次々変わる「駅の表示言語」で認知症の人に多大な負担
日本国内の公共交通機関を利用しているはずなのに、日本語表記はなくハングルばかり―――。そんなシーンに出会ったことはありませんか?中国や韓国が好き、嫌いという観点は別として、中国語や韓国語が読めない日本人に我慢を強いているという現実を踏まえるならば、やはり改善が必要ではないかと思います。こうしたなか、街中の「日本語表記が消える問題」に、思わぬ視点から有益な指摘が出てきました。
日本語がまったく表記されていない電車
東京、大阪といった大都市圏に暮らしている方であれば、そして鉄道などの公共交通機関を日常的に利用している方であれば、誰しも一度や二度、遭遇するであろうシーンがあるとしたら、それは外国語(英語以外の言語)による案内標識でしょう。
とりわけ駅や車内などの案内板をふと見ると、日本語表記がまったくなされていないケースもザラにあるのです(図表)。
図表 日本語表記がまったくない電車内の案内板
(【出所】都営大江戸線車内にて著者撮影)
これは正直、困ります。
先日の『中国語翻訳「電脳筆談」時代到来?日経記事非常興味深』などでも述べたとおり、日本人と中国人は漢字という共通の文字を使用しているため、何となく漢字が読めないではないのですが、韓国語表記の場合、韓国誤が読めない人にとっては、もう完全にお手上げです。
急いでいるときの韓国語表記に戸惑う出張族
とりわけ、著者などはよく羽田空港から京急線を利用するのですが、ホームの左右に電車が停まっている場合、どちらが先に目的地に着くのか、どちらが蒲田で折り返して横浜方面に行くのかがわからず、案内板を見ると日本語表記がまったくなくて戸惑うことが多いです。
正直、ここは日本なのだから、日本語は常時表示してほしいという気がしますし、表示する面積の関係でどうしても日本語表記ができないのであれば、せめてローマ字表記くらいしてほしい、というのが、「出張族」としての偽らざる本音です。
ちなみにこれは「中国や韓国が嫌い」だからそう申し上げている、というわけではありません。
日本人が日本国内の公共交通機関を利用しているわけですから、日本語が表記されていないことによる不便を被るのは利用者の圧倒的多数を占めるであろう日本人だ、ということに、事業者の皆様には気付いてほしいと思うからです。
もちろん、日々、多くの中国人や韓国人などの皆さんが旅行者として日本にやって来ていることは事実ですが、彼らの多くは「自国語が通じない外国」に出かけているという意識を持っているはずであり、また、ローマ字表記であれば基本的には読めるはずです。
このように考えると、中国語表記や韓国誤表記は「スペースに余裕があれば」行っても良いとは思う反面、圧倒的多数の日本人の利便性を犠牲にし、日本人に我慢を強いてまで、優先的に行うべきものなのかについては、なんだか疑問でもあります。
認知症の人からの悲痛な叫び
こうしたなかで、『まいどなニュース』が18日付で、こんな記事を配信していました。
電車や駅の「すぐ切り替わる多言語表示」やめて!日本人が利用しづらい現状に疑問の声…認知症には難しい「せめて日本語は常時表示を」
―――2025/02/18 07:40付 Yahoo!ニュースより【まいどなニュース配信】
リンク先記事は2000文字少々ですが、非常に読みやすいので、是非ともご一読ください。
この記事の優れている点は、その着眼点にあります。
ポイントとしては、とあるユーザーの方がXにポストした、こんな内容をもとにした議論です。
大事なことなので何卒お読み下さい。認知症になった人から「駅の表示がいろんな言語の表示にすぐ切り替わってしまうので表示版の前で焦り、固まってしまう。日本語と英語表示だけでよいのでは。それか常に日本語、その下に多言語表示を出すとか」との声。仰る通り。これ日本中の問題。改善して下さい🙇
— くりん (@Kurin_ADHD88881) February 12, 2025
記事によると、とりわけ駅の「行先表示」が次々と別の言語に切り替わり、ほとんどの日本人が読めない韓国語や中国語が表示された場合、ローマ字か日本語の表示に切り替わるまで確認を待つ必要があるため、これが認知症の方々などに大きな負担を強いている、というのです。
ポストでは「日本語と英語表示だけで良い」、「(多言語表示したいのであれば)常に日本語を表示し、その下に多言語を表示させるべき」、などと記載されていますが、まったくの正論でしょう。
健常者であっても、読めない文字が表示されると戸惑います。
各事業者は日本語表記の利便性向上に努力を!
ちなみに記事によると、くだんのポストを投稿したくりんさんというユーザーは認知症の介護や相談の仕事に20年以上携わっており、認知症およびその予備軍である「軽度認知障害」の人口は約1100万人に達していると指摘。『まいどなニュース』に対し、こんな趣旨のことを明らかにしたそうです。
- 「認知症の人は1人で外出するな」という意見もある
- しかし、認知症は重い症状から軽い症状まで様々で、軽い場合は1人での外出も十分可能
- 家に閉じこもっていれば症状は悪化するし、入所できる施設の数もまったく足りていない
- すべての人が認知症になる可能性があり、高齢になるにつれてその率は上昇する
そのうえでくりんさんは、こう警鐘を鳴らします。
「認知症の方は不安や混乱に陥りやすく、わかりづらい表記はそれを増幅させることもあります。それが原因となり、外出の不安が増したり、外出意欲を失って閉じこもり、さらに症状が進む場合があります」。
大変に説得力のある説明です。
このあたり、各交通機関・事業者としても、真剣に検討すべきところでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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毎度、ばかばかしいお話を。
意識高い系日本人:「例え日本人が困っても、中国人や韓国人の利便性をはかるべきだ」
アメリカのリベラル派も、言いそう。
国交省、つまり公明党の指示による表記であり
国交省から公明党の大臣を降ろさない限り、表示方法は
変わりません。
公明党の利権問題又は大陸國・半島諸国への阿りの
どちらかは解りません。
一昔前のドット文字を流すしかできなかった電光掲示板ならまだしも、今ならいくらでも併記やグラフィカル表現で案内出来ると思うのですがね。飛行機内で映画一斉上映をやめたように、旅行者向けにアプリを作って各自端末で確認させても良いですし。
さて、私は海外旅行全く行かない勢ですが。もし行くのであれば、移動経路は事前に調べ、地名もなるべく現地語で覚えていくと思います。英語表記があれば補助的に助かるなぁ程度。学習していないハングルやキリル文字などであっても、文字数や字の形でアタリをつけますし。まハングルが用いられる地域になんて頼まれても行きませんけども。Прип’ять観光はちょっと興味ある。
で、もしそうやって頑張って日本語に親しもうと思ってやってきた外国人が居たとして。その方々も、中韓語で占有されてなかなか流れてこない使い慣れぬ日本語を待って四苦八苦するわけですか。中韓からの旅行者が多いとはいえ、「”外国人”のために流しています」はちょっと苦しく感じますね。公平ではなくDEI精神であったとしても反します。(DEIが流布される以前からの施策ですが。)どうにも稚拙な施策です。「中韓語話者からのクレームが激しくて屈した」ならまだ理解できるかな……
メディアさん、Xでの話題を取り上げて記事にするなんていうことをしていないで、「Xで話題だったので取材してみた」で独自記事にしなさいな。それなら存在意義あるでしょう。
これって合理的配慮義務違反では。認知症の方も対象でしょう。
日本を蔑ろにした中韓優先と言うより、面倒くさい業務を減らすのが目的なのでは?
英語ならともかく、中韓語で質問されても対応に手間どり通常の倍の時間を要する…だったら「予め表示しとけ」ってなるのも仕方ない。まぁ、アレを見るのは鬱陶しいけど。
中国語の表記を 「簡体字」 ではなく 「繁体字」 にすれば、日本人にとっては 「旧字体」 だから、お年寄りには読める人も多いだろうし、国際社会に対して、ある種のメッセージにもなるのにね。
上の写真をgoogleレンズで翻訳してみました。小栗塚競技場とか国立京基調とか、その都度結果がぶれて正しく表示されませんね。
google翻訳の欠陥というより、ハングル自体の欠陥のせいでしょう。何でも自分にだけ都合の良いものに見えてしまう、恐ろしい隣国人の片鱗を味わいました。
八幡 和郎が「アゴラ言論プラットホーム」に寄稿したエッセイの中で、学習院大学文学部の教養課程の第2外国語が中国語か朝鮮語のいずれか必須になり、これがために佳子様が学習院への進学を断念された、ということを述べている。今回、ブログ主様が提起された問題と、どこかでつながっているのでしょうか?
因みに、警視庁その他各道府県の公安部には、中国語・朝鮮語の達人が多数在籍していると思われるが、彼らの語学教育は、現在、どのようにしてなされているのだろか?朝鮮語に関しては、昭和30年代までは、天理大学が各都道府県から選抜された若手警察官を、半年の集中講義で、朝鮮語の達人にまで育成していたとのこと(出典:「わが罪はつねにわが前にあり」松橋忠光著)。
「外国人観光旅客の来訪の促進等による国際観光の振興に関する法律」
第7条
公共交通事業者等は、観光庁長官が定める基準に従い、その事業の用に供する旅客施設及び車両等について、外国語等による情報の提供、インターネットを利用した観光に関する情報の閲覧を可能とするための措置、座便式の水洗便所の設置その他の外国人観光旅客の公共交通機関の利用に係る利便を増進するために必要な措置(以下「外国人観光旅客利便増進措置」という。)を講ずるよう努めなければならない
「公共交通機関における外国語等による情報提供促進措置ガイドライン(2006年3月)」((国土交通省)
訪日外国人旅行者の多い英中韓に対応した4カ国語表示を推奨
公共交通事業者等が情報提供促進措置を構ずべき区間を指定
法律に基づいておりますので、事業者に4カ国語表記をやめる自由は現在のところないと考えております
いつも楽しみに拝読しております。
掲載写真の路線を通勤で利用しており、この電車は一体どこの国を走っているのかとしばしば疑問に思っていました。確かに観光の外国人も多い路線ですが、乗客の大半は日本人です。いくら法で表示が義務付けられてるからって、大多数の日本人乗客に不利益を強いるのは違うと思います。
JR東日本や東京メトロの車内表示は、ここまで酷いものではありません。都営交通は少し考え直す必要があるように思います。