メルカトル大国・ロシアは着実に、内陸国となりつつあるようです。スウェーデンが7日、NATOに入ったことで、バルト海が事実上、NATOの「内海」と化しました。ウクライナ戦争では局所的に勝利を収めているのかもしれませんが、戦略的には敗北しつつあるのかもしれません。
ウクライナ戦争は依然として、予断を許さない状況が続いており、戦況は芳しいものとは言い難いようです。
もしもロシアという無法国家が戦争に(部分的とはいえ)勝利を収めるようなことがあれば、それは「軍事力がある国が武力によって国境線を変更することに成功した事例」となることは間違いなく、そうなれば、「次の無法国家」が出現するリスクもあります。
それだけは、絶対に避けなければなりません。
とりわけ台湾に対する武力侵攻の可能性を公言している中国の存在は不気味ですし、台湾有事は日本有事でもあります。一部報道では、欧米諸国には最近、ウクライナへの「援助疲れ」があるとの情報も見られますし、ウクライナは局所的に善戦しているものの、最近だと弾薬不足も目立つようです。
もしもウクライナが力尽きてロシアに降伏し、あるいは(ロシアに有利な条件での)講和条約などを結べば、それは明らかにロシアの思うツボです。
ただ、こうしたなかで、久しぶりにロシアにとっては大変に困った状況も出て来たようです。
スウェーデン、NATO正式加盟 32カ国に拡大
―――2024年3月8日 05:00付 ロイターより
ロイターなど複数のメディアによると、スウェーデンが7日、北大西洋条約機構(NATO)に正式加盟しました。NATOの拡大は昨年のフィンランドに続くもので、スウェーデンは「32ヵ国目のNATO加盟国」となった、としています。
これにより、ロシアが面する海域のうち、バルト海は、ロシアにとってはほぼ完全な「内海」となってしまった格好です。
メルカトル図法で見るとロシアは大国ですが、現実にはロシアが持つ「外洋」への出口といえば、北極海やカムチャツカ半島などを除けば、せいぜい第二次世界大戦後に旧ソ連が不法占拠し続けている千島列島や北方領土くらいしかなくなったという言い方もできるかもしれません。
すなわち、ロシアはメルカトル的には大国かもしれませんが、着実に「内陸国」となり続けている、というわけです。
ちなみにロイターはスウェーデン軍について、こう述べています。
「スウェーデンはバルト海の状況に対応する最新鋭の潜水艦のほか、自国製のグリペン戦闘機などを保有。NATOのストルテンベルグ事務総長は声明で『スウェーデンの加盟でNATOが一段と強固になると同時に、スウェーデンとNATO全体がより安全になる』とした」。
ロシアはウクライナで局所的な勝利を収めているのかもしれませんが、それと同時に戦略的には敗北しつつある、ということでもあるのかもしれません。
View Comments (9)
軍事同盟の存在意義は、侵略行為ではなく、「潜在的脅威への牽制」を目的としたものです。
ロシアの振舞いが脅威でなければ、近隣・旧ソ連衛星国が ”西進” する必要など無いのかと。
泥沼戦争の終わりが見えませんね。ロシアが「何かを得られるか、何も得られないか」で
今後の世界の流れが大きく左右されそうなので、「なんの成果も得られませんでした」で
終わって欲しい物ですが……
プーチンが居なくなれば状況は変わるでしょうか?それとも責任を取りたくない重鎮たちが
影武者を仕立てるなり死を隠すなりして、何も変わらないでしょうか?
国際指名手配中のプーチン容疑者(71)が
悪あがきを続ける中で
人類の未来に向けて大切な一歩だと考えます。
世界に君臨する偉大なるロシア(笑)を喚く
プーチン容疑者はお笑いで
極寒不毛の地をいいことに
せこく領土を拡大するのみならず
思い上がりが ウラメニデールプーチンのように
思い上がって世界の平和を脅かすようでは
アザラシの皮を剥いで行商に来てた
さもしい先祖の位置づけに戻ることこそが
ロシアにはふさわしいものです。
そんなならず者のプーチンですが
ならず者国家つながりで北のゴキブタ将軍や
あほづらプーさんなどは困ったものです。
さらには、
民主主義国家日本においても
ご自身の思い上がりのようにはあたりまえに
世間には認めては貰えない
そんなこんなの少数の人たちが
「プーチンさんは ワテらならず者のヒーローや!」
的な主張を、正直にそうとはいわず
通用しない下手くそな正義を騙った文字の羅列で
メディアやネットを汚しているのに眉を顰めます。
メルカトル大国・ロシアのほかにも日本のそばには、ウリカトル大国の韓国なんて国もありますね
https://www.youtube.com/watch?v=6ehn4xRPkBU
バルト海封鎖が現実のものとなりそうなのはいいことです。
さてフィンランドとロシアの国境線は実は確定していないのだそうです。ロシアがかっぱらって占領している。中心都市はムンマルスク。西側企業が撤退した Arctic LNG2(画像検索)と宇宙ロケット打ち上げ基地があり、北極海航路開発で重要な役割を果たす。揉めそうです。
割譲されたカレリアが祖国ファンランドに復帰されることを心よりお祈り申し上げます。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000256232.html
Daniil Orain くんの 1420 Russia 街頭インタビュー、機微なことをずばずばと尋ねていますが、不当な手段で手に入れた領土のことはいろいろとロシア人はちゃんと認識しているみたいです。聞かれてもとぼけたりしてます。
戦争は終わらない限り膨大な物資を消費し続ける。このまま続くとロシアはさらに疲弊しその結果ロシアの衛星国らもロシアから離れていくかもしれない。場合によってはロシアと周辺国の軍事バランスが崩れる可能性すらあるかもしれない。
北方4島が戦略的要衝になってきませんかね、これは・・・