「取材せずにしゃべらないで」=玉川氏に玉木氏苦言か
『スポニチアネックス』が29日に配信した記事によると、テレビ朝日系の情報番組でコメンテーターの玉川徹氏が発言した内容に対し、国民民主党の玉木雄一郎代表は「玉川さん、取材しないでしゃべらないで取材に来てください!」と呼び掛けたのだそうです。このエピソードから見えるのは、新聞やテレビの「権力(?)」の源泉だったはずの、「絶対的な社会的影響力」が揺らいでいるという事実ではないでしょうか。
日本のメディアの特徴
日本のメディア(とくに新聞とテレビ)ないしジャーナリズムには、総じて次のような特徴があると考えています。
- 専門知識がない。
- 取材能力がない。
- 事後検証しない。
- 誤報を正さない。
- 責任を取らない。
- 引責辞任しない。
- そのくせ社会的影響力はとても大きい。
すべてのメディア、すべてのジャーナリストがそうだ、とは申しません。
ただ、著者自身もとある分野の専門家の端くれですが、「ジャーナリスト」を名乗る方々が執筆した記事―――とりわけ円高や円安、「国の借金」論など―――を眺めていると、重要な論点をいくつも外していたり、内容が薄かったり、思考過程や結論が間違っていたりすることがよくあります。
しかも、最近でこそ徐々に社会的影響力は低下しつつあるにせよ、新聞やテレビなどの多くは、相も変わらず偏った情報を垂れ流しており、少なくない人が新聞、テレビの情報に惑わされ、投票などの重要な意思決定行動で影響を受けてしまっているわけです。
玉川氏の発言に国民の玉木代表が反論
こうした観点からは、メディアの不適切報道に対し、何らかの罰則が必要ではないかとも思えてならないわけですが、こうしたなかで参考になるのは、こんな話題かもしれません。
玉木雄一郎氏、テレ朝「モーニングショー」自身巡る発言に物申す「そんなこと言ってるんですか!」
―――2024/10/29 12:00付 Yahoo!ニュースより【スポニチアネックス配信】
『スポニチアネックス』が29日に配信した記事によると、国民民主党の玉木雄一郎代表は29日、自身のXを更新し、テレ朝系の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』での出演者の玉川徹氏の発言に対し、苦言を呈したというのです。
同記事による玉川氏の発言の前段部分は、こうです。
「立憲の人、何人かに聞いたんですけど、玉木さん自身はきっと政権内に入りたい思いがあるのだろうと言う風な話をするんですね」。
これに対し、玉木氏は次のようにポストしたそうです。
「モーニングショーでそんなこと言ってるんですか!/ポストなんか欲しくありません。今、私たち国民民主党が欲しいのは、国民の“手取りを増やす”経済政策の実現です/玉川さん、取材しないでしゃべらないで取材に来てください!」。
新聞、テレビの権力の源泉が揺らいでいる
「取材もせずにしゃべるな」―――。
これは、正論です。
いちおう、『スポニチアネックス』の記事をもとに玉川氏を擁護しておくと、玉川氏の「玉木さん自身は政権入りを望んでいる」とする発言、「玉木氏本人への取材なしに」述べているという点が事実だったとしても、「複数の立民関係者に聞いている」ときちんと述べていますので、完全な虚偽の主張とまではいえません。
また、『スポニチアネックス』の記事によれば、玉川氏はこうも述べています。
「ですが国民民主党は支持母体が連合、労働組合が後ろにいるので、まるっとそこに入っていくのは厳しいのではないかと思いますね。例えば国民民主党支持の労働団体にプラスになるような部分を引き出しながら、外からやる形をとるんじゃないかという話をしていました」。
つまり、玉川徹氏の発言は、「もし玉木代表自身が入閣したいと思っていたとしても、労組その他の関係もあり、国民未種痘自身が入閣するのは難しい」という文脈だと読めるので、さすがにこれで「玉川氏は取材もせずにいい加減なことばかりしゃべっている」、とまで決めつけるのはアンフェアです。
ただ、それ以上に興味深いのは、新聞やテレビの「権力(?)」の源泉だったはずの、「絶対的な社会的影響力」が揺らいでいるという事実ではないでしょうか。
考えてみれば、現代社会にはインターネットが存在し、著者自身も当ウェブサイトとフォロワー7,500人少々のXアカウント(※本日を通じてさらに200人以上増え、7,500人を突破しました)を通じて情報を発信することができます。
下手をすると、ネット層に対しては新聞、テレビよりもXなどのSNSやブログ、YouTubeといったネット・メディア、ネット・プラットフォームの方が情報浸透力も社会的影響力も遥かに強くなってしまっていますので、その意味ではすでにメディアは社会的権力者の地位から転げ落ちつつあるのかもしれません。
手法を真似て欲しい
実際、著者自身が当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』を立ち上げた大きな目的のひとつは、マスメディアによって歪められた言論空間を正常化させるきっかけを作ることにありました。
といっても、当ウェブサイトのごとき弱小サイト、大手マスコミ各社に伍するほどの取材力もありませんし(そもそも著者はジャーナリストですらありません)、社会的影響力など微々たるものでもあります(唯一の自慢といえば某地域紙のウェブサイトをページビューで凌駕していることくらいでしょうか)。
当ウェブサイトが行っているのは、あくまでも「ただのきっかけづくり」です。というのも、当ウェブサイトで目指している議論は、「誰でも簡単に確認できるような客観的事実を出発点とし、可能な限り透明性の高い議論を通じて一定の結論を導き出す」、というものだからです。
要するに、再現可能性が高く、誰でも容易に真似をすることができるはずだ、ということです。
ちなみに当ウェブサイトの議論、(商業利用でなければ)著者自身に断ることなく、どこか別のサイトでそのまままとめていただいても構わないですし、YouTubeなどで動画に仕立てていただくことも問題ありません(※ただし、その場合は必ず出所を示していただきたいとは思いますが…)。
しかし、著者自身の理想論としては、当ウェブサイトにおける議論そのものではなく、「客観的事実→透明性のある議論→一定の結論」、といった議論のアプローチを流用し、さまざまなテーマで論じるサイトが各所に出来上がってくれたら嬉しいと思う次第です。
余談ですが、その意味で、もしご自身でブログなりX(旧ツイッター)アカウントなりを持っている方がいらっしゃれば、是非、当ウェブサイトにその宣伝をしてください。
メディアの問題
さて、『今回の選挙の「本当の勝者」はオールドメディアでは?』などでも指摘しましたが、衆院選ではたしかに立憲民主党が(おそらくメディアの力で)議席を大きく伸ばしたにせよ、伸ばした議席はたかだか50議席ほどで、これが現在のメディアの限界なのではないかと思います。
正直、個人的には今回の選挙戦、「メディアの偏向報道」というよりも、「石破茂執行部がちゃんとやれば勝てたはずの選挙で大敗北の失態を演じた自滅」という側面が強いと考えています。
その意味では、むしろ今回の立憲民主党の「大躍進(?)」により、一般の人々のメディアに対する不信感がさらに強まるきっかけとなり、新聞、テレビの崩壊が早まる可能性が出て来たのではないか、というのが著者自身の現時点の仮説のひとつです。
ちなみにメディアのうち、とりわけ「新聞業界崩落」の間接的な証拠が、あと3日以内に出て来るのではないかと著者自身は考えているのですが、これに関しては状況が判明次第、追って当ウェブサイトなどで公表したいと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
ツイート @新宿会計士をフォロー
読者コメント一覧
※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。
やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。
※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。
※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。
当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。
コメントを残す
【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
玉川氏はもう何度やらかしても反省の色なし、というかやらかしと思っていないのだからもう捨て置いて。どちらかというと本件の笑いどころは、立憲関係者とやらの方です。まぁ例によって実在を疑うべきですが。
連中からすると、(ある一部で)野党に非協力的で与党に協力的な人間は、「ポストのためにゴマスリしているに違いない!」と映っているということです。普段の主張や議論の内容などどうでも良い、全く考慮していないという顕れです。邪推まですれば、連中がお仲間以外に協力する時は、そういう見返り目的だけなのでしょう。(また立憲関係者が実在しないコタツ記事であった場合は、玉川氏か脚本家かがその程度の想像力しかないということ)
玉木氏の本心など知る術はありませんが、最近氏と国民民主がウケているのは、政権獲りや口撃に執着などせず、正論や提案を実際に示しているため。そこを全く理解していない可能性もある。
未来のない方々だと感じます。
反省は他人に求めるものであって、自分がするもんじゃ無いんでしょうしね。
玉木…玉川…玉…玉…玉t
なんでもないです
>石破茂執行部がちゃんとやれば勝てたはずの選挙で大敗北の失態を演じた自滅
能力のない人に能力の要る仕事を課すのは、パワハラへの第一歩です…が、出来ないことを責め立てたりしなければ大丈夫だった筈。
「能力のない人に能力の要る仕事を課す」
えっと、ますこみ屋さんに当事者への取材を求めたり、事実を正確に伝えてほしいと希望することが思い浮かびました。
なんだか「イソコ」って綴りが思い浮かんじゃいましたw
「自分で買ってでた能足りん」が「結果について責められる」のは別に“パワハラ”ではナイ様な…
もっとも「手を挙げた能足りん」を「役に据えた人々」が“責める”のはお門違いでねか?と思ふワケで…
特に「手を挙げた能足りんを役に据えるのを積極的に主導した皆様」が“責める”のであらば『恥を知りなさい』と修正されてもオカシクナイ???
>特に「手を挙げた能足りんを役に据えるのを積極的に主導した皆様」が“責める”のであらば『恥を知りなさい』と修正されてもオカシクナイ???
羞恥心を有するか否かで政治家が選ばれている訳じゃないから、有さない連中が目立っても変じゃない気はしますね。
たまたま紛争ですね
若者の言葉が乱れている、略されている。
よくテレビで目にするテーマです。
でも言葉も道徳も乱れており、忘れている一番の方々はマスコミさんではないかと。
最近しみじみと思います。
毎度、ばかばかしいお話を。
①玉〇徹:「取材したら、こちらの欲しいことがでてこないじゃないか」
②玉〇徹:「取材しなくても、相手の心の声が聞こえる」
蛇足ですが、モーニングショーは、玉川代表の、この発言を放送するのでしょうか。もっとも、愛読者(?)は、玉木党首の(自身に都合の悪い)発言自体を信じないかもしれませんが。(なるほど、トランプ前大統領ですね)
すみません。追加です。
③玉〇徹:「私の発言を否定することは、私の信者である高齢者を敵に回すことである」
毎度、ばかばかしいお話を。
④立憲:「国民民主党を外して、(自民党も含めて)高齢者支持者のための連立政権をつくろう」
まさか。
毎度、ばかばかしいお話を。
⑤玉〇徹信者:「玉〇徹教組に従っていれば、自分で考えなくて済むし、悩まなくて済む」
誰か笑い話だと言ってくれ。
本人が国民民主に聞かず立憲民主に聞いてると言ってるのに、周りは誰もツッコまないのが不思議でならない。
単なる立憲の「お使い」なんですけどね。
それが地上波クオリティでしょうかね。
>「取材もせずにしゃべるな」
あ~ぁ、玉木さんも堪忍袋の緒が切れたのでしょうが、
日本の報道界にとって本質的な問題点をとうとう突いちゃいましたね。
これで玉木さんは
事実無根・現実無視なトンデモ発言が平常運転のトッチャン坊や玉川クンだけでなく
日本のほぼ全てのマスゴミを敵に回してしまいましたね。
それ、マスゴミと立憲の敵が増える=連立与党が加速するという意味では。
>「立憲の人、何人かに聞いたんですけど、」
その立憲の人って誰ですか?
それは取材源の秘匿ということで言えません
これじゃあ何でもありだね
“最もドライなマティーニ”は「棚のベルモットの瓶をチラ見して呑むジン」(©️メガネさん?)だとかなんとか
玉川某も「アタマの片隅に立憲関係者の顔をチラリと想った」のかもシレマセン…
国民民主党、立憲民主党との党首会談を断る
https://x.com/mi2_yes/status/1851174578451874048
玉皮効果では?
ちょうど今、プライムに出演している玉木氏が言及。
反町「党首会談を断ったそうですが」
玉木「そうだったんですか?」
拒否していない。連立を一概に否定していない。
条件が整いすぎていないので、適切な担当同士(幹事長とか)での対話始めている。
明日党首会談と言われてもそれは実りがないだろう。
まあブレてないですね。
連立したくてしょうがないメディアが、シビレを切らして「飛ばし」たんでしょう。
下衆な連中ですね。
余談ですm(_ _)m
>玉皮効果では?
玉木氏は、朝断ちで一皮剥けた!ってことでしょうか?
『皮が剥けたら一人前』は確かな先達の弁ですし・・。
鋭い暗喩でございます。
薄い玉川の裏に透けて見える「とりあえず首班指名ヨロ」を絶った玉木ンは、一人前の野党党首です。
>正直、個人的には今回の選挙戦、「メディアの偏向報道」というよりも、「石破茂執行部がちゃんとやれば勝てたはずの選挙で大敗北の失態を演じた自滅」という側面が強いと考えています。
まさにこれに尽きると思います。もうこれ以外に何にも言うことありません。
石破さん、誰がどう見ても現自民党執行部の失態なので、ちゃんと自分でこの失態のケジメ付けましょうね。
国民民主党に注視しすぎ。
有権者は、国民民主を第二公明党として投票したのかは疑問である。
ある時は、野党。自民党に連立の声がかかれば保守党?
あれ? この方「これからは現場に足を運び事実確認をして、報告する、その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。」と言ってませんでしたか?
今回の衆議院議員選挙、わたくしの印象は「ミッドウェイ海戦」でしょうか。
つまり、二つの目的の同時達成を試みて失敗したと。
ここで言う二つの目的とは「議席の過半数確保」と「旧安倍派の粛清(殲滅)」の同時達成のことを言います。
身の程をわきまえずに欲張り過ぎましたね。
正に「策士、策に溺れる」と言ったところでしょうか。
「考えた。考えたコトと考えた事を実行するコトは同義ではない。」
…のかもシレナイ…
アメリカの大統領選挙における新聞の影響は日本に比べてより小さくなってきており、既に地方紙が存在しない州が大半を占めているとのことです。あのワシントンポストさえ今回は特定の候補を推すことはしないことになったとのニュースを見ました。
新聞の代わりの情報源として人々はSNSに頼っているようですが、当然のことながら自分の意に沿うSNSばかりを選択し、精神的苦痛をこらえながら反対陣営の意見を見ることはしないため、分断が深まっているとか。
日本もアメリカの後を追い同じ状況になってくるのかも知れません。いい加減な報道や偏向が多い新聞が消滅するのは歓迎ですが、その穴を埋めるのがSNS一択になると、それはそれで問題が多いように思います。現在の新聞・テレビの強すぎる影響力をSNSその他に分散して、今流行りの「多様」なメディアが並び立つ形が良いように思います。
>(そもそも著者はジャーナリストですらありません)
今回に限らず、一連の玉川氏の言動自体、ジャーナリストとしての行為つまり「報道」とすることには大いに疑問です。
かつて、青木理氏が、批判だけで代案の提示がないという指摘に対して、ジャーナリストなので代案は必要ないという趣旨の「反論」を行っていたと記憶します。
しかしこの青木氏や玉川氏を含め、マスコミで記者や報道に携わっていた人物が、テレビ番組でのコメンテータや雑誌などのコラムを担当することも少なくありませんが、彼らは「報道」の周辺にいて「報道を二次利用」しているにすぎず、その意味では装っているだけの似非ジャーナリストであり、そしてそれを「便利に使う」テレビや雑誌などのマスメディアもその一味だと考えます。