参院側で予算法案提出権を目指す＝国民民主の玉木代表

４日に代表に復帰した国民民主党の玉木雄一郎代表は同日午前、記者会見を開き、今夏の参院選を「手取りを増やす夏」と位置付けたうえで、改選４議席を一挙に16議席に４倍増させ、非改選５議席と合わせて法案提出権を持つ21議席を目指す考えを示しました。そのうえで「手取りを増やす」を実質妨害した格好となっている維新に対しも、繰り返し、協力を呼び掛けたようです。

国民民主党は４日、同党代表に復帰した玉木雄一郎代表の会見を実施しました。

会見の中で玉木氏は自身の不倫問題を巡り、関係者や同党幹部らに謝罪。

そのうえで最近の地方選での同党の躍進が続いていることなどに触れたうえで、ダボス会議や訪台などの職務停止中の活動を紹介したうえで、今夏の参院選の獲得議席目標を「21議席」と宣言しました。

玉木氏によると、これは参院側で予算を伴う法案を国民民主党として単独で提出するために必要な議席数とのことであり、非改選５議席と合わせて21議席にするためには、改選４議席を16議席に増やさなければならない、と述べています。

これについては参議院ウェブサイトに掲載されている会派「国民民主党・新緑風会」の議席数とは異なりますが（参院ウェブサイトの記載だと改選５議席、非改選７議席）、想像するに、会派「国民民主党・新緑風会」には国民民主党に所属していない議員も含まれている、ということなのでしょう。

それはともかくとして、「21議席」という具体的な数字が出てきたことは、なかなかに興味深い論点ではないでしょうか。

もちろん、いわゆる「改選一人区」における、連合の要請による立憲民主党との候補者調整をどう進めていくかという問題もありますし、また、現在の国民民主党が候補者を公募したところで、それらの候補者の「身体検査」をどう進めていくのか、といった問題も、非常に悩ましいところではあります。

ただ、少なくとも大手メディアの世論調査であったり、『Yahoo!ニュース』の読者コメント欄であったり、あるいはＸ（旧ツイッター）における旺盛な反応であったり、といった手掛かりから判断するに、この「参議院21議席・改選16議席獲得」は、現在の国民民主党の支持率に照らせば現実的な目標といえるでしょう。

ちなみに当ウェブサイトとしてはこれまで、「客観的な事実だけで見れば、日本維新の会が国民民主党の『手取りを増やす』を潰した」、と指摘してきましたが、玉木氏は会見のなかで、維新については対決姿勢ではなく、繰り返し、協力を呼び掛けたのも印象的です。

というのも、玉木氏は夏の参院選について「手取りを増やす夏」などと述べたうえで、記者からの質問に対し、たとえばガソリン減税を巡っても、「（維新が国民民主案を）阻害したというよりも、力を貸してほしかった」と述べているのです。

これが玉木氏自身の本心かどうかはわかりません。

ただ、あくまでも「表向き」の発言だけで見れば、玉木氏は維新に対して恨み節をぶつけるでもなく、とにかく「維新の方が（国民民主党よりも議席が）多い」という事実を強調したうえで、一緒に減税を実現しようとする姿勢を繰り返した格好だともいえます。

いずれにせよ、とりあえず「玉木国民民主党」が再始動するなかで、また、４日にも衆院側で予算が可決されるとみられるなかで、おそらく多くの国民が望んでいるであろう「手取りを増やす」がどうなっていくかについては、引き続き注目する価値がある論点のひとつであることは間違いなさそうです。