「BRICS決済システム」で脱ドル化は進…まない!

BRICS共通通貨構想はさっさと頓挫したようですが、これに代わって最近出てきたのが、「SWIFTに代わるBRICS独自の決済システム」という構想です。一部メディアによると、このシステムは早ければ今年10月に稼働し、すでに159ヵ国が参加する意欲を示しているといいます。ただ、決済システムの問題と決済通貨の問題を混同してはなりません。SWIFTに代わるシステムが稼働したところで、「脱ドル化」が実現するとも限らないからです。

BRICS共通通貨の非現実性

少し前に、「BRICS共通通貨」―――すなわち、「BRICSなどが共通で使える通貨を導入しよう」、などとする構想―――がありました。そして、このBRICS共通通貨とともに出て来ていたのが、米語の “de-dollarization” や英語の “de-collarisation” という単語です。

意訳すれば、「脱米ドル」、といったところでしょうか。

BRICS諸国などにとっては、国際的な貿易の決済などを米ドルで行うのではなく、米ドル以外の通貨で行いたい、というニーズは以前から根強く、BRICS共通通貨構想も、こうした文脈で出てきたものだと考えられます。

ちなみにこの「BRICS共通通貨」、もし実現すれば、人類史上においても、なかなかに「画期的な現象」であることは間違いありません。

といっても、あくまでも「実現すれば」、の話です。

昨年の『BRICS共通通貨はG7に対抗できっこない「空論」』や『ユーロの例で考える「BRICS共通通貨」の非現実性』などでも取り上げたとおり、端的にいえば、①共通通貨を作るのはほぼ不可能であり、②もしそんなものができたとしても、役に立たない、というのが結論でしょう。

当ウェブサイトではこれまで何度となく指摘してきたとおり、共通通貨を作るのは、本当に大変な作業です。共通通貨を作るということは、自国通貨を放棄する、ということであり、通貨主権を放棄する、ということでもあるからです。

頓挫したBRICS共通通貨構想

共通通貨・ユーロの苦悩

現代社会では、財政政策と金融政策は車の両輪のようなものですが、もしその国が共通通貨を採用していたら、その国は独自の金融政策を完全に捨て去らなければならなくなるのです。

その典型例が、ユーロでしょう。

ユーロといえば現代社会を代表する共通通貨のひとつですが、ユーロ圏に参加している国は、自国の通貨を捨てて単一通貨であるユーロを導入しなければならず、いったんユーロを導入してしまえば、自分の国の中央銀行が独自の金融政策を採用することはできなくなります。

ユーロ圏の中央銀行といえば欧州中央銀行(ECB)ですが、ECBはあくまでもユーロ圏全体の状況を見て金融政策を決定するため、たとえばフランスがインフレ気味、ドイツがデフレ気味だったとしても、ECBは「フランスだけ利上げ、ドイツだけ利下げ」、といった金融政策を適用することはできません。

これが、「金融政策の独立性を放棄する」という意味です。

当然、ユーロ圏は単一の市場となり、労働力や製品、サービスなどの移動の自由が基本的には認められますし、ユーロ圏内では為替変動の影響もなくなりますので、こうした市場統合・通貨統合のメリットが金融政策の自由の放棄というデメリットを上回ると考えたから、彼らはユーロ圏に加入しているのでしょう。

ちなみにユーロ圏に参加するためには、技術的には、参加国はいわゆる「財政収斂(しゅうれん)基準」を満たす必要があります。

この財政収斂基準のなかには、あの悪名高い、「公的債務残高をGDPの60%以内に抑えること」なども含まれますし、実際、公的債務残高が増え過ぎるなどして債務を返しきれなくなりそうになったギリシャなどの事例も出るなど、共通通貨の運営は、なかなかに大変です。

「先進的な金融・通貨システムを持っていた」とされるベネルクス諸国、ドイツ、フランス、イタリアなどの先進国同士で通貨統合を行ったにもかかわらず、ユーロは過去に数回の危機を経験している、というのは、共通通貨の困難さの象徴のひとつでしょう。

共通通貨の前提として必要な地理的・歴史的近接性や共通の価値

また、共通通貨の前提として、ユーロ圏に参加している国の多くは、基本的な価値を共有している(あるいは「共有していることになっている」)、という特徴があります。欧州の場合は「自由・民主主義」、「法の支配(または法治主義)」、「基本的人権の尊重」などです。

これに加えて欧州の場合、地理的には「欧州」、言語的には「印欧語」、宗教的には「キリスト教」という、それぞれ共通の文化的背景があることも無視できないでしょう。

この点、もちろん、同じキリスト教であってもフランス、イタリア、スペインなどのようにカトリックが強い国もあれば、ドイツなどのようにプロテスタントが強い国、ギリシャのように正教が強い国などもあり、「キリスト教」と一括りにするのは少し乱暴かもしれません。

また、言語的に見ても、印欧語のなかでもラテン語系(イタリア語、スペイン語、フランス語など)、ゲルマン語系(ドイツ語、オランダ語、北欧諸語など)、スラブ語系(スロバキア語、スロベニア語など)、ギリシャ語などがあり、フィンランドやエストニアのように印欧語ではない言語を公用語としているケースもあります。

ただ、地理的概念としての「欧州」に加え、ひとりあたりGDPの水準もひどくかけ離れておらず、「言論の自由が保障されている民主主義国家」という共通点があり(なかにはそれらが若干怪しい国もありますが…)、なにより市場などに関する考え方が似通っている地域が、共通通貨を導入しているのです。

コラム:欧州連合(EU)、ユーロ圏、シェンゲン圏の違い

余談です。

本稿では「ユーロ圏」という通貨圏に焦点を当てているため、記載が若干不正確ですが、じつは「欧州統合」という意味では、少なくとも「欧州連合(EU)」、「ユーロ圏」、「シェンゲン圏」という、3つの異なる概念が重なり合っている点には注意が必要です。

このうちEUについてはその名の通り、一種の国家連合であり、政治・経済の共同体です。

EUの究極的な目標は、域内の市場をすべて統合し、共通通貨であるユーロを導入することにある、などとされているのですが、諸般の事情でEU加盟国でありながらユーロを導入していない(あるいは「できていない」)国が数ヵ国存在します(デンマーク、スウェーデン、ポーランド、チェコ、ハンガリーなど)。

したがって、「EU=ユーロ圏」、ではありません。

また、EU加盟国内であれば国境を意識せずに自由に往来できる、というイメージを持つ人もいますが、これは正しくありません。欧州各国の国境検問の廃止などはシェンゲン協定がその根拠であり、シェンゲン協定にはEU加盟国以外の国(ノルウェーやスイスなど)も参加しているからです。

もちろん、欧州各国の多くは国境検問を廃止しているのですが(たとえば自動車で国境を越えるとき、多くの場合、検問所を通ることはありません)、それでもアイルランドやキプロスはEU加盟国・ユーロ導入国であるにも関わらず、シェンゲン協定に参加していないのです。

よって、ヒトコトで「欧州統合」と述べても、その「欧州統合」はEUのことを意味しているのか、ユーロ圏のことを意味しているのか、はたまたシェンゲン圏のことを意味しているのかについては、文脈によって異なる可能性がある、という点には要注意です。

BRICSに言語・文化・価値観の共通性はあるのか?

余談は以上として、共通通貨に話を戻しましょう。

現実に共通通貨が導入されている地域の最もわかりやすい事例のひとつがユーロ圏なのですが、それと同時にユーロ圏の場合、地理的にも、歴史的にも、文化的にも、言語的にも、宗教的にもお互いの距離が近く、しかも「自由・民主主義・法の支配」といった共通の価値観を持ち、経済規模も良く似ているのです。

つまり、共通通貨のうち、少なくともユーロ圏の事例についていえば、それなりの共通点があって初めて機能しているといえます(しかもユーロ発足以降の歩みは、決して順調とはいえませんでした)。

これをBRICSに当てはめてみたら、そのBRICS共通通貨という構想の非現実性が見えてきます。

一般にBRICSとはB(ブラジル)、R(ロシア)、I(インド)、C(中国)、S(南アフリカ)の5ヵ国です(ちなみに昨年はこれに複数の国が加盟しています)。

ひとりあたりGDPの水準も、言語も、宗教も、あるいはさまざまな価値観も異なります。

たとえば、俗にインドは世界最大の民主主義国家と呼ばれ、(著者自身はインドが日本とまったく同じ水準での自由・民主主義・法治国家だとは思いませんが)いちおうは西側諸国に近い価値観を持っている国だとされています(その割に資本統制はようですが…)。

しかし、これに対して中国はいうまでもなく、中国共産党による一党独裁国家であり、自由・民主主義体制とは程遠い国です。金融に関しても資本統制が続いており、西側先進国並みの自由な資本移動は基本的には認められていません。

また、ロシアはキリスト教国(ロシア正教会)とされ、いちおう、大統領などは民主主義で選ばれているという体ですが、現実問題としては西側諸国並みの民主主義は機能していないと考えて良く、どちらかといえば中国に近い独裁国家といえるかもしれません。

人口、面積、GDPでもかけ離れている5ヵ国

さらには、ロシア、中国、インド、ブラジルは「大国」であり、人口も面積もそこそこの規模を誇りますが、南アフリカは正直、「大国」と呼ぶには、人口、面積ともに十分とは言い難いでしょう(図表1図表2図表3)。

図表1 BRICS各国の人口(2023年)
人口と世界ランクシェア
中国14億1071万人(2位)17.58%
インド14億2863万人(1位)17.80%
ロシア1億4383万人(9位)1.79%
ブラジル2億1642万人(7位)2.70%
南アフリカ6041万人(24位)0.75%
【参考】世界80億2500万人

(【出所】世界銀行データをもとに作成)

図表2 BRICS各国の面積
面積と世界ランクシェア
中国960.0万㎢(4位)7.38%
インド328.7万㎢(7位)2.53%
ロシア1709.8万㎢(1位)13.14%
ブラジル851.0万㎢(5位)6.54%
南アフリカ122.1万㎢(24位)0.94%
【参考】世界1億3009万㎢

(【出所】総務省統計局データをもとに作成)

図表3 BRICS各国の名目GDP(2023年)
名目GDPと世界ランクシェア
中国17兆7948億ドル(2位)16.88%
インド3兆5499億ドル(5位)3.37%
ロシア2兆0214億ドル(11位)1.92%
ブラジル2兆1737億ドル(9位)2.06%
南アフリカ3778億ドル(40位)0.36%
【参考】世界105兆4350億ドル

(【出所】世界銀行データをもとに作成)

正直、地理的にも歴史的にも、ここまで共通性のない国々が共通の通貨創設して運用するというのは、ちょっと無理があります。

というよりも、これらの各国、ひとりあたりGDP水準どころか、インフレ率も現状の政策金利も異なるわけですし、そもそも前提となるべき通貨制度、金融制度、税制、法制度などもまったく異なっているわけです。

敢えてこれら各国に、金融面で見た共通点があるとしたら、それは、「その国の通貨が国際的な資本取引などであまり用いられていない」、という点くらいでしょうか。

通貨がダメなら決済システムで…!?

そもそも資本規制が強い通貨が国際通貨となれるはずなどなく…

というよりも、もともとこのBRICS共通通貨とは、「貿易で米ドルを使用するのが嫌だから、その代わりにBRICS各国で共通して使用できる通貨を創設しよう」とする発想だったはずですが、まことに残念ながら、BRICS共通通貨が米ドルの代替となり得るとは考えらえません。

現状において、人民元は多少、国際的な商取引などで使用される場面が増えているようであり、また、南アフリカランドは(少額ながらも)昔から国際的な決済などで使われている通貨ではありますが、それ以外の通貨(インドルピー、ロシアルーブル、ブラジルレアルなど)は、いずれも国際的に通用する通貨ではありません。

万が一、BRICS共通通貨の創設に漕ぎ着けたとしても、国際的通用力が低い通貨をいくら集めたところで、その通貨に国際的な通用力など生まれません。巨大なローカル通貨が生まれるのが関の山です。

そもそもある通貨が国際的に通用力を持つためには、その通貨の発行体に対する信用も必要ですし、また、その通貨自体の資本規制が先進的なものでなければなりません。日米英欧などの場合は、金融市場が高度に発達しており、また、高度で複雑な金融商品が多く取引されています。

資本規制が厳しい中国だと、ここまで複雑な金融商品は多くありませんし、また、インド、ロシア、ブラジルなどに至っては、そもそも海外の投資主体がその通貨を積極投資しようとする環境にはありません。

しかも、共通通貨自体、せっかく発足にこぎつけても、あえなく瓦解する可能性だってあります。

ユーロ圏でさえ、共通通貨を運営するのにあそこまで苦慮しているなかで、文化的にも政治基盤的にも、ほぼ共通点がないBRICS諸国が、通貨という国家の最も大事な部分を共通化し、共通の規律で運営して行ける、というのは、ちょっと考え辛いところです。

次に出てきたのは「BRICS決済システム」

もっとも、当ウェブサイトで「BRICS共通通貨は非現実的だよ」、などと申し上げるまでもなく、一部メディアが喜々として報じていたこのBRICS共通通貨構想は、1年あまり経過したなかで、もうほとんどだれも唱えなくなってしまいました。

おそらくこの構想は瓦解したのでしょう、あるいは構想にすら具現化しなかったというべきでしょうか(まぁ、当たり前ですが)。

いずれにせよ、さすがに共通通貨で脱ドル、というのは、少し非現実的すぎます。

こうしたなかで、最近、次に出てきたのが、「決済基盤の共通化」という話であるようです。

米ヒューストンに本部を置いているらしい、 “Watcher Guru” という、暗号資産などを取り扱うウェブサイトに16日付で、こんな記事が出ていました。

159 Countries Set to Adopt BRICS New Payment System

―――2024/08/16付 Watcher Guruより

記事によると、BRICSでは現在、国際的な銀行送金システムであるSWIFTに代わって、「BRICS自身の決済システム」を10月にも立ち上げる準備をしており、また、ロシア政府のある当局者は、この新たな決済システムに参加する国が159ヵ国に達すると明らかにしたと述べた、などとしています。

要するに、「米ドルを要しない決済システム」が立ち上がり、これに非常に多くの国が参加する、ということです。原文では、こう記載されています。

“Specifically, allowing unilateral settlement to be done without the need for the US dollar.”

…。

議論を混同していませんか?

大変に申し訳ないのですが、「決済システム」と「決済通貨」の議論をごっちゃにしているように見えてなりません。

というよりも、そもそも論として、SWIFTは「米ドルを使った決済システム」ではありません。あくまでも、民間の銀行の国際金融取引を伝達するためのシステムのことです。

全銀協ウェブサイトには、こんな説明が掲載されています。

スイフト(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication SC)は、銀行間の国際金融取引に係る事務処理の機械化、合理化および自動処理化を推進するため、参加銀行間の国際金融取引に関するメッセージをコンピュータと通信回線を利用して伝送するネットワークシステムです」。

すなわち、使用する通貨は米ドルである必要などなく、極端な話、日本円などであっても構いません。

実際、SWIFTがほぼ毎月公表している『RMBトラッカー』というデータによれば、世界の送金(顧客を送金人とする取引や銀行間取引)に占めるシェアは、2024年6月時点で米ドルが47.08%でトップですが、2番目はユーロ(22.72%)で、他にも多くの通貨が用いられていることがわかります(図表4)。

図表4 2024年6月時点の決済通貨シェアランキング
通貨コード通貨名称シェア
1位:USD米ドル47.08%
2位:EURユーロ22.72%
3位:GBP英ポンド7.08%
4位:CNY人民元4.61%
5位:JPY日本円3.75%
6位:CAD加ドル2.61%
7位:AUD豪ドル1.76%
8位:HKD香港ドル1.60%
9位:SGDシンガポールドル1.28%
10位:CHFスイスフラン1.09%

(【出所】SWIFT『RMBトラッカー』データをもとに作成)

ちなみにSWIFTランキングに登場する通貨は西側諸国のものが多いことは間違いないのですが、人民元は昨年11月頃から日本円のシェアを抜き、4番目の通貨にランクインしていますが、このことは、SWIFTを使っても人民元決済が問題なく行われている、ということを意味するのではないでしょうか。

なお、上記ランキングはユーロ圏を除外したものも存在します(図表5)。

図表5 2024年6月時点の決済通貨シェアとランキング(ユーロ圏を除外した場合)
通貨コード通貨名称シェア
1位:USD米ドル58.07%
2位:EURユーロ13.19%
3位:JPY日本円5.36%
4位:GBP英ポンド5.13%
5位:CNY人民元3.23%
6位:CAD加ドル2.97%
7位:CHFスイスフラン2.03%
8位:AUD豪ドル1.96%
9位:HKD香港ドル1.17%
10位:SEKスウェーデンクローナ0.91%

(【出所】SWIFT『RMBトラッカー』データをもとに作成)

こちらのデータだと、日本円が人民元と英ポンドを抜いて3位に浮上しますが、「アジア圏などでは日本円の決済シェアが依然として大きい」、という意味なのでしょうか。

あるいは、ユーロ圏内の決済データを含めた場合と比べ、ユーロ圏のデータを除外した場合に、人民元のシェアは4.61%から3.23%に後退するというのは、人民元送金がユーロ圏で活発に行われているという証拠と見るべきでしょうか?

(※余談ですが、SWIFTの数値にはいろいろと謎も多いところです。)

そもそもBRICS通貨は現在、国際決済で使用されているのか

いずれにせよ、著者自身が保持している過去約12年分のデータを見る限りにおいては、やはり国際送金では米ドルの力が強いことは間違いなさそうですが、それでも過去にはランキングにロシアルーブルが登場していたこともあるなど、SWIFTを使った国際送金にはさまざまな通貨が用いられていることは間違いありません。

よって、BRICSが新たな決済システムを作ったとしても、正直、それで恩恵があるのは、SWIFTから除外されているロシアの主力銀行くらいなものではないでしょうか。

あるいは、もうひとつ考えられる問題点としては、新たな決済システムを作ったとしても、そこで使われる通貨は結局、国際的な取引において使い勝手が良いものに限られるのではないか、というものがあります。

先ほどのSWIFTのランキング、過去約12年分を遡って気付くことがあるとしたら、ランキングにまったく登場したことがない通貨も多い、という事実です。

たとえば、G20諸国の通貨であっても、次の6つの通貨に関しては、ユーロ圏を含めたランキングで過去に1度も20位以内に入ったことがありません。

  • INR(インドルピー)
  • IDR(インドネシアルピア)
  • KRW(韓国ウォン)
  • BRL(ブラジルレアル)
  • ARS(アルゼンチンペソ)
  • SAR(サウジアラビアリアル)

また、ユーロ圏を除外したランキングでは、過去に数回、サウジアラビアリアルがランクに入っていますが、それを除く5つの通貨は、やはり過去に1度もランクに入ったことがないのです。

  • INR(インドルピー)
  • IDR(インドネシアルピア)
  • KRW(韓国ウォン)
  • BRL(ブラジルレアル)
  • ARS(アルゼンチンペソ)

BRICSのうち、インド、ブラジルの2ヵ国の通貨については過去に1度もランクに入ったことがない。

過去にランクに入ったことがあるロシアの通貨については、現在はランク外。

そうなると結局、BRICS通貨のうち、現在でもSWIFTでランクに入る通貨は人民元と南アフリカランドくらいであり、BRICSが新たな決済システムを立ち上げたとしても、その新たな決済システムにおいて米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドなどが多用されるのがオチではないでしょうか。

また、米国など西側諸国の目の届かない決済システムを立ち上げたところで、金融システムの根幹を西側諸国が握っているという事実は変わりません。

すでに米国の二次的制裁(セカンダリー・サンクション)などの影響で、ロシアの企業が人民元決済から締め出されるなどの状況が生じていますが(『深まるロシアの中国依存…「友好国」も取引を続々中断』等参照)、こうした問題は、新たな決済システムの構築で回避できるものでもないのです。

金融システムの信頼は一日にしてならず

いずれにせよ、金融システムというものは、一朝一夕で出来上がるものではありません。

その通貨に対する信頼というものは、基本的なところから構築されるものだからです。

  • 紙幣が偽造されにくく、偽札がほとんど出回っていない。
  • その通貨で株式、債券などさまざまな金融商品が発行されている。
  • その通貨でさまざまなデリバティブ取引を行うことができる。
  • 外国機関投資家などがその通貨や株式・債券・デリバティブなどを自由に取引できる。
  • 各国の外貨準備当局がその通貨建てで外貨準備を保有する

…。

何のことはない、これらの条件のうち、複数を満たしているものといえば、本当に少数の通貨に限られるのです。

米ドル、ユーロなどと並び、日本円はそれらのひとつですが、人民元はこれらの要件の多くをまだ満たしておらず、実際、人民元建ての外貨準備高は、決して順調に増えているとはいえません(『人民元建て外貨準備がさらに減少』等参照)。

このように考えていくと、今回の「SWIFT以外の決済システム構築」というのも、SWIFTというシステムを揺るがす大問題に発展するというよりはむしろ、現時点では「BRICSの関係者による机上の空論」となる可能性の方が高そうに思えてならないのですが、いかがでしょうか?

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. sqsq より:

    BRICS通貨のような利害の絡む問題になればあっという間に「怒鳴り合い」―>「脱退のおどし」―>「崩壊」になっていくだろう。
    インドには言ってやりたい「将来のある身なんだから不良と付き合っちゃだめだよ」

  2. 愛知県東部在住 より:

    個人的には、通貨の核心的課題は「信用」に尽きると考えています。

    昔読んだ岩井克人氏の『貨幣論』にも、そのような定義があったように記憶しています。また江戸時代に「元禄改鋳」を行った荻原近江守重秀の言葉として「貨幣は国家が造る所、瓦礫を以てこれに代えるといえども、まさに行うべし。今鋳するところの銅銭、悪薄といえどもなお、紙鈔に勝る。これ遂行すべし」というモノがあります。紙鈔とは各藩が発行していた藩札のことです。

    要するに、貨幣を発行する国家そのものに信用があれば、貨幣など瓦礫のようなものであっても構わないのだ、という貨幣国定論を17世紀の日本人が喝破していたとするものです。

    尤もこの言葉、本当に荻原重秀の言葉であったかどうかは、その信憑性には?が付けられているそうですが・・・。

    そんなことはともかく、通貨の歴史的流れを世界史レベルで考えるのであれば、金銀などの貴金属貨幣から兌換紙幣、そして不換紙幣ヘという潮流であったことは間違いありません。国家に信用がなかった時代にあっては、金や銀という貴金属の価値こそが信用の源泉だったからであり、それらの貴金属が有限的資源であることから、兌換紙幣が登場し、これまた国家が国内市場に流通する紙幣の量の分だけ金や銀をら加えておくことが不可能になったとき、不換紙幣が生まれました。

    国家に信用さえあれば、製造原価20円足らずの紙幣であろうとも、市場では立派に1万円、5千円、千円の価値があるものとして通用するということなのです。

    というわけで、BRICSの皆様方には誠にお気の毒なのですがあなた方にそこまでの信用がおありかどうか、今一度我が胸に手を当ててご再考のほどをお願い致したいと思うところです。

    1. 愛知県東部在住 より:

      修正です。

      ら加えておく  ×
      蓄えておく   ○

      失礼しました。
       

  3. カズ より:

    >BRICS決済システム

    せいぜい韓国・イラン間に存在した「現地通貨建プール決済」システムに準じたものなのかと。
    「相殺分」までは米ドルの介在を減らせるにしても、それが限界ではないのでしょうか・・?
    ・・・・・
    >人民元送金がユーロ圏で活発に行われている・・・・?

    ユーロ圏内決済で対中債権が「たらい回し」されてるのでは?
    びっしりと裏書きされた「約束手形」のようにですね・・。

  4. 元雑用係 より:

    >米ヒューストンに本部を置いているらしい、 “Watcher Guru” という、暗号資産などを取り扱うウェブサイトに16日付で、こんな記事が

    暗号通貨がどこまで行けるのか純粋に興味を持って見ていますが、界隈に集っている人々が金の匂いに釣られてる人が多いせいか、議論が雑になりがちなんですよね・・・(笑)
    同じく、暗号通貨アンチも雑なものが多いのですが。
    全ては欲望のせいですかね。

  5. クロワッサン より:

    >「言論の自由が保障されている民主主義国家」という共通点があり(なかにはそれらが若干怪しい国もありますが…)、

    ドイツは左派政権による思想統制・弾圧が粛々と進められていて、国民社会主義ドイツ労働者党ならぬ移民社会主義ドイツ労働者党みたいなもんかなぁと。

  6. アオキ より:

    BRICS共通通貨の金融における歴史的意義について説明しよう。

    現在の覇権通貨を持つ覇権国は米ドルを持つ米国。
    そして米ドルの価値を担保しているのが「ペトロ・ダラー」
    米国はこのペトロ・ダラーを海軍力を持って保障している。

    原油決済のドルからユーロへの変更を表明したイラクは侵攻され破壊。
    自国資源のアフリカ共通通貨での決済を主張したリビアは空爆で破壊。

    ところがBRICSは共通通貨を発表することでこれを打破した。

    実際に中国とブラジルは元-リアルで決済。
    中国は一部産油国とガスの元取引を実現し、一説ではすでに原油取引もされてるという。
    ロシア、イランは完全にドルなしでの原油決済を実現している。

    これを諸国が単独でやろうとしたら政権転覆か空爆となっていた。
    5か国同時にやったからさすがの米国も手が出せなかったのである。

    このようにBRICS共通通貨の歴史的意義はペトラ・ダラー脱却の道筋をつけたことにある。

    BRICS共通決済についてはドルの減価、毀損の副産物。

    https://x.com/balajis/status/1815516305740718369

    https://x.com/KobeissiLetter/status/1825228770329899079

    もうあらゆるデータや数字は今後のドル価値の減価、毀損を示している。

    西側以外の国はわざわざドルに付き合うようなことはしない。
    状況、場面に応じでドル、ユーロ、自国通貨を使用していく。

    そのような中で共通決済の話が出てくるのは(実現するかはともかく)ごく自然なことだ。

    ・BRICS共通決済システムに159カ国が参加する

    一昔前ならこんな事象はありえなかったこと。
    それがこの話題が平然と登場するところに米国と米ドルの弱体化がうかがえるのである。

    1. CRUSH より:

      >一昔前ならこんな事象はありえなかったこと。

      ドルからの離脱をつぶされた例に、橋本龍太郎が抜けてる。
      やり直し!(笑)

      そもそもユーロは?
      一帯一路も同じ意味ですよね?
      古今東西こういう動きはありましたよ。

      プロだけの話ではなくて1980年代に村上龍が
      『愛と幻想のファシズム』
      でドル以外の国際決済システムを小説のネタに使っていますし。

      昔からよくある話ではあるけれど興味深い動きであることは確かですね。
      まぁでも、米国が横やりを入れるか、自壊するかに、1ドンスコイ賭けます。

      相互に信頼してないから、勝ち逃げしようとするのですな、いつだって。
      まぁ、見ていればすぐに結果はわかるので、落ち着いて観察しましょうね。

    2. めたぼん より:

      >>一昔前ならこんな事象はありえなかったこと。

      ここ同感です。
      冷戦後にはドルが覇権を握り、世界中の国が決済にドルを必要とするようになり、アメリカはドルを刷ることで経常収支の赤字を埋められるようになりました。
      その立場を維持するために、ドルを介さない決済をしようとした国は徹底的に叩き潰してきました。
      しかし、それができなくなりつつあります。
      この傾向が広がって行くと、いつかはドル増刷で経常収支の赤字を埋められなくなる(ドルの需要が減って増刷すると暴落してしまう)日が来るのではないでしょうか。
      西側はドルの味方ではありますが、ユーロ圏はユーロ決済が可能なのであんまり困らないため、消極的な味方。
      本気でドルを守ろうとするのは日加豪などだけでしょう。
      現状を維持するためにはドル抜き決済システムは積極的に破壊しなければならない、それが無理ならアメリカは国債収支を改善しなければならない。
      もしアメリカが変化できないのであれば、日米安保を見直してドルべったりの立場を変えるしかない。

      素人の考えなので、私の懸念はどこかが間違っている方が良いのですが。

    3. アオキ より:

      CRUSH 氏

      私が挙げた事例はペトロ・ダラー脱却に挑戦して失敗した例です。
      橋本、ユーロ、一帯一路はペトロ脱却と何の関係もありません

      共通通貨や共通決済は実現しなくてもいいんですよ。
      それを名目、建前に各国が集結して自国通貨決済を行ってくれればいい。

      めたぼん 氏

      書かれている内容、懸念は正しいです。

      ドル抜きの決済が実現する国が存在するなどかつては考えられなかったこと。
      そして脱ドルに賛同する声を挙げる国も多いが、これも考えられなかったことです。
      これは米ドルの減価、毀損が目に見えているから実現しているのでしょう。

      私は米ドルが暴落する、デフォルトするとは言いません。
      ただ流通量に応じて相応のインフレが発生するのは経済の原理原則。
      そこで貧富の差が拡大し社会が分断されていくのもまた必然です。

      日本は米ドルから離れることはできません。
      それは橋本や中川の例を見ても明らかです。
      日本は戦後80年の発展の代償として米ドルと心中する運命にあるのです。

    4. めたぼん より:

      アオキ様

      デフォルトはしないですよね。
      ドル建ての国債ですから。
      日本の国債は国内で大部分を消化してますが、米国債は海外で消化している。
      新宿会計士様がよく書いてる、デフォルトの第二段階に来てます。
      もし消化仕切れなくなったら無制限にドルを発行するしかない、つまり暴落すると私は見てます。

      運命だからと言って座して死を待つわけにはいきません。
      心中しなくて済むように何かしなければならない。
      日本がアメリカから距離を置くというのはアメリカの死を早めることになるので強力な恫喝が来ると思いますが、もしドルが基軸通貨でなくなる、つまりアメリカが世界の中央銀行の地位から転落するのが確実であるなら、どれだけ恫喝されても離れるしかありません。

      新宿会計士様やCRUSH様と私は、ドルに代わる通貨は無いという点では一致してます。
      ユーロも無理だし人民元はもっと無理。
      しかし、私は【ドルに代わる通貨が無いこと=このままドルが世界の共通通貨であり続けること】だとは考えていない。
      私は、必ずしもドルを必要としない国が増えて行き、決済通貨が多極化すると考えてます。
      ドルの信用は、元々は金、スミソニアン体制以降は強大な経済力と軍事力にあったわけですが、その前提は既に失われかけており、今でもドルが基軸通貨なのは『他に代わる通貨が無いから、とりあえず今はドルが一番便利』という程度の消極的な理由でしかない。
      ドルも暴落することがあり得る、というのが現実化した時点で基軸通貨ではなくなると思います。

    5. アオキ より:

      めたぼん 氏

      この30年以上もドルは暴落する暴落する言われて暴落しませんでした。
      むしろ強くなっていて、私はそれにマヒしてしまったようです。
      確かに米国債が海外で処理しきれなくなり、そこに莫大な利払いが加わると暴落せざるを得ませんね。

      ご存じと思われますが現在の日本の弊害の多くが米国から来ています。
      この対米従属からの自立こそが日本にとって本当に戦後が終わったということ。
      そのためにはロシアが米国を打ち破ることが最良であり私はロシアを応援しています。

      このサイトで私だけが誰の賛同も得ずに一人で「通貨の多極化」を唱えていましたw
      現在の通貨体制の帰結は各国が独自に決済することになるのは当然のことです。
      (そこではBRICS共通通貨や共通決済も必要ありません)
      同じ意見の投稿者が表れてうれしい限りです(^^♪

    6. めたぼん より:

      アオキ様

      私は対米従属が必ずしもダメだとは思いません。
      従属していることによって現在の繁栄があるとも思うからです。
      今まではそれで良かった。
      弊害はあったけど、それを上回る恩恵もあった。
      しかし、それが終わりに近づいている。
      今のまま10年20年経過するとアメリカと共倒れになってしまう、でも日本にはアメリカの衰退を止める能力はない、であれば対米従属を止める他はない、という考えです。

      アメリカはドルの力を過信し過ぎたように思います。
      北朝鮮やイランは良かった。
      経済的に苦境に追いやることができました。
      しかし、ロシアに対しては結果的に失敗でした。
      西側との貿易をストップさせて経済を縮小させることはできたけど、困らせる程度の効果に終わり、その副作用としてドル抜き決済が広まってしまいました。
      中国とインドという将来の経済大国相手にです。
      特に問題なのは、BRICSにUAEが入っていること。
      サウジアラビアは様子見に回ったようですが、現時点の産油国でアメリカの味方と言えるのはクウェートぐらいしか残っていません。
      冷戦時代は東側諸国だけが特殊で、西側と第三世界はドル経済圏でした。
      しかし、BRICSの顔ぶれを見ると、西側だけが特殊で東側と第三世界はドル抜き経済圏に向かっている。
      非常に由々しき問題です。

      ドルは便利です。
      アメリカは自国とは無関係に世界各国が使うのに相応しいだけの量のドルを供給してきました。
      同じことをできる国は他にありません。
      ユーロは信頼度は高いけどアメリカのようにジャブジャブ発行してくれないし、人民元はそもそも自由に使える通貨ではない。
      なので、ドルに取って代わる通貨は存在しません。
      それでも、ドルを使わずとも普通に国家運営するのはできないわけじゃない。
      ロシアにそれを証明させてしまった。
      中東や南米には、便利だから使ってるだけでドル覇権を苦々しく思っている国がたくさんあります。
      しかもイスラエルの件で更に中東から嫌われてしまいました。
      アメリカが覇権を握り続けるなら、ロシアは徹底的に潰すべきでした。
      中途半端な制裁で状況を悪化させてしまいました。
      もしかしたら、もうアメリカには事態を打開する方法は残されていないかもしれません。

    7. アオキ より:

      めたぼん 氏

      完全に同意です。
      私が言いたかったことをそのまま言ってくれました。

      現在の状況は対米自立への千載一遇のチャンスです。
      日本も慎重にしたたかに生き抜いてほしいところです。

      「ロシアへの制裁は間違いだった」
      これを認められない西側の衰退は必須でありどうしようもないでしょう。

      BRICS+の本質は独自の強みを持つ資源国の集い。
      BRICS内で自国通貨決済を確立しグローバルサウスへ広げる。
      この流れは必然でありドル価値の毀損に伴いますます顕著になるでしょう。

      西側はグロサウから自分たちのやってきたことの報いを受けているようです。
      グロサウが西側かBRICSのどちらに付くかはもう明白。
      BRICS >G7 の世界秩序となります。

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