テレビとSNSの融合はすでになし崩し的に進んでいる
テレビとネットの融合は、すでに始まっている、という見方もできます。テレビや新聞などのオールドメディアも最近だとウェブ版に記事を出していたりしますが、それらの記事をXなどのSNSで引用し、批判するのもまた一般に行われていることだからです。それに、SNSには誤った情報も多いのですが、オールドメディアと違い、誤っていたら当事者から速攻で「誤っている」というメッセージが出てきたりするものです。
目次
マス「ゴミ」呼ばわり…原因を作ったのはオールドメディア自身
いったいいつから始まったのか、マス「ゴミ」という単語は、いまやすっかり人口に膾炙したフシがあります。
多くの読者の皆さまもご存じの通り、マス「ゴミ」とは、おもに新聞やテレビといったマスメディア(最近の流行語でいえば「オールドメディア」)にたいする、「ゴミのような情報を垂れ流すマスコミ」というニュアンスを帯びた、なかば人々の怒りを込めたネットスラングです(あくまでも「著者自身の理解に基づけば」、ですが)。
個人的には、たとえオールドメディアが対象であったとしても、他人の職業を「ゴミ」呼ばわりするにはさすがに気が引けるため、これまでこの「マスゴミ」という用語は、積極的には使ってこないように努めてきたつもりです。
ただ、実際のところオールドメディアを巡っては、常日頃からの偏向した報道・一面的な報道はもちろん、印象操作、誤報、捏造報道、メディアやその関係者の取材態度の悪さやさまざまな不祥事など、「ゴミ」呼ばわりされても仕方がないといえるような材料には事欠きません。
このため著者自身は、自分のサイトやSNSでそうした表現を積極的には使わない、というだけの話であって、たとえば他人様のブログやウェブ評論サイトの記事、XなどのSNSで「マスゴミ」なる表現を見かけたとしても、それをべつに咎(とが)め立てたり、批判したりするつもりはありません。
「マスゴミ」呼びされても仕方がないような材料はオールドメディア自身が作っているからです。
SNSの特徴は「誤りが速攻で否定される」こと
この点、新聞やテレビのビジネスモデルやその問題点、これまでの偏向・捏造報道や誤報、取材態度の悪さといった問題については、当ウェブサイトではこれまでずいぶんと取り上げて来た(し、これからも随時取り上げていく予定である)わけすので、とりあえず、本稿でそれらについては繰り返しません。
ただ、ひとつ重要な事実を示しておくと、昨今はインターネット環境が普及し、SNSを使いこなす人も増えていて、新聞やテレビといったオールドメディア「だけ」が情報源ではなくなっています。
ネットが普及する前であれば、人々が社会の出来事を知るきっかけは、「新聞で読んだ」、「テレビで見た」、というものが多かったはずですが、昨今だと「Xで知った」、「LINEで知った」、「Yahoo!ニュースで知った」、といったパターンが非常に増えているのではないでしょうか。
もちろん、SNSやニューズ・ポータル・サイトの話題も、出所を辿れば新聞社、テレビ局、通信社などのウェブサイトだったりすることもありますが、「何とか通信がこんなことを報じた」、とする話題が広まれば、「政府関係者がそれを否定した(認めた)」、といった具合に、SNSではそれらの情報の裏取りも非常に迅速です。
そして、オールドメディアが報じた内容が、SNS上で関係者から速攻で否定されることも増えてきました。
ネットが普及する以前であれば、情報の流通はオールドメディアがほぼ独占していて、業界内では身内のかばい合いのようなものが横行していたこともあってか、メディアの誤報は訂正されるまでにかなりの時間を要していたのですが、これがSNSにより「瞬殺」されるようになったのです。
著者自身、SNSなどネットの最大の長所は、この「報道が速攻で否定される」という機能にあると考えています。
兵庫県知事ではSNSが威力を発揮
もちろん、関係者からの「報道が間違っている」という声明自体が間違っている(つまり結果的に報道が正しかった)、ということもありますが、その反面、報道が極めて偏っており、真相をよく調べていくと、報道されている内容のニュアンスがかなりおかしかった、といったこともしばしば発生します。
その典型例が、11月の兵庫県知事選ではないでしょうか。
この選挙は斎藤元彦氏が9月、兵庫県議会の知事不信任が議決されたことで失職したことで行われたもので、多くのメディアは斎藤氏の知事在職中の職員に対するパワハラ、「おねだり体質」などの問題を報道し続けました。
しかし、おもにSNSを通じて、こうしたオールドメディアの報道の実態がひとつずつ暴露され(これには「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏らネットのインフルエンサーの活動もあったようです)、最終的には出直し選挙で斎藤氏が兵庫県知事に再選。
オールドメディアの問題点が多くの人に共有されたのです。
オールドメディア側はこれを「SNS選挙」などと呼び、「SNSが事実を歪曲した」、などと怪気炎を上げているようで、最近だと「SNS規制」などを叫び始めているフシもあります(これについては当ウェブサイトでは『【インチキ論説】「馬鹿に選挙権とSNSを与えるな」』などでおちょくった通りです)。
「SNSに誤り多い」は事実だが「オールドメディアは正しい」ではない
さらには、オールドメディア側からは、「SNS上には間違った情報が多い」、などとする批判の声も上がって来るなど、SNS攻撃を強めているようですが、しかし、いったん広まったオールドメディア不信の流れが、今後、逆回転することは考え辛いところです。
もちろん、SNSという空間では、誤った情報やいい加減な情報が多く流れていることは間違いありませんし、それらの中には、むしろ「インフルエンサー」と呼ばれるユーザーが積極的に広めている、というケースもあります。
その意味で、「SNS上には間違った情報が多い」、は、まったくその通りでしょう。
ただ、オールドメディアの皆さまに申し上げておくと、「間違った情報が多い」、は、あなたがたオールドメディアが垂れ流す情報にもまったく同じことがいえます。
いや、オールドメディア内部で自浄作用も働かず、オールドメディアが垂れ流した情報についても、情報を受け取った人が訂正する手段がない分だけ、オールドメディアの報道の方が悪質です。
その意味では、新聞、テレビなどの報道が、新聞やテレビの「枠外」にあるSNSという空間で積極的に批判されるようになったのも、オールドメディア側に自分たちの報道の正確性を担保する仕組みも規律も存在しないことの裏返しでしょう。
橋下徹氏が「テレビとSNSのミックス」提唱
こうした文脈で取り上げておきたいのが、こんな話題です。
「『報道をやめる』ことをやめなきゃいけない」橋下徹氏“オールドメディア”に物申す「テレビとSNSはミックスすればいい」
―――2024/12/28 08:02付 Yahoo!ニュースより【FNNプライムオンラインより】
FNNによると、27日放送の関西テレビの番組に出演した橋下徹氏は、兵庫県知事選などを巡り、「テレビメディアは質的公平性を意識して責任をもって放送すべき」としたうえで、「テレビとSNSはうまくミックスしてもらいたい」と述べたのだそうです。
著者自身、該当する番組を視聴しているわけではないため、この「テレビとSNSの融合」を、橋下氏がどのような文脈から述べたものかについてはよくわかりません。ただ、記事では橋下氏を巡り、次のような発言も紹介されています。
「役割分担であって、テレビの存在意義は十分あると思いますよ。ネットは深く掘り下げていく、時間無制限で。テレビメディアの場合には時間があります。法律で縛られているわけではないと思っています、自主規制だから。そうは言っても、テレビ業界は法律を頭に入れながら放送している」。
こうした発言から判断するに、橋下氏はテレビとネットが役割分担しながら共存すべき、と考えているのでしょう(もっとも、「テレビ業界が法律を頭に入れながら放送している」のくだりは、普段からのテレビの偏向ぶり・放送法への抵触ぶりを見ていると、なにかの悪い冗談にしか見えませんが…)。
なし崩しに実現したテレビとSNSの優等
ただ、正直なところ申し上げるなら、現実には、テレビとSNSの「融合」は、なし崩しに進んでいます。
先ほども述べたとおり、テレビ自体に視聴者の声をリアルタイムですくい上げる仕組みはありませんが、テレビ局も番組をネット配信したり、このFNNプライムオンラインの記事のように、番組の内容をダイジェストにした記事を『Yahoo!ニュース』などに配信したりしています。
当然、この記事に対しても、Xで引用するかたちで話題にすることができますし、テレビや新聞がおかしなことを述べていたら、ケースによっては「炎上」もあり得るでしょう。
しかし、「炎上」が怖いからといって、ネットに記事を配信するのを止めてしまうわけにもいきません。社会的影響力という観点からは、オールドメディアの弱体化と反比例するかのごとく、ネットの力は日増しに強まっているからです。
記事によると橋下氏はテレビ番組における「質的公平性」の確保に課題がある、などと指摘したそうですが、これも正直、テレビ業界の思い上がりのようなものではないでしょうか。テレビは社会の中心的役割からすでに外れてしまっているからです。
もしもテレビが社会の情報伝達において、中心的な役割を担いたければ、橋下氏が指摘する通り、テレビはできるだけ公平な報道に努めなければならないはずでしょう。
しかし、実際には放送時間その他の問題もあって、たとえば選挙報道ではすべての候補者を平等に扱うことはできません。テレビが選挙などの報道で「主要候補者」を勝手に決めてしまい、その「主要候補者」のみを取り上げているのには、そうした事情もあるのでしょう。
ただ、近年の選挙では、テレビなどがほとんど取り上げていない、従来だと「泡沫候補」扱いされていた人たちが、それなりの票を獲得するケースも増えています。人々はテレビによらず、SNSなどを通じて情報を集めようとするようになったという証拠でしょう。
その意味では、2024年に「社会的影響力」でネットに明らかに追い抜かれたオールドメディアが、来年以降、さらに凋落を続けるのか、それとも社会の信頼を取り戻し、影響力を回復するのかについては、引き続き、チェックする価値があるのかもしれません(答えは明らかかもしれませんが…)。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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毎度、ばかばかしいお話しを。
①テレビ局:「SNSがテレビの下にいるのなら、まだ許せるが、SNSがテレビの上にあることは許さない」
②テレビ局:「ネットの動画を編集して番組をつくろう。ネットフリックスから番組を買ってきて放送しよう」
歴史は繰り返す。
一億総発信を嫌うのは情報を独占して神になろうとする近平さんプーチンさんマスコミさんくらいなものでしょう。ですのでその傲慢さからカミではなくゴミ呼ばわりされる訳でして、いかにYahoo、X、YouTubeを彼らが腐敗され篭絡させようと、戦っているものが人の噂に戸を立てようとすることで洗脳装置であろうとする限り、人々にとって有害な存在のゴミ発信メディアで、ゴミ呼ばわりされることに変わりないと思います。
不思議であるのはテレビマンや池上彰氏は二言目には報道機関は裏取りして取材しており信頼性が違うと日頃言っておりますが兵庫県知事のパワハラとオネダリ問題を見る限り本当に兵庫で取材して裏取りをしたのでしょうか。
コタツに入りながらぬくぬくと(ハンドルネームではない)パソコンを打ちながら得た情報で記事を書いたように思えますがどうでしょう。
記者クラブの連中は取材なんてしないでしょうね。
県庁から配られた紙を見るか、県職員労組から提供される情報を受け取るだけでしょう。
彼らにとって斎藤氏は「俺たちの天下り先に配る1000億円を半額未満に削ろうとする人」であり、「俺たちの宮殿のようにゴージャスな職場の建設を邪魔する人」でしょうから、悪評しか流さないでしょうね。
>…報道機関は裏取りして取材しており信頼性が違うと日頃言っておりますが兵庫県知事の
>パワハラとオネダリ問題を見る限り本当に兵庫で取材して裏取りをしたのでしょうか。
裏どりをするなどという意識もなく、ひたすら、「こうあるべき」に向けた考察を並べ立てているだけだと思います。
記者(メディア側?)からすれば、取材するまでもないというくらいの(思い込みの)ことではないでしょうか?
>おもにSNSを通じて、こうしたオールドメディアの報道の実態がひとつずつ暴露され(これには「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏らネットのインフルエンサーの活動もあったようです)、最終的には出直し選挙で斎藤氏が兵庫県知事に再選。
>オールドメディアの問題点が多くの人に共有されたのです。
(ほとんどすべての)オールドメディアの情報発信に問題があることについては、異論ございませんが、こと兵庫県知事選に絡めて、立花さんの活動を、オールドメディアの問題点を暴露するものとして評価する文脈で捉えることについては、当方は、強い違和感をここに表明しておきます。
なぜなら、立花さんも、明らかに誤りであると自覚していた情報を含めて、真偽が定かでない情報を自ら発信していたからです。
以前も紹介しましたが、そのことを記した記事を、再掲いたします。
【東洋経済】バッシングから熱狂へ…斎藤知事への世論はなぜここまで激変したのか、“使われた”元局長のプライバシー
https://news.yahoo.co.jp/articles/f3054d8b971648011cf078fb0eb9ac36987046d3
立花さんがSNS等において発信した、明らかな誤りも含めた真偽不確かな情報が、ネット上で即座に検証されて否定されたという話を、当方は存じ上げません。むしろ逆に、元局長さんが刑法犯であるがごとき誤った憶測が、立花さんのせいで拡散してしまったというのが実情ではないでしょうか。
オールドメディアもSNSも、突き詰めればただのシステムであって、それ自体に良いも悪いもありません。オールドメディアもSNSも、中の人の考え方や運用の仕方によって、良くも悪くもなるというのが、自分の意見です。
自分は、兵庫県知事選における立花さんのSNS等による情報発信は、かなりの悪意を持って誤った情報の拡散を狙った運用であるという心証を持っております。一般論として、「ネットに迅速な情報検証機能がある」ことについて否定するつもりは全くありません(し、むしろそのとおりだと思っております)が、そういった機能が働かずに誤った情報がネットを通じて拡散する局面も往々にして存在することも、指摘しておきたいと思います。
以上のような理由で、自分は、兵庫県知事選における立花さんの情報発信の振る舞いを、功績として評価することについて、改めて強い違和感を表する次第であります。
ピントがずれまくり。
「正解か?誤報か?」
が争点ではない。
「相互批判や検証や淘汰が作用してるか?」
が一番の差異ではないのか?
立花があってるか間違ってるか、に話を持って行きたいのが貴方の立ち位置だとすれば、ミスリードが初歩的すぎて、失笑しまっせ。
違ってるならスミマセン。
>SNSの特徴は「誤りが速攻で否定される」こと
>情報を受け取った人が訂正する手段がない分だけ、オールドメディアの報道の方が悪質
あなたの主張には、オールドメディアが今後良くなるという根拠が何も示されていない。
立花氏があなたにとって目障りだということしか伝わってこない。
SNS戦略に偏重した上記の東洋経済の記事とは別の分析記事も貼っておきます。
どちらがもっともらしいか、実際に読み比べていただきたい。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/9de5224700c1b47ba68b10a63e074e3f9d9c8e72
NHKで2012年から2016年まで放送されていた 「NEWS WEB 24」 という番組を覚えている人はいますか? あれは意識的にテレビとSNSを融合させた番組だったと思うんですけど・・・。
NEWS WEB – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/NEWS_WEB
>Twitterを用い視聴者参加ニュース番組として放送。番組が指示したハッシュタグ #nhk24 と共に番組公式Twitterに投稿されたツイート (コメント) を画面下部で紹介。放送中に出演者が引用したツイートは黄色く表示される。ツイートを参照するために番組内でiPadを用いている。
>インタビューコーナーと 「放送後記」 (放送後に行われるキャスターとネットナビゲーターとのトーク) は、放送後1週間限定で公式サイトで動画配信されていた。
NHKアーカイブス | 番組 | NEWS WEB 24
https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009041508_00000
NHK NEWS WEB 24 オープニングテーマ – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=pMfAVGAztqQ
この番組は毎回、生放送中にTwitterの投稿を拾って、テロップに流すスタッフ (アルバイト?) 20~30人くらいが、冒頭で一瞬だけ映るんですよね。当時のNHKで、この番組と 「着信御礼!ケータイ大喜利」 だけは、好きでよく見ていました。
「NEWS WEB 24」 が終わってしまった理由を考えてみると、「取り上げるニュースやコメンテーターの人選が偏っていたから」 というのは、当然ありますね。なにしろ、古市憲寿や津田大介がコメンテーターだった時期もありましたから。
ただ、それよりも 「YouTubeやニコニコ生放送などのネット配信なら、最初からコメント機能を実装していて双方向なのに、わざわざテレビとSNSを組み合わせてやる意味あるの?」 という疑問の声が、スタッフと視聴者の双方から上がったんじゃないかと思いますね。
番組宛てのTwitter投稿を、全部そのままテレビ画面に流すならまだしも、スタッフが選んでいましたからね。タテマエ上は 「ニュースの内容とは関係ない荒らし投稿を排除するため」 だったんだろうけど、当然 「番組批判やNHK批判の投稿も排除」 していたろうし。
民放がマネして、たしか 「News23」 でも 「ニュースの感想をTwitterでお寄せください」 とアナウンサーが言ってた時期があったけど、結局やめちゃったみたいです。民放じゃ 「帰りは終電後で、タクシーで帰宅」 になるアルバイトを毎日何十人も雇えないですもんね。
そんな単純作業は機械にさせたら済む話。
むしろ批判的コメントで蜂の巣になって、収拾がつかなくなったからでわ?
4年も続いた番組だから、はじめのうちは好評だったろうと思います。番組のスタイル自体は、斬新で新鮮だったし。でも、やがて批判的な投稿ばかりになって、終わってしまったのかもしれませんね。
2014年に朝日新聞が、福島の原発に関する報道で謝罪したり、慰安婦記事の一部を撤回したりしたのを機に、オールドメディアの報道を懐疑的に見る人が一気に増えましたしね。
YouTubeみてると今後テレビが生き残れる分野は、スポーツのライブ放送、定時ニュースと天気予報くらいじゃないかな? ほかにあったら教えて。
特に民放のビジネスモデルは破綻しかかっている気がする。
スポンサーと広告代理店の会話
スポンサー:「来期のテレビ広告なんだけどさ、結構削られちゃってさ」
広告代理店:「その金額で新作だとグルメ物かぶらり旅になっちゃいますね」
スポンサー:「ぶらり旅か~、もう飽きられちゃってて視聴率とれないよね。で、タレント誰使うの?」
広告代理店:「xxxなんかどうですか?」
スポンサー:「誰、その人」
広告代理店:「ほら、昔〇〇〇に出てた」
スポンサー:「あ~、あの人まだ芸能界にいるの?」
広告代理店:「ドラマの再放送なんかだったらもうちょっと安くあがります。暴れん坊将軍とか必殺仕事人とか、水戸黄門とか」
スポンサー:「かなり古いな~」
広告代理店:「あっ、そうそう、韓流ドラマならさらに安くなりますけど」
スポンサー:「韓流か~、 まっ、しょうがない、次来るとき2つ3つ見繕ってきて」
”社会全体で”見ればTVの有用性、優位な部分は未だにあるでしょうし、橋下氏の言に異論はありません。むしろTVならではの良さがあるならばしっかり伸ばして、ネットと対になるようなメディアに育ってほしいとすら思っています。よほど先行していたメディアなのに、”育ってほしい”て言われる体たらくがもう大概ですけども。
ただ、”個人的には”もうTVが何をやってもね、という。私も含め、少なくない人々がもう既にTVを棄ててしまっているのですよね……見捨てるではなく、物理的に棄てている。いくら局の方に頑張っていただいても、もう視れない。点けないのではなく視れない。
よほどTVが大改革を大成功させて「一周回ってやっぱりTVだわ、TVを買い戻さない奴は情弱、無いと今後はハナシにならない!」までいかないとならない所まで既に来てしまっている。そしてその自覚は無さそう。放送でもない通信でもない、なにか新しいメディアを創造する方がまだ易しいかも。
テレビとSNSは融合しつつある……と言うよりも、SNSから必死に逃げ回ってきた
テレビ(と新聞)がとうとう追い詰められ、飲み込まれているかの様に見えます。
オールドメディア関係者にとってはまるでホラー映画の様な展開でしょうねえ。
だったら問題を認めず、現実逃避ばかり繰り返すのも仕方ないかも?