自民党は「参院選後に国民負担増」懸念を払拭できるか
政治に対する信頼というものは、あっという間に崩れ去るものです。石破政権は今国会への年金改革関連法案の提出に及び腰だとする報道が出てきましたが、一説によるとこれは参院選への影響を懸念したものとの見方もあります。ただ、これ以上厚年保険料を増やされたくないと思っている現役層にとっては、「参院選後に間違いなく負担が増える」という疑念が払拭されることがない限り、今夏の参院選で自民党に積極的に投票しようとも思わないでしょう。
目次
石破首相の高額療養費引き上げ延期は参院選後に実施か?
政治に対する信頼というものは、あっという間に崩れ去るものなのでしょう。
週末の『今の自民党にとって「SNSで政策発信強化」は逆効果』でも取り上げたとおり、石破茂首相は先週金曜日、いわゆる高額療養費の自己負担上限額引き上げを見送る考えを示しました。
著者自身はこれについて、石破政権としては当初、これを強引に押し切ろうとしたものの、世論の反発があまりにも強く、また、参院選への悪影響があまりにも大きいことを懸念したため、怖気づいて、とりあえず参院選後に先送りすることにしたからだと考えています。
そのくらい、世論の反発は強かったのではないでしょうか。
もちろん、「強引に押し切ろうとした」のは石破首相自身というよりもむしろ、厚生労働省や財務省の側でしょう。財政悪化を極端に嫌がる財務、厚労両省が石破内閣に強く働きかけ、それにより政権としてこの案を強引に押し通そうとした、と考えた方が、辻褄が合うからです。
一見すると自民党の支持率は盤石だが…
そして、これもあくまでも著者自身の想像ですが、安倍晋三総理大臣の時代であれば、政権側で厚労省や財務省が主張している内容がおかしいことに気づき、こんな案が表に出てくる前に葬り去っていた可能性が濃厚です。安倍総理自身が官僚以外にブレーンを抱えていたからです。
このあたり、石破政権、あるいは石破茂体制下の自民党では、一事が万事、この調子です。
官僚や税調などが出してきたメチャクチャな案を、平場(インナーだけでなく一般の議員からも意見を集約する機会)すら設けずに、そのまま党としての意思決定にしてしまうわけですから。
こうしたなか、先週の『減税潰しの維新…「台風の目」となるのは国民民主党か』では、TBS/JNNの世論調査では若年層を中心に国民民主党が支持を伸ばしているとする実態を取り上げましたが、その「続報」が出ています。
「ほんとに疲れた…」高額療養費制度見直しや高校無償化で露呈した、少数与党政治の功罪
―――2025年3月8日 06:00付 TBS NEWS DIG Powred by JNNより
TBSによると、JNNの直近世論調査を詳細に分析すると、政党支持率自体は自民党が25.6%でトップでした。一見すると、自民党の支持率は、盤石です。
若年層中心に国民民主が大躍進の兆し
ただ、内訳をよく見ていくと、また違った姿が現れます。政党支持率調査、18~29歳の若年層に限ると、自民党は13%、30代で11%でそれぞれ2位に低迷。これに代わって支持のトップに躍り出たのが、18~29歳で25%、30代で15%となった国民民主党です。
ちなみに40代で自民党20%、国民民主党15%と両党が逆転し、50代だと自民党30%・国民民主党7%、60歳以上で自民党34%・国民民主党5%となっており、高齢層では依然として自民党が根強い人気を誇っていることが強く示唆されます。
なお、立憲民主党や日本維新の会は18歳~49歳の層からずいぶんと嫌われているようであり、維新が18~29歳で1%、30代で3%、40代で2%となっているほか、立憲民主党は18~29歳で0%(!)、30代で0.8%、40代で0.6%だったのだそうです。
ただ、50代だと立憲民主7%、維新5%と、両党ともに国民民主党と支持率がほぼ並び、60歳以上だと立憲民主が10%で支持率第2位に浮上します(ちなみに60代以上だと維新は5%だったそうです)。
これで見ると、国民民主党がいかに現役・勤労層から支持されているかという実態が見えてきますし、同時に自民党が若年層を中心に「第1党」ではなくなりつつあるという様子が手に取るようにわかります。
年金法案提出延期か?
これは著者自身の私見ですが、自民党が昨年9月の総裁選の決選投票で、第1回投票で1位となった高市早苗氏ではなく、よりにもよって石破茂氏を総裁に選びだしたこと、政策全般に対し不勉強極まりない石破氏が「反アベノミクス」だけを旗印に、安倍総理の遺産をことごとく潰していることが原因ではないでしょうか。
そして、こうした事例がもうひとつ出てきたかもしれません。
時事通信によると自公両党は年金制度改革関連法案を巡り、今国会提出の是非を協議したものの、法案に「国民負担増につながる内容が含まれている」とし、「与党内には夏の参院選への影響を懸念して提出に慎重な意見が出ている」のだそうです。
年金法案提出、自公結論出ず 野党に協議呼び掛け
―――2025/03/10 10:11付 Yahoo!ニュースより【時事通信配信】
これなど、有権者は先日の「高額療養費問題」と似たような文脈でとらえる問題でしょう。
要するに、「参院選でボロ負けするのを避けるためにとりあえず今国会への提出を見送る」という発想であり、逆にいえば、参院選を無事乗り切れば石破政権はこれを実現させる(=国民負担が増大してしまう)ことが目に見えてしまっているわけです。
「参院選後にどうせ負担増」?見透かされる石破政権
逆に言えば、石破政権はすでにレームダック状態に陥ったとも考えられます。
安倍総理の時代に自民党を支持していたであろう有権者のなかには、安倍総理(やその後継者の菅義偉総理大臣)あたりならば、よもや国民の所得をゴリゴリ削るような制度改悪はしないであろうと期待していた層が、相応に含まれていることは間違いないからです。
そして、各種世論調査で見えてくる、若年層を中心とする国民民主党への支持の高まりは、これまで自民党や日本維新の会などを支持していた現役勤労層、あるいは現役保守層などの支持を、国民民主党がゴッソリと持って行ってしまった、という実態を示しているようにも見えます。
いずれにせよ、これ以上厚年保険料を増やされたくないと思っている現役層にとっては、「参院選後に間違いなく負担が増える」という疑念が払拭されることがない限り、今夏の参院選で自民党に積極的に投票しようとも思わないでしょう。
石破首相、あるいは現在の自民党に、果たしてそれができるのでしょうか。
見ものです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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岸田政権時代から安倍政権ではやらなかったような致命的判断ばかりでしたね。
その岸田前首相が高市氏を総理にしない為に石破首相を誕生させたのですが、あわよくば石破政権が終わるなら自分が第二次政権をやろうとしているとか。自民党には失望しかありませんねこの一年。
今夏の選挙を過ぎれば国政絡みは暫く無いので、それさえ乗り切ればと思惑は有ると思いますよ。
もう、それか透けて見えちゃう位、劣化してる内閣ではなあ
yahooの自民党を支持するか国民民主を支持すかのアンケートでは国民民主95%で自民5%とか出ていますけどね。
維新「なぜ国民民主党が伸びて維新が伸びてないんや…?」
自民党を終わらせる最凶の刺客というか自己組織が悪性腫瘍化した感のある石破茂氏
自民党は下野したら復活するのか、その前に外科手術をして悪性腫瘍を除去するのか。
年単位で掛かる復活時間を短縮するには早期外科手術しかないと思うが何故にして自民党有志はそれに踏み込まないのか。
そもそも一度下野したあと復活できるのか?
それほどに安倍氏や中川氏が政治的だけでなく生物的にまで生命を絶たれたのが影響されたのか。
日本政界の闇。そう感じます。
あの総理を手伝うブレーン。やばそうですね。
私の認識です。外れますように。
◯参院選後に実施予定のもの
高額医療費の上限引き上げ
厚生年金保険料の上限引き上げ
厚生年金の基礎年金への流用
退職金課税強化
私立高校無償化のための恒久財源確保(=増税)
◯実施予定の無いもの
ガソリン暫定税率の廃止
基礎控除の更なる引き上げ
高齢者の痛みを伴う健保・年金改革