欧州で日本酒が人気だとされているなか、読売新聞は24日、欧州連合(EU)が2030年以降、瓶などの再利用を義務付ける新規制を導入すれば、EUへの日本酒の輸出が事実上禁止されると報じました。ただ、そもそも統計上、2023年における清酒の欧州向け輸出額は19億円ほどに過ぎず、トータルで100兆円を超える日本の輸出に占める割合は微々たるものです。もっといえば、日本酒にはカップ酒やパック酒などの製品もありますので、欧州向けは瓶ではなくパックに詰めて輸出すれば済む話ではないでしょうか。
目次
「数字」に基づく議論はとても大事
当ウェブサイトで普段から指摘している通り、政治、経済などを議論するのであれば、最も重視すべき要素のひとつが「数字」です。現実の数字を無視した議論を展開しても、そこから出て来る「処方箋」は、正しいものにならない可能性が高いのです。
その典型例が、産業構造に関するものです。
先日の『1月の訪日外国人は過去最高水準』でも取り上げたとおり、日本を訪れる外国人観光客は増え続けており、2024年1月の訪日外国人も、1月としては過去最高だった2019年の水準に迫る、歴代2番目に多い人数を記録しました。
この点、経済波及効果などを考えれば、外国人観光客が増えていること自体は歓迎すべきことです。
しかしながら、統計上、外国人観光客などが日本国内で消費する金額は、多くても年間せいぜい10兆円前後です。この金額は非常に大きいものではありますが、これまでに当ウェブサイトにて指摘してきたとおり、日本の輸出額は2023年実績で100兆を少し超えています。
輸出産業という意味では、日本にとっては観光業よりも、製造業の方が遥かに重要です。
『日本悲観論者は黙って「セルジャパン」をすればよい話』などでも指摘したとおり、一部の「日本悲観論者」は「少子高齢化が進む日本はこれから中韓両国から留学生をどんどん受け入れ、観光立国も目指すべき」、などと主張しているようですが、これなども現実の数字を無視した、かなりトンチンカンな主張と言わざるを得ません。
(※どうでも良いのですが、「少子化」という意味では、中韓両国の方が日本よりも遥かに深刻だったりするわけですが…。)
日本の輸出品目は「モノを作るためのモノ」が中心
その「100兆円あまり」に関し、当ウェブサイトでときどき取り上げている通り、現在の日本の輸出品目は、工業製品が中心です。
2023年の例でいえば、輸出額はトータルで100兆8817億円だったのですが、「概況品目」でいえば、「機械類及び輸送用機器」というカテゴリーだけで金額は58兆8295億円、すなわち約6割弱を占めていて、これに「原料別製品」「化学製品」とあわせればちょうど8割に達することがわかります(図表1)。
図表1 日本の輸出概況品目別内訳(2023年)
項目 | 2023年 | 構成割合 |
輸出合計 | 100兆8817億円 | 100.00% |
1位:機械類及び輸送用機器 | 58兆8295億円 | 58.32% |
2位:原料別製品 | 11兆5443億円 | 11.44% |
3位:化学製品 | 11兆0247億円 | 10.93% |
※1~3位合計 | 81兆3984億円 | 80.69% |
4位:特殊取扱品 | 9兆7060億円 | 9.62% |
5位:雑製品 | 5兆4207億円 | 5.37% |
6位:鉱物性燃料 | 1兆6218億円 | 1.61% |
7位:原材料 | 1兆5548億円 | 1.54% |
8位:食料品及び動物 | 9204億円 | 0.91% |
9位:飲料及びたばこ | 2075億円 | 0.21% |
10位:動植物性油脂 | 520億円 | 0.05% |
(【出所】財務省普通貿易統計データをもとに作成)
しかも、「工業製品」といっても、自動車を除けば、私たち一般人がイメージするような家電だの、PCだのといった品目ではありません。半導体等製造装置などの生産装置、半導体等電子部品、化合物、科学光学機器などの中間素材など、いわゆる「モノを作るためのモノ」が中心です。
日本の輸出品目に占める最終製品は自動車くらい?
これについて確認するうえでは、図表1のなかから「機械類及び輸送用機器」のカテゴリーのみを抜き出し、その詳細を確認する(図表2)のが早いかもしれません。
図表2 日本の輸出概況品のうち、「機械類及び輸送用機器」(2023年)
項目 | 2023年 | 構成割合 |
機械類及び輸送用機器 | 58兆8295億円 | 58.32% |
うち自動車 | 17兆2652億円 | 17.11% |
うち半導体等電子部品 | 5兆4942億円 | 5.45% |
うち自動車の部分品 | 3兆8836億円 | 3.85% |
うち半導体等製造装置 | 3兆5348億円 | 3.50% |
うち原動機 | 2兆9273億円 | 2.90% |
うち電気回路等の機器 | 2兆1242億円 | 2.11% |
うち建設用・鉱山用機械 | 1兆9647億円 | 1.95% |
うち電気計測機器 | 1兆8851億円 | 1.87% |
うちポンプ及び遠心分離機 | 1兆5482億円 | 1.53% |
うち重電機器 | 1兆4896億円 | 1.48% |
うち事務用機器 | 1兆4142億円 | 1.40% |
うち船舶類 | 1兆3650億円 | 1.35% |
うち金属加工機械 | 1兆1485億円 | 1.14% |
(【出所】財務省普通貿易統計データをもとに作成)
これで見ると、「機械類及び輸送用機器」カテゴリーのトップは自動車であり、金額は17兆2652億円、輸出全体に占める割合は17.11%で、これに「自動車の部分品」なども含めると、自動車産業全体で輸出全体の20%以上を占めていることがわかります。わが国において自動車産業がいかに大切かという証拠です。
ただ、自動車を除けば、「半導体等電子部品」、「半導体等製造装置」、「電気回路等の機器」といった具合に、日本の輸出品目のなかには「最終消費財」というよりも、やはり「モノを作るためのモノ」が多いことがよくわかります。
また、1~3位のカテゴリーに含まれないものとして、たとえば5位の「雑製品」のなかに含まれている「科学光学機器」(金額は2兆4969億円)も、おそらくはこうした「モノを作るためのモノ」に含まれるものであるため、日本の輸出額全体のざっと7割前後が、こうした「モノを作るためのモノ」であると考えておいて良いでしょう。
どうして日本の産業がこんな状況になってしまったのかといえば、おそらくは30年という時間をかけ、中国など労働力が安い地域に「モノづくりの拠点」としての地位を奪われていったからだ、という事情もあるのかもしれません(※ついでにいえば、この30年はちょうど日本がデフレ圧力にさらされていた時期とも重なります)。
すなわち、産業の「川上」部分だけが日本に残り、「川下」部分が失われていった結果が、この輸出構造からも見えてくるといえるでしょう。
日本は「資源の輸入大国」なのか?
なお、少しだけ余談ですが、この「日本からは川下産業(とりわけ単純な組立工程)の機能が弱体化している」という点については、輸入側の統計からも明白です。というのも、日本の輸入額に占める品目としては、最終製品(川下製品)の割合が大変に多いからです(図表3)。
図表3 日本の輸入概況品目別内訳(2023年)
項目 | 2023年 | 構成割合 |
輸入合計 | 110兆1711億円 | 100.00% |
1位:機械類及び輸送用機器 | 31兆5307億円 | 28.62% |
うち半導体等電子部品 | 4兆6748億円 | 4.24% |
うち通信機 | 3兆9457億円 | 3.58% |
うち事務用機器 | 3兆1036億円 | 2.82% |
2位:鉱物性燃料 | 27兆3142億円 | 24.79% |
うち原油及び粗油 | 11兆2868億円 | 10.24% |
うち石油ガス類 | 7兆4301億円 | 6.74% |
うち石炭 | 5兆8913億円 | 5.35% |
うち石油製品 | 2兆6532億円 | 2.41% |
3位:雑製品 | 12兆2346億円 | 11.11% |
うち科学光学機器 | 2兆3793億円 | 2.16% |
4位:化学製品 | 11兆5273億円 | 10.46% |
うち有機化合物 | 2兆1292億円 | 1.93% |
5位:原料別製品 | 9兆0688億円 | 8.23% |
6位:食料品及び動物 | 8兆2616億円 | 7.50% |
7位:原材料 | 6兆9297億円 | 6.29% |
うち非鉄金属鉱 | 2兆4262億円 | 2.20% |
8位:特殊取扱品 | 1兆9343億円 | 1.76% |
9位:飲料及びたばこ | 1兆0741億円 | 0.97% |
10位:動植物性油脂 | 2958億円 | 0.27% |
(【出所】財務省普通貿易統計データをもとに作成)
2023年の事例でいえば、輸入額110兆1711億円のうち、まず、雑製品が12兆2346億円で輸入額全体の11.11%を占めており、これにPC類が3兆9457億円(3.58%)、スマホ類が3兆1036億円(2.82%)などが続きます。
ついでに指摘しておくと、「日本は食料や資源を大量に輸入している国だ」、「日本の輸入品目の大半は資源や食料で占められている」、といった印象を持つ人がいるようですが、これについては半分は正解で、半分は不正解です。
輸入品目については、たしかに石油、石炭、LNGといった「鉱物性燃料」が全体の24.79%に相当する27兆3142億円に達しているのですが、それ以外は「食料品及び動物」が8兆2616億円で7.50%、「原材料」は6兆9297億円で6.29%に過ぎません。
いずれにせよ、こうした「数値に基づく議論」は大変に重要であり、実際の品目別の数値などの議論を無視し、感覚だけで「日本は食料自給率が低い」だの、「資源の輸入大国だ」だのとあまり軽率に決めつけないようにしたいものです。
農業よりも半導体産業の方が付加価値は高いのでは?
さて、余談はこのくらいとして、本稿は以下、輸出に焦点を当てて、もう少し議論を深堀していきます。
上記までの議論で、日本は川下産業が廃れたとはいえ、川上産業については依然として強く、製造立国であり続けていることは間違いありません。
この点、週末の『台湾TSMC熊本工場稼働で深まる日台「半導体同盟」』でも取り上げたとおり、日本は最近、産業的な結びつきをとくに強めており、とりわけ台湾半導体メーカーのTSMCの熊本工場の稼働状況次第では、日本の産業・貿易構造自体も変化していくかもしれません。
また、ここで挙げているのはあくまでも『普通貿易統計』に基づくデータであり、この統計に乗って来ない品目(たとえば漫画やアニメ、ゲーム、音楽といったコンテンツ)の輸出入の状況については、貿易統計だけだと、よくわかりません。
ただ、客観的事実として、「現時点の産業構造」に照らすならば、日本が工業製品(とりわけ「モノを作るためのモノ」)の輸出に強みを持っていることは間違いありません。
こうしたなかで、大手メディアのなかには半導体産業を敵視するかのような記事を掲載することもあるようです。先日も取り上げた、朝日新聞デジタル日本語版が掲載したこんな記事は、その典型例でしょう。
TSMC進出で土地不足 悩む農家「おなか減っても半導体は食えん」
―――2024年2月22日 7時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より
もちろん、農業そのものは大変重要な産業であり、当ウェブサイトとしてもそのことを否定するつもりは毛頭ありません。しかし、「半導体工場ができたら酪農などの用地がなくなるから問題だ」、などとする主張に対しては、少々、反応に困ります。
普通に考えたら、面積当たりが生み出す付加価値は、農業よりも工業――とりわけ半導体産業――の方が遥かに大きいからです。
当たり前ですが、半導体自体は食品ではありませんので、半導体「を」食べることはできませんが、半導体「で」食べることはできます。あくまでも一般論ですが、半導体は付加価値が高く、作った半導体を売却すれば、普通に儲かるからです。
あまり手厳しいことを言いたくないのですが、新聞社が儲からなくなっているとされる理由の一端は、新聞社の側にもあるのかもしれません。
読売「EU新規制で日本酒が禁輸の危機に」
こうしたなかで、改めて考えておきたいのが、日本政府(とくに農水省あたり)が推進している、日本の食べ物や飲み物の輸出です。
なぜこんな話を持ち出したのかといえば、読売新聞が24日、こんな記事を配信したからです。
人気の日本酒がEUで「禁輸」危機…30年以降に瓶の再利用義務化、政府が除外目指し外交攻勢
―――2024/02/24 05:00付 読売新聞オンラインより
読売新聞によると、欧州連合(EU)では現在、2030年以降に瓶や缶の再資源化を義務付ける新規制が検討されており、2030年以降には現地で瓶を洗って再利用するのが難しい日本酒が事実上の禁輸対象となる、などとしたうえで、こう述べます。
「欧州の和食レストランなどで消費される日本酒の4合瓶や一升瓶を現地で回収し、再利用すると膨大なコストがかかるため、現実的ではない。このまま規制案が成立すれば、事実上の禁輸対象となる」。
しかも、読売によるとウイスキーなどの蒸留酒やワインについては「地元メーカーへの打撃が大きいとして義務を免除された」のだそうですが、輸入品である日本酒は規制対象のままで、「輸出に力を注ぐ日本政府は対象から外すよう外交攻勢をかけている」、などとしています。
これに関しては正直、由々しき問題であるという言い方もできますが、そもそも日本経済にどれだけの打撃をもたらすのか、といった観点からも、冷静な考察が必要です。
図表1に示した通り、日本の輸出額100兆8817億円のうち、「食料品及び動物」は9204億円で0.91%、「飲料及びたばこ」は2075億円で0.21%であり、概況品で最も少ない「動植物性油脂」に至っては520億円で、全体の0.05%に過ぎません(「飲料及びたばこ」の内訳は、「飲料」が1897億円です)。
もちろん、美味しい日本産の食品や酒などについては、輸出品としてはそれなりに将来有望だ、という主張も、わからないではありません。
しかし、日本が工業製品の輸出大国であり、輸出額が「半導体製造装置」と「半導体等電子部品」だけで9兆円を超えているという現状を踏まえるならば、たとえば現在は1897億円に過ぎない「飲料」が日本の輸出の柱になることは考え辛いところです。
結局、観光業などと同様、農作物の輸出に関しても、自然体で良いのではないかと思います(「日本の消費者」という立場にある私たち日本人にとっては、美味しい日本の食品や酒の味を外国人に知られてしまうのが好ましいのか、という話は、本稿ではいったん脇に置きます)。
パック酒やカップ酒を輸出すれば良いのでは?
「瓶が規制されたら日本酒が欧州に輸出できなくなる」のが事実だとして、「それで日本経済に打撃が生じる」、という点に関しても、ちょっとしたファクトチェックをしておく必要があるかもしれません。
読売の記事では、「世界的に日本酒の人気は高まっており、EU域内への輸出額は18年の約13億円から22年には約20億円に上昇している」、などと記載されているのですが(ちなみに統計上、22年の清酒の輸出額は18億2934万円です)、このあたりも統計を冷静に読むと、また違った姿が見えてきます。
そもそも読売新聞の記事が話題にしているのはEU規制であり、「飲料」1897億円のすべてが影響を受けるというわけではありません。飲料の内訳について眺めていくと、影響額はさらに少なくなります。
たとえば「清酒」の輸出額はトータルで411億円であり、うち欧州(英国、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア)向けは19億円に過ぎません。これに対し、「ウイスキー」はトータルで501億円、うち欧州(オランダ、フランス、英国、ラトビア)向けが112億円で、むしろ清酒よりもウィスキーの方が多いくらいです。
なお、個人的な感想を申し上げるならば、このEUの新規制が導入されたところで、果たして日本の清酒などの輸出が減るのかに関しては疑問です。日本だと一升瓶などではなく、すでに「カップ酒」、「パック酒」、さらには「パウチ酒」などの製品も出ているからです。
そもそも江戸時代の日本酒はガラスの瓶などではなく、酒樽や徳利などに入れて運搬されていたようであり、ガラス瓶が登場したのは明治以降のことだと考えられます。もちろん、カップ酒やパック酒には「安酒」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、日本酒自体、時代的に見て、容器は変遷しているのです。
欧州新規制が出て来たとしても、美味しい酒に対する需要が変わることはないはずです(著者私見)し、また、欧州向け日本酒が紙パック製になれば、むしろ輸送効率は上昇しそうなものですが、いかがでしょうか。
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ガラス瓶の溶解リサイクルでは「透明」「茶色」「その他の色」に 分別回収が不可欠です。
他の色の瓶が混じると 再生品の色が変わって再利用できません。
「その他の色」には 緑色が多く、輸入ワインに使われていることが多いようです。
日本のリサイクルシステムに負担をかける 緑や青の瓶の使用制限は 根拠のある対抗措置になると思います。
近年、欧米でも日本酒が地味に人気を拡大していることが地元のワイン業界の危機感をあおったのかなあ、とも感じます。
もしくは、欧州では既に現地での日本酒生産も始まっていますし、その地元産業としての日本酒の消費を拡大して、日本からシェアを奪いたいという考えもあるかもしれません。
とはいえ、現時点での欧州産日本酒は…なんというか、素朴な味わいなのですが。
あ、あくまで個人の感想です。
お酒に興味が無い方には意外かもしれませんが、ジャパニーズウイスキーは既に世界五大産地の一角とされ、去年は竹鶴がブレンデッドモルトで世界最高賞をとり、日本産のジンやラムも「極東で作られた理解ってないモノ」などとは言われもせず高評価のようです。製造環境さえ整えられれば、じきに海外で良い日本酒が出来るかもしれませんね。"日本の産業にとって"良いことかは微妙になりますが。
むしろ洗練される前の今の欧州日本酒を飲んでみたいですね、今のうちに(笑)
EU議員から、EUの有権者でもあるワイン業者の関心をひくために、日本にEU産の酒の輸入を義務づさせようという声があがるのではないでしょうか。(もちろん、これが多数の意見になるかは分かりませんし、EU以外からも同じような声があがるかもしれません)
毎度、ばかばかしいお話を。
EUののん兵衛:「酒の規制は何もするな」
まあ、日本も同じですが。
>日本は川下産業が廃れたとはいえ、川上産業については依然として強く
おそらく付加価値を生まないような工程は人件費の安い海外に出しているのだろう。
例えばソニーのテレビ。日本にソニーのテレビを組み立てる工場はあるのだろうか?
海外で組み立て日本に輸入、あるいは第三国に輸出していると思う。
もっと付加価値を生むビジネスに移っていったのだ。例えば映画、音楽、ゲーム、金融。
GEも家電部門を中国ハイアールに売却した。ソニーもいずれ家電部門を売るかもしれない。
川下産業が付加価値を生まないというのは誤り。
日本メーカーのテレビや家電なんて日本以外で売っているのを探すのが難しい。それほど売れてない。競争の舞台にさえ立ててないのが実態。
ワインは瓶詰め完成品ではなくバルクでの輸出入が行われています。ただしワイナリーごとには分かれはするものの、ワイン自体の品質はばらついたものが混合され、それで許される最終製品に使われる(ブレンド)といった具合のよう。このブレンドが許されるかどうかという点が、日本人が馴染み、そして外国人客が高評価をする"日本酒"との違いかもしれません(所謂、生一本)。最近はこの洋酒では普通に行われるブレンドというものを日本酒でもポジティブに使おうというスタートアップ企業があったりするとの記事も見ました。
新宿会計士様の仰るような紙パックでの完成品化や(こちらは品質が確保できるなら生一本でもいけるのかしら?)、バルク輸送とブレンドによって評価を保ったままの大量輸送など、「そんなんじゃ日本酒じゃないよ」と言われないような(案外とこれを言うのは日本人側だけな可能性も)製品、輸出形態が確立されれば、革新になる可能性はありますね。そもそも日本酒は「製造の手間や品質の割に既にあまりに安すぎる」とも言われており、輸送効率と総売上高を上げつつも安易に値下げしないことで、是正に貢献するかもしれません。「日本に行けば高級上等な生一本を飲める」といった新たな価値も生まれる?
となると、安酒化で評判を落としたり、どっかの国が便乗して類似品や低品質品を流し込んだり、などを先読みした対策も必要になりそうですが。
早速数字を無視した議論になってしまいました。素人部外者酒好きの感想程度で。
ワインが全てバルクのような文章になってしましました。
✕ワインは瓶詰め完成品ではなくバルクでの輸出入が行われています
◯ワインは瓶詰め完成品だけではなくバルクでの輸出入も行われています
>「日本の消費者」という立場にある私たち日本人にとっては、美味しい日本の食品や酒の味を外国人に知られてしまうのが好ましいのか、という話は、本稿ではいったん脇に置きます
これは、全く同感です。同じ事を思っている方がいるものなんですね。
余り、日本食の美味しさを広めてしまうと、食材の争奪戦になり、日本人が食べられなくなります。マグロなんか、そうなりつつあるのではないか?
酒樽ごと欧州に売りつけて大儲けするという登り龍の年辰年にふさわしい妄想が湧きました。
地方の地場産業活性化の方策の一つとして、地場産業製品同士のコラボ商品の開発をしようという試みがあるようです。
地元の有名な和菓子を、地元特産の和紙で包装した商品を開発するとか、地元の酒を地元の陶器に容れて、新しいブランドとして販売するとか。
日本酒が、欧州で瓶での販売が出来なくなるのであれば、日本の陶製の徳利で販売すれば、日本の陶器の販売にも繋がります。日本食レストランで、どのような形で供されているのか分かりませんが、日本の徳利や銚子や御猪口で、日本酒を饗すれば、日本尽くしになります。
日本の陶芸ブランドを立ち上げて、そのブランドと有名な日本酒のコラボ商品を作るというのもありです。
これは、かなり勝算のあるビジネスになりそうです。
早速、誰か考えているかもしれません。
ガソリン車の規制同様、日本に対するレイシズムが露骨に感じられるのは考えすぎでしょうか?
デフレ禍でマクド社のハンバーガー60円は一口食べたら不味い!犬にでもやろうかなという気分でした。これが一個500円になると、これが世界で一番の軽食チェーンで世界で一番売れているハンバーガーか。バンズは肉厚で最高!ピクルスの酸味と苦味が絶妙にマッチしている!うまい最高の食べ物では無いか!となると思います。
日本酒も高ければ高いで、食べる人が勝手にイメージして、まるで高瀬川や伏見で三十石船に乗っている幻覚に包まれありがたーく飲むと思います。
船舶品のブランド価値は量や質より値段のような気がします。これはマッコリが逆立ちをしても出せないブランド価値でだと思います。
もっとも寿司のお供に出すSAKEに質の妥協は許されないと思いますけれど。