異なる意見の人と議論できる興味深い「Xという空間」

山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士は、じつはX(旧ツイッター)でも最近、情報発信に力を入れつつあります。Xという空間は面白くて、さまざまな考え方の人とメッセージをやり取りすることができます。なかには犯罪まがいのポストを見つけることもありますが(こうしたポストについては念のため警察に通報済みです)、面白いのはそれだけではありません。異なる政治思想を持つ人とも議論のやり取りができるのです。

独自サイトとXの大きな違い

山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士は自身のウェブ評論サイトを持ちつつも、X(旧ツイッター)にアカウントを開設していて、密かに情報発信を続けていたりします。最近だとむしろXとウェブ評論サイトを併用することのメリットに気付きつつあります。Xの方が、ちょっとした情報ならば気軽に発信できるからです。

ただ、Xと当ウェブサイトでは、情報発信の方法も、微妙に変わってきます。

当ウェブサイトの場合、著者自身はこのウェブサイト自体を所有し、運営している立場でもあるため、たとえば読者コメント基準についても、「著者自身に対する誹謗中傷」については禁止事項に加えていません(ただし、犯罪予告などの反社会的行為は除きます)。

これは、当ウェブサイトにおけるコメントの承認、削除、アクセス禁止などの措置を著者自身が特権的に行使し得る立場にあるという状況を踏まえたものであり、著者自身がこうした特権的地位を持っていることの裏返しとして、当ウェブサイトを訪れて下さる方々のコメントの自由は最大限尊重するという趣旨にあります。

しかし、Xの場合は、そうではありません。

新宿会計士@shinjukuacc」のアカウントは、フォロワー数はつい先日、5,555人を超えたばかりという水準で、決して多いというわけではありません。最近だと数万件の「いいね」をいただけるような「バズポスト」も何件か発信できましたが、Xという空間内では決してインフルエンサーとはいえません。

当然、こうした状況で、X上で著者に対し何らかの誹謗中傷(「バカ」「アホ」だのといった罵詈雑言を含みます)を受けたときには、然るべき対処を行いますし、実際、何度か開示請求に踏み切ろうとしたこともあります(なぜか直前になって誹謗中傷をしてきたポスト主が謝罪してきたりしましたが…)。

その意味では、当ウェブサイトとXで、情報発信の在り方が異なることは、ある意味では必然なのかもしれません(といっても、「過度な批判・誹謗中傷は控える」、「最低限の礼節を守る」などに関しては、当ウェブサイトとXに共通している事項ではありますが…)。

Temuを使った詐欺まがい行為を教唆するポストを通報しました

さて、著者自身は当ウェブサイトでは、読者コメントで読者の方と「論戦」をすることはめったにありません(可能な限り控えているつもりです)が、Xでは遠慮なく論戦ができるため、やはり情報発信の「空間」の違いは、それなりに楽しいものでもあります。

もちろん、論戦に当たっても、常に最低限のマナーを持ち、相手を誹謗中傷したりしないことが大切ですが、残念ながら、Xという言論空間では、こうした常識が通用しない相手がいます。

そのなかでも驚くのが、(ポストをここに示すのは控えますが)犯罪スレスレ、いや、犯罪そのものを教唆するような内容を投稿している者の存在です。

つい先日目撃した事例では、Eコマース・サイトの「Temu」の注文画面で特殊な操作をすることで同サイトのポイントを不正に取得することができ、結果的にタダで無限に買い物ができる、といった手口を紹介している、という事例があったのです。

常識的に考えたら、「注文をしてそれをキャンセルしたらおカネを払っていないのにポイントが還元される」というのはシステム上のエラーですが、そのエラーを知りながらわざとそれをやれば、詐欺かなにかに該当しそうなものです(念のため、捜査当局には通報済みです)。

また、X上ではちょっとした「バズ」が生じているポストに卑猥なマンガの画像などを貼り付けて自身のアカウントに誘導するようなポストもありますし、こうしたアカウントのなかには詐欺サイトに誘導するようなものもありますので、注意は必要でしょう。

とりわけ最近だと「インプレゾンビ」と呼ばれる外国人ユーザーの問題は深刻です。

Xは全世界でユーザーが使用しているためでしょうか、インドやアフリカなどで「インプレゾンビ」と呼ばれる者たちが日本のバズポストに大量にリプライを寄せ、それによってスレッドが荒れる、といった現象が、頻繁に発生しているのです。

こうしたユーザーがのさばっていると、そのうちXからユーザーが離れてしまうのではないか、といった点が気がかりです。X運営当局には対処をお願いしたいところです。

選挙直前なのに候補者を公表していない政治団体

さて、Xで最近見かけた事例として興味深かったものは、とある政治団体の支持者と思しき人たちとのメッセージのやり取りでしょう。

その「政治団体」、何となく想像がつくかもしれませんが、ここでは敢えて実名は挙げません。

ただ、特徴があるとしたら、現時点までにその政治団体に所属している地方の首長や地方議員らは存在しているものの、少なくとも国会(衆参いずれか)にはまったく議席を持っていない、という点です。

著者自身、よっぽど反社会的な内容でもない限りは、政治活動の自由は最大限保証されるべきだと考えていますし、正直、誰がどんな政党・政治団体を支持するのも自由だと考えていますので、正直、その政治団体に関しても、Xなどで「俺はその党を支持しているんだ!」などと表明するのも勝手になさればよいでしょう。

ただ、その政治団体を巡って疑問があるとしたら、近く行われる可能性が高い衆議院議員総選挙で、どうやら公認(?)する候補者のリストが、現時点でまだ公表されていない、という点でしょう。なかには、「今になって候補者の公募フォームを開設した」と読めるポストもあるようです。

これに関しては、「選挙の直前に候補者を公募してどうするんだろう?」と思い、その旨、Xにポストしたところ、その政党の支持者というユーザーから、いくつかの反論をいただきました。仮にAさん、Bさんとします。

Aさん

このタイミングで新しい候補者を公募して立候補させるわけがないじゃないですか。今回の総裁選で立てるのは公認候補と推薦候補だけですよ

Bさん

すでに準備はしているみたいですよ。同党に対しては公認や推薦の依頼に関する問い合わせが多いので、問題のポストはそれに答えただけでは?

興味深いことに、Aさん、Bさんともに、この政治団体はすでに選挙の準備をしている、と述べたのです。

候補者リストを公表しないのは「作戦だ!」

これに対し、著者自身はちょっと興味があったので、Aさん、Bさんそれぞれに対し、「その政治団体から立候補する人たちのリストはどこに行けば見られるのか?」と尋ねたところ、それぞれ、こんな回答が返ってきました。

Aさん

党員限定で発表がありました。近日中に(一般に向けての候補者リストの)公式発表があると思います

Bさん

(一般向けには)まだ公表されていませんが、それも作戦だと思います。(候補者リストを公表していない理由は、もし候補者リストを公表すれば)攻撃や妨害などが行われるからだと思います

選挙直前のタイミングで、「会員限定で候補者を発表する」というのも、なんだかよくわかりません。

あくまでも一般論でいえば、衆議院議員総選挙はいつ行われるかわからないものですし、各政党とも、いつ行われるかわからない総選挙に備えて普段から各支部長を任命するなどして候補者を選定し、支部長は普段から選挙区で地道な政治活動を行うべきものだからです。

とりわけ「候補者を公表したら妨害される(から公表しない)」、というのも、なかなかに斬新な理論です。

選挙直前なのに候補者すら公表できないことを「作戦」といえるのかはよくわかりませんし、どちらかといえば、「これもこの党の作戦に違いない」、などと、ご自身を納得させるためにむりやり理屈を考えているだけではないか、という気がしないでもありません。

また、「いつ発生するかわからない衆院選に備える」というのは、「いつ発生するかわからない災害に備える」、「いつ発生するかわからない市場ショックに備える」、「いつ発生するかわからない有事に備える」、にも通じるところがあるのではないでしょうか。

その意味では、「選挙の直前にならないと候補者のリストすら公表されない」という政治団体が、万一、議席を獲得したとしても、一事が万事、国政を任せられる政党になるかどうかは微妙な気がします。「選挙直前にならないと候補者すら公表されない」という程度には実務能力がないと考えられるからです。

いずれにせよ、このあたりは異なる考え方の人たちとも直接、議論ができるという意味では、Xというのはなかなかに興味深い言論空間であることは間違いありません(議論しても意味があるかどうかは別として)。

その意味では、個人的には当ウェブサイトだけでなく、今後はXでの活動にも力を入れてみても良い、などと思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. カズ より:

    *コミュニティの新呼称は「X(クロス)」でも良かったのかもですね。

    論点が「ゼロか百」でも「ゼロで百」でも気さくな意見交換の場は貴重。
    但し、ブロックしてしまえば、建設性は「永遠にゼロ」なんですけどね。
    ・・。(一般論です)

  2. 引っ掛かったオタク より:

    小選挙区は捨ててきてるンかな?
    公示以降の空中戦主体で…が通用するンは選挙民が常日頃は行政に関心薄いトコだけちゃうか??
    いうて大阪維新は普段からどぶ板で選挙区に浸透するよう活動しよるけど…大阪自民より活動量ずっと多そうやし

  3. 引きこもり中年 より:

    人とは、X(旧ツイッター)でも、対面でも、自分と全く常識と違う相手と議論するのは苦痛ではないでしょうか。なにしろ、同じ常識の相手とは一言で済む話を、永遠と説明しなければなりませんから。これが究極まで行きついたのが、宗教戦争なのかもしれません。

    1. 引きこもり中年 より:

      毎度、ばかばかしいお話を。
      高齢運動家:「どうして、最近の若者は、こちらの話を理解しないのだ。イライラする」
      若者:「それは、あなたと私で意見が違うからでは」
      ありそうだな。

      1. フケに苦しむもの より:

        この場合の理解というのは、受容とか服従の意図なのかと思います

    2. はにわファクトリー より:

      積極的に削除しない限り、誰もが見れるかたちで議論(口論?)が残り続けることは、人類文明の歴史において画期的なことと思います。外野は見ていて「楽しい」のではないでしょうか。これが SNS 時代の時間の使い方だと。

  4. Masuo より:

    私はXはほとんど投稿する事は無く読専です。
    本文に書かれている通り、下手に投稿して信者や左翼に難癖付けられても面倒だし、某国会議員のようにすぐに「法的措置を」なんて言われても面倒だからです。

    その点、このサイトにはいつも書き込みさせていただいてて、それは、このサイトにはある程度ルールがあって、そのルールが徹底されていて、誹謗中傷や変な書き込みが少ないから結構安心して投稿できます。また他の読者の方も、上品な方が多いように思います。

    そういう意味では、より自由度が高いと思われるXの方が、投稿(言論)の自由を発揮しにくいのが私にとっての現状です。

    1. 新宿会計士 より:

      いつもコメントありがとうございます。

      もしXをやってらっしゃるなら、山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士@shinjukuaccのフォローをお願い申し上げる次第です。
      今後ともどうぞ何卒よろしくお願い申し上げます。

      1. Masuo より:

        もちろんフォローしてますよ!w
        いつも知的好奇心のくすぐる論考ありがとうございます。

        また気弱な私にこのような場を提供してもらってて感謝です。
        改めて、自由と無法の違いを思いました。

        1. 新宿会計士 より:

          ありがとうございます!

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告