「バスには乗り遅れた」ものの…何も困っていない日本
「日本がアジアのインフラ金融から除け者にされてしまう」。今から10年ほど前、(どう考えても金融や建設業界の専門家とは思えない人たちから)この手の主張が展開されていました。「そこまでいうなら、見届けてやろうじゃないか」。当ウェブサイトではこう考え、それ以来、AIIBの出現により日本企業がビジネスチャンスを逸したという具体的な事例を探しているのですが、JICAのデータでもうひとつ、「証拠」が見つかりました。日本がアジアのインフラ金融にガッツリ食い込んでいる証拠が、です。
目次
AIIBという「バス」に乗り遅れた日本
以前の『AIIB「本業融資」はMUFGの5%相当にまで成長』でも説明したとおり、中国が主導する国際開発銀行である「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」は、ながらく本業融資で「鳴かず飛ばず」状態が続いていました。
最近でこそ、いわゆる「本業融資」と思われる金額2024年3月末で330億ドル程度であり、1ドル=140円で換算すれば約4.6兆円程度ですが、これもコロナ禍を奇貨として、なんとか本業が伸び始めたためと考えられます。
ただ、このAIIBが発足したのは2015年12月のことですが、当時は「このAIIBに日本が参加しないことで、日本はハシゴを外された」、「今後、日本はアジアのインフラ金融から『除け者』にされてしまうだろう」、といった言説を流していた人がいたことを、著者は忘れていません。
金融業界や建設業界などの専門家の間では、2015年の時点で「日本がAIIBに参加しなかったとして、日本企業がビジネスチャンスを失うことはあり得ない」とする主張はありましたが、一部メディアはこうした声を取り上げず、それどころか、「AIIBへの不参加は日本にとってマイナスだ」、などとしきりに報じました。
なかには日本政府の対応について、「AIIBというバスに、日本は乗り遅れた」、などと舌鋒鋭く批判する人すらいました(どうでも良いのですが、そう主張する人たちに限って、どう見ても金融業界や建設業界の専門知識があるようには見えなかったというのも興味深いところです)。
AIIB発足から9年弱:「日本が排除された証拠」は?
「そこまでいうなら、やってやろうじゃないか」。
著者自身はそう考え、以来、「AIIBの発足により、日本企業がビジネスチャンスを大きく逸している」という事実を探すようになりました。
ただ、当ウェブサイトではそれこそさまざまなデータを用いて検証しているのですが、AIIB発足から9年近くが経過するなかで、現在までのところ、「日本がAIIBのメンバーにならなかったことで、日本企業がアジアのインフラ事業で排除され、ビジネスチャンスを逸した」という事実は見つかっていません。
それどころか、これと矛盾するデータなら存在します。本稿で注目しておきたいのが、独立行政法人国際協力機構(JICA)のデータです。
JICAのウェブサイトに掲載されている『事業実績』をもとに、有償・無償協力の実態を調べ、アジア地域に就いて抜粋してグラフ化したものが、図表1です。
図表1 JICA事業実績(アジア地域)
(【出所】JICA『事業別協力実績(国、年度、分野分類別)』。なお、2023年分については、「有償」は『円借款(地域・国別融資実績)』の「承認額」と『技術協力(国/機関別・形態別・分野分類別経費実績)』を合算した数値)
こうやってグラフ化してみると、AIIBが発足した2015年以降に事業実績が「激減した」という事実はなく、(年による多少の変動はありますが)むしろ増加傾向にある、ということが確認できるのです。日本がアジアのインフラにガッツリと食い込んでいる、という言い方をしても良いでしょう。
なお、このデータ、2022年までのデータと2023年のデータについては、「拾い方」が正しいかどうかについては若干の疑問はあります。というのも、2023年分の「有償」は『円借款(地域・国別融資実績)』の「承認額」と『技術協力(国/機関別・形態別・分野分類別経費実績)』を合算した数値を用いているからです。
ただ、グラフの仕上がりで見れば、連続性で大きな齟齬はなさそうですので、とりあえず以下の議論ではこの数値を用いたいと思います。
JICA事業の場合、地域別ではアジアが多く、9割以上は有償支援
日本の相手国に対する支援はJICAを通じたものだけではありませんが、本稿では取り急ぎ、JICAを通じた支援の状況を確認していきましょう。
日本の外国に対する支援に対し、ネット上ではごくたまに、こんな趣旨の批判を見かけます。
「岸田(首相)は日本国民のカネを世界中に気前良くばら撒いている(から腹が立つ)。日本国民がインフレ(物価上昇)で苦しんでいるのに(けしからん)」。
これは、事実でしょうか。
残念ながら、この批判は正しいものではありません。
この有償・無償支援を、地域別に展開したものが、次の図表2です。
図表2 JICA事業実績(地域別、2023年、金額単位:百万円)
地域 | 有償 | 無償 | 合計 |
アジア地域 | 1,684,889 | 35,663 | 1,720,553 |
アフリカ地域 | 64,127 | 34,990 | 99,117 |
欧州地域 | 39,960 | 68,872 | 108,832 |
大洋州地域 | 4,944 | 4,792 | 9,736 |
中東地域 | 370,550 | 7,398 | 377,948 |
北米・中南米地域 | 38,124 | 3,564 | 41,688 |
全世界 | 68,170 | 0 | 68,170 |
合計 | 2,270,764 | 155,279 | 2,426,044 |
(【出所】JICA『事業別協力実績(国、年度、分野分類別)』。なお、「有償」は『円借款(地域・国別融資実績)』の「承認額」と『技術協力(国/機関別・形態別・分野分類別経費実績)』を合算した数値)
ここで、金額的に圧倒的に多いのはアジア地域であり、また、有償支援の割合は非常に高く、2023年実績でいえば、約2.43兆円の実績のうち「無償」は、せいぜい1553億円(すなわち全体の6.4%)程度であることが確認できます。
そして、有償支援とは、多くの場合、有利子での貸付です。すなわち、「支援」と銘打っていながらも、最終的には(貸倒さえ発生しなければ)利息付きで戻ってくるおカネ、と考えればわかりやすいでしょう。
相手国から感謝され、しかも利息付きで戻ってくる―――。
いわゆる「軍隊」を持たないとされる日本にとり、「世界中に味方を作る」という意味において、こうした有償支援は大変に有効な外交手段です。
国別ではインドがトップ:以下、バングラ、フィリピンなどが続く
そして、このJICAを通じた支援について、2023年を国別に展開してみると、図表3のとおりです。
図表3 JICA事業実績(国別、2023年、金額単位:百万円)
相手国・地域 | 有償 | 無償 | 合計 |
1位:インド | 813,713 | 0 | 813,713 |
2位:バングラデシュ | 328,052 | 3,266 | 331,318 |
3位:フィリピン | 300,889 | 313 | 301,202 |
4位:イラク | 249,420 | 0 | 249,420 |
5位:ベトナム | 107,426 | 1,133 | 108,559 |
6位:エジプト | 101,968 | 0 | 101,968 |
7位:ウクライナ | 3,824 | 68,872 | 72,696 |
8位:全世界(広域) | 67,917 | 0 | 67,917 |
9位:カンボジア | 60,198 | 1,704 | 61,902 |
10位:ウズベキスタン | 38,055 | 300 | 38,355 |
その他 | 199,303 | 79,691 | 278,994 |
合計 | 2,270,764 | 155,279 | 2,426,044 |
(【出所】JICA『事業別協力実績(国、年度、分野分類別)』。なお、「有償」は『円借款(地域・国別融資実績)』の「承認額」と『技術協力(国/機関別・形態別・分野分類別経費実績)』を合算した数値)
国別でみるとインドに対する支援が圧倒的に多く、これにバングラデシュ、フィリピンなどが続いています(図表4)。
図表4-1 JICA事業実績(インド)
図表4-2 JICA事業実績(バングラデシュ)
図表4-3 JICA事業実績(フィリピン)
図表4-4 JICA事業実績(中華人民共和国)
(【出所】JICA『事業別協力実績(国、年度、分野分類別)』。なお、2023年分については、「有償」は『円借款(地域・国別融資実績)』の「承認額」と『技術協力(国/機関別・形態別・分野分類別経費実績)』を合算した数値)
ウェブサイト報道「フィリピンで存在感増す日本」
金額は国・年によってバラツキがあり、また、日本による支援額が減っている国もありますが(たとえば中国に対しては2022年以降、有償・無償ともに支援実施額はゼロとなっています)、少なくとも「アジアに対するインフラ金融全般から日本が排除されている」というデータを読み取ることはできません。
それどころか、借り手のひとつであるフィリピンを巡り、『ザ・ゴールド・オンライン』というウェブサイトがこんな記事を配信していました。
「フィリピン・大型インフラ整備」で存在感増す日本…JICA融資総額、昨年度上回る見込み
―――2024/08/05 07:02付 Yahoo!ニュースより【THE GOLD ONLINE配信】
リンク先記事は一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が「フィリピンの現況」を解説するというもので、JICAによる融資総額が昨年度を上回る可能性がある、とするものです。
具体的には、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領が今年度の施政方針演説で、マニラ首都圏の地下鉄などのインフラプロジェクトにJICAが関与していると言及。そのうえで、今年のJICAによる融資総額は昨年実績の3,000~4,000億円を上回る予定だ、などとしています。
ちなみにこれらのプロジェクトのうち「南北通勤鉄道」はJICAとアジア開発銀行(ADB)が共同融資するプロジェクトで、総額8,730億ペソ(文中の為替レートだと約2.28兆円程度でしょうか)で、空港としないなどを結ぶ全長147㎞、35の駅と3つの車両基地を備えるプロジェクトだ、などとしています。
記事ではまた、インフラなどの主要プロジェクトの資金調達はODAに大きく依存しており、2022年のフィリピンのODA総額は99億6000万ドル、このうち日本の割合は30.75%で第2位の供給国だ、とも記載されています。それどころか、こんな記述もあります。
「2025年には、政府は合計2156.5億ペソのODAを求めています。このうち、1326.4億ペソは日本国際協力機構(JICA)から、324.7億ペソはアジア開発銀行(ADB)から、298.9億ペソは世界銀行の国際復興開発銀行(IBRD)からのものです」。
「また、アジアインフラ投資銀行(AIIB)から28.8億ペソ、中国から79.3億ペソ、韓国の経済協力基金(EDCF)から76.9億ペソ、国際農業開発基金(IFAD)から9.06億ペソなどの融資も視野に入れています」。
すなわち図表5のようなイメージです。
図表5 フィリピン政府の2025年ODA要求額
主体 | 金額 | 割合 |
JICA | 1,326.4億ペソ | 61.51% |
ADB | 324.7億ペソ | 15.06% |
IBRD | 298.9億ペソ | 13.86% |
中国 | 79.3億ペソ | 3.68% |
韓国 | 76.9億ペソ | 3.57% |
AIIB | 28.8億ペソ | 1.34% |
IFAD | 9.1億ペソ | 0.42% |
その他 | 12.4億ペソ | 0.58% |
合計 | 2,156.5億ペソ | 100.00% |
(【出所】『ザ・ゴールド・オンライン』の記事をもとに作成)
何のことはありません。
AIIBの出現によって、少なくとも日本がフィリピンのインフラ金融から排除されているという事実はなく、むしろAIIBはJICAやADBの「おこぼれ」により融資を獲得しているフシがある、ということです。
さて、ご自身の主張をお忘れなのでしょうか?
ただ、上記で見たとおり、少なくとも現在までのところ、「AIIBの出現によって」、「日本企業が」、「アジアのインフラビジネスの受注に失敗している」という大々的な証拠を見つけることはなかなかに困難であり、現実にはそれと矛盾するデータすら出て来ているわけです。。
今から10年近く前、「このままだと日本はバスに乗り遅れ、アジアのインフラ金融から排除されてしまう」、などと主張していた人たちは、現時点のAIIBとJICA、ADB、世銀などとの関係を踏まえたうえで、なおもそう主張なさるのか、気になるところです(というか、ご自身の主張すら忘れてしまっていたりするかも?)。
それともアレでしょうか。
「発展途上国におカネを貸すのは貸倒のリスクがあるから危険だ」、などと「宗旨替え」でもなさるのでしょうか?
いずれにせよ、当ウェブサイトとしてはもうしばらく、この「AIIBのビジネス」について、観察を続けてみたいと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
結局の所
過去の主張を引っ張ってきて
リベラル野党の提言を実施するべきだった
そうした事例は皆無です。
野党を育てると言いますが
経済や理科や算数が判るリベラル野党政治家の育成は進んでいるのでしょうか?
過去を忘れないために誰が「乗り遅れるな!」と騒いでいたのかコメンテータリストが欲しいですね!
おっしゃる通りだと思います。
気象情報。
かつて天気予報といえば、「ハズレるもの」の代名詞であったと記憶しています。
それが今では台風の予想進路なんかを眺めてみても数値解析の上で恐るべき精度で予測していることが窺われます。この世界は詳しくはないのですが、流体解析は難しく、実に素晴らしい理工学技術の成果の一つと思っています。これらシステムの研究開発運営に関る方々には敬意を表します。
一方、この手の怪説を繰り出すコメンテーターや特定野党の方々など。
一体全体彼らはどのような秀でた技術や知識経験などのバックボーンがあるのでしょうか?多分何にも無いでしょう。仕事のアウトプットは仕事の質と量の積に概ね比例すべきだと思っていますが、彼らの仕事の質は殆どゼロ。なので量が多くてもアウトプットはほぼゼロ。数多の「地上の星」を差し置いて、連中がのうのうと良いメシを喰っているのは世の不条理と感じてしまいます。
「有償支援の割合が圧倒的に多いからバラマキ批判は的外れ」との考えには簡単にはくみせません。何年か前米国オバマ政権時代米国とキューバ間の関係改善ムードのなか日本も関係改善に前のめりで数千億円規模の有利子負債をチャラにした記憶が有ります。キューバはその後も北朝鮮関連でも変わることは有りません。その前からも新聞記事でアフリカ諸国への債務免除を目にすることが時々有りました。返済困難であろう国々への借款に不安を感じるのは小生だけでしようか。
いつもお疲れ様です。
「バスに乗り遅れるな」…なんかこのフレーズ、第二次世界大戦の時期にも使われてませんでしたか。
結局はロクな見識も実務経験もない自称アドバイザーということなのでしょうか
バスに乗る目的は目的地に行くこと。
日本にとって行きたい目的地では無かっただけのこと。
もっと言うと、目的地に向かうバスに乗るのはまだ目的地に居ない人。
日本はもう目的地に居る。
たとえ目的地に向かうため、その方面のバスに乗る必要があったとしても、同乗するのが憚られる方々がおられれば、次のバスでも翌日のバスでも良い。
手段と目的をいつも間違える、尚且つ目的地にも到達していない方々への対応としては充分だったかと。(関わらないことが最良)
>このままだと日本はバスに乗り遅れ、アジアのインフラ金融から排除されてしまう
こう主張していた人達は、衰退する米国と勃興する中国が時代の流れだと受け止めて、中国にベットしろ、オールインしろって言ってたんでしょうけど、結果としては見事に外した形ですね。
米国とぶつかる前に衰退し始めた中国。
勝てば我が世の春、負けても自由民主主義国家陣営ならば中国にキッツい仕打ちをしないんじゃないか?と期待出来る事から、やるかやらないかなら「やる」のが正解だと考えるんですけどね。
破滅するのは習皇帝と中国共産党一党独裁体制ぐらいでしょうし。
>金融業界や建設業界などの専門家の間では、2015年の時点で「日本がAIIBに参加
>しなかったとして、日本企業がビジネスチャンスを失うことはあり得ない」とする主張は
>ありましたが、一部メディアはこうした声を取り上げず
>「AIIBというバスに、日本は乗り遅れた」、などと舌鋒鋭く批判する人すらいました
>(どうでも良いのですが、そう主張する人たちに限って、どう見ても金融業界や建設業界の
>専門知識があるようには見えなかったというのも興味深いところです)
前者の専門家たちはきちんとリスク計算をしていた様ですね。
「台本を読む事を拒否し、メディアの不興を買ってでも、デジタルタトゥーは避ける」
ネット>メディアになりつつあるこの時代、彼らは先見の明があったと言えるでしょう。
後者の人達は……元からメディアがなくては生きてはいけない人達かな?
十把一絡げで考えるのは危険だけど、どうしてもそういうイメージを持ちたくなる。
懐かしいですねえ(^^)
「日本はバスに乗り遅れるな!」と
口にあわを飛ばしながら主張していた人たちを
日本のマスコミさんでそうだそうだと
応援の大合唱だったあの時を思い出します。
まあ、今は素知らぬ顔をしている人たちに
今こそインタビューするのが
本来のマスコミの使命なのですが、
日本においては彼らは、
モリカケでっち上げなどで騒ぐことしか
関心がないのには呆れます。 (^^);
さて、AIIBについては当時も
金融分野の友人と意見交換したなかから、
以下のような位置づけで見てました。
①中国は自国の過剰な生産力が
バブル崩壊となるところを、
「一路一帯」というキャッチフレーズで
発展途上国に返済不能な融資をしてしのいだ。
②しかし、既存融資が当たり前に焦げ付き出す中で
元来、国際支援はお題目で自国の利益しか
考えない中国は、もはや新たな融資しようにも
担保価値がないので行き詰まった
③そこで、AIIBを設立して日本にかもねぎ出資させ
いわば無担保で肩代わりさせることで
空いた担保でさらなる中国の債務の罠ウッシッシ
というスキームだったと思います。
そのため動いたエージェントさんたちがしきりに
「日本はバスに乗り遅れるな!」と勧誘したものの
結局日本は騙されず参加しませんでした。
中国は、AIIBに中国の自分の金出してでは
肝心の担保飛ばしの効果がないので諦めて
結局今の状態、日本中堅地銀以下のしょぼい現状
となっているのです。
ただ、そのために
期待され白羽の矢を立てられて
AIIB理事の肩書までの餌をもらった
鳩ポッポさんとかは
「おい ただ飯喰らい 働け!」
的なプレッシャーから今となっても、
AIIB参加するべきだった(笑)と
小声で口に出す必要があるんだろうなあと
憐れに観察しています。