オールドメディア批判は「信頼の裏返し」?それとも…
早いもので、あと5日も経てば、今年は終わります。例年、年末年始といえば、当ウェブサイトでもオールドメディア・ウォッチがひとつの大きなテーマとなりますが、今年はSNSが選挙に大きな影響を与えたという意味では、後世からは「ターニング・ポイント」と認識される年となったのではないでしょうか。こうしたなか、オールドメディア批判が出てくる理由は、人々がなんだかんだでオールドメディアを信頼していることの裏返しだ、とする趣旨の主張が出てきました。これをどう考えるべきでしょうか。
目次
あと5日「しかない」?それともあと5日「もある」?
あと5日経ったら、今年は終わります。
だから、「今年はあと5日間しかない」、という言い方ができるかもしれません。
ただ、その一方で、今年はまだ5日間残っていることも事実です。
ですので、「今年はまだ5日間ある」、という言い方もできます。
何が言いたいかといえば、同じ事象であっても言い方ひとつで印象はずいぶんと変わる、ということです。
「あと5日しかない」、という表現だと、どことなくネガティブな印象を持つでしょう。たとえば「今年やるべきこと」を巡っても、「この5日間で頑張ってこなさなければならない」、という意味になるからです。
しかし、「まだ5日もある」、といえば、「今年やるべきこと」が残っていたとしても、それをやる時間があと5日間残っている、という意味になります。
年の瀬といえば、かつては年賀状、大掃除、年末年始の買い出しなど、やるべきことがいくらでもありましたが、昨今はかつてのような年末年始の「バタバタ」感は少しずつ緩和されているフシがあります。年賀状を出す人もずいぶんと減りました(『発行枚数が最盛期の4分の1に激減…年賀はがきの未来』等参照)。
掃除だって、普段から気を遣って片付けなどに努めていれば、年末だからといって特別に張り切る必要もないかもしれません(※著者自身はズボラな性格なので、そういうわけにもいきませんが…)。
いずれにせよ、この年末年始の「特別感」を楽しみたいものですね。
年末年始に増えるメディア・ウォッチ:メディア批判は信頼の裏返し?
さて、年末年始だからというわけではありませんが、当ウェブサイトとして気になるのが、年々、新聞やテレビの社会的影響力が後退していることです。
当ウェブサイトでも、年末年始はオールドメディアの話題、たとえば新聞部数の推移などを取り上げることがなかば恒例化している(たとえば『「新聞がなくなったら社会に莫大な利益」とする考え方』等参照)ためか、やはりこの時期になると、普段にもましてオールドメディアに関する記事が目に付くのです(職業病でしょうか?)。
こうしたなか、『スポニチ』が26日、ちょっと気になる記事を配信していました。
古市憲寿氏 オールドメディア批判に私見「みんな結構オールドメディアのこと信頼してんだなと」
―――2024/12/26 10:58付 Yahoo!ニュースより【スポニチアネックス配信】
スポニチによると、社会学者の古市憲寿氏が26日、フジテレビの情報番組に出演し、兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑告発文書を巡り、「オールドメディア批判」に言及したのだそうです。スポニチが報じた古市氏の発言は、こんな具合です。
「メディアについて今回、批判があったじゃないですか。オールドメディア批判という。特に県知事選では、SNSが正しくてオールドメディアが間違っているみたいに、誘導したみたいなことが言われましたけど、たしかにその部分もあったと思うんですね」。
そのうえで古市氏は、テレビや新聞、雑誌については「SNSで一個人がつぶやくような登校よりはちゃんと裏を取っている」としつつも、「100%正しいわけではない」、と指摘。世間のオールドメディア批判を巡って、次のように述べたのだそうです。
「だから、オールドメディア批判で思ったのは、なんかみんな結構オールドメディアのこと信頼してんだなと思って。オールドメディア批判で怒るくらいテレビとか雑誌とか新聞のことを信頼してる」。
「マスゴミ」という文脈でオールドメディア批判を理解してみる
なるほど、面白い視点です。
そもそも記事タイトルからして「オールドメディア」という表現が一般化しているというのも興味深いところですが、それ以上に、私たち一般人の間ではそのオールドメディアに対する批判的な視点が広がっているという点に、地上波テレビで言及されているというのは興味深いところです。
この点、著者自身はオールドメディアが人々から信頼されているとは思いません。
むしろ、オールドメディアは記者クラブなどの特権組織で情報を独占しているわりに、私たち一般人が本来ならば求めているであろう「正確な情報」を提供してくれていない(と一般人が不満に思う)ことに対する「怒り」が、「オールドメディア批判」の正体ではないかと考えているのです。
もちろん、オールドメディア関係者のなかにも、よく事実関係を取材・調査したうえで適切な記事を書く人もいますし、そうした人たちは批判されるべきではないとは思います。
ただ、著者自身もウェブ評論サイトを8年半運営して気付いたことですが、非常に残念なことに、メインストリームのメディア(大手新聞、NHK、大手民放各局など)は、とくに経済・税制などの分野において必ずしも正しい専門知識を持っているとは限らず、ときとして平気でうそを垂れ流していることも事実です。
「日本には『国の借金』がたくさんあって、このままだと財政破綻してしまう」、といったたぐいの言説など、その典型例でしょう。
これについては、「マスゴミ」という単語を例に挙げても良いかもしれません。
「マスゴミ」とは、最近はネット上などで自然発生的に使われるようになった俗語であり、「マスコミ」の「コミ」の部分を「ゴミ」に置き換えたものです。
著者自身は不必要に職業差別的な単語はあまり使いたくないため、当ウェブサイトでは「マスゴミ」という表現を積極的に使うつもりはありませんが、それでも「マスゴミ」という単語は、ネットをやっていれば、誰しも必ずどこかで目にするのではないでしょうか?
そして、この「マスゴミ」という単語は、現在ではすっかり人口に膾炙しており、たとえば高名な韓国観察者として知られる鈴置高史氏も、韓国社会を表現する単語を紹介するくだりで「マスゴミ」という単語を引用していたりします。こんな具合です。
「日本語の『マスゴミ』に相当する『キレギ』(ゴミ記者)という表現も生まれた」(2023年6月・日本記者クラブ『取材ノート』コラム『韓国民主化36年/成長と民主主義の夢いずこ/明るい明日信じた80年代』より)
こうした「マスゴミ」なる表現に、新聞、テレビ、雑誌に対するリスペクトはありません。むしろ、「もともと信頼していたのに、それを裏切られたことに対する失望」というレベルではなく、「そもそも信頼すらしていないし、むしろ社会に大きな害悪をもたらしている存在に対する軽蔑」、というニュアンスが込められているとみるべきでしょう。
今年は大きなターニング・ポイント
いずれにせよ、後世から見て、2024年が大きなターニング・ポイントとして記憶されるであろうことは、ほぼ間違いありません。
SNSの社会的影響力がオールドメディア(あるいはマス「ゴミ」)のそれを上回ったからです。
もちろん、一定の年齢層などを中心に、依然としてオールドメディアを信頼している人は多いでしょうが、そうした人々が社会の少数派に転落していくのは時間の問題であり、とりわけ若年層では、新聞、テレビなどのオールドメディアは、すでにSNS以下の存在であろうと考えられます。
このことは、たとえば政党支持率などにも如実に表れていて、最近だと若年層で立憲民主党や日本維新の会などの政党の支持率が急落していて、そのかわり、「手取りを増やす」を旗印に掲げる国民民主党に対する支持率が高まっていたりもします(『国民民主支持最高…立民と維新「若い女性支持ゼロ」も』等参照)。
いずれにせよ、こうしたオールドメディアの凋落とSNSなどネットの影響力の拡大は、来年も続くのではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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公正であることを期待されているのに不公正だから、あるいは公正であると自称しながら不公正だから、じゃないすかね。存在が目立ってるから批判されてるだけですよ。
正しい情報を発することが期待されているのに誤情報を流す。間違いはありうるとしても視聴者全てにその間違いが知れ渡るように訂正謝罪をすることがない。
特定の利害関係者を好意的に報道し、逆の関係者をネガティブに報道する。その根拠は示さない。
そのくせ自らを公正だと自称する。
信頼?ふっ。
80年代生まれで社会学者。こんな時代に茨の道を選ばれたことに敬意を表します。(棒)
電波の一丁目一番地
大都市の駅前の一等地を格安で占有するが如くの電波使用利権をマスコミは保有しています。
新規でテレビを放送したいと言ってもできません。
典型的な既得権益です。
また新聞社は軽減税率受ける特権を保有しています。
特権を与えられるのであればそれに見合った行動をとる必要があります。
科学的に正しい情報を提供する
意見が分かれる事項についてはそれぞれの論調を乗せる等
実際は既得権益に胡座をかいて自身が好ましいと思う論調を垂れ流すアジテーターです。
不祥事を起こしても決して謝りません。
日本の腐敗の象徴です。
あるテレビ局は、内部管理体制が整備運用されていないということで、上場廃止基準に抵触しているのでは?こんなの上場させておいて大丈夫?金融庁も仕事していない?
オールドメディアではなく、反社会的オールドメディアと言った方が良いかもです。
株価が変な動きしてるよ!! これって適時開示が必要だったのでは?インサイダー状態だったのでは?金融庁のしっかりした調査が必要かも。少なくとも上場しているのだから一部報道に対するコメントを出さないと。反社会的テレビ局じゃん。文春が本当だったらですが。
詭弁ですね。
ダメなものをダメだと言って、なぜ「信頼の裏返し」になるのか。
期待なんかしてないですよ。
ただ、黙っていると「認めた」と思われるのが嫌なだけで。
似たようなことを私もだいぶ前に指摘した覚えがあります。メディアが嫌われたのは裏切ったせいだと。つまり、氏の言う段階なんてもうっとくに過ぎていて、今はもう失望済みで嫌われているという意味で、ですが。
なんで「まだ信頼されてるなヨシ!」と思おうとしているんだか。私より少しだけ年下の学者サマとは思えない認識です。
100%正しいわけではない。人間は真面目にやっても間違うことがある。それはそうなんですが、人々がメディアに求める情報の正確さって100%ですよ。99%が良品で極稀に不良品がどうしても出てしまう工業製品は、不良品にあたることはあっても返品交換できます。”正しい製品を100%入手する機会”はあるのです。
オールドメディアであれば、稀に1%間違えたら、迷惑をかけたところに真摯に謝罪して、徹底した訂正広報をして、再発防止策を明示する。それでやっと信頼を維持できる。やらなくなって久しいでしょ(というか最初からやったことあったっけ)。
比して、SNSは間違っている事を疑うところがスタートです。1%間違いなんて何のダメージでもなく、90%間違っていたとしても不思議じゃない。それと同じ基準で評価してもらえると思ってるならとんだ思い違いです。
そしてSNS(ネット情報)は、間違いが多い反面、一方通行ではない上に速度も速く、瞬時に指摘・訂正が入ります(年々傾向が強まっている感)。
信頼せよと押し付けて1%(どころじゃない上に故意に)間違いを発信するオールドメディアと、最初から疑いの目で”見れて”、情報を校正していく過程にも意味を持つSNS。現代人が有用に使えるのは、使いたいのは、さてどちらでしょうね。
まぁ信頼されてると思いたいならずっとそうしていればよろしい。「使えねぇし自浄作用ねぇな連中」って世の皆様が判断しやすくて良い。
>「SNSで一個人がつぶやくような登校よりはちゃんと裏を取っている」
toukou を「登校」に変換するなんて、どんな文章を書いていたのかな? ちなみに、私の場合hennkann を変換したら、「返還」が出てきました。年末調整で還付金など調べていた時に使っていたことを思い出しました。
情報の正確さを抜きにしても、某選手のプライバシーを侵害して住宅の情報を公開したりとか、フルーツサンドを1000個製造させて取材をドタキャンしたりとか、マスコミ関連の嫌悪感をあおる出来事は幾つもあったわけで。そのような報道機関の倫理なき姿勢は報道関への信頼とは関係もなく批判されていますよ。
電話による世論調査、内閣支持率というのをテレビ東京でやっているのを見た。
有効回答数が700人ちょっとだった。
こんな小さいサンプルで何か意味のあることを主張できるのか?
まるで日本人の意見をサンプルが代表しているような言い方。
統計学の専門家に聞いてみたい。
どれだけ市場を独占している企業であっても社是から離れては存続出来ないのではないのかと。(ラピュタ風に)
思い出しますね、某地方新聞社が、日頃から「大企業による下請けいじめは許されない!」と書き立てていたくせに、フリーランスや委託先に消費税8→10%の増額分を支払わず買い叩いていたことが発覚するという大醜態を…当然のごとく「事務的ミス」と言い逃れしていましたが。
古市憲寿がテレビ局にコメンテーターとして重宝がられているのは、大方のテレビ文化人とは逆の事を言う 「逆張りの達人」 だからでしょう。つまり、こんなコメントでも 「SNSを規制しろ!」 とか言ってる大方のテレビ文化人よりはマシという、ね。
×「オールドメディア批判で怒るくらいテレビとか雑誌とか新聞のことを信頼してる」
〇「オールドメディア批判で怒るくらいテレビとか雑誌とか新聞が信頼性を騙っている」
これに尽きるでしょう。古市氏は明確にオールドメディア側の人間ですから、
それを認める事はあり得ないでしょうけど。
客商売が板についてきたというところでしょうか。
オールドメディアもある意味彼の顧客ですからね。
それにしても記者クラブの連中は炬燵記事でいくらでもサボれますから、勉強しようなんて気は全く起きないんでしょう。
疑惑=有罪と見做して報道する悪癖も治らないんでしょうね。
>> 疑惑=有罪と見做して報道する悪癖も治らないんでしょうね。
「※ただしイケメ….もとい一部外国人と一部特定野党と身内を除く」も追加で。
本日の朝日新聞のインタビュー記事からですが、「メディアは、どこも経営的余裕がなくなり、無駄な取材が許されなくなった」そうです。ということは無駄な取材をしないために、「誰に何という答えをもらうか、あらかじめ決めている」のではないでしょうか。また、「取材費をかけて取材し、特に東京から大勢の記者を派遣したのに、何もなかったは許されない」になったのではないでしょうか。
蛇足ですが、「オールドメディア批判が信頼の裏返し」かどうかは、オールドメディア側でない人間が判断することではないでしょうか。