年賀状の元日配達数が昨年と比べて「3分の2」に減少
年賀状のやり取りの枚数が随分と減った、という人も多いと思います。こうしたなかで、本稿で取り上げておきたいのが、日本郵便が1日に発表した『年賀郵便物元日配達物数』です。なんと、今年の元日に配達された年賀郵便物は4.91億通で、昨年と比べて3分の1ほど落ち込んだのです。ためしに過去にさかのぼって調べてみたら、2009年の20.9億枚と比べて4分の1以下です。年賀状というカルチャー自体、ネットの海に飲まれて消えるのでしょうか。
前年比3分の1減=日本郵便発表
日本郵便が1日、興味深い報道発表を出しました。
『2025(令和7)年年賀郵便物元日配達物数』と題した1枚紙がそれです。
これによると、こう書かれています。
「2025(令和7)年元日に全国でお届けする年賀郵便物数(速報値)は、4億91百万通(一人当たり約4通)です」。
ちなみに同リリースによると、昨年、つまり2024年の配達数は7億43百万通で、前年と比べて一気に約34%減り、ちょうど3分の2になってしまった格好です。
これは、なかなか驚異的な減り方です。
図表は、日本郵便の過去の報道発表などを参考に、年賀状の「当初発行枚数」と「年賀郵便物元旦配達物」のそれぞれの枚数の推移をグラフ化したものです。
図表 年賀状の状況
(【出所】日本郵便ウェブサイト等の発表をもとに作成)
年賀状の「当初発行枚数」は2003年以降分、「郵便物元旦配達物数」は2007年分以降のデータがあります。
はがき郵便代の値上げも影響?年賀状じまいの動きは?
年賀はがきの発行枚数よりも元旦の配達数が少ないのはほぼ毎年の傾向ですが、考えられる仮説としては、①年賀はがきの発行枚数と実売枚数には大きな開きがある、②人々は年賀はがきを実際に投函するよりも多めに購入している、などがあります(真偽のほどはよくわかりませんが…)。
ただ、年賀はがきの当初発行枚数もさることながら、配達枚数も激減しているというのは、本当に印象的です。
今年の大幅な落ち込みは、おそらくは郵便代の値上げなども影響している可能性があります。
年賀はがきは1通63円から85円へと約35%値上げされたわけですが、それによって配達枚数が35%落ち込んだわけですから、トータルで見たら日本郵便にとっても年賀状というビジネスがさらに縮小したということでしょう。
こうなってくると、「年賀状発送を取り止める」、あるいは「年賀状じまいする」という事例は今後、さらに増えて来るのではないでしょうか。
「昭和生まれ」にとっては、お世話になった人、長い付き合いがある人などに年賀状を送るのは当然だ、年賀状を送らないのは失礼だ、などとする感覚もあったのかもしれませんが、少なくともビジネス感覚だけで申し上げるならば、B2Bの世界では年賀状のやり取りが減っていることは間違いありません。
個人情報保護法の影響も…
また、2005年4月に全面施行された個人情報保護法の影響もあってか、人々が住所・氏名・職業・電話番号といった個人情報を交換するのも慎重なご時世です(親しくなってもLINE交換までが一般的であり、携帯番号まで交換するケースは少ないのではないでしょうか)。
実際、昨今だとそもそも学校や職場で個人情報を掲載した名簿の作成を取り止めているケースが多いと聞きますし、職能団体でも紙に印刷した名簿の発行を取り止めている事例が見られます(日本公認会計士協会も最近だと会員名簿の冊子版を発行していないようです)。
当然、年賀状はLINEや電話番等では届きませんので、もし送りたければ相手の住所を知る必要があります(ちなみに最近だと、ポストに表札などを掲げないお宅も増えているようです)。
結局、挨拶や近況をしたためた紙片を年1回送りつけ合うというカルチャーは、インターネットの海に飲み込まれ、砕け散っていく運命にあるのかもしれません。
「その程度の枚数なら続けても良い」と思う人は?
ちなみに著者自身の事例でいえば、2025年は発送した枚数が16枚、元旦に受け取った枚数が10枚でした。発送した賀状は親戚向けが6通、旧友・恩師などが10枚で、受け取った方は親戚3通、旧友などが6通(ほかに不動産業者が1通)です。
ずいぶんと減ったものです。
かつては親戚関係だけで20通前後の賀状のやり取りをしていたこともありますが、「とある理由で」(※お察しください)賀状のやり取りがどんどんと減りました。
また、旧友・知り合い・職場関係に関しては、多い時で50通前後をやり取りしていたこともありましたが、その後の自身や相手の転職・転居などにより徐々に年賀状をやり取りする枚数が減り、また、個人情報保護法の関係か、新たにできた知り合いには住所交換できないケースも増えました。
さらに最近だと、徐々にメールなどでのやり取りに切り替えるケースも多く、また、近場の旧友は「年賀状をやり取りするよりももっと頻繁に会おうよ」とばかりに、ランチに行ったり飲みに行ったりの関係が復活し、年賀状のやり取りを止めるケースもありました。
ただ、正直なところを申し上げるなら、著者自身、この枚数であれば年賀状のやり取りを続けても良いと思っていますし、たまにもらう相手の近況が楽しみだったりもします。
正直、いつまで年賀状のやり取りが続けられるかはわかりませんが、さて、どうなることやら。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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「元旦に特別な年賀状が届くことで、ビジネス上の特別な相手(?)に自分の存在を印象づけられる」となったら、某会計士も年賀状を出すのでは。
毎度、ばかばかしいお話しを。
郵便局&NHK:「大晦日に紅白歌合戦を視ることと、元旦に年賀状を届けることが、日本国民の義務である」
まさか。
かつては年賀はがき販売のノルマは相当きつかったようです。配達員の方から申込用紙を受け取った記憶もあります。最近はどうなんでしょう。
今年の元日は、郵便受をあけて、年賀状と一緒に「ゆうメール」が配達されていたことに驚きました。郵便局のWebサイトには、確かに「普通扱いとする郵便物・ゆうメール」は1日にも配達すると載っていましたが、一昔前なら元日は年賀状の配達だけで精一杯だったのでは…
元日の普通郵便配達が続くのであれば、年賀状は数を減らしつつ、年賀状でない「普通の」郵便物に混じって地味に続いていくように思います。
ところで、郵便局から年賀状が無くなっても郵便局ですが、新聞社から新聞が無くなったら….???
60円でしたっけ、年賀状の価格
相手から年賀状じまいが届くまで続けようかと思っている私がいます
20枚程度に減った今、敢えて止めるほどの金額でもありません
日常に合える中でもない人との生きている証? としての年賀状は貴重なんですがねえ
でも来年はどうするか。続けるか?
自分でもわかりませんが
年賀状を出す相手が少なければ、自宅のプリンターで印刷するよりも、裏面印刷済みの年賀ハガキを買ってきて、あいさつ文と宛名は手書きで書いたほうが早くて楽ですね。
というわけで、裏面印刷済みの年賀ハガキを、額面の何倍もの値段で売るビジネスは、もう少しの間、続きそうな気がします。