NHK受信料忌避が原因のテレビ離れは発生するのか?

もしどうしてもNHKに受信料を支払いたくなければ、地上波が映るテレビを捨ててしまうか、それともチューナーレステレビに買い替えてしまえば良い―――。こうした認識が広まるとともに、仮に「テレビがなくても困らない」という人が増えれば、人々のテレビ離れはあっという間に進むかもしれません。ただし、現状だとテレビは高齢層を中心に支持が根強く、また、チューナーレステレビも高スペックなものは充実しているとは言い難いようです。

NHK受信料は事実上の税金のようなもの

当ウェブサイトでは、NHKの受信料については「事実上の税金のようなもの」、と考えています。その理由は、私たち一般の日本国民はNHKに対し、テレビを設置するなどした場合、NHKの番組を見ていようが無関係に、NHKに受信料を払わなければならないからです。

この点、私たちは日本という国に住んでいる限り、日本国に大なり小なり税金を払わなければなりませんが、その額は所得額(法人税・所得税・住民税所得割・法人事業税など)や消費額(消費税・地方消費税など)に応じて変動します。

しかし、NHKの受信料に関しては、所得税や消費税などとは異なる点が、少なくとも2つあります。

ひとつは支払う金額が家庭の契約単位であること、もうひとつはそもそも取り立てている主体が税務署や年金事務所、地方自治体ではなく、NHK自身である、という点です。

そして、私たちがNHKに受信料を支払わなければならない根拠は、税法ではなく、放送法に規定されています。

放送法第64条第1項

協会の放送を受信することのできる受信設備<中略>を設置した者は、同項の認可を受けた受信契約<中略>の条項<中略>で定めるところにより、協会と受信契約を締結しなければならない。<後略>

すなわち、この条文をよく読むと、「国民はNHKに受信料を払わなければならない」、ではありません。①NHKの放送を受信することができる受信設備を設置した場合に、②NHKと受信契約を結ばなければならず、そして③その受信契約に従って受信料を支払え、という流れです。

受信料を払いたくなければ…

NHKに受信料を払わない方法は3つあるが…

ということは、この①~③を逆手に取り、次の3つのいずれかの方法を取れば、NHKに受信料を払わない、ということが可能です。

  • (1)受信契約を結んだけれも受信料を払わない
  • (2)テレビを設置したけれども受信契約を結ばない
  • (3)テレビそのものを最初から設置しない

この点、(1)の方法は契約違反となり、NHKから民事訴訟を起こされて負ければNHKに受信料と遅延損害金などを払う必要が生じるかもしれませんし、また、(2)の方法も、放送法に違反する可能性が高い行為です。

さらに怖いのは、受信料の割増金制度です。

NHKウェブサイト『受信料の割増金制度について』によると、これは「受信料の適正かつ公平な負担を図る」ことを目的として2023年4月1日に導入されたもので、▼不正な手段により受信料支払を免れた場合、▼正当な理由がなく期限までに受信契約の申込みをしなかった場合、に対象となります。

NHKによるとテレビ等を設置した場合、設置した月の翌々月末までに契約を申し込むこととされており、割増金制度のもとでは、この期日に遅れたら割増金の対象となり得るようです(ただし、割増金を適用するかどうかはNHKが判断するそうです)。

何ともふざけた話です。

役所でもないくせに、あるいは国民から信を受けた組織でもないくせに、「割増金のお支払いが必要となります」とは、いったい何様のつもりなのかと思う国民も多いことでしょう。

いっそテレビを捨ててしまえば良いのでは?

ただ、これは法令に基づく制度であり、「悪法も法」の観点からは、従わざるを得ないものでもあります(それともNHKと法廷で徹底的に戦っても良いのかもしれませんが、残念ながら、上記(1)や(2)のケースでNHKに勝てる見込みは薄いと思われます)。

ただし、どうしてもNHKに受信料を払いたくない人は、上記(1)~(3)の流れのなかで、NHK受信料の支払を合法的に免れる手段もあります。それが(3)に示す、「テレビそのものを最初から設置しない」、です。あるいは、すでにテレビを持っている人は、テレビを捨ててしまえば良いのです。

この点、昭和時代後半や平成時代にタイムスリップして、「テレビを捨てれば?」などと主張すれば、「テレビを設置していないなんて、とんでもない!」、などとする答えが返って来ていた可能性があります。正気の沙汰ではない、といった反応ですね。

ただ、ひと昔前と異なり、「テレビを見ていないと学校や職場の話題についていけない」ということもないでしょう。昨今だとネットの普及などの影響もあり、娯楽も情報の入手源も多様化しているからです。

ちなみに著者自身はかれこれ四半世紀近く、自宅にも職場にもテレビがない環境で過ごしていますが、今のところ、困ったという経験をしたことはありません。そもそもテレビを見ない生活は、むしろ時間も自由に使えるため、快適だったりします(※ただし、これはあくまでも個人の感想です)。

というよりも、NHK、民放を問わず、近年、テレビ番組(とくに報道番組やワイドショーなど)の質の劣化が指摘されているようですが、人によっては、テレビを最初から見ない方が、精神衛生上およびクオリティ・オブ・ライフの観点からは望ましいと感じるケースも増えているのではないでしょうか。

チューナーレステレビとは?

こうしたなかで、当ウェブサイトではこれまでしばしば、「チューナーレステレビ」というものに注目してきました。

チューナーレステレビとは、その名の通り、地上波テレビを受信するためのチューナーを内蔵していないテレビのことです。

「テレビ」、あるいは “television” を、「地上波の放送を映す機器のことだ」、と定義すれば、チューナーが付いていない代物をテレビと呼んでよいのか、といった哲学論争が生じるかもしれませんが(笑)、本稿ではとりあえずこの点については無視します。

ところで、このチューナーレステレビ、当初の用途としては事業用のサイネージや、法人・役所等のテレビ会議用などが想定されていたのではないかと思いますが、数年前にドン・キホーテが一般向けにチューナーレステレビを大々的に売り出したことなどで、その存在が徐々に知られるようになりました。

というのも、チューナーレステレビは「テレビ」と名乗っていながら、それを設置したとしても、NHKと受信契約を結ぶ義務を負わないからです。実際、NHKの今年5月22日の稲葉延雄会長の定例会見で、小池英夫・専務理事はこのようなテレビが受信契約の対象にならないと明言しています。

該当するくだりは、とある記者が「NHKも民放も見ない、ネットだけで見たいという人が、テレビを持っているだけでNHKと契約しなければならない義務づけがあるというのは、おかしいのではないか」と尋ねたところ、小池理事が答えた次の発言です(同P10)。

一部で販売されている(チューナーレス)テレビだと、受信契約の対象にならないと理解していますし、受信契約の対象にならないことをうたい文句にそういうテレビが発売されていると思います」。

ということは、「NHKとは契約を絶対にしたくない」という人がたくさんいるのならば、こうしたチューナーレステレビがドシドシ売れてもおかしくないはずですし、そこに需要があれば大手家電メーカーも続々とチューナーレス対応テレビを発売するはずです。

チューナーレステレビの発売モデルの現状

では、実際のところ、いったいどうなっているのでしょうか。

著名メーカーがハイエンド型のチューナーレステレビを発売し、それらを私たち一般消費者も気軽に手に入れられる、といった状況は、生じているのでしょうか?

結論からいえば、どうもそういうことではなさそうです。

これについて目に留まったのが、『商品比較サービスmybest』というウェブサイトに7月18日付で掲載された次の記事です。

【徹底比較】チューナーレステレビのおすすめ人気ランキング【2024年】

―――2024年07月18日付 マイベスト『液晶テレビ・有機ELテレビおすすめ』より

『商品比較サービス』とあるため、実際にその商品を買おうとしている消費者をターゲットにした情報を掲載しているのだとすれば、これはこれで参考になりそうです。

まず、この記事は代表的なチューナーレステレビを12商品集め、これらを「▼画質、▼音質、▼パネル性能、▼画面の見やすさ、▼ネット機能の充実度、▼動作速度、▼ゲーム機能」―――の7個のポイントで評価する、という趣向です。

そして、記事には『チューナーレステレビはなんでほかのテレビより安いの?』、という節が設けられています。

同サイトによると、チューナーレステレビはそれ以外のテレビと比べ価格が安いという傾向があるのだそうですが、その理由は「チューナーが付いていないから」ではなく、「パーツが低スペックであるから」、だそうです。

たとえば、高コントラストできれいな大手メーカーの4Kテレビと比べ、チューナーレステレビは「十分きれい」ではあるにせよ、「ややコントラストは低い」、「機能・性能が制限されているから普通のテレビより安く買えるんです」という、同サイトの「黒物家電担当」の大鶴浩平氏のコメントが目に付きます。

そのうえで、大鶴氏はこう述べます。

一般的な4Kテレビや薄型テレビと比べて、安価に購入できるチューナーレステレビ。チューナーがないことで価格が抑えられていると思われがちですが、それだけではなく、性能そのものがそこまで高くないことが安価な理由といえます」。

すなわち、現在発売されているモデルは、「液晶パネルやスピーカーをはじめとした、画質・音質に関わるスペックが低いモデルが多い」のだとか(もちろん、チューナーレステレビのなかでも「画質・音質が良好な機種はある」のだそうですが…)。

また、「オーディオ&ビジュアルライター」の折原一也氏は、こうも述べます。

チューナーレステレビは『地デジなどの放送チューナーを省いているから低価格』と思われがちですが、複数のテレビメーカー関係者への取材によると、チューナー搭載によるコストの上乗せは数千円程度。テレビ自体の性能を落とすことで、低コストで製造できています」。

すなわち、YouTubeといった動画サイトやNetflixといったVODなどを本当のハイスペックのテレビ端末で楽しみたいという人にとって、現在発売されているチューナーレステレビが好適なのかは疑問です。

あるいは、ハイスペックなテレビを買えるだけの経済的余力がある人なら、年間1万円少々のNHK受信料も簡単に払えるでしょうし、もしかするとそのような経済力がある人にとっては、そのような支出はあまり気にしないのなのかもしれませんが…。

テレビ離れはこれからどうなる?

テレビ離れはそれほどすすんでいない

すなわち、ドンキ社が大々的にチューナーレステレビを発売して以降、いくつかの会社がこれに追随してチューナーレステレビを発売したものの、現時点までに大手メーカーなどがこれに追随しているという形跡は見られない、ということです。

ではなぜ、消費者向けのハイスペックなチューナーレステレビというものが発売されていないのでしょうか。

国産の高スペックなチューナーレステレビが登場しないのは、日本のテレビ業界と日本の家電メーカーの間で独自のしがらみがあるからでしょうか?また、海外メーカーから高スペックなチューナーレステレビが登場しないのは、「チューナーレスに需要がある(かもしれない)」というのが日本独自の理由によるものだからでしょうか?

このあたりは、まだよくわかりません。

これに加えて、テレビに対する需要というものが、じつはまだ底堅いのではないか、といった仮説も有力です。

総務省が公表する『情報通信白書』だと、テレビの視聴者は若年層ほど減っていることは事実ですが、高齢層になればなるほどテレビの支持層は根強く、たとえば60代に限定すれば、2013年と2023年でテレビの視聴時間はほとんど変わっていないことがわかります(図表1)。

図表1 平日のTVの利用時間
年代2013年2023年増減
10代102.5分39.2分▲63.3分(▲61.76%)
20代127.2分53.9分▲73.3分(▲57.63%)
30代157.6分89.9分▲67.7分(▲42.96%)
40代143.4分134.6分▲8.8分(▲6.14%)
50代176.7分163.2分▲13.5分(▲7.64%)
60代257.0分257.0分±0.0分(±0.00%)
全年代平均168.3分135.0分▲33.3分(▲19.79%)

(【出所】総務省『情報通信白書』データをもとに作成)

いかがでしょうか。

全年代平均で見れば、この10年あまりで平日のテレビ視聴時間は168分から135分に約20%短縮しましたが、60代に限定していえばほぼ減っておらず、50代や40代も多少減っているとはいえ、まだ「激減」とはいえない状態です。

滅亡寸前の新聞業界とは対照的

このことは、同じ「オールドメディア」のなかでも、新聞の購読時間の落ち込みが著しいこととは対照的です。同じ総務省の調査によれば、新聞は若年層ほどほとんど読んでいないものの、高齢層もこの10年あまりで購読時間がずいぶんと減っていることが示されているからです(図表2)。

図表2 平日の新聞の利用時間
年代2013年2023年増減
10代0.6分0.0分▲0.6分(▲100.00%)
20代1.4分0.5分▲0.9分(▲64.29%)
30代5.8分0.5分▲5.3分(▲91.38%)
40代8.6分2.7分▲5.9分(▲68.60%)
50代18.6分7.6分▲11.0分(▲59.14%)
60代28.0分15.9分▲12.1分(▲43.21%)
全年代平均11.8分5.2分▲6.6分(▲55.93%)

(【出所】総務省『情報通信白書』データをもとに作成)

すなわち、新聞は若年層から相手にされていないなど、もう滅亡がほぼ確定しているメディアであるのに対し、テレビはとくに高齢層を中心に根強い支持者が多く、新聞と異なり「今すぐ滅亡する」というほどに切羽詰まった状況にあるわけではありません。

このように考えると、「新聞なんてなくても大丈夫だよ」、と考える人は、徐々に社会の多数派を形成しつつあると考えられる反面、テレビに関しては、「テレビなんてなくても大丈夫だよ」と断言できる人が現時点で社会の多数派を占めているとは言い難いところです。

こうした事情もあってか、NHKもまだ受信料制度を維持できるとタカを括っているのかもしれません。

NHKの契約はこの4年で100万件減った

ただし、仮にそうだったとしても、世の中でチューナーレステレビのラインナップが少しずつ増えていることは事実ですし、また、若年層になるほどテレビを見なくなるという傾向もくっきりと認められます。

こうしたなかで、『契約が4年で百万件超減少のNHK[終わりの始まり」』でも触れたとおり、NHKの契約件数は2020年以降、減少に転じていることも事実です。

NHKの過年度財務諸表からのデータによると、NHKの契約件数が2020年3月末時点の4212万件をピークとして4年連続で減り続け、2024年3月末時点ではピークから105万件減った4107万件(うち地上1919万件、衛星2187万件)だったのです(図表3)。

図表3 NHK契約件数の推移

(【出所】NHKの過年度の財務諸表データをもとに作成)

減り方はまだ微々たるものです。

また、減少に転じた理由が、人々のテレビ離れが原因なのか、それとも世帯数自体の減少自体が原因なのかについては、現段階で決めつけるには少し手掛かりが不足しています。

しかし、2020年といえばコロナ禍の年であり、人々が「ステイホーム」を余儀なくされたなかで契約数が減少に転じ、減り続けているというのは、興味深い現象です。素人発想的には「ステイホーム」を余儀なくされると、契約数は増えそうなものですが、このあたりは分析が不十分なので、脇に置きたいと思います。

しかし、鶏と卵の関係ではありませんが、「テレビを捨てる人が増える」(または「チューナーレステレビに買い替える人が増える」)ことでテレビの視聴者層が薄くなり、受信料収入が減ってNHKの番組がつまらなくなり、それでまたテレビを捨てる人が増える、といったスパイラルに陥る可能性はあります。

というよりも、民放ではすでに数年前から広告料収入が減り始めています。

株式会社電通の『日本の広告費』によれば、2023年における日本全体の広告費は前年比+2146億円(+3.02%)となる7兆3167億円だったのに対し、テレビ広告費は▲672億円(▲3.73%)となる1兆7347億円に留まったのです。

広告市場全体が伸びているなかでテレビの広告費が縮小しているというのは、それだけテレビの広告媒体としての魅力が落ちているという間接的な証拠でもあります。

そして、テレビを買う人は、「NHKが見たいから・民放が見たいから」という理由で買うのではなく、NHK、民放を含めた「テレビ放送自体が見たいから」という理由でそれを買っているはずですので、そもそも地上波放送を見ないという人にとって、チューナー付きテレビの魅力は低いのではないでしょうか。

すでに「テレビ離れ」に向けた萌芽は見られる

さて、著者自身は地上波が映るテレビがなくても生活にまったく困らないどころか、テレビがないという状態の方がむしろ快適で望ましいと考えている人間のひとりですが、同じように考える人が増えて来るかどうかは、著者自身の仮説の妥当性を検証するうえでも、継続的な課題のひとつです。

現在のところ、チューナーレステレビの出現、NHK契約数の微減、民放テレビ広告費の落ち込み、おもに若年層のテレビ離れなど、テレビ業界の衰退の萌芽は見られるのですが、それが決定的になったとまで断言できるだけの手掛かりはありません。

ただ、「NHKに受信料を払わなくても済む方法」が、事実上、「チューナー付きテレビを買わないこと」に絞られるつあるなかで、敢えて私見に基づいて大胆に予測するならば、あと2~3年もしたら、テレビを捨てる人が急増し、NHKの契約も追加で100万件減るのではないでしょうか。

もちろん、これは半ば適当でいい加減な予測ですので、外れる可能性も十分にあります。

しかし、強引な割増受信料の件もそうですし、『視聴者の信頼を裏切ったNHKと特殊負担金理論の破綻』などでも触れたとおり、NHKが発生させた不適切放送事件の件もそうですが、人々が思わずテレビを捨てたくなるような事件が、最近、非常に増え過ぎているきらいがあります。

このインターネット時代、むしろ「NHKに受信料を払わないために、テレビを捨てましょう」、という運動が生じても不思議ではありません。

このように考えていくと、NHKが真に組織の存続を図るなら、「受信料を何が何でもかき集める」という強引な姿勢を改め、視聴者に寄り添い、スクランブル化により「払いたい人だけ受信料を払う」という仕組みを認めた方が、NHKのためでもあります。

そうでなければチューナーレステレビのモデルが今以上に多数登場し、NHKと受信契約のあるテレビを捨て去る人が激増し、結局はNHK自身の存続が不可能になるという未来が待っているように思えてならないのですが、いかがでしょうか?

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. カズ より:

    https://lohaco.yahoo.co.jp/search?p=%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%A2%E3%80%804K

    ↑SONYの業務用チューナーレスモニター。(ブラビア)
    屋号の入力フォームがないので、一般でも買えそうですね。

  2. Sky より:

    私見ですが、チューナーレステレビは売れないと思っています。
    TV番組に嫌気をさした人々の多くはあえて既存のTVをチューナーレスTVに買い替えたりしないでしょうし、記事中にもあるようにTVチューナー部のエンジニアリングコストはさほど高くないため、消費者目線で納得できる相応の価格差を実現するためには、他の部品コスト全般を落とすしかなく安かろう悪かろう商品になってしまいがちになるためです。
    私もそうですが、TV番組を観る時間が激減或いは無くなっていてもTVセットはあえて捨てずに死蔵に近い状態で保管されるケースが多いでしょう。
    企業資産の棚卸しで休眠資産の扱いがありますが、同様にNHK契約の休眠があってしかるべきだと思っています。

    さて職場にいる若い連中をみても、そもそも彼らの多くはTVセットを持っていない。学生時代に学割購入したノートPCとあとはスマホ、人によっては動画用に追加でタブレット。

    これが画像関係の三種の神器。いわゆるTVセットは蚊帳の外です。
    NHKの受信契約は当然していません。それ以前にNHKの番組を観ていない。

    NHKは盛んに親元を離れた学生は無料でNHK受信契約できると宣伝し、何とか紐づけしてしまおうとしているようですが、時すでに遅しです。

    彼らが家庭を持った時が最後のチャンスでしょうが、どの程度の歩留まりになるか?

    一方で民放各局は、主要収入源である広告関係が心細くなってきているため、相対的に固定費である全国地上波インフラ維持費負担が厳しい状況に陥りつつあり、寄らば大樹の陰といったところでNHKにその土管部分の面倒をみてもらうことを検討している状況の様子。

    当座はそれで凌げるかもしれませんが、NHKにしたってコストのかかる全国地上波インフラを維持するのは容易ではないでしょうし、そもそも同報配信を基本とする放送業務は、安全保障的ロバスト性を抜きにすれば基本的に全国一括で送信できる放送衛星の利用が合理的であることは自明でしょう。

    技術的制約から衛星利用が後になっただけであり、一方で通信業務の多くは地上波利用が合理的ですので、何かきっかけがあれば地上波TVは絶滅、残存TVセットは衛星放送対応、その結果空いた広大な電波帯域は通信業務で利用ということになる気がします。

    そうすることで民放は勿論NHKもインフラ維持の重圧が軽くなるので、彼らとてインフラと共に死す気はないでしょうから、その方向で生き残りを図るのではないかと思います。

  3. 攻撃型原潜 より:

    チューナーレスTVとモニター(パソコンの画面を表示するやつ)との違いがよく分かりません。わざわざ5~6万円も出してチューナーレスTVを買わなくても、もっと低価格で高品質なPCモニターで代用出来るのに、何故わざわざチューナレスTV?と思ってました。PCモニターでもHDMI端子は付いているし、USBポートにスティックを指せばTVでも、PCにもなるし。

    では、我が家はテレビを捨てたかと言うと、捨てていません。理由は、カミさんがテレビ(ワイドショーやらドラマ)に依存していて、HDMIやらUSBのヨコモジはとんと理解が行かないようで(認知症ではありません)、テレビのリモコンでさえボタンが多すぎて・・・どうもボタン一発でテレビ画面が出てくるものでなければ使えないみたいです。その点昔のテレビは電源ボタンとチャンネルをガチャガチャ回すだけで見れたので良かったそうです。

  4. 黒犬 より:

    内閣府の消費動向調査2023年によると、カラーテレビ普及率は単身世帯で87.2%、二世帯以上で95.1%と依然として高い水準にあるようです。

    テレビを買わない、捨てる、譲る人が増えるとしても、NHKを脅かすほどの力はまだまだです。
    なので、受信契約を結んでいる国民が一斉に解約すればいいのです…

    ええ、勿論、本当に手放したかどうかは問いません。放送法違反を行いながら放送法の上にあぐらをかき、高額な受信料を巻き上げ、高額な給与をむさぼる組織への反抗は国民の意思でどうにかなるような気もします。日本人の気質では無理っぽいですが…

    1. Sky より:

      >受信契約を結んでいる国民が一斉に解約すればいい
      左派の方々が大好きなストライキ方式ですね。

      少数の謀反では個別に反撃されますが、一斉で謀反を起こせば普段なら通らぬ道理が通り大勢がひっくり返ることもある。
      温厚な日本国民といえども我慢が臨界点に達してしまったらあり得ない話しではないかもしれませんね。

      いざそのような動きがSNSとかで始まり呼応する行動を起こす人々が大勢出現する事態になったら、放送業界やその周辺の既得権益層が必死に妨害するでしょうが、一度大きく火がついてしまったらたとえNHKでもその火を消火しきれなくなり、NHK解体などの大改革は免れてもスクランブル方式導入程度は開始となる気がします。

      個人的には地上波TVは、NHKも民放も所要C/N比が少なくて済む(要するに劣悪な受信環境でもしぶとく受信できる)1セグ帯域のみ防災やモバイル、県域放送目的で残す。フルセグ帯域は召し上げて通信業務など他業務用に再配分する。NHKも民放も全国放送は衛星波。NHKは今後も受信契約制度を続けたいならばスクランブル。現制度継続を諦めるなら自他共に公益性の高いと認めるコンテンツのみ税金で1chのみ運用してスクランブル無し、それ以外は放送不要。という落し所を望んでいます。

    2. やるお より:

      きた、国民の気質論!というヘイトスピーチぎりぎりの理屈ww
      世界で一番素晴らしい民族はー、アメリカ人だぁぁぁ!ってことになりそうだな、アホくさww
      こんなこと言ってる本人がNHK料金払ってたら爆笑ですなww
      私は当然、NHK料金は払いたくありませんし既得権益の横暴に黙ってられるほどドMじゃないんでテレビ捨てましたよ〜

  5. しおん より:

    チューナーレスTVに買い替えなくともアンテナ、もしくは途中の同軸ケーブルを撤去すれば受信設備とならないので解約はできます。
    TVはそのまま使用可能です(PCのモニターとかゲーム用とか)。

    実際、私が数年前に解約時に出した書類の文面の撤去理由の項目に【アンテナ等の撤去】というのがありまして、そこにチェックを入れて出してそのまま受理されて解約できています(特に質問とかの問い合わせはありませんでした)

    1. 引きこもり中年 より:

      そのうち、「アンテナがなくても、テレビがあるので、NHK受信料を徴収する」と言い出すのではないでしょうか。

      1. しおん より:

        確か過去にNHKだけ受信できない装置をとりつけた人との裁判で【装置を取り外せば受信可能】とかの理由でNHKが勝訴していますね。

        装置と言っても内部を改造するような製品ですので素人が取り外せるようなものではありませんでしたが、それでもNHKの勝ちです。

        その裁判結果から考えますと、アンテナやケーブルを取り外す人が増えると、NHKは【アンテナ類はいつでも取り付け可能なので受信料を払え】と言い出すと思えます。いや100%いうでしょうね。

    2. 新宿会計士 より:

      もう少し詳しく教えてくださいwktk

      1. しおん より:

        1,NHKを解約しようと思い立つ
        2,NHKの窓口に電話(なかなか通じなかった)
        3,窓口の係員?に解約をしたいと申しでる。
        4,特に理由を聞かれる事もなく、解約用の書類を送るので住所を教えてくださいと言われる
        5,到着した書類に住所氏名など必要事項を書き込む
        6,解約用書類に【解約理由】が確か4~5個くらい並んでいてその中に【アンテナ類の撤去】がありました。もちろん【TVシステムの撤去】もありました。
        7,【アンテナ類の撤去】の前のチェックBOXにだけにチェックを入れて、書類を封筒に入れて返送
        8,その後特に解約の受付完了とかの連絡は来なかったが、受信料の引き落とし口座から引き落としが無くなったので、解約は完了したと解釈した。

        このような流れでした。

        1. しおん より:

          追記です。
          私が解約したのは3年ほど前ですが、現在ですと解約理由に【アンテナ類の撤去】は無くなっている可能性もあります。
          上の方への返信と重複しますが、【すぐに受信できるように回復可能なので認めない】となっている可能性があると思います。

        2. 新宿会計士 より:

          NHK解約、素晴らしい!
          でも今でも同じ手法が適用できるかどうかは要調査、といったところですね。参考になりました。ありがとうございました。

    3. カズ より:

      そうですね。

      自宅のパラボラアンテナが故障したと言えば、衛星契約はすんなりと解除できたし、職場の監視カメラ用TVモニターについても、【受信アンテナが存在しない】せいでNHKからの言及はありません。

  6. 匿名 より:

    約1年前に、チューナー付きTVとチューナー付きBDレコーダを廃品に出し、チューナーレスTVとPS5に置き換え、NHKフリーの環境に移行しました。

    >一般的な4Kテレビや薄型テレビと比べて、安価に購入できるチューナーレステレビ。チューナーがないことで価格が抑えられていると思われがちですが、それだけではなく、性能そのものがそこまで高くないことが安価な理由といえます

    約1年間、チューナーレスTVを使ってきた経験をもとに言えば、これは正しいと思います。動作安定性があまり良くなくてリモコン操作に反応しないことがあるし、スピーカの音質は悪いし、ヘッドホン端子を使うと、インピーダンスがおかしいせいか、フルボリュームにしないとヘッドホンから音が聞こえてきません。画質は4Kなので、まあ満足してます。

    まあ50インチのチューナーレスTVが5万円ぐらいで買えたのだから、動作安定性については目をつぶってます。音質については、ヘッドホン端子からミキサー経由でYAMAHAの小型パワードモニタースピーカ(MSP3A)に繋いで音声出力させたら、感動の仕上がりになりました。

    確かに、チューナーレスTVの品質向上は必要かと思いますが、ちょっとした工夫で自力で改善できるところもあります。なにより、チューナーレスTVを導入することにより、物理的にNHKの呪縛から解き放たれる解放感は、何物にも代えがたいものです。お薦めです。

    P.S. どなたか、SONYの業務用の大画面チューナーレスTVを(法人としてでなく)個人で購入できるお店とか知ってたら、教えてほしいなぁと思います。

  7. 匿名 より:

    自分の周り見た感じだとNHKを主要因としたテレビ離れって少数派なんですよね。
    そもそも音響や画質や周波数やらの性能面とカスタマイズ面で皆んなゲーミングモニターを選んでるんで、わざわざテレビを買う理由がない。
    テレビはゲーミングモニターと違ってそのへんの詳細な性能表示が無いのに無駄に高い、”ついでに”NHK受信料という負のオマケ付き。

    正直、娯楽としては終わってると言って差し支えないテレビの最後のメリットは災害時の情報収集しかないんすよね……
    NHKに対する反発よりも、純粋にユーザーの眼中にテレビが無くなってきてる

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告