる時や正常ではない交渉事のときには迷わず母国語が最強です
周囲の日本人も低く小さな声で五木の子守唄でも合唱して協力してあげるべき
どれだけ怖いか…
なんのヘイトでも違法行為でもありません
杞憂かもしれませんが、入国税は
「誰がどこにバラまくのか?」
また利権と中抜きの温床に?
「払ったんだから好きにさせてもらう!」
悪マナーを開き直る礎に?
まあ、払わなくて開き直られるよりは次善かもですが。
日本は無人販売所のように、信用をベースに管理コストやコンフリクトを極端に下げられている社会なので、そういう部分がどんどん悪貨に駆逐されていくのが悔しいし勿体ないですね。