「街中シール問題」で自民党に後れを取った立憲民主党

7月7日に実施された東京都知事選は、ある意味において、「歴史に残るもの」だったと思います。なぜなら、これまで新聞、テレビを中心とするオールドメディアから「報道しない自由」で守られてきた特定野党の政治家の素行が可視化されたからです。あるいは、ネットとオールドメディアの地位が逆転するに至って、「報道しない自由」が機能不全に陥りつつある、と言い換えれば良いでしょうか。

もう2週間以上が経過した都知事選と「Rシール」問題

7月7日に実施された東京都知事選から、早いもので、2週間以上が経ちました。

ただ、普段であれば、選挙に関する話題など、選挙が終わってから数日で世間から忘れ去られてしまうものですが、今回の都知事選に関しては、違います。

齊藤蓮舫氏は選挙後2週間の行動で国政復帰が困難に?』を含め、当ウェブサイトでもしばしば話題として取り上げて来たとおり、立憲民主党に所属していた「蓮舫」(れんほう)こと齊藤蓮舫(村田蓮舫、謝蓮舫)・前参議院議員らを中心に、選挙後約2週間、この話題が「炎上」し続けていたのです。

その大きな「火種」のひとつが、「Rシール」問題です。

これは、齊藤蓮舫氏の一種のトレードマークである「R」をかたどったシール(ないしステッカー)を、齊藤蓮舫氏の陣営(あるいは勝手連)と見られる者たちが、東京中の繁華街や交通標識などに、ベタベタ貼りまくっていたとされる問題です。

齊藤蓮舫氏の「誤算」

こうしたシールが街中の公共の場に貼られるというのも、じつに迷惑な話です。

しかし、これに輪をかけて人々の怒りを誘ったと思われるのが、齊藤蓮舫氏自身の、「まったく意味がわかりません」発言です。

これは『Rステッカー問題から徹底的に逃げる齊藤蓮舫氏が話題』でも取り上げたとおり、選挙戦の当日(7月7日)夜、齊藤蓮舫候補がこの問題について産経新聞の記者(奥原慎平記者と思われます)から尋ねられたところ、「まったく意味がわかりません」と言い放ったものです。

しかも、会見の模様を見ていると、産経の記者は質問の方法を変え、丁寧に噛み砕いたうえできちんと状況を説明しているにも関わらず、齊藤蓮舫氏は「そんな問題、初めて聞いた」といわんばかりの表情ですっとぼけているのです。

ただ、齊藤蓮舫氏の側にひとつ誤算があったとすれば、ネットの発達は急速で、この会見の模様がX(旧ツイッター)などネット上で何度も何度も再生されたことです。

おそらく、東京都民を含め、これを視聴した多くの日本国民は、この会見を見て呆れ果てたのではないでしょうか。

現にネット上の騒ぎを無視できなくなったためか、齊藤蓮舫氏の側は選挙が終わって数日が経過した段階で、シールを貼った者たちに「原状回復」を呼び掛けていますし(※ただし呼び掛けたのは秘書の方だそうです)、また、大手テレビ局ですら、この騒動を取り上げるに至りました。

都民の税金でシールを剥がすと齊藤蓮舫氏はどうなるか』などでも取り上げましたが、「あの」テレビ朝日ですら(失礼!)、JR新宿駅周辺などに貼られた「Rシール」の現状を報告する番組を放送したほどです。

自民党に「政治利用(?)」されてしまったRシール問題

正直、齊藤蓮舫氏の陣営、あるいは(彼女はすでに離党済みであるとはいえ)所属していた立憲民党の陣営にとっては、このシールをそのまま残しておくと、大変に良くない結果をもたらしかねません。

有権者の側としては、街の美観を汚すこのシールを見るたびに、「蓮舫」という単語を思い出すわけであり、そのことは人々の潜在意識に働きかけるなどし、こうした潜在意識は選挙のたびに人々の投票行動に大きな影響を与えかねないからですが、話はそれだけではありません。

「Rシールを都民や区民の税金で剥がす」ということになれば、齊藤蓮舫氏らが「税金を無駄遣いさせること」を通じて都民・区民に損害を与えた人物として記憶されることになりますし、また、自民党区議あたりがボランティアでシールを剥がせば、それだけで立憲民主党にとってマイナスとなるからです。

だからこそ、当ウェブサイトとしては、『自民党への支持率上昇は「齊藤蓮舫効果」によるものか』を含めてこれまで何度か述べたとおり、立憲民主党としては、自民党に「政治利用」(?)されないうちに、さっさとシールを特定して剥がしておいた方が良いのではないか、などと指摘して来たつもりです。

ところが、どうも間に合わなかったようです。

自民党の杉並区議であるわたなべ友貴氏(※漢字不詳)や門寛子氏が炎天下、一緒にシールを剥がす活動を行い、それをXにポストしたのです。

もちろん、ポストを見ても、両名が行っているのが「Rシール」なのかどうかは不明なのですが(何のシールを剥がしているのかをめいげんしないあたり、良い意味で「狡猾」です)、「何らかのシールを剥がす活動」を自民党の政治家が行うだけで、立憲民主党には大きなダメージが生じかねません。

都知事選は歴史に残る選挙だった

いずれにせよ、こうした「事態収拾能力のなさ」は、齊藤蓮舫氏、あるいは立憲民主党の特徴なのかもしれません。

著者自身はこれについて、新聞、テレビなどのオールドメディアに甘やかされた政治家の末路だと考えています。

あくまでも著者自身の主観ですが、オールドメディアはこれまで、立憲民主党などの特定野党の議員にはやたらと甘く、ときとして「報道しない自由」で全面的に守っていたフシがあるのですが、特定野党議員の側もそれが当たり前になってしまっていたのではないでしょうか。

それが、新聞、テレビなどを含めたオールドメディアの利用時間が60代未満のほぼ全年代でネットと逆転するなどした結果、「報道しない自由」が機能不全に陥ったことで、特定野党議員のレベルの低さが可視化されてしまったのでしょう。

その意味では、今回の7月7日の都知事選は、ある意味では「歴史に残る選挙」だったのではないか、などと思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 引きこもり中年 より:

    今なら、(政治家なのか、芸能人なのかは別にして)Rシールを剥がして、それをX(旧Twitter)に投稿すれば、いい宣伝になる、ということでしょうか。

    1. 引きこもり中年 より:

      毎度、ばかばかしいお話を。
      立憲:「蓮舫元議員は、離党しているので立憲とは無関係だ。Rシールをみて立憲と関連づけるのはやめてもらいたい」
      ありそうだな。

      1. 紙会社の人 より:

        おっしゃるとおり、Rikkenと関連付けるのはやめて、と思っていそうです。

        1. ドラちゃん より:

          理研?
          ああ利権のことか
          納得

    2. 引きこもり中年 より:

      毎度、ばかばかしいお話を。
      ○○:「次の都知事選まで、Rシールを残しておこう」
      さて、この○○には、何が入るでしょうか。

  2. 駅田 より:

    結局の所こうした行動一つ一つが不支持に繋がります。
    他人に厳しく自分達は超甘い体質。

    支持されない理由を女性差別と自分に言い聞かせてますが
    一向に本当の理由からは目を背けています。

    1. 引きこもり中年 より:

      駅田さま
      >支持されない理由を女性差別と自分に言い聞かせてますが
      女性差別ということにしていけば、自分や仲間が傷つかないですむからでは。
      蛇足ですが、「自分が落選したのは、選挙に不正があったからだ」と言って、日本の地下鉄にサリンを撒いた(その時限定の)新政党がありましたけ。

  3. sqsq より:

    Rシール、何枚貼ったか知らないがはがしても捨てずにとっておけば将来「なんでも鑑定団」でお宝になるかも。

    1. カズ より:

      「黒”R”ekiシール」ですね。

      ”R”は、Rithuminのアール。
      ”R”は、Redのアール。
      ”R”は、Renhoのアール。

      ”R”は、Rakusenのアール。
      ”R”は、Rakuinのアール。
      ・・。

      1. クロワッサン より:

        レイシスト《racist》の《R》が抜けてます(*^_^)

  4. 農民 より:

     サッカー日本代表の試合後の日本サポのゴミ拾いが称賛されたのは記憶に新しいと思います。立つ鳥跡を濁さずという美意識が古くからあります。日常でも、落ちたゴミに出くわしたらその人が出したゴミではなくとも拾っていくというのが模範的とされますし、「私の出したゴミじゃないじゃないか」という態度は好まれません(正当であり非難されるべきではないと思いますが)。
     溢れるどんな事例から考えても、「意味がわかりません(私達が貼ったんじゃありません)」という態度は、真偽に関わらず悪手でした。”正解”は、日本人的価値観を持っていればすぐにわかったはずというか、日本人的価値観に対する正解を捻り出すべきだったというか。

     そんな私達にはちょっと考えればわかる程度の正解が出せない”R”陣営は、「回収にまわることは罪を認める事になってしまうし、罪を認めるなどあってはならない」などという価値観をお持ちなのでしょうね。それが何故なのかは言及しませんが。

    1. はるちゃん より:

      >罪を認めるなどあってはならない」などという価値観をお持ちなのでしょうね。

      特亜三国に共通していますね。
      日本人として長年暮らしていても本質は変わらないのでしょう。

  5. めがねのおやじ より:

    普段東京に居ないせいか、「斎藤蓮舫氏の話題はもういいじゃないか」「ええ加減にせいよ」と言うのが本当のところです。目に見える範囲に「R」シールと言う既に退色して剥がれかけとか、粘着物凝固とかが無い為です。都市の美観には自信がありますから(笑)。しかし、会計士さんのサイトやSNS、X等では酷い様子。立憲民主党や斎藤蓮舫氏本人と支持者らは、剥がして現状回復する気が無いのでしょう。オールドメディアは重い腰をようやく嫌々上げたようですが、立憲民主党には特に甘い。次いで社民党、日本共産党、日本維新の会にも甘い対応が見られる(K党は分かりません)。逆に貼られたままというのも、敗戦を浮き彫りにしてくれて、いい感じですね(責任者、剥がせよ)。

  6. アオキ より:

    久しぶりの書き込みとなる。

    まず、今回の都知事選について蓮舫の惨敗だったと素直に認める。

    ・立憲共産の存在ややり方が嫌われている
    ・極左アイコンはもうトップになれない
    ・支持層の高齢化から極左政党は衰退していく

    これらもすべてそうだと素直に認める。

    ただ、私が目指しているのは日本の左傾化、極左化。
    これを実現してくれるならば行為主体は何でもいい。

    最近に実現した主な政策を見てみよう。

    ・韓国への国際法違反での譲歩
    ・LGBT法成立とその後の各判決
    ・積極的な移民推進
    ・積極的な留学生優遇
    ・国立公園への外資誘致
    ・森林を破壊しての太陽光パネル設置
    ・中国人による火葬場占拠と値上げ
    ・中国人が寺院を買いあさり
    ・中国とワクチン共同開発
    ・国交省によるトヨタ潰し

    見事なまでの左傾化政策だ。
    立憲共産にはできないことを自民左派と公明がやってくれている。

    よって立憲共産はこのままでよい。
    適度にドタバタしながら左端からヤジやアジをやってればいい。
    ここの皆様も立憲共産を思う存分叩けばいい。

    これで与党による左傾化が進んでいくだろう。

    私はとてもゴキゲンだ(^^♪

    1. 匿名 より:

      そもそも貴方は何故そんなに左翼化して欲しいの?
      日本にとっては何のメリットも無いことは自身で明らかにしているのに、正直理解出来ない。そんなに日本と日本人を滅ぼしたいの?
      それが貴方にとって何のメリットがあるの?

      あと、HNは左翼を表すアカギにでも変更したらいかが?

    2. クロワッサン より:

      挙げられた左傾化政策を見ると、極左というより自傷系ドMに見受けられますけどね。

    3. クロワッサン より:

      蓮舫が惨敗しても支持者がご機嫌だってのは、惨敗した蓮舫が浮かばれないですねぇ。。。

    4. 雪だんご より:

      おや、お久しぶりで。お変わりありませんね。

      本音を全く隠さない所は好感が抱けますが、
      「そんなに上手くいくとはとても思えないなあ」
      と言う印象ばかり抱くのも相変わらず。

      オールドメディアが末期癌患者の様に弱っている昨今、
      もはや主導権は「右傾している」と見なされやすいネット側に移っている。
      あなたの言う”極左”に残されている時間はあまりにも短すぎると思うのですが……

    5. クロワッサン より:

      ついでに言えば、挙げられた左傾化政策には日本の若者達が将来の自分達の暮らしに希望を持てるような内容が入ってなくて、極左思想って対日レイシズムと根っこで繋がってるのかな?と。

    6. 匿名 より:

      下らないアラシやめなよ

    7. アオキ より:

      クロワッサン 氏

      これらの政策を極左ではなく保守本流の(元)宏池会が行っているのが要点。
      そして一般層、保守層からの反発がそこまで見られない。
      私が満足いているのだから、彼らが満足するわけないのですがw

      もし立憲共産がこれらの政策を行おうとする。
      ならば一般層、保守層は蜂の巣を突いた様な大騒ぎとなるでしょう。

      やはり立憲は野党第一党に徹し、政策は自民左派に任せるべきです。

      雪だんご 氏

      お久しぶりです。

      極左親BRICSの私の意見は基本的にここでは受け入れないでしょう。

      極左やマスコミの衰退は素直に認めています。

      意見の対立の中で現実世界がどう推移するかとなります。

      1. 裏縦貫線 より:

        木を倒すならば、外側から鋸を入れるよりも幹の中を腐らせるほうが楽かも知れませんね。

      2. クロワッサン より:

        ドイツで緑の党が与党入りしてドイツ社会が混乱と機能不全に陥っている様を観ると、挙げられた政策は一応是々非々で抑制的に為されている事が窺えます。

        例えば『韓国への国際法違反での譲歩』だと、立憲共産党政権なら日本企業に財団への寄付を推進しただろうし。

        岸田文雄が色々やらかしても日本社会はまだ堅調だし、願望込みで岸田文雄のやらかしを過大評価してるだけに見えますけどね。

  7. 化外の人 より:

    わたなべ友貴区議の
    「汚いシール」
    の表現には思わずおビールをキーボードにぶちまけるところでした。
    Rシールが汚物ともとれるしそもそも公共物に勝手に張られたシールなぞ景観を損ねる汚いものなのでRが汚いものと言っているわけではないともとれるしさすが政治家、言葉を上手にそしておそらく大事になさっておられるようですね。

    ちなみにサイト主様の
    「村田斎藤謝蓮舫」
    の表現も声に出して読むと
    「巨人大鵬玉子焼き」
    のリズムになって言葉の楽しさ、良さがでていて良いですよね。

  8. クロワッサン より:

    そう言えばブーメランの達人たる蓮舫の擁護にカマラハリス候補を挙げる声が出てきてますが、

    もしかしてカマラハリス候補って口は達者だけど実務能力は期待するだけ無駄な政治家ならぬ活動家なんでしょうか?

  9. 匿名 より:

    ダメージコントロールって大切ですね。そっち方面のアドバイザーはいないんだろうか?支持者にアジテーターしかいないのかな?支持者と一緒にR諸々のシールを剥がして歩けば評価は逆転していただろうに。

  10. 引きこもり中年 より:

    本日の朝日新聞のヒトコマ漫画は、Rシールの東京都知事選(元)候補を批判するものでした。ということは、蓮舫元議員は又、朝日新聞に抗議するのでしょうか。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告